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ヴィブラートのかけ方について その4 | ヴァイオリン掲示板

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[32432]

ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月01日 03:31
投稿者:catgut(ID:JoVYNnI)
以前のスレッド(ヴィブラートのかけ方 その3)が再び非常に長くなりましたので、新しいスレッドを作成しました。

本スレッドの趣旨は、客観的事実として弦楽器のヴィブラートは基本的には基準音の上下におよそ均等にかかることを前提としてよいヴィブラートのかけ方について検討・議論・情報交換を行うことです。

例えば以下のような話題を想定しています。
・tartiniなど分析ソフトを用いたヴィブラート方法の改善
・従来、基本的に上向きまたは下向きにかけていた奏者が逆の方向にかけるケースについて
・ヴィブラートの仕組みに関連する話題
 等。
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【ご参考】
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Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月05日 00:38
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
jackさん

首尾よくいったようですね。ゲストブックへのアクセス数が急に増えたとか、そんなことはないですよね(^^;

>Eを高めにFに近づけているのはピュタゴラスですが、H(導音)が低いところがピュタゴラスとは違うような気がします。

H(導音)が低いのは、意図的にそうしたのか、単なるばらつきか、1回の演奏では良くわかりませんね。恐らくばらつきではないかと推測します。

S先生のExpressive Intonationをみて見ました。なかなか面白いですね。カルメンファンタジーの2種類の演奏を聴き比べて感じるのは、Expressive Intonationでは、B♭の音をより低めにして特徴を出しているといったところでしょうか。これは、第5音への下向きの導音と考えられます。タイスの瞑想曲でC#をピタゴラスより高めに奏しているのに対応しているのでしょう。それから音声の説明では、C#を高めに、と言っていますが、C#は2つ出てくるけどどっちのC#でしょうね? 後のほうだとすると、これは導音ではないので高めに取ってはいけないように思います。実際に波形で見ても低めになっています。最初のは明らかに導音なので高めに取ったほうが映えると思います。

因みに私はヴィブラートの話も好きですが、音律とかイントネーションの話はもっと好きです。
[32635]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月05日 04:06
投稿者:jack(ID:MYSRBRI)
[32605]
[32605]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月05日 00:38
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
jackさん

首尾よくいったようですね。ゲストブックへのアクセス数が急に増えたとか、そんなことはないですよね(^^;

>Eを高めにFに近づけているのはピュタゴラスですが、H(導音)が低いところがピュタゴラスとは違うような気がします。

H(導音)が低いのは、意図的にそうしたのか、単なるばらつきか、1回の演奏では良くわかりませんね。恐らくばらつきではないかと推測します。

S先生のExpressive Intonationをみて見ました。なかなか面白いですね。カルメンファンタジーの2種類の演奏を聴き比べて感じるのは、Expressive Intonationでは、B♭の音をより低めにして特徴を出しているといったところでしょうか。これは、第5音への下向きの導音と考えられます。タイスの瞑想曲でC#をピタゴラスより高めに奏しているのに対応しているのでしょう。それから音声の説明では、C#を高めに、と言っていますが、C#は2つ出てくるけどどっちのC#でしょうね? 後のほうだとすると、これは導音ではないので高めに取ってはいけないように思います。実際に波形で見ても低めになっています。最初のは明らかに導音なので高めに取ったほうが映えると思います。

因みに私はヴィブラートの話も好きですが、音律とかイントネーションの話はもっと好きです。
アマチュアチェロ弾きさん、
ありがとうございました。アクセス数に急増はありません。

Hが低いのはアクシデントと思います。

ヴィブラートをゆっくり掛けたデモの映像では指の動きが下向きにヴィブラートを掛けているように見えますが、貴波形分析では基音Eの上下にかかっているところが面白い(間違っていたらご指摘下さい)。やはり指を戻すときのオーバーシュート(上振れ)でしょうかね。耳のフィードバックで徐々に下がっているところも面白い。これは一見の価値ありますので公開されたらいかがですか?

