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ヴィブラートのかけ方について その4 | ヴァイオリン掲示板

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[32432]

ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月01日 03:31
投稿者:catgut(ID:JoVYNnI)
以前のスレッド(ヴィブラートのかけ方 その3)が再び非常に長くなりましたので、新しいスレッドを作成しました。

本スレッドの趣旨は、客観的事実として弦楽器のヴィブラートは基本的には基準音の上下におよそ均等にかかることを前提としてよいヴィブラートのかけ方について検討・議論・情報交換を行うことです。

例えば以下のような話題を想定しています。
・tartiniなど分析ソフトを用いたヴィブラート方法の改善
・従来、基本的に上向きまたは下向きにかけていた奏者が逆の方向にかけるケースについて
・ヴィブラートの仕組みに関連する話題
 等。
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【ご参考】
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Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月01日 17:22
投稿者:カルボナーレ(ID:MYAAaUA)
私はこのツールを持っていませんし、詳しくありませんが、下記のようにとらまえました。(詳しい方からみて違っていたらご指摘ください。)
1)まず、調律・調弦が440Hzなのか442Hzなのか、はたまた別の値なのかは、基準をきめるために必ず必要です。分析前あるいは分析の過程でユーザが設定するのだと思いますが、例えばデータとして用意されたタイスの瞑想曲では、始まって3音目のAの開放の音を基準とする、と書いてありますので、その音の高さがまず表示の縦軸の0を決める値となるのだと思います。450Hzだったり、445Hzだったり、サンプルによって異なっています。
2)Aの高さが決まれば、12平均律(オクターブ1200セント、半音100セント)における各音の高さは決まります。それが各音程における基準値(=縦軸のセンター値0)になるのだと思います。このソフトは入力周波数から、その周波数に近いドラミファ...(音名とオクターブ)とそこからのセント単位でのずれを表示させているようです。
3)純正、ピタゴラスだったら、という値も表示されるようですが、これは調性を入力したら自動的に平均律との差を出して表示するのだと思います。和声的な進行の際は純正、メロディーとしての進行はピタゴラスに近いのではないか、と製作者の想定でこの機能が入っているのだと解釈しました。

実演における音の高さの変化を、音名と、平均律の音からの差分(セント)という形で表示してくれるので、一流演奏家のイントネーションがどのようなものか凡そわかって、面白いと思いました。
しかし、ビブラート時にどのような音程を弾いているつもりなのか、また聴き手にはどのように聴こえているかを測定するものではなく、素直に演奏データを見やすく表示してくれるツールだと私は思います。

演奏者側から見た時の傾向を求めようとすると、
まずは同じフレーズを用いて、ある演奏者にとっての、ビブラート無しでのベストのイントネーションと、ビブラートをかけたときのベストのイントネーションを、比較することから始め、複数の演奏者の結果を集めなければいけませんね。
[32471]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月01日 23:40
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
皆様 こんばんは。

時間的な制約があり、私は皆様の投稿を全部見ることが出来ません。はずしていたらすみません。また書き込みもまばらになってしまいますが、その点ご容赦願います。

カルボナーレ様(今まで私は一貫して「さん」を使っていましたが、スレも新しくなったことだし「様」を使うことにします。)

私の代わりに詳しく説明していただきまして、どうもありがとうございます。殆ど完璧です。付け加えることはありません。

>演奏者側から見た時の傾向を求めようとすると、
>まずは同じフレーズを用いて、ある演奏者にとっての、ビブラート無しでのベストのイントネーションと、ビブラートをかけたときのベストのイントネーションを、比較することから始め、複数の演奏者の結果を集めなければいけませんね。

これも全くその通りですね。そこで皆様に提案ですが、皆様の演奏を提供していただけないでしょうか?
私の提示しました波形を見ても、それでもまだ納得できないと仰る方もおられるかもしれません。確かに、演奏者名も実際の演奏も伏せた形で、波形のみでは判りにくいと思います。ならば、皆様ご自身の演奏をご自身で確かめられるのが一番良い方法だと思います。

どこかの無料アップローダにでも音源ファイルを置いてくだされば、私がそれを受け取りに行き解析し、私のサイトにUPします。
1)音源ファイルの形式は問いません(wavでもmp3でもその他なんでもかまいません)がなるべくノイズの少ない形で録音していただけるときれいに解析できます。jackさんの音源はノイズが少なく、良かったですよ。勿論演奏も素晴らしいです。
2)ファイル名には適当なニックネームをつけてください。私のサイトでそのニックネームを表示することにしましょう。ニックネームはここでお使いのお名前と異なっていても勿論かまいません。
3)音源ファイルは他の皆様の事を考えて基本的には私のサイトで公開したいと思いますが、もし具合が悪ければそのように仰ってくだされば波形のみにします。
4)演奏ですが、D線開放弦から始まるニ長調の1オクターブの音階(上行&下降)をヴィブラート無し/ありで。1つの音は2秒程度かな。ボーイングはお任せします。勿論、曲であってもかまいません。例えばタイスの瞑想曲であれば、世界の超一流の方の波形と比較が出来ますよ。

