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バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio | ヴァイオリン掲示板

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楽曲・楽譜 117 Comments
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バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年02月27日 22:50
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
はずかしながら、大人の生徒さんから指摘されて気付いたんだけど、
バッハ無伴奏ソナタ1番Adagioの最後の音は全音符なんですね。
でも私が聴いているCDやレコードは全部2分音符+フェルマー他の長さで、全音符の長さで弾いている演奏は聞いたことが無い。
もしやと思ってガラミアン版のファクシミリを見ても全音符に間違い無い。
しかしネットでMIDIを検索してソースを見るとなんとこれは2分音符。

みなさんはどう弾いている?
最後の音が2分音符になっている楽譜ってある?
または、全音符で弾いている演奏ってあるの?
あったら是非教えてください。
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【ご参考】
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月22日 00:48
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
Adagioの最後から4つ目の音の長さも疑問なんだけど、
自筆譜では32分音符だけど、殆どの版(印刷)では16分音符になっている。
ガラミアン版を持っていない人はWikipediaに自筆譜のjpegが掲載されているから見て欲しい。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:BWV1001.jpg

16分音符じゃないと確かにつじつまがあわないけど、なんかおかしくない?
[42584]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月22日 01:00
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
手持ちの何枚かのCDを聞いた範囲では、寺神戸氏とエネスコは
意識的に伸ばしているように思えます。
[42585]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月23日 00:18
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
ttp://www.youtube.com/watch?v=7zPg53Q7Vm8
George Enescu - Bach sonatas - Sonata 1 - 1 to 2

4分11秒から4分19秒にかけての部分です。
[42586]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月23日 07:29
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
ここで[42556]
[42556]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月04日 07:48
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
正直言ってこの時代に実際にどのように弾いていたかは誰もはっきりしたことは分からないようです。私が面白いと思ったのは、かつてアントレという古楽雑誌に、小林瑞葉さんが連載されていたバッハ無伴奏の演奏法に関する記事です。当時の指板や駒は現在よりカーブが緩かったことから、ギターのような「セーハ」奏法があったのではないかと推測されています。本当に4重音で弾いた可能性もなくはないと思います。その場合音の長さも現在の感覚とは違ったかもしれません。
の話に戻るのですが、バッハがここでこの長さを要求した
とすると、私にはバッハは少なくともここでは実音の4重音を期待したのではないかと思えます。南社さまはどう思われますか?
[42587]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月23日 10:14
投稿者:johann(ID:JokiWGk)
それはないでしょ。
バッハが書いた長い和音で持続音を保持できるのはオルガンだけ。
なのにチェンバロ、ピアノ、バイオリン、チェロ、リュート、にも長い三音以上の和音を書いてる。
[42588]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月23日 22:14
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
catgutさま

情報ありがとうございます。
でも、なんとレスを付けて良いのか分からないのですが、私が質問したのは最後から4つ目の音で、3つ目の音ではありません。
確かにエネスコの演奏は最後から3つ目の音は長い(意識的に伸ばしている)ようですが、問題にしているのは最後から4つ目の音が、自筆譜と印刷譜では長さが違うということです。

> 私にはバッハは少なくともここでは実音の4重音を期待したので
> はないかと思えます。南社さまはどう思われますか?

私は、この曲の最初の和音と最後の和音が同じなので、最初も最後の和音も4重和音を期待しているたは思ってません。
[42589]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月23日 23:06
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
南社さま、

手持ちのベーレンライター版では最後の和音は2分音符、最後から4つめのFisは32分音符となっています。先に紹介されている通り、ヤープ・シュレーダーは最後の和音を「重音で弾いてはいけない」と書いていますが、ボイデンも以下のように指摘しています。大変興味深いページですので
ぜひご覧ください。

ttp://www.kayatsuri.co.uk/guitar/report/lester.htm
ジョエル・レスターの「バッハの無伴奏ヴァイオリン作品―その様式、構成と演奏」を読む

