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雑談・その他 106 Comments
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ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年08月28日 10:23
投稿者:玉木宏樹(ID:JkN2cEU)
玉木です。
今月号の「ストリング」誌に
「音階と音程、その歴史と謎」という
タイトルで新連載を開始しました。
みなさんの感想をお待ちしています。

絶対音感のことが話題になっているようですが、
いずれその辺のことも書くことになるでしょう。
結論だけ言いますと、平均律での音当てクイズは
ヴァイオリンにとっては、悪い面の方が多いと思います。
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Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月14日 21:14
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
玉木さんの10月号ストリング拝読しました。私はセントや対数とか得意で
この記事はとても解りやすく思います。
ヘマンの著書への注釈としても優れています。
「ヴェルクマイスターが平均律の発明者」というのはヘマンの大誤解との
お説はまことにもっともです。平均律は20世紀に広まりましたので…。
ただし、ドイツ語から日本語に訳したときの誤訳の可能性ありですから、
ドイツ語原文をあたる必要があるでしょうね、ヘマンに濡れ衣着せない為。
Wohltemperierte を「平均律」と意訳というか誤訳して憚らない日本です。

なお、Mozartが中全音で弾いたかどうか、実験しないと危険な判断です。
藤枝さんの「響きの考古学」には明確に書かれていますが、MIDI音源を
用いた実験を試みたところ、大いに疑問があります。
ヤマハのMU2000音源を使い、インタネットの音律関係のサイトからMIDI
のファイルをダウンロードすると、
ヴェルクマイスター、アーロン、ジルバーマン
などの各種調律で曲を再生できます。
これでMozartのピアノソナタを再生したとき中全音系は無理と判断するに
至りました。ジルバーマンのミーントーンの如き、ウェルテンペラメント寄り
のものなら可能です。ジルバーマンでモーツァルトは調律した可能性あり
とすら感じます(シュタインはジルバーマンの系列ですから)。
こう考えると、モーツァルトを中全音より(三度優先の和声的音程)で弾く
のが正解とは、必ずしも判断できかねます。
正式には、中全音とウェルテンペラメントのピアノで比較演奏が必要です。
ヴァイオリンはMozartのソナタや協奏曲はほぼピタゴラスでよいと思うの
です。ただし緩徐楽章や、アレグロの第二主題には耳をすまして伴奏と
ハーモニーを楽しみたい、という意味なら、私も熱烈に賛成します。
[5943]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月15日 10:44
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
Geiger1951さんへ。
昨日は水野佐知香さんのリサイタル。モーツァルトのEmソナタを聴きながら
ミーントーンで演奏したらどうなるのかなと想像していました。
Geiger1951さんも結論を急ぎ過ぎです。ストリング誌の来月号は
「半音」がテーマです。ここでミーントーン時代の半音を説明しています。
モーツァルト時代のCisはDesより低く、今とは逆です。だから、モーツァルトを
ピタゴラスで弾いていいというのは少し強引です。来月号の半音問題を読んで
ご意見下さい。
Wohltemperierteは英語ではWell Temperament。このTemperamentを調整とか整律とか音律と訳さず、戦後の音友の楽語辞典で平均律と紹介してしまったのが誤訳の根源。だから、un equal Temperamentのことを、不等分平均律などという無茶苦茶な言葉を生み出した。
今では、放送大学の音楽の時間でも、Wohltemperierteを「平均律」と誤訳した名残で、バッハも平均律といっているが云々。
あなたは、サイトからのDLでとおっしゃっていますが、ご自分では作らないんですか。私は純正律音楽研究会を主宰し、自分のCDをいろんな調律でやるため、カーツウェル始め、シンセをコンピュータ制御して、いろんな音律で演奏しています。
ここでは、モーツァルトがミーントーンだったかどうかを私の意見ではなく、ぜひぜひ、ヶレタートの
「音律について」(シンフォニア刊)をお読み下さい。特に下巻では、モーツァルトがミーントーンだったこと、ハイドンは後半はキルンベルガー、ベートーベンは初期からキルンベルガーだったことが詳しく述べられています。そして最後には、各調性の色彩の違いについて、アナリーゼで詳しく解き明かしている画期的な著作です。音律研究には絶対に欠かせない聖書のような本です。もちろん、日本人の著作でも、溝部国光「正しい音階」平島達司「ゼロビートの再発見」も多いに参考になりますが。
[5956]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月15日 16:36
投稿者:玉木宏樹(ID:MjFnkkY)
IM生さん。
私は論争は嫌いなので、そんな積もりは一切有りませんので、ハハハ。