Dr.Sの"Expressive Intonation" の定義は「ピュタゴラス律よりも更に全音を広く、半音を狭く」だと思います。結果として長調は第3音、第7音がかなり高くなり、短調では第3音が低く、第7音(♯)が高くなります。

カルメンファンタジー(二短調)のB♭は第6音ですからピュタゴラスではA基準平均律比-10セントだと思います。それより低ければ(第5音に近ければ)Dr.Sの言うExpressive Intonationですね。

Cisは「タイス」でも「カルメン」でも第7音(導音)ですが、2回出てくる後の方のCisが低めというのはどの曲のどの部分でしょうか?いずれも転調はしていないと思いますが?
[32692]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月05日 23:53
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
jackさん

>Hが低いのはアクシデントと思います。

私もそのように思います。

>ヴィブラートをゆっくり掛けたデモの映像では指の動きが下向きにヴィブラートを掛けているように見えますが、貴波形分析では基音Eの上下にかかっているところが面白い(間違っていたらご指摘下さい)。

私には『下向きにヴィブラートを掛けているように見えます』と仰る意味がよく理解できません。例えば演奏者がE音のノーマルポジションの位置をまず示して、その後にヴィブラートをかけているなら、そのノーマルポジションと比較して上とか下とか言えますが、映像は途中から始まっているので、なんとも言いようがないように思います。
映像(と波形)をみて言えるのは、第一関節を伸ばしたときはE音より低めに、曲げたときはE音より高めに、結局E音を中心に(ほぼ)上下にかけている、としか言えないような気がするのです。
「ここはヴィブラートを下向きに、ここはヴィブラートを上向きに」という表現をしておられる方もいらっしゃったような気がしますが、それって「ここは音程を少し低く取ってヴィブラートを上下に、ここは音程を少し高めにとってヴィブラートを上下に」というのと、何がどう違うのでしょうか? そこがチェロ弾きの私には最大の謎なのです。

>耳のフィードバックで徐々に下がっているところも面白い。

下がりの原因は、①意図的に、②耳のフィードバックにより無意識に、③アクシデント、の3つが考えられますが、私は③のような気がします。こういうのは、いろいろデータを集めると面白いかもしれませんね。

>Dr.Sの"Expressive Intonation" の定義は「ピュタゴラス律よりも更に全音を広く、半音を狭く」だと思います。結果として長調は第3音、第7音がかなり高くなり、短調では第3音が低く、第7音(♯)が高くなります。

大体そんなところだと思います。短調の第6音が低く、というのもあるでしょうね。

>カルメンファンタジー(二短調)のB♭は第6音ですからピュタゴラスではA基準平均律比-10セントだと思います。それより低ければ(第5音に近ければ)Dr.Sの言うExpressive Intonationですね。

そう思います。

>2回出てくる後の方のCisが低めというのはどの曲のどの部分でしょうか?

すみません。間違えていました。1回しか出てきません(汗; お詫びの印(?)に、明日カルメンファンタジーの『Pythagorean intonation』と『Expressive intonation』の波形をUPします。

では。
[32694]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月06日 00:23
投稿者:auxo(ID:MRY3BEI)
引っ込むと言ったけどちょっとだけ(笑)

少なくとも僕は必ずしも均等にかけるという意識でかけている訳ではないです。

下に多くかける、上に多くかける、均等に、の三段階を設定してその間を気分で無段階で調節といったところでしょうか。
一番多用しているのは下に多めにかけるパターンであるように思います。
その際多少上にもかかりますが、コントロールしている幅は下にかかる分であるように思います。
だから深山先生の説明は僕にとってとてもしっくりくるものでした。

上に多くかける、という意識でやるのは特殊な場合に限るように思います。
上下均等にかける場合は大抵速いビブラートの時ですね。
ですので音程をどうこう、というよりも方向性を意識しています。