一応思いつくままに書いてみましたけど、もっと良いやり方があればご提案していただけると助かります。

皆様方のたくさんのご応募を期待しております。
[32492]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月02日 01:56
投稿者:catgut(ID:ElaTADM)
ヴィブラート関係重要文献のご紹介です。

以下のサイトで全文をPDFとテキストで読むことができます(英文)。
ただし、スキャンデータから自動文字認識をしているためと思われます
が、一部文字欠け・文字化けしている場合があります。

レオポルド・モーツァルト ヴァイオリン奏法
ttp://www.archive.org/details/treatiseonthefun007087mbp
アマデウス父によるヴァイオリン指導書。18世紀中期から19世紀
にかけて広く使用されていた。

Seashore,Carl E Psychology Of Music(音楽の心理学)
ttp://www.archive.org/details/psychologyofmusi030417mbp
ヴィブラートの音程認識についての初期の重要文献。

カール・フレッシュ 回想録
ttp://www.archive.org/details/memoirsofcarlfle002347mbp
連続的ヴィブラートがどのように広く使われるようになったかに
ついて詳しい記述がある。


アマチュアチェロ弾きさま、

これは大変面白い試みですね。奏者の匿名性を確保するために、
アマチュアチェロ弾きさまへの連絡はアマチュアチェロ弾きさま
のWebに掲載されているメールアドレスに(フリーメール等で)
連絡していただくか、こちらのスレッドに連絡事項を書き込んで
いただくということでよろしいですか?
[32493]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月02日 02:45
投稿者:あい(ID:FleIgVI)
初登場~♪


catgutさん

わたしは詳しい確認を取ってませんが、Wieniawskiがヴィブラートの
ことについて述べた文献(?)があると聞きました。うる覚えで
間違っていたら訂正しますが、この文献は見つかったのでしょうか。


Wieniawskiのコンチェルトの2番が、ヴァイオリンの曲で最もビブラートの
種類を必要とする曲の一つだと思います。
[32496]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月02日 07:51
投稿者:catgut(ID:ElaTADM)
あいさま、
情報提供ありがとうございます。
WieniawskiではなくWasiliewskiではないでしょうか?
ヴィブラート関係の文献を調査したVibrato on the violin
という本には文献としてはWasiliewskiしか見当たりません。

いずれにしてもヴィエニャフスキは現代的なヴィブラートに近い強いヴィブ
ラートを使用したらしく、クライスラーが以下のように述べているそうです。

「ヴュータンとヴィエニャフスキが強いヴィブラートを使用し、フレンチヴィブラートと呼ばれた。これをイザイが継承してイザイは強いヴィブラートの代表者となった。」

単に強いヴィブラートを使用するだけではなく、連続的にヴィブラートを
使用したという観点で、通常はイザイが現代的なヴィブラート奏法の
創始者と言われるようです。
[32503]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月02日 20:32
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
catgutさん こんばんは。(やっぱり「様」は、堅苦しいので、今まで通り「さん」にします)

連絡方法が抜けていましたね。私のメールアドレスでも、こちらのスレッドでもどちらでもかまいません。

皆様、ご自分の波形を確認されたい方は、是非ご応募願います。では、お待ちしております。


カルボナーレさん

>また、Aの開放の音程を基準にするのは間違いで、この曲ではDの安定しているところを出来るだけたくさんピックアップして基準の高さをきめないと、その奏者の感じている基準の音程にはならないと思いました。

仰りたいことは良くわかりますが、「Dの安定しているところを出来るだけたくさんピックアップして基準の高さをきめ」てしまうと、どうしても主観が入ってしまいます。Aの開放の音程を基準にすることは、ベストではないかもしれませんが、ベストに近いベターだと思います。短調の曲については、いずれUPしますので、少々お待ちください。
[32541]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月03日 15:38
投稿者:jack(ID:I2VGB3A)
[32471]
[32471]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月01日 23:40
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
皆様 こんばんは。

時間的な制約があり、私は皆様の投稿を全部見ることが出来ません。はずしていたらすみません。また書き込みもまばらになってしまいますが、その点ご容赦願います。

カルボナーレ様(今まで私は一貫して「さん」を使っていましたが、スレも新しくなったことだし「様」を使うことにします。)

