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バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio | ヴァイオリン掲示板

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楽曲・楽譜 117 Comments
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バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年02月27日 22:50
投稿者:南社(ID:KGQ2lSM)
はずかしながら、大人の生徒さんから指摘されて気付いたんだけど、
バッハ無伴奏ソナタ1番Adagioの最後の音は全音符なんですね。
でも私が聴いているCDやレコードは全部2分音符+フェルマー他の長さで、全音符の長さで弾いている演奏は聞いたことが無い。
もしやと思ってガラミアン版のファクシミリを見ても全音符に間違い無い。
しかしネットでMIDIを検索してソースを見るとなんとこれは2分音符。

みなさんはどう弾いている?
最後の音が2分音符になっている楽譜ってある?
または、全音符で弾いている演奏ってあるの?
あったら是非教えてください。
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【ご参考】
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月25日 01:03
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
また、バロック時代の四重音について比較的最近でも以下のような見解があります。

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”The Study of Orchestration” Samuel Adler著より

The bow used in the seventeenth and eighteenth centuries was more curved than it is today, and it was possible to sustain four-note
chords more readily.

17世紀から18世紀に使用された弓は現在の弓より曲がっていました。それは4音の和音を持続することがより容易に可能でした。
-----

このような見解には強い反論もありますが、決着は付いていないと考える
べきでしょう。
[42598]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月25日 09:40
投稿者:みねやいせじ(ID:MkA1BVE)
四和音を持続できる、と言う方はぜひ実演を披露してもらいたいものです。

すくなくとも、
StradivariやTaritiniなどの所持品だった弓は現存していますが、それでいったいどのように四和音を持続させていたのか見当もつきません。
バロック奏法の第一人者であるシギスヴァルト・クイケン氏に直接会って彼のオリジナル弓のコレクションを見せてもらったことがありますが、どれも四和音を持続させられるような特殊な弓は見当たりませんでした。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月25日 22:05
投稿者:catgut(ID:NoVlJYY)
みねやいせじさま、

19世紀のモダンヴァイオリンでも、パガニーニとオーレ・ブルは同時に4重音を弾いていたことははっきりしています。パガニーニについてはカール・グールの証言が、オーレ・ブルについてはシュポアの証言があります。現在では考えられないほど、彼らはフラットな駒でも弾けたようです。
ただし、パガニーニは非常に細いガット弦を使い、オーレ・ブルは内側のA,D線ではハイポジションが使えず、音も弱かったようです。

以前ヴィブラートのスレッドでも紹介されていた方ですが、現在のモダンヴァイオリンとモダン弓でも弦のテンションが低ければ四重音が弾けるというヴァイオリニストもいます。弓毛を通常とは逆にスティックを手前側に倒すのがコツだそうです。

Calvin Sieb
ttp://www.siegelproductions.ca/calvinsieb/bow.htm

Later I found that with this technique, executed not at the frog but
perhaps 5 or 6 inches farther towards the middle of the bow and over
the fingerboard where the curve of the strings is less pronounced and the string tension is less, I could play simultaneously 3 and even 4
note chords in Bach solo Sonatas without the usual technique of
breaking them 2 notes by 2.
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月25日 23:20
投稿者:catgut(ID:NoVlJYY)
ストラディヴァリ工房製とされる弓(1700年頃)
ttp://orgs.usd.edu/nmm/GiftShop/Posters/StradViolinPoster.html

現在より平均してカーブが緩いかつての駒
ttp://www.orpheon.org/oldsite/seiten/education/Bridges.htm

奏者の好みによるのか、現在とあまり変わらないものもありますが、
下側の絵を見ると本当にフラットに近い駒も使われていたようです。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月25日 23:59
投稿者:みねやいせじ(ID:MkA1BVE)
>I could play simultaneously 3 and even 4
note

ええ、たしかに同時に弾ける、と書いてありますが、
4つの音をそのまま持続させて鳴らし続けられる、とは書いていませんよ?


4つの音を最初のアタックで同時に弾くことは、モダンのヴァイオリンと弓でも熟練した奏者ならたいていできます。
でもAdagioの最後の和音のように、長い音を4つの音を最後まで持続させながら鳴らし続けられる方法はありません。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月26日 00:55
投稿者:catgut(ID:NoVlJYY)
みねやいせじさま、

I could play simultaneously 3 and even 4 note chords in Bach solo Sonatas without the usual technique of breaking them 2 notes by 2.

