ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web
ヴァイオリン・ウェブ | Violin Web

弓の良い素材について | ヴァイオリン掲示板

ヴァイオリン好きのための情報サイト ヴァイオリン・ウェブ
楽器・付属品 91 Comments
[42401]

弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月10日 19:56
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
一般に弓の材料としてフェルナンブコ(ブラジルボク)が優れているとされて
いますが、フェルナンブコの実態はあまり知られていません。また、トゥルテの時代のフェルナンブコのほうが20世紀のフェルナンブコより良質だったのではないかという説があるようです。このあたりについて検証してみたいと思います。
ヴァイオリン掲示板に戻る
7 / 10 ページ [ 91コメント ]
[42495]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月20日 00:23
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
検索してみると、Classic New Hampshire preserving the Granite State in changing times (Linda Landry著)という本に4ページにわたってLynn Hanningsの人柄や弓製作に関する考え方が紹介されていました。

弓毛は150本がちょうど良いという話もありましたが、特に興味深いのは以下の部分です。

-----
"It can be a fight every day for the musician to use their bow, and it
shouldn't be that way,"Lynn explains."Changing the weight of the
bow by only one gram -- that's about for paper clips -- can totally
change the musician's approach to the instrument and can
dramatically influence the musician's health."

”(バランスの悪い弓を使ったりすると)音楽家が弓を日々使うことは戦いかもしれませんが、そんなことではいけません。”弓の重さを1グラム(紙クリップ4個分ほど)変えるだけで、音楽家の楽器へのアプローチを根本的に変えてしまうかもしれず、そのため音楽家の健康に劇的に影響するかもしれません。
-----

プロにとって4g重い弓を使うということはとんでもないことかもしれませんね。

うーん さま、何か質問されていましたか?VSAコンペティションの弓審査員経験者が、栽培したフェルナンブコで良い弓が出来たと述べている以上に何か知りたいことでもあるのですか?
[42496]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月20日 01:38
投稿者:うーん(ID:JBFVl0Q)
>何か知りたいことでもあるのですか?

[42488]
[42488]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月19日 08:18
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
catgutさん、
>Hanningsは本人がプロのコントラバス奏者でもあります。
>さすがに本人の評価を信じられないなら

という権威主義を貫くのであれば、ガラミアという大ヴァイオリン教師が述べたと言われる「ヴィブラートは下にかける」を信じるということですね。
catgutさんは、最終的には権威主義ではなく、実験によるデータなど物証、事実を大事にする方だと思っておりましたが、そうではなくその手前の浅いところで終わってしまうように変わってしまわれたことを悲しく思います。ポリシーはとても重要で、それにより、その人の言葉の重みは変わります。

最後に、再々度聞きますが、catgutさん、
Hanningsのその会心の出来の弓(Perfectな弓)は、なんという名前の著名演奏家が、どのような演奏会で使っているのでしょうか。道具は、使われ十分な働きをしたときに初めて評価されるのです。

[42485]
[42485]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月19日 01:02
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
catgutさん
>カルボナーレさま、
>「総じて、テクニック面では現在の小学生のトップレベルの方が勝っているように思います。うまいか、下手かという点では、現在の尺度でみるとほとんど下手に属します。」だとすると、サラサーテやカザルスよりもその次の世代は下手になってしまったのですか?

についてですが、私は20世紀前半という表現を用いず、「20世紀初頭の演奏家について」と断った上で書き込んでいます。ちゃんと読まれましたか。まず前回書いた通り、サラサーテとカザルスは1世代違いますので、カザルスが本当に活躍したのは20世紀初頭ではなくそれ以降に含まれると私はうけとめています。
20世紀初頭と書かせていただいた通り、サラサーテ含むその世代およびそれ以前の世代については、上記の通り、テクニック的には今の基準でみると下手だと思います。1920年以降に米国で活躍した演奏家については、テクニックを磨き、音量も十分にもち、それまでの世代とはまったく違う、現在の演奏のベースとなる演奏をしていると思います。
>サラサーテやカザルスよりもその次の世代は下手になってしまったのですか?
とは、まったく言っておらず、サラサーテ以前は下手だった、と言っているのです。
私の推薦した音源は聴かれましたか?