私の代わりに詳しく説明していただきまして、どうもありがとうございます。殆ど完璧です。付け加えることはありません。

>演奏者側から見た時の傾向を求めようとすると、
>まずは同じフレーズを用いて、ある演奏者にとっての、ビブラート無しでのベストのイントネーションと、ビブラートをかけたときのベストのイントネーションを、比較することから始め、複数の演奏者の結果を集めなければいけませんね。

これも全くその通りですね。そこで皆様に提案ですが、皆様の演奏を提供していただけないでしょうか?
私の提示しました波形を見ても、それでもまだ納得できないと仰る方もおられるかもしれません。確かに、演奏者名も実際の演奏も伏せた形で、波形のみでは判りにくいと思います。ならば、皆様ご自身の演奏をご自身で確かめられるのが一番良い方法だと思います。

どこかの無料アップローダにでも音源ファイルを置いてくだされば、私がそれを受け取りに行き解析し、私のサイトにUPします。
1)音源ファイルの形式は問いません(wavでもmp3でもその他なんでもかまいません)がなるべくノイズの少ない形で録音していただけるときれいに解析できます。jackさんの音源はノイズが少なく、良かったですよ。勿論演奏も素晴らしいです。
2)ファイル名には適当なニックネームをつけてください。私のサイトでそのニックネームを表示することにしましょう。ニックネームはここでお使いのお名前と異なっていても勿論かまいません。
3)音源ファイルは他の皆様の事を考えて基本的には私のサイトで公開したいと思いますが、もし具合が悪ければそのように仰ってくだされば波形のみにします。
4)演奏ですが、D線開放弦から始まるニ長調の1オクターブの音階(上行&下降)をヴィブラート無し/ありで。1つの音は2秒程度かな。ボーイングはお任せします。勿論、曲であってもかまいません。例えばタイスの瞑想曲であれば、世界の超一流の方の波形と比較が出来ますよ。

一応思いつくままに書いてみましたけど、もっと良いやり方があればご提案していただけると助かります。

皆様方のたくさんのご応募を期待しております。
アマチュアチェロ弾きさん、
↓は分析対象としていかがですか?この方はスローモーションのヴィデオでは下向きに掛けています。基準音から上へオーバーシュートしているように感じます。
ttp://www.violinwakaru.com/artcl_30/30_00022.htm
[32546]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月03日 20:20
投稿者:nabe(ID:GId0QEc)
私は学習者ですから、pochiさんの下記の投稿がこのスレの実質的な結論だと思っていて、後の議論は本来不要なものだと考えています。

[31545]
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Re: ヴィブラートのかけ方について その2

投稿日時:2007年02月17日 03:12
投稿者:pochi(ID:IzM5QwA)
> 日本では欧米と違って「基準音の下にかける派」が圧倒的に多く見えた理由

ヴァイオリン弾きの基準ではそんなことはありません。江藤俊哉は上下に掛けます。海野義雄は基準音の上にも掛けます。そんなことは、音響分析器を使わないでも聴けば解ります。

日本のポピュラー音楽の歌手は、下に掛ける(下から基準音に掛ける)人が多いと思います。例外は細川たかし等、少数です。

カンツォーネやオペラを歌っている人は、基準音の上に掛ける人が多いと思います。ドロシー・ディレイは、基準音から上下に掛けていました。ガラミアンの教えは無視ですね。ルイ・アームストロングは、基準音の上に掛けます。

「嗄れ醤油染みたる音」を出すのには、下から基準音に掛けると雰囲気が出ます。指盤寄りを少し潰して音を出します。鋭意研究中です。

指揮台に立ったら、どの人がどれだけ狂った音程で弾いて居るのか、解らなかったら、指揮は出来ません。ヴィブラートが下に掛っていたら、私は音程が低いと注意しますよ。

ヴィブラートのあるオーボエとほとんど無いクラリネットの旋律の受け渡し等は、特に練習しているはずです。

正弦波なのか、余弦波なのかの、回答です。
私は、ヴィブラートの個数の指導を受けた事は有りますが、上から掛けるのか、下から掛けるのかは、指導を受けたことは有りません。従って、どちらでもよいのでしょう。意識したことがありません。

音程は、音楽の進行方向を決定する要素の1つなのだそうで、曲想によって多少違いますから、純正率がよいとか、ピタゴラスが良いとか、一概には云えません。その味付けにもヴィブラートは使われます。メニューインは、耄碌する以前、この技を多用していました。最近の人ではジョシュア・ベルが使います。

