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ビーフ・ガット弦 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 5 Comments
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ビーフ・ガット弦

投稿日時:2011年03月04日 21:34
投稿者:牛丼(ID:M4IoYJQ)
米国のガミュット社から、ビーフ・ガット弦が発売されました。

Beef Gut

This is another variety of treble gut. The serosa from which it is made comes from cattle and has a higher tensile strength than does sheep gut Like the sheep treble string, the beef treble string also has a twist angle of about 15º, and this construction gives it the strength and resistance it needs to stand the strain in the treble register.

This type of string is characterized by a low twist that is sometimes not even visible and the color of the string ranges from clear to white. Because beef gut strings are stronger than sheep gut strings they are a good choice for instruments with a long string length, or higher tension situations.

In addition to the extra strength, the fiber structure of beef serosa has less of the fine hairs that sometimes develop on sheep gut strings.

上記の解説を要約すると、ビーフ・ガット弦は、
・シープ・ガット弦よりも強度が高く耐久性に優れる
・シープ・ガット弦よりも色は白っぽい
・毛羽立ちにくい(シープ・ガット弦よりも毛羽立ちが少ない)
とのことです。

ビーフ・ガット弦は、ヴァイオリンに張る場合は、E線やA線に適しているとのことです。

詳細については以下のサイトでご確認下さい。

ttp://www.gamutstrings.com/catalog.html?Iit=2706&Ict=88

ttp://gamutmusic.squarespace.com/beef-gut/
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Re: ビーフ・ガット弦

投稿日時:2011年03月05日 15:22
投稿者:牛丼(ID:M4IoYJQ)
Gamut Music, Inc.のDaniel Larson氏にビーフ・ガット弦について問い合わせたところ、次のような回答がありました。

ラーソン氏のコメントとビーフ・ガット弦をテストした奏者からのレポートを要約してお伝えします。

・ビーフ・ガット弦を新たに発売するにあたり、約8ヶ月ほどテストをしてきた
・同じ太さ同士で比較した場合、弦そのものは、ビーフ・ガット弦はシープ・ガット弦よりも若干硬い
・上記のような物理的な特性のため、ビーフ・ガット弦はシープ・ガット弦よりも若干音が明るい
・ビーフ・ガット弦は、長期間使用した場合のガット弦表面の毛羽立ちが少ないこともあって、耐久性に優れており、湿度の変化や汗の影響によるチューニングの狂いも少ない
・特に細い弦においては、ビーフ・ガット弦はシープ・ガット弦よりも、高いテンションによるストレスに強く、結果的に長持ちする
・ビーフ・ガット弦は、その物理的特性から、ヴァイオリンのE線やA線など高音域の弦に適している
・同じ太さの同じ構造の弦を比較した場合、ビーフ・ガット弦はシープ・ガット弦よりも20%ほど値段が高い
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Re: ビーフ・ガット弦

投稿日時:2011年03月15日 21:16
投稿者:牛丼(ID:M4IoYJQ)
米国のGamut社のビーフ・ガット弦を使ってみた感想を書き込みます。

同じゲージの、同じ構造の、トレブルガット弦(高音域用のガット弦)のヴァーニッシュ弦(3層のニスコーティングが施された弦)を比較した場合、

・ビーフ・ガット弦は、シープガット弦よりも、音色が明るく、音色に透明感がある。
・ビーフ・ガット弦は、シープガット弦よりも、ピチカートの残響が少々長い。
・ビーフ・ガット弦は、シープガット弦よりも、少しだけ音量が大きい。
・ビーフ・ガット弦は、シープガット弦よりも、弦を張替えた後の最初の3日間の弦が伸びる度合いが少なく、ピッチの安定が早い。
・ビーフ・ガット弦は、シープガット弦よりも、弦を張替えてしばらく経過して十分にピッチが安定した後の、演奏中のピッチの狂いが少ない。
・ビーフ・ガット弦は、シープガット弦よりも、レスポンスが俊敏で自然であり、大変弾き易い。
・ビーフ・ガット弦は、シープガット弦よりも、強い弓圧や速い弓速で弾いたときに、音が裏返りにくく、また、音が潰れにくいので、大変弾き易い。


ダニエル社長の話では、ビーフ・ガット弦は、シープガット弦よりも、毛羽立ちが少ないとのことですが、これについては、長期間、弾きこんで経過を見定める必要があります。
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Re: ビーフ・ガット弦

投稿日時:2011年03月21日 02:36
投稿者:牛丼(ID:M4IoYJQ)
Gamut社のホームページに、ビーフ・ガット弦に関するニュース記事がアップされています。
ttp://gamutmusic.squarespace.com/news/new-beef-gut-strings.html

Gamut社の同じゲージ(太さ)のシープ・ガット弦と比べると、ビーフ・ガット弦は、
・弦の伸びが少ない⇒テンションの保ちが良い⇒長期間、張りのある音が持続する
・弦の表面が毛羽立ちにくい
⇒指当たり(感触)や指の滑り具合が良い、
⇒手の汗や湿気の影響を受けにくい
といったメリットが非常に強く感じられます。

ビーフ・ガット弦は、湿度の高い日本の気候、欧米人よりも汗の量が多めな日本人に適したガット弦と言えるのではないかと思います。
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Re: ビーフ・ガット弦

投稿日時:2011年04月02日 21:37
投稿者:牛丼(ID:M4IoYJQ)
ビーフガット弦は、駒寄りを強い圧力をかけて弾いても音が潰れたり軋んだりしにくく、また指板に近いところを弾いても音が裏返ったりせずにスムースに音が出てくれるので、とても弾き易いです。

レスポンスは極めて俊敏で、弓の毛で擦った分がロス無く音に変換されますし、低いポジションから高いポジションまで、どの音域でも伸びのある音が出せます。

ヴァイオリンに関して、スチールのE線との相性という点では、シープ・トレブル・ガットよりもビーフ・トレブル・ガットの方が、相性が良いと思います。単音で弾いた場合もそうですが、特にE線&A線の重音で弾いた際の音の調和具合、弾き心地、弓に伝わってくる感覚が、ビーフ・トレブル・ガットの方が、スチールのE線との親和性が高いと思います。

こうしたことから、ビーフガット弦は、包容力のある弦、許容度の広い弦、扱いやすい弦、弾き易い弦、だと言えると思います。
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Re: ビーフ・ガット弦

投稿日時:2011年04月13日 11:30
投稿者:青林檎(ID:ORE1aRc)
ビーフガット弦のA線に、オリーヴのE、D、G線を組み合わせて張ってみました。
オリーヴのA線よりも、ビーフガット弦の方が、オリーヴのE線やD線と重音を弾いたときの相性が良いように感じます。ビーフガット弦は音色が明るく、また、高音弦に求められる適度な硬質感があり、レスポンスも俊敏で、弾き易い弦だと思います。
オリーヴのA線よりも早くピッチが安定しますし、演奏中のピッチの狂いも少ないです。
オリーヴを愛用しているがオリーヴのA線には不満がある、という方には、ビーフガット弦を大いにお薦めしたいと思います。

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