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ヴァイオリン弓の毛のことで | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 29 Comments
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ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月04日 01:55
投稿者:温玉(ID:JVBWI3g)
バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ全3曲をギドン・クレーメルが弾いているDVDの中のドキュメンタリー映像を見ていたら、クレーメルのヴァイオリンケースの中を見ることができました。
ガルネリ・デル・ジェズが納められているクレーメルのヴァイオリンケースには4本弓が入っていたのですが、どの弓も、毛が張った状態になっていて驚きました。
弓の中央で毛とサオが3ミリくらい離れているように見えますので、毛がある程度張った状態のままケースに納めれてられているということになります。

弦楽雑誌の記事などで、ソリストのヴァイオリンケースの中の写真が掲載されていることがありますが、今回DVDで見たクレーメルの弓のように毛が張った状態でヴァイオリンケースに弓が納められているのを何度か見たことがあります。

ヴァイオリンのソリストですと、オールドフレンチの高価な弓を使用していると思われますが、そうした弓をケースにしまう際に、毛を緩めずに張った状態のままケースにしまっているとは思えませんので、きっと、毛を緩めてはいるのだけれど、元々、毛替えの際に毛を短くし過ぎていて、結果的に毛が緩みきらない、という状態なのだと想像しています。

ソリストは飛行機で世界中を飛びまわるので、弓にとっては環境の変化が激しくて大変だと思いますが、毛が張った状態で弓がケースに納められているのを見て、空気の乾燥する飛行機やホテルの中で、毛が乾燥して収縮したときに、弓が壊れたりしないのだろうか、あるいは、いつも毛が張った状態で保管していて弓がへたったりしないのだろうか、と心配になります。

毛が長過ぎていくらネジを巻いても演奏できる状態に毛が張れない、ということはあっても、毛が短過ぎて演奏できない、ということは無いので、ソリストは、演奏会場の湿度が高い場合を想定して、毛替えの際に毛をかなり短めにしてもらっているのでしょうか?

このあたりの事情についてご存知の方がいらしたら、教えていただけると幸いです。よろしくお願いします。
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【ご参考】
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月10日 21:43
投稿者:まあまあ(ID:FSEWMpE)
自分の文章能力に嫌気がさしてきたので最後にしますが
>まあまあさんが毛替えされている工房は、毛を短めに張る傾向があるということなのでしょう。

違います。丁度良い長さです。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月11日 07:20
投稿者:カルボナーレ(ID:lCkoRiA)
>まあまあさん
温玉さんは、
”ケースに収納するために毛を緩める”=”これ以上フロッグが動かないところまで完全に緩めた状態にすること”
と思い込んでいる(あるいは”毛は短めに張るべきである”という持論構築のためそう考えざえるを得ない)ようです。ですから、その想定通りの状態にすると。まあまあさんの手元にある弓の毛がどのようになるかを示さないと、毛がどのように張られているか理解できないのだと思います。”丁度良い”では理解されません。

お手数をおかけしますが、以前”張り始めの毛と竿の隙間”という数字を示された弓たちの毛が、上記条件にした時どうなるか示していただけませんか。(個人的には、テンションがかからない状態になってからさらに緩めると、毛は一直線の状態ではなくバラバラになり少したるむのだと想定しています。)

温玉さんは、「完全に毛を緩めた(アジャスタを回し切ってこれ以上フロッグが動かなくなった状態)にて、まあまあさんがおっしゃる”張り始めの毛”の状態、あるいはさらに張り気味にした状態に設定するのが、プロ仕様の正しい毛の張り方であり、そうしないのはけしからん」という結論に、なんとしてももっていきたいようですので。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月11日 10:45
投稿者:温玉(ID:JVeCA0M)
カルボナーレ様。

私は、

>ケースに収納するために毛を緩める=これ以上フロッグが動かないところまで完全に緩めた状態にすること

については同意します。ヴァイオリンケースに弓を収納する際は、フロッグが巻き皮に接するところまでネジを完全に緩めて、毛のテンションを低減させるべきだと思います。


私は、ネジを完全に緩めてフロッグが巻き皮に接するところまで毛を緩めたときに、毛がダラダラになるのは好ましくないと思っていますが、弓の中央で毛とサオが5ミリも離れるほど毛が張った状態であるのは、好ましくないと思っています。