平島さんの本は現在入手困難です。神田の古賀書店に訊いても、買いたい人は沢山いるのに、
全然出てこないと顔しかめていました。
実は、純正律音楽研究会の会報のインタビュー記事で、版元だった東京音楽社(今のショパン社)の内藤社長との対談で、平島さんの思い出とか本を出した時代背景とかいろいろお伺いしました。
で、私はぜひ、復刻して欲しいとお願いしたんですが、社長もそうしたくてたまらないんだが、実は社長の手元にもきれいな本が残っていないとのこと。
この文章を読んで、自分はきれいな本を持っているという方、ぜひご連絡下さい。
世のため、人のため...........。ハハハ、オーバーかな。
[5962]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月15日 21:59
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
ミーントーンがどういう調律方法かよく知っています。
CisとDesがどうの、承知です。
でも実際に曲でミーントーンは難しいのですよ。
有名なイ短調ピアノソナタK310(あれ、ここヴァイオリンのサイトかな?)
はニ楽章でヘ短調の部分があります。
ところがイ短調ですから一時的にホ長調に転調します。
ミートーンではこれが両立しない。
ジルバーマンのミーントーンなら立派に弾けます。
でもプレトリウスやアーロンじゃ、主音をどれにとってもカヴァーできない。
あ、御免なさい、ヴァイオリンのサイトでした。
さようなら。
暮にモーツァルトのソナタ約束あるんで、今から練習。
[5964]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月16日 00:02
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
Geiger1951 さんへ。

ミーントーン調律の場合、オルガン以外は基音を変えられるんですよ。
C基音だけだったら、周り6調しか転調できないからその外には行けない。しかし、D基音、B基音、その他だったら、FmだろうがAmだろうが可能な調律はすぐに見つかります。

とにかく、一刻も早くケレタートを読んで下さい。
[5965]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月16日 00:10
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
っていうことは楽章の途中で楽器を変えるか、休憩して調律する。
そんなことがあるのでしょうか。
演奏効果を著しく削ぎますが……。ま、これも時代の差でしょうか。
ヴェルクマイスター知っていたモーツァルトならK.310はそれを使う、
という気がしますね。
結局推測ですから……
ケレタートは必ず読むことをお約束します。
呼んだ上で必ずご報告をいたしましょう。
ありがとうございました、でわでわ
[6008]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月18日 16:46
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
玉木先生へご報告
早速ケレタートの上下二巻本を購入(\5,000 高けぇー!)。
中全音やキルンベルガーは五度圏図でないのですが、同じらしいですね。
肝心のモーツァルト、ケレタートはキルンベルガーとも中全音のどちらとも
とれる曖昧な書き方で、おそらく彼自身迷っていると見ます。
私見を述べるなら、私の実験からしてモーツァルトのすべてのピアノ曲は
キルンベルガーで無理なく演奏できます。この部分はケレタートに同意。

もっとも困難な協奏曲K.595でも大丈夫です。展開部のあらゆる転調にも
耐えます。
しかし、中全音で協奏曲K.595はつらいですよ。変ロ長調ですが……
展開部ではロ短調が出ます。ゆえにケレタートの見解で半分は同意でき、
他の半分は私には不可解です。

彼はモーツァルトの作曲した調の統計を根拠にしましたね。
PソナタやVNソナタは弟子に弾かせる目的で書いたはずです。
言い換えると下手な人の技量に合わせています。
膨大なオケ用の娯楽作品は最小のリハーサルでたくさん弾かせる
という観点で開放弦を多用しますからニ長調に偏在します。
これは楽器の調律から来るとは言えない。

