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ストラディヴァリのニス | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 70 Comments
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ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月08日 22:31
投稿者:catgut(ID:EIVkJFQ)
maestronet掲示板の以下のスレッドのpost #76にストラディヴァリのニスの調査結果のPDFが添付されていました。

ttp://www.maestronet.com/forum/index.php?showtopic=320849&st=60

Echard_2010_Angew_English.pdf ( 482.22K )

シンクロトロンとか、島津製作所の分析装置とかを使っていて、つい笑ってしまうくらい凄い調査内容です。
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【ご参考】
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Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月19日 00:27
投稿者:catgut(ID:EDNYgpY)
コゲさま、

徳永二男氏が試奏されたヴァイオリンは状況から考えて以下の「化学処理」を行ったものと思われます。

ttp://ci.nii.ac.jp/naid/110002298519
化学処理によるバイオリンの音質向上
ttp://www2u.biglobe.ne.jp/~sobanoka/solist/kagaku.htm
化学バイオリン

この「化学処理」はヤマハが特許取得している水蒸気中で温度と圧力を細かくコントロールする方法(サーモウッドの製造と類似の方法)とは全く違います。もしヤマハの方法で1年で音が悪くなるなら、A.R.E.技術を使ったギターのクレームがヤマハに殺到しているでしょうね。
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Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月19日 08:57
投稿者:catgut(ID:EDNYgpY)
「ストラディヴァリの真似」が絶対であり、ストラディヴァリがやったことはやるべきだし、やらなかったことはやるべきでないという思い込みが大半の製作者にも購入者にもあるように思います。

しかし実際はニスに関してはストラディヴァリがやらなかったことをやったと思い込んで19世紀以降の製作者は多くの時間を費やしてしまっていたわけです。

確かにストラディヴァリ自身は人工的に木を古化させたりはしなかったでしょうが、その死後数十年の間はシュタイナーやアマティの評価のほうがずっと上でした。楽器のモダン化改造によってストラディヴァリの評価が高くなったという面もありますが、やはり当時から古いヴァイオリンのほうが音が良いということは知られていたでしょう。ストラディヴァリ自身も「俺の楽器も古くできればもっと高く評価されるのになあ」とぼやいていたかもしれません。
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Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月19日 09:44
投稿者:コゲ(ID:NCB3UYk)
ヴァイオリンとギターを同列に論じるのは適当かは置いとくとして・・・

ヤマハの楽器がその「化学処理」とやらをほどこした楽器とは違って、
銘器のように長持ちすることを証明した具体的なデータはあるでしょうか。

銘器と同列に並べ称すならば、かつて銘器のたどったごとく、
数百年・・・あるいは少なくともモダン楽器に改造されて以後の百数十年・・・と同等の年月、
一流奏者の使用に堪える物でなければなりませんが、
実際にはそういった奏者のメイン楽器としての選択肢にも入れていないのが現状なのではありませんか。

最先端技術を使って作られるレーシングカーだって、
風洞実験やコンピュータシミュレーションによるセッティングだけでは、
実戦を戦うには充分でないのですよ。
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Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月19日 12:30
投稿者:catgut(ID:EDNYgpY)
ヤマハの技術では一切化学薬品は使用していません。温度・湿度・圧力などを細かくコントロールした木材加工技術が現れたのはこの数十年ですから、自然状態での耐久性の実証試験は限度があるでしょうが、サーモウッドの評価結果にもあるように、加速試験などで評価し問題がないことを確認していると思われます。

サーモウッドの耐候性(加速試験結果)
ttp://www.woodwise.jp/img/k_sokuhinshiken.pdf
サーモウッドの寸法安定性
ttp://www.woodwise.jp/konetsu/TW_In_Focus_Kankyo_shiken_v1.pdf
サーモウッドの強度特性
ttp://www.woodwise.jp/img/k_kyodoshiken.pdf

自然の木であっても経年変化による「賞味期限」があります。
ストラディヴァリでさえ最高評価になったのは製作してから100年程度経ってからです。そして、すでに1950年頃には、クレモナのオールドヴァイオリンの中には経年変化が進み過ぎて演奏に適さなくなったものが少なくないとパンシェルルらが書いています。自然の木であっても、最高のコンディションといえるのは100年-200年程度の間でしょう。
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Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月19日 15:07
投稿者:コゲ(ID:NCB3UYk)
徳永氏のお話の中にも薬品を使用したという記述はありませんね。