は、

私はバッハ無伴奏ソナタの、3つおよび4つの音の和音でさえ、通常の方法である2音+2音に分ける奏法ではなくて、一音で同時に演奏することができる。

と訳せると思います。ごく短い音には限定していないと思います。

また、実際のバッハの時代のヴァイオリンについて、小林瑞葉氏は以下のようにアントレ 2007/5号に書かれています。
「現在では、ヴァイオリンの指板最上部の幅は25mm以下のものが一般的ですが、J.S.バッハの時代には25mmより広いものも多く出回っていたことは、オリジナル楽器、当時の楽器製作家の使っていた型、文献などの残された資料によって明らかです」

現在でも指板上でなら三重音を同時に弾くのはそれほど困難ではありませんが、バッハの時代の指板は幅が広く、上ナットの弦の間隔も広く、指板のカーブも緩かった(小林氏が特注で製作した楽器の指板のカーブはr=52cm。現在はr=42cm程度)そうです。

さらに、弦はプレーンガットのバロックピッチで緩く、現在入手しやすいピラストロのコルダよりさらに当時の良質の弦はしなやかだった可能性があります。シュレーダーの「バッハ 無伴奏ヴァイオリン作品を弾く」の訳者である寺西氏も、あとがきで「(コルダは)ピュア・ガットとしては少々、しなやかさに欠ける印象もあります。」と書かれています。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月27日 00:06
投稿者:通りすがり(ID:dEASQxA)
都合のいいところだけつながないように。

ヤープ・シュレーダーの件の本はきちんと理解されましたか?
ここに書かれていることと

>と訳せると思います。ごく短い音には限定していないと思います。

は思いっきり矛盾していますね。
よく読んでください。
[42604]

Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月27日 00:30
投稿者:みねやいせじ(ID:KRKIlVk)
バイオリンを弾く人間なら四和音を鳴らし続けるこがどれだけ非現実的なことかを理解しているはずですので、英文で表現する場合も、

音を保持し続けることができる、

といった表現をするはずと思います。

ただ単に音を出せる、と書いてある場合は、瞬間的に四つ同時に発音させられる、と翻訳するのがこの場合は正しいでしょう。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月27日 10:36
投稿者:catgut(ID:MxMwQkE)
もう一度念を押しておきますが、私はバッハ無伴奏の三重音や四重音のすべてが同時に演奏されたと主張しているわけではありません。ただ、バロック時代のヴァイオリンと弓は構造上現在より三重音や四重音がずっと弾きやすかったため、ケースバイケースで同時に三重音や四重音を弾いたのではないかと思っています。

THE NEW GROVE DICTIONARY OF MUSICには重音(Multiple stopping)について以下のように書かれています。

・17世紀末のドイツ人作曲家がヴァイオリンの重音奏法の使用に熱心だった。
late 17th-century German composers (Walther, Biber, Nicolaus Bruhns and J.P. von Westhoff)

→Nicolaus Bruhns(1665-1697)はJohann Matheson(1681-1764)によると、ヴァイオリンでも3~4声のポリフォニーを弾いたそうです。

・(1715年頃)親指を使って四重音まで押さえた奏者もいたという。
that is to say, played chords of two, three and even - by means of the thumb - up to four notes

・バッハのシャコンヌの重音はアルペジオで弾くと考えられる。
in the Chaconne of Bach’s second partita for solo violin. In most cases the strings are stopped as for simultaneously sounding multiple
stops, although the notes sound contiguously.

→比較的最近の研究を反映した考えでしょう。

・3音以上を同時に弾くように明示した曲もあった。
18th-century composers specified that they did not want chords arpeggiated. Leblanc, in his Sonata in E, has a series of three-note chords together with the instruction ‘Strike all three strings at once and
always use a down-bow’. In op.4 no.6 Leclair l’aîné indicates that he
wants three notes sounded together at the beginning of each group
of oscillating notes.

・(トルテの弓の出現などにより)19世紀に4重音は2回に分解して弾く習慣が広まり、現在まで続いている。
It is in the 19th century that the practice seems to have developed (which can still be regarded as virtually standard) of breaking four note
chords into two pairs
-----

ここではシャコンヌの重音は基本的に分散和音で弾くとしていますが、当時の状況から考えて私はケースバイケースだったのではないかと思います。
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Re: バッハ無伴奏ソナタ1番Adagio

投稿日時:2010年03月27日 14:34
投稿者:catgut(ID:MxMwQkE)
19世紀ではすでにモダン楽器・モダン弓のため4弦同時の連続的な演奏は非常に珍しくなっていましたが、オーレ・ブルが非常に平坦な駒でそれを行っていたことは本人の弁や多くの証言で明らかです。彼の作曲した曲に4弦の持続するトレモロ(the sustained tremolos on four strings)があるそうです。

Notes Letter from Ole Bull to Sara Thorp

I had flattened the curve of my bridge, and with more pressure of the bow I could play on three, even four, strings simultaneously.

私は駒のカーブを平坦にし、より弓の圧力をかけて、3弦や4弦を同時に演奏することができた。

ttp://www.violinist.com/discussion/response.cfm?ID=12087
I speculated from some of the techniques he used that he probably
played on a very flat bridge by modern standards. Some of the
sustained tremolos on four strings would probably not be possible on a modern instrument

(オーレ・ブルの曲を分析して)彼が使用したテクニックから現在よりはるかに平坦な駒を使っていたと推測した。いくつかの4弦の持続するトレモロは現代の楽器では多分演奏不可能だ。
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