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ヴァーニッシュ・ガット弦 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 83 Comments
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ヴァーニッシュ・ガット弦

投稿日時:2011年09月29日 18:02
投稿者:ガットラヴァー(ID:FwUDeTY)
ニスによる防水加工が施された、いわゆるヴァーニッシュ・ガット弦についてですが、今から100年前の1911年には既に販売されていたようです。
当時の海外の弦楽器専門誌に、あるガット弦メーカーによる、ガット表面の毛羽立ちを抑え、防水性も向上させたヴァーニッシュ・ガット弦に関する広告が掲載されていました。
1911年頃というと、イザイ、ティボー、クライスラー、フーバーマン、エルマンといった往年の大ヴァイオリニストが活躍していた頃です。
ヴァーニッシュ・ガット弦は、信頼できるガットメーカーのものであれば、高温多湿な日本の夏でも、安心して使用できます。
自分のヴァイオリンにとって最適なゲージを見つけることができれば、ヴァーニッシュ・ガット弦は、最新のシンセティック弦よりも大きな音量と美しい音を両立して出すことが可能です。
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【ご参考】
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Re: ヴァーニッシュ・ガット弦

投稿日時:2011年10月28日 22:22
投稿者:ガットラヴァー(ID:QJVJYIM)
ヴァーニッシュ・ガット弦の音量についてですが、弓で弾いたときの音量は最新鋭のナイロン弦を越える大音量を出すことも可能ですが、弦をはじいたときのピチカートの音量はナイロン弦と同程度か若干ナイロン弦よりも小さくなります。
裸のガット弦のピチカートの音量は、同じ太さの弦同士を比較した場合、弦の構造・製法、使われているガット素材の種類や質、などによって結構な違いが出ます。
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Re: ヴァーニッシュ・ガット弦

投稿日時:2011年10月30日 13:37
投稿者:ガットラヴァー(ID:QJVJYIM)
一般的なナイロン弦(シンセティック弦)は、弦を張り替えた直後~2日経過後あたりが、音量・音色・レスポンスとも最高の状態で、その後は、徐々に、音量・音色・レスポンスともに劣化していきます。1ヶ月も経過すると、ハッキリとした性能の低下を感じるようになります。

一方、ヴァーニッシュ・ガット弦を含む裸のガット弦は、弦を張り替えた直後~3日経過後にかけては、音量・音色・レスポンスが向上する傾向があり、3日経過後にピークを迎えてからは、しばらくの間、そのピークの状態を維持します。その後、徐々に性能が低下していきますが、性能の低下が進む度合いは、ナイロン弦(シンセティック弦)の1/3~1/4程度です。

裸のガット弦は、ヴァイオリンに張ってテンションがかかることによって、ガット繊維が引き締まります。結果的に音が引き締まりレスポンスも良くなります。弦の構造・素材によっても多少異なりますし、弾きこみ時間によっても異なりますが、弦を張り替えた後2~3日で、裸のガット弦は、ほぼ完全に引き締まり、音も弾き心地も最高のコンディションに到達します。

各社の、あるいは、様々なゲージの裸のガット弦を次から次へと張って試すときは、上記のような裸のガット弦の特性を理解しておく必要があります。
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Re: ヴァーニッシュ・ガット弦

投稿日時:2011年11月12日 19:54
投稿者:ガットラヴァー(ID:QJVJYIM)
ヴァイオリンの弦を4本ともヴァーニッシュ・ガット弦にすると、左手のピチカートがやりやすくなるというメリットがありますが、弦のテンションがナイロン弦よりも低くて弦そのものが柔らかいので、はじく左手の指先を痛めにくいというメリットも特筆できます。
バッツィーニの「妖精の踊り」に頻繁に出てくるような急速で、かつ、連続する左手のピチカートのパッセージを何度も練習すると、最近のテンションの高いナイロン弦だと左手の指先が痛くなったり、ひどいときには水ぶくれができたりしますが、4本ともヴァーニッシュ・ガット弦を張ると、指先の負担が軽減されて左手のピチカートをすることが楽になります。
4本ともヴァーニッシュ・ガット弦を張ると、黒檀の指板が磨耗しずらくなり凹みにくくなるというメリットもあります。弦溝も磨耗しずらくなるので、ヴァーニッシュ・ガット弦は、弾き手の指にとってもヴァイオリンにとっても優しい弦と言えます。
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Re: ヴァーニッシュ・ガット弦

投稿日時:2011年11月17日 21:10
投稿者:ガットラヴァー(ID:QJVJYIM)
一般に市販されているナイロン弦や巻きガット弦は、細、中、太の3種類からしか太さ(=テンションの強さ)を選べませんが、ヴァーニッシュ・ガット弦は、0.01~0.02ミリ刻みで好きな太さを選べますので、選択の幅は10~20倍豊富であると言えます。

このため、市販のナイロン弦では100の能力しか発揮できないヴァイオリンが、最適なゲージのヴァーニッシュガット弦を張ることによって150とか200の能力を発揮できるようになる、というケースが良くあります。1ランクあるいは2ランク上のヴァイオリンに買い換えたかのように、音量、音色、表現力、遠達性がレベルアップする場合が良くあります。

最適なゲージはヴァイオリンごとに違いますし、演奏者の奏法によっても最適なゲージは異なりますので、ヴァーニッシュ・ガット弦での最適なゲージを探すには、かなりの時間と手間がかかります。

でも、最適なゲージが見つかったときには、かけた手間と時間以上に、大いに報われますので、時間と手間をかける価値は十分にあると思います。
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