さらに、ここには「統計の一人歩き」が認められます。つまり曲の調性っ
てそもそも何なのでしょう。
協奏曲などでは曲の冒頭の調整がフラットひとつだとか言っても途中で
半音階や減和音を用いますし、転調は多彩です。
この種の統計は危険ですね。
イドメネオなどのオペラセリアでも転調は多彩ですよ。
私的な即興などで恐ろしく多用なエンハーモニックを含む転調を
モーツァルトが用いたことは明らかです。
雄弁なケレタートなら「中全音の奇怪な半音階の効果」を強弁
するかもしれませんが、無理がありますよ。
スタインのピアノを彼は好みました。スタインはジルバーマンの弟子です。
ジルバーマンの調律で弾いたこともあるはずだ、と見ます。
それにしても、ケレタートは主観的だと感じます。何か意地になっている。

論理のすり替えが多いです。
未証明なものを前提に論を進め、したがってこんな調の響きだからこんな
効果があって美しい、したがって証明された。
と彼は強弁しているのではあるまいか。
歴史学の論文の一部にこの書き方の人が多いですよ。私は好みません。
[6021]

くどくて恐縮です

投稿日時:2003年10月18日 22:47
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
ケレタートに反論する強力な証拠:
ヴァイオリンソナタK.481の第二楽章は変イ長調です。
ところが中間部でイ長調!!に転調します。
中全音だと西部劇のピアノになりますね。
[6026]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月19日 11:17
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
Geiger1951さんへ。
こういう話題はこの場に馴染まないと思うので、
私信のやりとりにしましょう。
ただし、ケレタートをまだ読んでない人に予断を
与えるような書き方はどうかなと思います。
私がびっくりしたのはあの上下巻を2,3日で
読まれたことです。
私は5年前にケレタートを買いましたが、未だに
完全読破はできていません。しかし、少しづつ
読み返す度に新しい発見をしています。

あっ、それから、私が純正律関係の入門書を2冊出しているのは
御存知でしょうか。
「音の後進国日本」「純正律は世界を救う」両方とも文化創作出版です。
前者は中央線の自殺問題と駅メロ関係でずいぶん話題になりました。
後者は変なタイトルですが、例のNYテロのさなかに書いたモンですから。
いまから読み返すと純正律の説明にもう少し手を加えたほうが良さそうなので
新しい本を企画中です。
[6029]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月19日 14:56
投稿者:pochi(ID:OBSHYUI)
音程マニアの方々の文章を読ませていただき、おおいに勉強になります。
議論に参加する心算はありません。

私の極論、ノーム・チョムスキー曰く、「アメリカにおける正しい英語(発音、意味、リズム)とは、白人インテリにとって違和感のない英語である。」
ノーム・チョムスキーもユダヤ人だったっけ?あっ、これは別のスレッドですね。

Geiger1951氏
[6021]
[6021]

くどくて恐縮です

投稿日時:2003年10月18日 22:47
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
ケレタートに反論する強力な証拠:
ヴァイオリンソナタK.481の第二楽章は変イ長調です。
ところが中間部でイ長調!!に転調します。
中全音だと西部劇のピアノになりますね。
くどくて恐縮です
> 中全音だと西部劇のピアノになりますね。
表現力が絶妙です。

玉木宏樹氏
[6026]
[6026]

Re: ストリング誌で連載開始

投稿日時:2003年10月19日 11:17
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
Geiger1951さんへ。
こういう話題はこの場に馴染まないと思うので、
私信のやりとりにしましょう。
ただし、ケレタートをまだ読んでない人に予断を
与えるような書き方はどうかなと思います。
私がびっくりしたのはあの上下巻を2,3日で
読まれたことです。
私は5年前にケレタートを買いましたが、未だに
完全読破はできていません。しかし、少しづつ
読み返す度に新しい発見をしています。

あっ、それから、私が純正律関係の入門書を2冊出しているのは
御存知でしょうか。
「音の後進国日本」「純正律は世界を救う」両方とも文化創作出版です。
前者は中央線の自殺問題と駅メロ関係でずいぶん話題になりました。
後者は変なタイトルですが、例のNYテロのさなかに書いたモンですから。
いまから読み返すと純正律の説明にもう少し手を加えたほうが良さそうなので
新しい本を企画中です。
Re: ストリング誌で連載開始
> Geiger1951さんへ。こういう話題はこの場に馴染まないと思うので、私信のやりとりにしましょう。
是非、公開で討論して下さい。
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