私の理想としては(へたってなくて普通に反りのある弓であれば)ネジを完全に緩めたときに、毛がダラリと垂れ下がらず、適度に一直線状態(リボン状態)が保たれていて(適度にテンションがかかっていて)、弓の中央で毛とサオが1~2ミリ程度離れているのが理想だと思います。

この程度の張りであれば、飛行機やホテルなど非常に乾燥した場所に弓を持って行っても、大丈夫だと思います。

弦楽雑誌サラサーテの愛器名鑑の例で言うと、ヤンセンのフランソワ・トルテのように、ネジを緩めた状態(巻き皮とフロッグがほぼ接している状態)のときに、毛に張りがあって毛が一直線状態であることは、私は好ましいと思いますが、毛の張り具合が、弓の中央で毛とサオが5ミリほど離れているのは毛が張り過ぎ=短過ぎ、だと思います。毛とサオが1~2ミリ離れている程度であれば、私にとっては理想的です。ヤンセンのフランワソワ・トルテに関して言えば、私が毛替えしてもらうとしたら、あともう少しだけ毛を長くしてもらいます。

カルボナーレさんは

>温玉さんは、「完全に毛を緩めた(アジャスタを回し切ってこれ以上フロッグが動かなくなった状態)にて、まあまあさんがおっしゃる”張り始めの毛”の状態、あるいはさらに張り気味にした状態に設定するのが、プロ仕様の正しい毛の張り方であり、そうしないのはけしからん」という結論に、なんとしてももっていきたいようですので。

と書かれていますが、私の意見は、むしろ逆で、ソリストたちの弓は毛が短過ぎて弓に過度な負荷がかかっているのではないかと心配しており、毛が短過ぎるのはケシカラン、という考えです。

しかしながら、pochiさんやまあまあさんが、弓の中央で毛とサオが5ミリくらい離れているのは良くあることだとおっしゃるので、私としては、「どうしてソリストたちは、それほどまでにも毛を短くしているのだろうか?」と疑問に思っているところです。

何度も言いますが、弓の毛に関する私の意見(主張)は以下のとおりです。

①ヴァイオリンケースに弓を収納する際は、ネジを完全に緩めて毛を緩めるべきである。そのとき、フロッグは巻き皮に接するか、巻き皮のすぐそばにあるべきである。(毛を緩めるたときに、巻き皮とフロッグは、ピタリと接するのが望ましいですが、巻き皮の巻き方によっては、巻き皮とフロッグが0.5~1.0ミリ程度離れている場合もあります。巻き皮とフロッグの隙間が0.5~1.0ミリであれば、許容範囲だと思います。)

②ネジを緩めたときに=毛を緩めたときに=フロッグが巻き皮に接する(あるいはすぐそばにある)ときに、毛がダラダラに緩むのは好ましくない。毛がダラダラに緩むと、弓がヴァイオリンケースの中で暴れる危険性があるほか、弓の毛を固定しているクサビ(2箇所)が緩む危険性がある。

③ネジを緩めたときに=毛を緩めたときに=フロッグが巻き皮に接する(あるいはすぐそばにある)ときに、毛に適度なテンション(張り)があり、一直線状態であることが好ましい。ただし、そのとき、弓の中央で毛とサオが1~2ミリ程度離れている状態が理想的であり、4~5ミリも離れているのは、毛が短過ぎる(=毛替えのときに、毛を短くし過ぎている)。
※弓の反りが少ない(弱い)弓の場合は、毛を緩めて毛が一直線状態を保っているとき、毛とサオが4~5ミリ離れた状態になることも、ありえるのかも知れませんので、弓によってある程度個体差はあると思います。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月11日 11:12
投稿者:pochi(ID:KFYpcJE)
弓の毛を適切に緩めた状態、即ち、テンションが少しだけ掛かって毛が漸くバラバラにならない状態で、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離が5mm程度であることは、例外ではありません。この程度なら反りを入れ直さないと思います。