また、再度聞きますが、catgutさん、
Hanningsのその会心の出来の弓(Perfectな弓)は、なんという名前の著名演奏家が、どのような演奏会で使っているのでしょうか。道具は、使われ十分な働きをしたときに初めて評価されるのです。
ガラミアンという著名ヴァイオリン教師が言ったと言われるビブラートのかけ方に反論したcatgutさんですから、単に著名人の言った事の言葉尻をそのまま真に受けるなんてはずはないですよね。

[42469]
[42469]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月18日 01:15
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
catgutさん、
>Hanningsの評価
について、どれほど高い評価がなされているのか、第三者が行っているものを複数、出典とともにあげてください。
申し訳ありませんが、私は弓製作者としてのその名前を存じ上げません。それを無知であるとして恥じなければならないだけの製作者なのでしょうか。
また、その会心の出来の弓は、なんという名前の著名演奏家が、どのような演奏会で使っているのでしょうか。道具は、使われ十分な働きをしたときに初めて評価されるのです。

>サラサーテやカザルスのサンプルが聞けますが、彼らの素晴らしさが十分わかります。

二人を同一にカテゴライズする神経がわかりません。
サラサーテの次の世代がカザルス、カザルスと同じ世代がクライスラー、その次の世代がハイフェッツです。
1844-1908 サラサーテ 1860年代から演奏活動開始
1876-1973 カザルス 1899年デビュー
1875- 1962 クライスラー 1890年代に本格デビュー
1901-1987 ハイフェッツ 1910年代にデビュー

私の中の分類では、カザルス、クライスラーは現代の奏法の先駆け、前の世代のやり方を大きく変えた革命児という位置づけです。
サラサーテは、基本的には19世紀の演奏家であり、奏法も前時代的です。

Hanningsのその会心の出来の弓(Perfectな弓)は、なんという名前の著名演奏家が、どのような演奏会で使っているのでしょうか。
[42499]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月20日 08:27
投稿者:Tetsuya Kimura(ID:InUQklg)
弓やPernambucoに興味がある方は、IPCI-Canada から出版予定の”The Conservation, Restoration, and Repair of Stringed Instruments and Their Bows”、という本を買ってみるのも良いでしょう。$1195なので気軽に手はだせませんが。(笑)
[42500]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月20日 09:55
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
プロにとって4g”軽い”弓を使うということはとんでもないことかもしれませんね。

ですから、棹は同じものでも、好みに合わせて、好きにチューンナップするのでしょう。重さはその最終結果でしかありません。このスレッドの本題との直接の関係はありませんが、とりあえず上記書いておきます。

木は古いもの方が音がよいという世界の中で、ヴァイオリン本体は、ネックやバスバーや指板が付け替えられ、また顎当てやアジャスタが取り付けられて、モダン仕様に改造され、弦も様々な材料で多種多用なものが生まれ、弓も棹以外の部分が変わって行く。これは様々な環境変化や演奏の変化(一応catgutさんの顔をたててここでは進化とは書かずにおきましょう)による、必然であり、もとに戻ることは基本的には後退を意味します。

古き良き時代と思う期間があり、そこでの演奏を愛してやまないのであれば、その時代の楽器、弓、弦を使って、その時代のマナーで演奏することは、当然その方の自由であり、それにより個人的な満足感が得られるなら、まったく否定するものではありません。しかし、一歩商業ベースになれば、善し悪しを決めるのは聴き手、お客様ですので、それが通用するかは淘汰の中で自然に決まります。
[42501]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月20日 11:18
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
Tetsuya Kimuraさま、情報どうもありがとうございます。