音楽史研究家のデイビッド・ボイデン (David Boyden) によれば、ヴァイオリンで4重音を弾く際に、2+2に分割をするのは最近の習慣であって、18世紀初頭には、このような弾き方の例を見つけることは出来ないということだ。彼は、18世紀のヴァイオリニストは、しばしば、4重音を弾く際に、まずバスを長く鳴らし、その後、急速なアルペジオでトップノートを弾いたとしている。このような演奏法は、バッハの書法にふさわしいものである。
[42591]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月23日 23:36
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
シュレーダーやボイデン説に逆らうのは無謀ですが、私は、バッハの時代に少なくとも部分的には実音の四重音は使ったのではないかと想像しています。20世紀のヴァイオリニストでも、ごく限定的に実音の三重音や四重音を使っている例がありますね。

シュバイツアーの「バッハ弓」に対する批判のためか、現在は過度に史実としての四重音の実音演奏が否定されているように思われます。18世紀のバイオリン指導書に四重音の実音演奏が見当たらないとか、ヴァイオリンでの重音演奏そのものの歴史が新しいなど、バッハの時代に実音の四重音が「使われなかったであろう」という推定も根拠のあるものだと思いますが、結局のところ確実なことは誰にもわかりません。

私が「使用したのではないか」と推定する根拠は以下の通りです。

・物理的に四弦の同時演奏が容易だった
駒のカーブが緩く、指板と駒の幅が広く、プレーンガットかつバロックピッチで弦が柔軟で、弓が細く弓状のためにしなりやすく毛の数も少なかった。
物理的に容易であれば、バッハが実音の四重音を決して使わなかったとは思えない。

参考
ttp://www.geidai.ac.jp/labs/kogaku/earlymusicstudy/earlymusicstudy.html
小林瑞葉 バロック時代に存在した指板・弦間隔が広い仕様のヴァイオリンで可能となる運指と重音奏法の研究―J.S.バッハの無伴奏作品における実践の試み―  →雑誌アントレ 2007/5-2007/11に解説記事掲載

・オーレ・ブルなど19世紀にも実音の四重音を活用したヴァイオリニストがいた。ブルは駒のカーブを緩くし、長い弓を使って実音の四重音を多用する演奏を行った。
[42595]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月24日 21:55
投稿者:なんじゃ(ID:KGQ2lSM)
catgutさん

> 手持ちのベーレンライター版では最後の和音は2分音符、
> 最後から4つめのFisは32分音符となっています。

バッハ無伴奏ソナタ1番Adagioの最後から4つめの音はFisでは無くGなんですけど。
ベーレンライター版で確認しましが、最後から4つめの音の長さは16分音符、最後の音はcatgutさんが言われるように2分音符ではなく全音符なんですが。

> 大変興味深いページですのでぜひご覧ください。
> ttp://www.kayatsuri.co.uk/guitar/report/lester.htm

ギターの考察でしたので全然参考になりませんでした。
19小節目の話(下記引用)などはネットに毒を流しているとしか思えませんでした。

> 第19小節目1拍目は、バスがDの3重音か、Aの2重音かの
> 疑問が残る。
> いやー、一見Dに見えるのは、どう見ても音符の旗でしょう。
> ところで、パールマンは、このD、弾いています。
[42596]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月25日 00:41
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
私の楽譜は数十年前の全音ベーレンライター版です。最後から4つめと
いうのは、トリルの前の音のことかと思いました。

ちなみに一流ソリストの演奏を多数比較した調査資料がありました。
残念ながら肝心の図表が欠けているようですが、だいたいわかります。

Recording Analysis of J.S. Bach’s G Minor Adagio for Solo
Violin (excerpt): a Case Study.
ttp://www.musicandmeaning.net/issues/pdf/JMMart_6_2.pdf

重音の演奏方法・流派も比較していますが、様々な弾き方があります。
3. Multiple-stops progression
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