この掲示板に投稿してくれていた玉木宏樹先生に御登場願いたいものです。先生は意識をして純正律で音程をとる事もありますが、基本的には旋律をピタゴラスで取っています。音楽の方向性を音程やヴィブラートで表現することはほとんど有りません。ヴィブラートは基本的に真ん中ですが、時々下に掛ける事もあります。

catgut氏は、2オクターブの単音音階を長短全ての調で、ノン・ヴィブラートで練習して下さい。出来れば、楽器の響きに合わせて音程を取ることが望ましいのですが、調性によっては、不可能な調もあります。仕方がありません。ヴィブラートはこの響きを増幅するものだと理解すれば、自ずとヴィブラートの音程は定まります。D線のGでヴィブラートを掛ける意味も御理解戴けると思います。
pochiさん
>>>
catgut氏は、2オクターブの単音音階を長短全ての調で、ノン・ヴィブラートで練習して下さい。出来れば、楽器の響きに合わせて音程を取ることが望ましいのですが、調性によっては、不可能な調もあります。仕方がありません。ヴィブラートはこの響きを増幅するものだと理解すれば、自ずとヴィブラートの音程は定まります。D線のGでヴィブラートを掛ける意味も御理解戴けると思います。
>>>
これに比べると波形分析する方法は以下のデメリットがあります。

1.響きを聴くというコンテキストが失われる。
2.耳と手の連動が鍛えられない。
3.分析を意識した演奏になってしまう。
4.機器を揃えるのに金がかかる。

このデメリットを埋め合わせるだけのメリットを感じられません。
[32550]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月03日 23:06
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
jackさん こんばんは。お久しぶりです。

そのサイトは以前から見させて頂いていますが、中々の力作ですね。自身の演奏も少し聞けます(分からないような所にそっと置いてあります)が、とてもお上手です。波形分析結果を私の仮サイトに載せることについては、著作権の問題で控えさせていただいています。現在載せているのは、「Jさん」以外、すべて外国の方のものです。(外国の方のものなら良いのか!? というお叱りを受けそうですが・・・)。波形なら恐らく問題ないのだとは思いますが、一応慎重を期すようにしております。ご本人がここをご覧になっていて、「いいとも!」と仰ってくだされば良いのですが。でも私的な利用は全く問題ないと思いますので、jackさん(あるいは他の方)に個人的にお見せすることは可能(違法ではない)と考えます。もし必要ならそうします。どちらでもいいですが。

(ここからは独り言)
私は波形解析ツールを使用して様々な知見を得ましたし、自分自身の決定的な問題点も見つけました。それにより奏法を大きく変えました。恐らくビデオや録音では成し得なかった事でしょうね。大切なのは『どのようにうまく使いこなすか』でしょうね。どんなものでも使い方によって『毒』にも『薬』にもなります。『絵の具の数を増やすためのツール』として、適切に使えば何の問題もないでしょう。ビデオや録音機器と同様、より良い音楽表現のための支援ツールと考えればいいのです。

ツールを使いたければ使えば良いし、使いたくなければ使わなければ良いし・・・ 人それぞれですね。
[32586]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月04日 08:17
投稿者:jack(ID:MYSRBRI)
[32550]
[32550]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月03日 23:06
投稿者:アマチュアチェロ弾き(ID:MFdyYyU)
jackさん こんばんは。お久しぶりです。

そのサイトは以前から見させて頂いていますが、中々の力作ですね。自身の演奏も少し聞けます(分からないような所にそっと置いてあります)が、とてもお上手です。波形分析結果を私の仮サイトに載せることについては、著作権の問題で控えさせていただいています。現在載せているのは、「Jさん」以外、すべて外国の方のものです。(外国の方のものなら良いのか!? というお叱りを受けそうですが・・・)。波形なら恐らく問題ないのだとは思いますが、一応慎重を期すようにしております。ご本人がここをご覧になっていて、「いいとも!」と仰ってくだされば良いのですが。でも私的な利用は全く問題ないと思いますので、jackさん(あるいは他の方)に個人的にお見せすることは可能(違法ではない)と考えます。もし必要ならそうします。どちらでもいいですが。

(ここからは独り言)
私は波形解析ツールを使用して様々な知見を得ましたし、自分自身の決定的な問題点も見つけました。それにより奏法を大きく変えました。恐らくビデオや録音では成し得なかった事でしょうね。大切なのは『どのようにうまく使いこなすか』でしょうね。どんなものでも使い方によって『毒』にも『薬』にもなります。『絵の具の数を増やすためのツール』として、適切に使えば何の問題もないでしょう。ビデオや録音機器と同様、より良い音楽表現のための支援ツールと考えればいいのです。