ついでに言うなら、たとえ上にかけ始めるとしてもコントロールしているのは下にかかっている部分(下にいくモーション)である事が多いです。
これはズッカーマンが言っていましたが、これも僕の感覚としては納得のいくところです。
[32695]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月06日 02:14
投稿者:父娘でVn始めました(ID:KTlTkzU)
[32694]
[32694]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月06日 00:23
投稿者:auxo(ID:MRY3BEI)
引っ込むと言ったけどちょっとだけ(笑)

少なくとも僕は必ずしも均等にかけるという意識でかけている訳ではないです。

下に多くかける、上に多くかける、均等に、の三段階を設定してその間を気分で無段階で調節といったところでしょうか。
一番多用しているのは下に多めにかけるパターンであるように思います。
その際多少上にもかかりますが、コントロールしている幅は下にかかる分であるように思います。
だから深山先生の説明は僕にとってとてもしっくりくるものでした。

上に多くかける、という意識でやるのは特殊な場合に限るように思います。
上下均等にかける場合は大抵速いビブラートの時ですね。
ですので音程をどうこう、というよりも方向性を意識しています。

ついでに言うなら、たとえ上にかけ始めるとしてもコントロールしているのは下にかかっている部分(下にいくモーション)である事が多いです。
これはズッカーマンが言っていましたが、これも僕の感覚としては納得のいくところです。
auxo さま
>下に多くかける、上に多くかける、均等に、の三段階を設定してその間を気分で無段階で調節
一番多用しているのは下に多めにかけるパターン

caugutさまの御説では、
>ヴィヴラートの振幅のちょうど中心を音程として認識する、
という音程中心認識説が非常に強調されて居られますよね。
この中心認識説によりますと、
『(auxoさまのような)下に大目、上に大目は、弾いている音程が聴衆に聴かれる音程とはブレてしまうので基本的には避けるべきであるが表現としては例外的にありである』
ということになるのでしょうか。
私の個人的な印象では、上手なヴィヴラートであればそういうブレは起きないと思っていたので、catgutさまの音程絶対中心説には何となく違和感があったのです。
ヴィヴラートの技法は全くの素人ですから何も申しませんが、演奏者が狙った音程に向かう音のエネルギーみたいな意志の塊みたいなものが(精神的に)あって、それで核になる音程が決まってくるのではないのかなあとか思うのです。
意味を成さない精神論と印象論なのでまた皆さまの嘲笑を買いそうで恐縮なのですが。

上下にかけられている場合の方がずっと多いと思うのでcatgutさまの御説の最も重要な部分に関しては私もおおむね賛成なのですが、必ず中心と言うのがちょっとだけ引っ掛かっていました。

私の誤解勘違い読み違いなどございましたら、ご指摘ください。
[32697]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月06日 02:43
投稿者:catgut(ID:ORchcIg)
父娘でVn始めましたさま、

本スレッドの最初に私は以下のように書いています。
「弦楽器のヴィブラートは基本的には基準音の上下におよそ均等にかかる」
これが
「ヴィヴラートの振幅のちょうど中心を音程として認識する」
とは全く違うニュアンスであることはご理解頂けると思います。
[32699]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月06日 03:04
投稿者:父娘でVn始めました(ID:KTlTkzU)
はあ。すると、ガラミアン風に弾けばガラミアン風に認識されるのであればそれはそれで否定する必要はないのですね。なるほど。安心しました。
[32701]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月06日 06:11
投稿者:jack(ID:MYSRBRI)
[32692]
[32692]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月05日 23:53
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
jackさん

>Hが低いのはアクシデントと思います。

私もそのように思います。

>ヴィブラートをゆっくり掛けたデモの映像では指の動きが下向きにヴィブラートを掛けているように見えますが、貴波形分析では基音Eの上下にかかっているところが面白い(間違っていたらご指摘下さい)。

