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弦楽器フェアに見る新作楽器 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 37 Comments
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弦楽器フェアに見る新作楽器

投稿日時:2003年11月08日 21:25
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
11/7-11/9の三日間、東京の科学技術館で「弦楽器フェア」を開催。
中日の11/8午前から仲間(7人ほど)で試奏に行きました。主に私が演奏し、みながそれを聴いて討議し、コメントをメモしました。
多数試奏し、優秀な楽器が多いと感じました。

以下に強い印象を受けた楽器の例を掲げます。
他にも優れた楽器は多数ありますので、あくまで「一部の例」です。
ベストテンとかいうような意図は毛頭ありません。私どもにそんな権威はありません。誤解なきよう。
また、オールド楽器と比較はできません。新作を弾いた中での感想です。
*********
イシュトヴァン・コニア(1998):オペラ歌手的、力強く男性的。特にG線が底なしに鳴り渡る。ハンガリー出身のクレモナの作家。
++++
フィリップ・クイケン(2003):出来たばかりなのに枯れた柔らかい(良い意味でこもったような)音色。高音がソフト(音量はある)。人工フラジオレットが輝かしく鳴り響く。この作者は日本在住のベルギー人です。
++++
園田信博(2003):音量あるが品が良い、D線A線のハイポジションが良く鳴る(表現力抜群)。
++++
有名なM一族(クレモナ)のブースにはスタッフがおらず、御大の楽器には弦が張っていないのが残念。
甥の楽器のみ弾けたが、さすがに良いものだった(細工も非常に丁寧)。
++++
個人的な感想ですが。クイケン、園田、コニアは魅力的でした。
******
これ以外にも多数の楽器を拝見しました。工作精度も高く、研究の成果がそれぞれに発揮されていて、みなでしきりに感心しました。イタリアも日本もそれぞれに持ち味を発揮していて、これからもこのフェアには顔を出したいと思いました。
詳しくは「日本弦楽器製作者協会」のホームページにレポートが出るだろうと予想しています。
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[6547]

オールド仕上げとオールド的音

投稿日時:2003年11月12日 20:04
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
かなめさんのご意見について
> アンティーク仕上げといて見かけも音もオールドに近いようにする
> 傾向がありますね。
> プロの奏者はあまりそういうのは相手にしない
++++++
なるほどそのとおりかも知れませんね。
N響のコンマスの山口さんのは柿の実のように赤い新作です。
作者うすうすわかっているんですがここではコメントしません。
堂々と新作を使うポリシーのプロ演奏家は新作であることを誇示する場合がある一例でしょうね。実力ある方がそうしてもらうと新作への偏見がなくなると思います。どんどんやっていただきたい。

荒井節夫さんのテーブルには、或るプロ独奏者が見えて、鳴りに相当魅力を感じて「購入したい気になった」と言っていたが、「グァルネリ型のオールド仕上げ」でないと駄目ということで縁がなかったといいます。
オールドフィニッシュを好むかたはいまだにいらっしゃるようです。
一昔前流行ったアメリカの新作"セルジオ・ペレッソン"はN響にも沢山入ったと言われます。非常に音量がある楽器ですが、典型的なオールド仕上げでした。やはり新作だと一目見て判ると困る奏者がいたのでしょうか。

日本人作家でオールドフィニッシュを比較的多く製作される方は、番場順さんや、アメリカ在住の松田鉄男さんが代表格ですが他にもおられます。
無論彼らの楽器は音響的には新作の優れたパターンです。
園田信博さん、佐々木朗さん、山田聖さん(山田さんは3年ほど出品なしですが名人です)などは決してオールドフィニッシュをしません。
製作者に教えてもらいましたが、この「オールド仕上げ」はスクレーパーという道具を使って、塗ったニスを剥ぎ取って古い感じを出したり、いろいろな手練手管を使います。時間も手間もかなり掛かるそうです。
クレモナではモラッシ系統はそれを潔しとせず、みな「純粋に新作タッチ」で作る方針のようです。
鷺宮のフィリップ・クイケンさんはモダン楽器でもオールド仕上げですね。
オールド仕上げで音は純粋新作らしい響きというとギャップがあって驚きます。
+++++
> 最初からオールドのような音。。。板が薄いのかな。
> そういうのはあとあとならなくなることが多いです。
イタリアのある有名作家はオールド仕上げが得意です。
仕上げがオールド的なだけでなく、その人の楽器には表板が薄いと思われるのがありました(複数)。最近その人の楽器は見ていないです。
表板が薄いと「柔らかい音」でアマチュアの人は非常に喜びます。
でもかなめさんのご意見どおり、これは落とし穴があると思います。
しっかりした厚みのある表板で、最初はやや硬目の音で、だんだん鳴ってくるというのが新作楽器のあるべき姿ではないでしょうか。
これは優秀な製作者の多くがそのように主張し、そのポリシーで製作しているそうですから、たぶん当たっているのでしょう。
渡辺恭三さんの本にも概略そういうことが書かれています。
++++++
新作は出来たてはオールドと同じ音のはずはないと思います。
ただし力強さや音量は出来たときから持っていなくては駄目でしょう。
弾き手が育てるのが新作楽器の使いかただと思うのですが。
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Re: 弦楽器フェアに見る新作楽器