要するに、「ヤマハの」乾燥技術を使った「ヴァイオリン」が「一流の演奏家の演奏に長年耐え得るかどうか」のデータは無いわけですね。

銘器とは、一流演奏家が一生、あるいは人生の貴重な何分の一かを共にする気にさせる、という点も大きな要素だと思いますが、
ヤマハの主張はどうあれ、現状はヤマハ主催のコンサートなどで単発的に弾くのみにとどまっているのではありませんか。
つまり銘器と較べる為のスタートラインにも立てていないわけです。
こんな現状で銘器と並び称すなどは時期尚早かと。

漆原啓子さんもブログで、
「プロの演奏家が使える物が出来るまでには、まだまだ時間がかかるとは思いますが」
と感想を述べられています。
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Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月19日 18:00
投稿者:catgut(ID:EDNYgpY)
古い楽器を調整した経験がある方はご存知の通り、100年以上経った魂柱は新しい魂柱とは全然違う物質といってもいいくらい違います。古いものはかなり硬く、脆い感じです。イメージで言えば焼いた食パンと生の食パンの違いのようなものでしょうか。

ストラディヴァリと同様の音を得るためには、木の経年変化は十分条件ではありませんが、必要条件ではあると思います。ヤマハが加工した木や、サーモウッドは自然に経年変化した木とはやや違う性質があるかもしれませんが、このような木を使ってヴァイオリンを製作して見ることは実に挑戦的なことだと思います。

ストラディヴァリ自身、アーチを高くしたり低くしたり、パターンを長くしたり短くしたり、実に過激な挑戦をした人です。もしストラディヴァリが木質改善技術を知っていたら間違いなく試してみたことでしょう。従来ニスにかけていた時間をこのような挑戦に回したほうがずっと面白い結果が得られるのではないかと思います。
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Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月19日 19:43
投稿者:QB(ID:NUZwmDc)
百年以上経った魂柱と言うのは、よほど特殊な場合を除いて、お目にかかることは稀です。
(例:どこかのお屋敷に相当期間、忘れられていた楽器がひょんなことから発見されて、まったく未調整のままオークションに出てきた)
[42111]

Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月20日 03:12
投稿者:通りすがり(ID:N2EXETU)
>従来ニスにかけていた時間をこのような挑戦に回したほうがずっと面白い結果が得られるのではないかと思います。

このスレッドはニスの話をするところではないのでしょうか。
スレ主自ら荒らしてどうすんの?
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Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月22日 00:17
投稿者:catgut(ID:EDNYgpY)
なぜか一部のメッセージが消えているようですね。

すでに板に染み込んだ物質の厚みも以下の調査結果に掲載されていました。

ttp://www.maestronet.com/forum/index.php?showtopic=320849&st=60&p=450793&#entry450793
Echard_2010_Angew_English.pdf

This material penetrates to an approximate depth ranging between 10 and 30 micro meter into the spruce soundboards (“Davidoff” and “Provigny” samples Figure 1) and between 30 and 100 micro meter into maple (viola damore and “Long Pattern”), depending on the orientation of the medullar rays in the wood.

つまり、2、3mm程度の表板に対して10から30マイクロメーターしかニスが染み込んでいないということです。3mmの表板に30マイクロメーター染み込むのは、比率としては10cmの厚みの板に1ミリだけニスが染み込むのと同じことです。この程度で音に影響が出るとはとても思えません。

もう一つ興味深い論文がありました。
ttp://ci.nii.ac.jp/naid/110006570998
人為的促進老化処理したヒノキ材の切削抵抗

老化処理したヒノキを加工するときに、どのような配慮をすれば良いかの
参考になりそうです。
[42113]

Re: ストラディヴァリのニス

投稿日時:2009年12月22日 02:03
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
人間の表皮は0.2mm程度、真皮で2mm程度。
そんなもののためにお肌の手入れをしたり、一喜一憂したりすることは、catgutさんには、ばかばかしくて理解できないでしょうね。

メッキの世界では、1マイクロメータ以下のものも多く、10マイクロメーターもの厚みがあれば、それは分厚いものにカテゴライズされるように思います。

鏡の製造における、金属、塗装の厚みの例もあげておきます。
ttp://www.mie-glass.co.jp/D-4.htm

2~3mmの厚みのものに10~30マイクロメータのコーティングは、相当に分厚いものであり、なぜ”この程度で”などと言えるのか、私には理解できません。
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