毛は演奏する時に適切なテンションに張れれば良いのであって、短ければ弾き易いという訳ではありませんし、パンパンに張る事が良いとも思いません。

湿度の非常に高いところで弾く事があるのなら、少し短めにして貰っておいた方が無難ですが、そうでないのなら、短めにすると弓を破壊する可能性が否定出来ないので、やめておいた方が良いでしょう。

竿と弓の毛が離れている弓としては、Arcusがあります。この弓は非常に強いので少しでも竿と毛の距離が変わると、張りが大きく変わります。異次元の弾き味なのでお試しあれ。
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Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2010年09月11日 13:26
投稿者:温玉(ID:NpaSYAQ)
pochi様、ご回答ありがとうございます。

>弓の毛を適切に緩めた状態、即ち、テンションが少しだけ掛かって毛が漸くバラバラにならない状態で、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離が5mm程度であることは、例外ではありません。この程度なら反りを入れ直さないと思います。

私は、オールドフレンチ弓から新作弓まで何百本というヴァイオリン弓を見て触って(可能な場合は試奏して)きましたが、弓の毛を適切に緩めた状態、即ち、テンションが少しだけ掛かって毛が漸くバラバラにならない状態で、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離が「5mm程度も!」ある弓を見たことがありません。

逆に、フロッグが巻き皮に接するまでネジを完全に緩めて毛を緩めたときに、毛がバラバラ(ダラダラ)に伸びて、毛のリボン状態がほぐれてしまう弓であれば、多数見たことがあります。

大半の弓は、フロッグが巻き皮に接するまでネジを完全に緩めて毛を緩めたときに、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離は0~2mm程度の範囲に収まっていました。

私は、フロッグが巻き皮に接するまでネジを完全に緩めて毛を緩めたときに、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離が0ミリ(毛と弓が触れ合う)であったり、毛がバラバラ(ダラダラ)に伸びて、毛のリボン状態がほぐれてしまう、というのは、サオが毛の松脂によって汚れるので、好ましくないと思っています。

よって、フロッグが巻き皮に接するまでネジを完全に緩めて毛を緩めたときに、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離は、「最低でも1ミリ程度」はあるべきだと思っていますが、5ミリもあるのは、どう考えても毛が短過ぎると思います。

弓の反りが少ない弓の場合は5ミリということもあり得るかも知れませんが、私は、そういう弓の実物は見たことがありません。

湿度の変化を考慮すると、フロッグが巻き皮に接するまでネジを完全に緩めて毛を緩めたときに、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離は、「標準的な湿度(湿度50%程度)のときに、標準的な反りのある弓の場合は、「1~2ミリ程度」が理想的な範囲であり、許容範囲としては「1~3ミリ」ではないかと思います。

pochiさんは

>毛は演奏する時に適切なテンションに張れれば良いのであって、

と書かれていますが、弓は、演奏している時間よりも、ヴァイオリンケースに収納している時間(演奏していない時間)の方が圧倒的に長いわけですから、ヴァイオリンケースに収納するときに、弓がどのような状態で収納されているか、というのは、重要なことだと思います。

・ヴァイオリンケースに収納する際には、フロッグが巻き皮に接するところまでネジを緩めて毛を緩めてやり、弓にかかる負担を軽減してやること。
・フロッグが巻き皮に接するところまでネジを緩めて毛を緩めてやったときに、毛がダラダラに緩んだ状態(バラバラにほぐれた状態)になると、ヴァイオリンケースに弓を収納して持ち歩く際に、毛とサオが触れ合って、サオが松脂の粉で汚れたり、ヴァイオリンケースの中で弓が暴れる危険性があるので、・フロッグが巻き皮に接するところまでネジを緩めて毛を緩めてやったときでも、毛が一直線状態(リボン状態)が保たれるのが好ましい。

以上の理由により、きちんと演奏さえできれば、毛の長さはどんな長さでも良いということにはならず、長過ぎず短か過ぎない「適切な毛の長さ」があると思います。


弓の毛を適切に緩めた状態、即ち、テンションが少しだけ掛かって毛が漸くバラバラにならない状態で、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離が5mm程度である、というような「反りの弱い(浅い)例外的な弓」ではなく、標準的な反り(毛を緩めたときに、毛とサオが接しそうになるくらいの反り)のある標準的な弓における理想的な毛の張り具合を具体的な数値で示していただきたいと思います。