ツールを使いたければ使えば良いし、使いたくなければ使わなければ良いし・・・ 人それぞれですね。
アマチュアチェロ弾きさん、ご無沙汰しております。
>波形分析結果を私の仮サイトに載せることについては、著作権の問題で控えさせていただいています。
-------------

想定範囲内のご回答ですね(笑)。


この曲は[32440]
[32440]

Re: ヴィブラートのかけ方について その4

投稿日時:2007年04月01日 11:38
投稿者:カルボナーレ(ID:MYAAaUA)
10人のソリストでの”タイスの瞑想曲”の演奏の波形
ttp://music.geocities.jp/amateur_cellist/test.htm
を見ました。(個人的には、非常に面白いデータです。)
正しいイントネーションで弾くと、最初から
F# 少し高め
D 基準の音
A 開放なので妥協の音
D 基準の音
F# 高め
H 少し高め
C# かなり高め
D 基準の音
となることは、まっとうな弦楽器奏者としては常識的にわかると思いますが、大体はその傾向はありました。
私にとって印象的だったのは
-演奏者にとってイントネーションの誇張の仕方がさまざまであること=一音一音の目標の音の高さは奏者によりかなり異なり、それがその奏者・演奏の個性となっていること
-最初はすぐ後に開放Aがあるので、開放を見越して前後を調整する人と、開放の音の不整合はしかたない割り切っている人にわかれること
-ビブラートを掛けはじめる方向は、上下限定できないこと
くらいでした。
狙いの音程に対し上下にかけているかどうか、上下均等にかけているかは、人によりあれだけ癖がでることからも、その人がどこの音程を狙ったのかわからないので、わかりません。
また、Aの開放の音程を基準にするのは間違いで、この曲ではDの安定しているところを出来るだけたくさんピックアップして基準の高さをきめないと、その奏者の感じている基準の音程にはならないと思いました。
さらに、全体的に高めに音取りする曲を選ばれているので、評価のためには、短調で全体に低めに音取りする曲もサンプルとしてあげるべきと感じました。

ビブラート音のサンプル
ttp://www.geocities.jp/cabin_vc/vibrato.html
も聴きましたが、一番印象的だったのが、前後に対する定常部の音程の記憶が、ビブラートでの音程感の知覚に大きく影響を与える事でした。またその影響をできるだけ排除して聴いても、上下に振った場合にはその中心を音程として感じているのではなく、中心と上端の間のどこかに位置するように聴こえます。これはガラミアンの「一番高いピッチを耳は捕らえやすいので、上下均等にかけるとイントネーションがシャープになる」という記述と一致していると思います。
また以前にも書きましたが、議論する上では、上下均等という場合の上下の軸がセントなのかヘルツなのか弦上の距離なのか、その定義も重要だと思います。

*私は、”上下均等ではなく、演奏に応じて柔軟に上下にかける派”ですが、ガラミアンの記述に関しては、思い込みを持つ事なく憶測を排除し素直にとらえようとしていますが、曖昧な表現が多く見方により色々なとらまえか方ができます。一部のガラミアン信奉者の解釈による極論=ガラミアンの教え、と鵜呑みにすることはしたくありません。
カルボナーレさんの提案
>さらに、全体的に高めに音取りする曲を選ばれているので、評価のためには、短調で全体に低めに音取りする曲もサンプルとしてあげるべきと感じました。
----------------

に対するヒントになろうかと思いました。

この曲の最初の4つの音のピュタゴラス律に於ける平均律からの偏差は次のようになります。

E +2cent
F -8cent
D -2cent
H +4cent

E,F,Hに着目して下さい。表情的イントネーションではE,F間の音程はピュタゴラス律よりも更に狭くとられます。Eが基準であればFは低めに、Hは高めに来るかも知れません。(表情的イントネーションはviolinmasterclass.com のExpressive Intonationご参照)

もし分析して下さるなら、私のブログのゲストブックにその結果をアップしたアドレスをヒッソリと置いて下されば幸いです。適当なHNとパスワードで投稿可能です。

「タイスの瞑想曲」で分析対象となったヴァイオリニストのこの曲の音源を比較検討されればそのヴァイオリニストが慢性的に高めにとっているのか、導音や第3音を高めに取る表情的イントネーションなのかの区別が分かると思います。巨匠の歴史的名演奏なども加われば面白い結果が出るかもしれません。

解析ツール、電子チューナーなどはお説に賛同します。使い方を間違えれば有害ですが、正しく使って正しく応用すれば有益な道具になると思います。
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