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アントニオ・ストラディヴァリ / Antonio Stradivari | ヴァイオリン製作者ライブラリ

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アントニオ・ストラディヴァリ / Antonio Stradivari

現在、銘器の代名詞のように言われているのが、このストラディヴァリによって生み出された楽器である。多才さと完璧さで彼の右に出るものは彼以前も彼以降も現れていない。彼は生前から名工として名を成しており、王侯貴族からの注文も多くあったと言われている。非常に勤勉な性格から、生涯に約1000本近い弦楽器を製作し、650本ほどが現存すると言われる。ヴァイオリンの他、少数だがヴィオラ、チェロ、そしてギター、マンドリンも製作した。

その全ての作品は美しいアウトラインと精密な仕上げ、透明度が高く、燃えるような美しいニスを持つ。彼は自分の作品に誇りを持ち、はっきり彼の作品とわかるよう独自のラベルを貼った。弟子の手が多くかかっている楽器には「Sotto la disciplinn」のラベルを貼り、これを区別した。

ストラディヴァリの作品は製作時期により大きく4つの傾向に分類できる。最初はアマティ期と呼ばれ師匠ニコロ・アマティの影響があるとされる時期、次に1690年代のロング・パターンと呼ばれるモデルを製作した時期、そして1700~1720年の黄金期、最後に晩年期である。突出した技術を持ちながら、常に完成形を求めて試行錯誤を繰り返していたとも言える。

その音色は明るく澄み切っており、特に高音の輝かしい音色が特徴である。演奏家にとっては常に垂涎の存在であり、歴史的名演奏家の殆どが愛用したといっても過言ではない。