私は、湿度の変化を考慮すると、フロッグが巻き皮に接するまでネジを完全に緩めて毛を緩めたときに、毛と弓の竿の最も接近しているところの距離は、「標準的な湿度(湿度50%程度)のときに、標準的な反りのある弓の場合は、「1~2ミリ程度」が理想的な範囲であり、許容範囲としては「1~3ミリ」ではないかと思いますが、いかがでしょうか?
[43224]

Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2011年02月08日 16:32
投稿者:びんびん(ID:R2dJEVA)
先日NHKでギル・シャハムによるバッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番の演奏が放映されてましたね。弓はいつも愛用しているフランソワ・トルテのように思われましたが、本来、逆反りを維持しているべき棹が、真っ直ぐを通り越してバロック弓のように順反りになるくらいびんびんに毛を張って弾いてましたね。
色々な方のツイッターやブログを拝見すると、先日の放映を見てギル・シャハムの弓の張りが強過ぎることが話題に登っていますので、驚かれた方も多いと思います。
シャコンヌのような4和音が頻繁に出てくる曲では、通常よりも多少毛を強めに張った方が和音が弾きやすいということはありますが、それにしても極端に張り過ぎかと。バロック弓ではない現代の弓をここまで極端にびんびんに張って弾くソリストはギル・シャハムぐらいではないでしょうか。そのギル・シャハムも数年前までは、ここまで極端にびんびんには張っていなかったように記憶しています。
不思議なのは、相当強めにびんびんに毛を張っている割には、出てくる音は柔らかく澄んでいたことです。ギル・シャハムは、圧をかけて無理やり和音を鳴らすようなことはなくて、あまり圧をかけずに弾いているように見えるので、そういうことも関係しているのかも知れません。
弓をびんびんに張って圧はあまりかけない、という弾き方をしているソリストはギル・シャハムの他には思い浮かびませんので、非常にユニークな奏法と言えるのではないでしょうか。ギル・シャハムと同門の他のドロシー・ディレイ門下のソリストを思い浮かべても、弓が真っ直ぐを通り越すぐらいびんびんに張って弾くソリストは居ないように思いますので、ギル・シャハムのオリジナルな奏法と言っても良いのではないでしょうか。
[43226]

Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2011年02月08日 23:58
投稿者:黄緑(ID:M4IoYJQ)
 先週末に放映されたギル・シャハムのバッハの無伴奏、見事な演奏でしたね。ピリオド奏法も多少取り入れているように思いました。

 弓の毛のはり具合は、たしかに尋常ではなく、弓が壊れるんじゃないかと心配になるほどでした。弓の中央で15~18ミリぐらい離れているように見えました。

 これほどまでに強く毛を張ると弦の上で弓が跳ねたり暴れたりして弾きにくくなるように思いますが、実際のところどうなのだろうかということで、実験してみました。

 私がずっと昔に使っていた今は使っていない10万円ほどの練習用弓を、先日のギル・シャハムと同じように、弓が真っ直ぐに見えるぐらいに毛を張ってバッハの無伴奏を弾いてみました。

 意外なことに、弦の上で弓が跳ねたり暴れたりせず、予想外に毛が弦に吸い付き、弾きやすいという印象を持ちました。

 弓の中央で10ミリくらい毛を張った状態、つまり、ある程度反りを残した状態よりも、弓がほぼ真っ直ぐになるちょっと手前ぐらいまで15ミリくらい毛を張った状態の方が、かえって弓がバタつかず安定するのは、不思議です。なぜこうなるのかはわかりません。

 弓が完全に真っ直ぐになるまでネジを回そうとしたら途中で止まってしまったので、弓を完全に真っ直ぐにすることはできませんでした。先日のギル・シャハムの映像を見る限りでは、弓が真っ直ぐになっているように見えますので、少なくとも15ミリ以上毛を張っているだろうと思われます。

 興味のある方は、サブの弓で試してみると、意外な結果が得られると思います。それでは!
[43227]

Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2011年02月09日 17:42
投稿者:びんびん(ID:JQE4FkU)
黄緑様、レスありがとうございます。ギル・シャハムの演奏の素晴らしさもさることながら、弓がびんびんに超張っていたことに驚かされ、書き込みした次第です。最近の若手のヴァイオリンのソリストは、弓を強く張って弾く人が多いですが、ギル・シャハムほど弓をびんびんに張って弾いている人は見たことがありません。
毛替えの際に毛が長めだと、いくらネジを巻いても弓を真っ直ぐに状態にはできませんので、弓を真っ直ぐな状態にびんびんに張って演奏するには、毛を短めにする必要があるかと思います。
演奏時の弓の毛の張り具合というのは、演奏者によっても、弓によっても、適切な加減がそれぞれ違うので、奥が深いですね。先日放映のシャハムのバッハの無伴奏を見て、弓とかボウイングというのはすごく奥が深いな~と再認識しました。
[43228]

Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2011年02月09日 19:38
投稿者:黄緑(ID:M4IoYJQ)
 ギル・シャハムが17歳だった1988年に録音したメンデルスゾーンとブルッフのヴァイオリン協奏曲のCD(ドイチェ・グラモフォン盤)のジャケットの中に、ギル・シャハムがヴァイオリンのA線を弾いているシーンを大写しした白黒写真があります。

 その写真の中で、シャハムは、弓の毛をかなり強く張っていてサオがほぼ真っ直ぐな状態になっています。サオ本来の反りは、じっと見ると若干反りがあるように見えますが、ぱっと見たところでは、サオは、ほとんど真っ直ぐに見えます。弓の中央で毛とサオは、少なく見積もってもサオ2本分は離れています。弓の毛はA線に接していて、左手の指はA線を押さえていますので、弓が弦から離れているときは、サオと毛はそれ以上に離れて
いると思われます。

 この写真を見る限り、ギル・シャハムは、若い頃から弓をかなり強く張って弾いていたようです。

 このたび上記の白黒写真を見て、先日のTV放映を見たとき以上に、ギル・シャハムの毛の張り具合の強さに驚かされました。

 びんびんさんがおっしゃるように、弓が完全に真っ直ぐになるまでネジを回そうとしても、毛が長いとサオが真っ直ぐになる前にネジもフロッグも途中で動きが止まってしまいますので、ギル・シャハムみたいにサオを完全に真っ直ぐにしたいと思ったら、毛換えのときに毛を短くしてもらう必要があるように思います。

 ギル・シャハムの音は、明るく伸びやかで、押しつけがましさがない美しい音なので、大好きなヴァイオリニストの1人ですが、ここまで強烈に毛を強く張って弾いているとは、本当にビックリしました。
[43245]

Re: ヴァイオリン弓の毛のことで

投稿日時:2011年02月23日 19:48
投稿者:コーヒーゼリー(ID:IQMWJzA)
150年ほど前に作られたフレンチ・オールド弓を、めいっぱい毛を強く張ってサオの反りが無くなるような状態にして、バッハのシャコンヌを弾いてみました。
サオと毛が17ミリくらい離れますので、当初の予想では、毛の張りが強過ぎて、弓が弦の上で踊りまくるかと思ってましたが、予想に反して和音が弾き易く弓の動きが安定しています。
めいっぱい毛を強く張って弾く場合は、弦に対して圧力(重み)をかけ過ぎないようにして、弓圧よりは弓速で弾くような感じで弾くと弾き易くて、良い音が出せるように思います。
上記のように毛を強く張るとサオが痛むのではないかと心配する向きもあるかと思いますが、弦に対して圧力(重み)をかけ過ぎないようにして、弓圧よりは弓速で弾くような感じで弾けば、普通の毛の張りでゴシゴシと圧をかけて弾くよりも、かえって弓にかかる負荷は小さいのではないかと思います。
また、毛を弱めに張るとフォルテで弾いた際にサオが弦にぶつかってサオに傷がつく恐れがありますが、上記のように毛を強く張って弾く場合には、そうした心配が要りません。
想像していた以上に弾き易かったので、ぜひ皆さんも一度試してみてはいかがでしょうか?
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