この本ですね。
ttp://www.ipci-canada.org/about/contents
Part 1.
Pernambuco and Its Conservation
Pernambuco: The Tree that Brings Forth Music
Haroldo C. de Lima
Conservative Milling of Caesalpinia echinata for Bow Making
Charles Espey
Substitute Materials in Bow Making
Benoît Rolland
Using Pernambuco Scraps for Tailpieces and Pegs
Eric Meyer
Alternative Woods for Bow Making
John B. Aniano

フェルナンブコの代替植物についても書かれているようです。

ご存知と思いますが全般的なフェルナンブコの状況の解説については以下の記事が良いですね。

ttp://www.ipci-deutschland.org/aktuell_medien.html
・Saving the Music Tree
Smithsonian Magazine掲載記事のPDF版。全文が登録されています。

・Der Baum, der Geigen zum Klingen bringt
ドイツ語。抄訳が以下にあります。
ttp://tkyabe.com/blog/2007/10/post_214/


以下のサイトでは半加工済み(BLANK)のフェルナンブコがLUCCHIメーターの測定値ごとに1本あたり75.6ドルから販売されています。
これらは違法伐採でない上、半加工済みであるため、違法伐採かもしれない原木の値段よりは数倍高いのでしょう。
ttp://www.bowsupplies.com/contents/en-us/d25.html
All raw pernambuco wood blanks come with a CITES certificate.

カルボナーレさま、
私の思い過ごしかもしれませんが、20世紀後半に登場した一流ソリストは、高齢になると公開演奏をされなくなる方が多いような気がします。単にマーケティングやメンタルの問題かもしれませんが、運動能力が落ちると公開演奏が厳しくなったり、高音での難聴傾向が出てきたりしているのかもしれません。そうだとすると重い弓が必要になった演奏スタイルも一因でしょう。

うーん さま、[42487]
[42487]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月19日 07:39
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
コゲさま、

「ヤマハの楽器」ってヤマハのギターのことですか?木質加工技術であるA.R.Eは少なくとも現状ヤマハの国内モデルのヴァイオリンには使われていませんよ。

カルボナーレさま、

私にはサラサーテが下手だなととは全く思えません。youtubeにいくつかの録音が登録されていますので聞きなおされてみてはいかがでしょうか。
Hanningsは本人がプロのコントラバス奏者でもあります。さすがに本人の評価を信じられないなら、例えばプロのカルテット(Madison String Quartet)のメンバであるMichael Avagliano氏が"I also like Lynn Hannings --
her bows have a suppleness about them that I find very easy to play
with."とviolinist.comの掲示板に書かれています。

ttp://www.violinist.com/discussion/response.cfm?ID=5912
をよくお読みください。
[42502]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月20日 14:28
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
catgutさん、
>私の思い過ごしかもしれませんが、20世紀後半に登場した一流ソリストは、高齢になると公開演奏をされなくなる方が多いような気がします。

具体的に、20世紀後半に登場した一流ソリストで、高齢になって公開演奏をしなくなった人の例をあげていただけませんか。
また、20世紀後半に登場した一流ソリストを数名名前をあげて、いつ引退したかの情報と、比較のため、20世紀の第一クオータ、と第二クオータに活躍したソリストについてもおなじようにまとめていただければ、誰でもわかるようになります。

個人的には、65歳くらいを超えたあたりで急激に衰えが見られるようになり(=音程が悪くなったり、張りのある演奏ができなくなったりする)、潔くソロ活動から引退する人と、ある程度曲やジャンルを絞って演奏する人と、衰えは気にせずそのまま演奏を続ける人に分かれるような気がします。70歳を超えて、まだ音程もダイナミックレンジも健在な人は、まれに存在しますが、ある意味超人の域に達しているのでしょう。
例えば、パールマンが1945年生まれ、クレーメルが1947年生まれ、ズーカーマンが1948年生まれですので、もうじき、その境目に入ってくるのだと思います。
[42503]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月21日 00:16
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
フェルナンブコにも何か事実ではない神話のようなものがまとわりついているようですが、結局どんなに素晴らしい弓も物理的に振動している棒に過ぎないわけです。代替植物や新素材に移行できるかもしれないのに、シーシェパードのような過激な環境保護団体に命を狙われるリスクを冒してまで「自生のフェルナンブコ」にこだわるのは馬鹿馬鹿しいことです。