私には『下向きにヴィブラートを掛けているように見えます』と仰る意味がよく理解できません。例えば演奏者がE音のノーマルポジションの位置をまず示して、その後にヴィブラートをかけているなら、そのノーマルポジションと比較して上とか下とか言えますが、映像は途中から始まっているので、なんとも言いようがないように思います。
映像(と波形)をみて言えるのは、第一関節を伸ばしたときはE音より低めに、曲げたときはE音より高めに、結局E音を中心に(ほぼ)上下にかけている、としか言えないような気がするのです。
「ここはヴィブラートを下向きに、ここはヴィブラートを上向きに」という表現をしておられる方もいらっしゃったような気がしますが、それって「ここは音程を少し低く取ってヴィブラートを上下に、ここは音程を少し高めにとってヴィブラートを上下に」というのと、何がどう違うのでしょうか? そこがチェロ弾きの私には最大の謎なのです。

>耳のフィードバックで徐々に下がっているところも面白い。

下がりの原因は、①意図的に、②耳のフィードバックにより無意識に、③アクシデント、の3つが考えられますが、私は③のような気がします。こういうのは、いろいろデータを集めると面白いかもしれませんね。

>Dr.Sの"Expressive Intonation" の定義は「ピュタゴラス律よりも更に全音を広く、半音を狭く」だと思います。結果として長調は第3音、第7音がかなり高くなり、短調では第3音が低く、第7音(♯)が高くなります。

大体そんなところだと思います。短調の第6音が低く、というのもあるでしょうね。

>カルメンファンタジー(二短調)のB♭は第6音ですからピュタゴラスではA基準平均律比-10セントだと思います。それより低ければ(第5音に近ければ)Dr.Sの言うExpressive Intonationですね。

そう思います。

>2回出てくる後の方のCisが低めというのはどの曲のどの部分でしょうか?

すみません。間違えていました。1回しか出てきません(汗; お詫びの印(?)に、明日カルメンファンタジーの『Pythagorean intonation』と『Expressive intonation』の波形をUPします。

では。
アマチュアチェロ弾きさん。

>映像(と波形)をみて言えるのは、第一関節を伸ばしたときはE音より低めに、曲げたときはE音より高めに、結局E音を中心に(ほぼ)上下にかけている、としか言えないような気がするのです。
-------
第1関節を伸ばす(下向き)モーションが戻す(上向き)よりも動きが大きいように感じる事を以って「下に掛けている」と言いました。多分に感覚的・主観的ですが。

>「ここはヴィブラートを下向きに、ここはヴィブラートを上向きに」という表現をしておられる方もいらっしゃったような気がしますが、それって「ここは音程を少し低く取ってヴィブラートを上下に、ここは音程を少し高めにとってヴィブラートを上下に」というのと、何がどう違うのでしょうか? そこがチェロ弾きの私には最大の謎なのです。
-----
これは奏者の意識の問題が絡むと思います。「ここは音程を少し低く取って」というのは、深山氏の「ヴィブラートの支点の音程を下げる」指導と同じ意味と思います。正しい音程(ノンヴィブ)で押さえた指の位置を下に動かすのではなく、「第1関節の角度を伸ばすことによって下げる」という意味ではないでしょうか。これも主観的ですね。

 [32694]
[32694]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月06日 00:23
投稿者:auxo(ID:MRY3BEI)
引っ込むと言ったけどちょっとだけ(笑)

少なくとも僕は必ずしも均等にかけるという意識でかけている訳ではないです。

下に多くかける、上に多くかける、均等に、の三段階を設定してその間を気分で無段階で調節といったところでしょうか。
一番多用しているのは下に多めにかけるパターンであるように思います。
その際多少上にもかかりますが、コントロールしている幅は下にかかる分であるように思います。
だから深山先生の説明は僕にとってとてもしっくりくるものでした。

上に多くかける、という意識でやるのは特殊な場合に限るように思います。
上下均等にかける場合は大抵速いビブラートの時ですね。
ですので音程をどうこう、というよりも方向性を意識しています。

ついでに言うなら、たとえ上にかけ始めるとしてもコントロールしているのは下にかかっている部分(下にいくモーション)である事が多いです。
これはズッカーマンが言っていましたが、これも僕の感覚としては納得のいくところです。
auxo さんの記事同感です。auxo さんは↑どのようにお感じですか?