投稿日時:2003年11月12日 21:11
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
誤解のないよう、いい足しておきます。
オールド仕上げ(外見のこと)がだめだとは思いません。
これは好みですからね。
トリエンナーレで12位独占のシュピードレンさんだって
http://spidlen.violin.cz/Jan/Jan_angl.html#
オールド仕上げが得意です。
しかし、「表板が薄い=最初からオールドめかした鳴り」
は良くないと言いたいです。
[6564]

Re: 弦楽器フェアに見る新作楽器

投稿日時:2003年11月13日 01:07
投稿者:かなめ(ID:ZyQCFhA)
>製作者に教えてもらいましたが、この「オールド仕上げ」はスクレーパーという道具を使って、塗ったニスを剥ぎ取って古い感じを出したり、いろいろな手練手管を使います。時間も手間もかなり掛かるそうです。

私が聞いた話では逆に手をぬいたり、ニスが薄くてもそれらしくみせられるとのことでしたが。

山口さんが弾いている制作者は私も知っています。かなりのポリシーを持っておられるようですね。そこへ行くと必ず「山口さんは自分jの楽器をつかっている。堤さんはトルテを持っているのに自分の弓を使っている。何人も順番があるから売らないよ。」とさんざん自慢されますから(笑)個人的には好きではなかったですが、彼がつかっているということで、宣伝にかなりなっているでしょうね。皮肉な見方かもしれませんが。

こんなふうにおもっているのは自分がアンティーク仕上げではないものの、最初に柔らかいとされる楽器を買って、かなり失敗をしたと思っているからです。ちなみに。今思えば、うるさい楽器を買っておけばよかった。そっちの方は今友人が使っていますが、よくなってきている気がします。
[6567]

Re: 弦楽器フェアに見る新作楽器

投稿日時:2003年11月13日 03:25
投稿者:Arcet(ID:MXRRBIA)
> 河辺恵一(年度未確認):硬質な音だがやはり、
> D線A線のハイポジションが良く鳴る

Geiger1951さんに質問です。
河辺さんは弓製作者ですね。
このコメントは楽器ではなくて、彼の弓についてということですよね。
[6576]

Re: 弦楽器フェアに見る新作楽器

投稿日時:2003年11月13日 19:12
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
Arcetさま
貴重なご指摘ありがとうございます。会話録(?)を再検討しました。メモでは
「XXさん(某国製)と川辺さんの比較」
という一節があり、川辺さんが勝る、とありました。4人の目で見たのですが誤りはあり得ます。メンバーは今地方に散ってしまったので、再検討もできず当事者に確認などを行いつつあります。
時間が掛かっても調べた上で間違いであれば訂正いたします。
ありがとうございました。
[6583]

真相判明

投稿日時:2003年11月13日 20:07
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
Arcetさま
ご心配をかけました。河辺恵一様は確かに弓の出品です。
テーブル出品で弓の試奏のためご自身で納得のいくように調整したViolinをおいてありました。銘柄はあえて申しません。
それを河辺氏の作と勘違いした我々のトッチラかった判断をお笑いください。
どうも失礼いたしました。
他に間違いネーダローナー(汗)。
[6587]

Re: 弦楽器フェアに見る新作楽器

投稿日時:2003年11月13日 20:32
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
Webマスターさま
6459書き込み中の「河辺恵一さん」うんぬんは6583で私が懺悔したようないきさつであります。すでに河辺さんご本人にはお詫びを申し上げ、合わせて「試奏のためおいていた楽器」だというお教えを頂きました。
なかなかよい楽器でしたのでつい勘違いしたのは言い訳になりません。6459を削除していただくか、もしくは該当行にコメントでもしていただくなり、ご判断にゆだねます。あるいは私どもの不始末の證にそのまま曝していただいても結構です。
[6590]

御尊敬申し上げております。

投稿日時:2003年11月13日 20:47
投稿者:pochi(ID:GRhYcmg)
Geiger1951さん、

ここは、私以外は、紳士・淑女の集りだから、少々の間違いは気にしなくてもいいよ。貴殿の投稿にはいつも感心させられるよ。貴殿の大いなる博識、深い教養にはいつも感心してるよ。論客として物凄く高いレベルだと思うよ。タメ口(この言葉は最近覚えた)でごめんね。
[6593]

ぽちさんへ

投稿日時:2003年11月13日 21:14
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
pochiさん<===
素直に感謝します。いや河辺さんには失礼した。
製作者とはなるべく親しくしているんですよ。ほんとに有益です。
ItaliaやFranceの人もメールやりとりしたりね。
彼らの多くはとても謙虚で寛大です。そして勤勉ですね。
見習うことが多いので、みなさんに知ってもらいたい。
それにしても調子に乗ると大怪我するねー。気をつけます。
[6664]

Re: 弦楽器フェアに見る新作楽器

投稿日時:2003年11月14日 22:16
投稿者:Geiger1951(ID:UBdABxA)
オールド仕上げの話題が少し飛ぶかも知れません。
ジョゼフ・カーティスという現代作家はフリードマンやイリヤ・カーラーが使っているらしいです。典型的なオールド仕上げですね。私はこの作家に非常に興味があります。
http://www.josephcurtinstudios.com/
輸入はされていないのでしょうか。ご存知のかたいらっしゃいますか。
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