カルボナーレさま、
あまり高齢でないにもかかわらずソロ演奏を行わなくなったイザイや交通事故で瀕死となったクライスラーの例もありますが、20世紀初頭までに技術を習得した超一流のソリストは衰えはあるにしてもかなり高齢までコンサートを行っていた人が少なくない印象が私にはあります。80歳を越えたヘンデルやギトリスもご健在ですし。

ティボー(72歳で来日公演のため移動中飛行機事故死)
エルマン(76歳の時リサイタルの準備中死去)
シゲティ(68歳頃までリサイタルを行う)
ハイフェッツ(71歳頃ラストコンサートを行う)
フランチェスカッティ(74歳頃までコンサートを行う)
ミルシテイン(82歳頃ラストコンサートを行う)

パールマン(1945年生まれ)、ズーカーマン(1948年生まれ)、チョンキョンファ(1948年生まれ)などは日本では最近はコンサートの話をあまり聞かない気がしますが活発に活動されているのでしょうか。クレーメルはまだまだ元気そうですね。
[42505]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月21日 01:59
投稿者:コゲ(ID:N5eRRzY)
天然マグロの養殖マグロの例を挙げておられましたが、
天然と養殖の主な違いはウナギや鮎もそうである様に、脂身の量です。
自然界で育ったものと較べ、生存競争の格段に緩やかな環境に起因して、
養殖物は全身の身がトロのごとく脂身を含んでいるそうです。
(だから天然物よりも美味いと言う人が多い。)

ペルナンブコの栽培も、自然破壊を考えれば良い選択と言えるでしょうが、
自然界で生存競争に勝ち残ったり他の植物と共生して育った木と、
人口栽培でぬくぬくと育った木を即、同列に置けるものでしょうか。
売る側の巧みなセールストークにも思えるのですが。
わざわざ欠点を広告に書く人もいないでしょうしねえ。
[42509]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月21日 07:11
投稿者:コゲ(ID:N5eRRzY)
そう言えば17~8年前でしたか、先代もご健在だった頃の杉藤楽弓社から、
「ケランジボー」なる弓が発売された事がありましたな。

「ストリング」誌に載った広告によれば、
ペルナンブコと同じ豆科の木から作られ、
樹脂の注入なども全くしていないのに信じられない程バネが強く、
しかも低価格(ヴァイオリン弓で10万円くらいでしたか)で、
まさにペカットの再来…とまあうろ覚えですが、
ずいぶん景気の良い内容の広告という印象でした。

その後数年私は弦楽器の趣味から離れ、
再開した頃には広告も載っておらず、
杉藤のラインナップからも消えており、
現在の同社の歴史からは、その様な商品を扱っていた事には少しも言及されていない様です。

その後、あれは実は圧縮材を使用した弓で、
強度が不足していた為販売中止になったとの噂を耳にしたりしましたが、
はっきりした事は分からないままです

いったいあれは何だったのでしょうか?
[42510]

Re: 弓の良い素材について

投稿日時:2010年02月21日 07:57
投稿者:pochi(ID:KFYpcJE)
コゲ氏、
養殖マグロは生産量が少ないので食べた事のある人は例外的でしょう。殆どが畜養マグロですね。

例示としては朝鮮人参の方が良いでしょう。天然物は非常に高価です。よく似たもので少し違った薬効のあるものとしてエゾウコギ・田七人参・チベット人参があります。

ペルナンブーコによく似たインドネシアの木が使われるなんて事もあったと思います。

弓で使われた、タキソール・タキソテールのイチイは比重が小さすぎるのでしょうか?
ヴァイオリン掲示板に戻る
7 / 10 ページ [ 91コメント ]

関連スレッド