>すみません。間違えていました。1回しか出てきません(汗; お詫びの印(?)に、明日カルメンファンタジーの 『Pythagorean intonation』 と 『Expressive intonation』 の波形をUPします。
--------
眠っていた「カルメン・・・」の楽譜を引っ張り出してきたり、 Dr.S のサイトの関連する部分を見直したりして色々新しい発見・副産物がありましたので気になさらないで下さい。波形UP楽しみにしております。


私の師によりますと、ガラミアンは多分に理論的で実践的では無かったそうです。彼のフィンガリング(1や4指のイクステンションや中間ポジションの多用)は一見合理的に見えますが彼自身はそれをきちっと弾けたわけではないそうで、そんなフィンガリングを嫌がる弟子が多かったそうです。彼が「ヴィブの上限を正しいピッチと感じる」と教えたとしたら、当時の「間違うより、高いほうがまし」という言い習わしへの警告のように思います。どなたかが言われた教育上の方便に過ぎないかもしれませんが、それが教育上の弊害になるとも思えず、画期的なことだったのかも知れません。いずれにしても「過ぎたるは及ばざるが如し」でサジ加減は生徒本人次第でしょうね。

[32744]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月06日 20:14
投稿者:auxo(ID:IjcTESM)
>jackさん
僕もアマチュアなので僕の感覚が妥当かどうかに確固たる自信があるわけではないのですが(笑)

深山先生の「少し下を支点にする」ですが、おそらくそういう意味でしょうね。
その方が自然な指の屈伸運動になるような気がします。

>父娘でバイオリン始めましたさん
ビブラートの上下の偏りも含めて音程は調節しています(おそらくは無意識的な部分も含めて)
まあ、それも精神的なものの表出だと言っても差し支えは無いでしょう(笑)
[32838]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月10日 08:17
投稿者:catgut(ID:FlYoYwg)
議論が落ち着いてきたようなのでいったんまとめます。

まず最初に「ヴィブラートは基本的に基準音の下にかけるか上下にかけるか」について議論がありました。

・tartiniでの有名奏者の演奏分析
・アマチュアチェロ弾きさまによる有名奏者の演奏分析データの提示
・CABINさまによる合成音によるヴィブラート音データの提示
・音響学者の大半が人間の耳はヴィブラートの音程範囲のおよそ中間を認識するという実証結果を出している
・ガラミアン由来以外の多くの指導書が「上下にかける」と指導している
・実際に上下にかけると意識されている方々のコメントがあった
などにより「基準音のおよそ上下にかける」ということで認識が合いました。

ただし、認識されるのは「完全に中間」とは限らず、
・奏者のヴィブラート音程認識の個人差
・ヴィブラート音量の変化のパターン
・ヴィブラート波形の変化のパターン
などから、ある程度偏りがある可能性が指摘されました。
本件については継続検討中です。

次に「ヴィブラートは下に向けてかけ始めるか上に向けてかけ始めるか」
について議論がありました。「基準音の下にかけることと無関係に下に向けてかける必要がある、ないし意義が大きい」という趣旨のコメントがありました。文献調査の結果、以下が明らかになりました。

・ガラミアン由来以外の多くの指導書が「上に向けてかけ始める」と指導している。ガラミアン由来以外の「下に向けてかけ始める」という指導は現状見つかっていない。
・「下派」である七沢八郎氏の著書に1963年当時「多くのバイオリニストたちはヴィブラートの始まりの運動を必ずといってよい程、上方に向かって行います。」との記載あり。

つまり「下に向けてかけ始める」という指導は「基準音の下にかける」必要に迫られて従来の演奏習慣に反して行われるようになったことが明らかになりました。

ただし、実際に「下に向けてかけ始める」練習を行った結果「下に向けてかけ始める」ことも可能であることが証明され、条件によっては積極的な意義があるとの指摘がありました。本件については継続検討中です。

ここまで来てようやくヴィブラートに関する検討は「スタート地点」に立ったと思われます。
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