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ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い! | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 147 Comments
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ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2008年12月29日 21:34
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
 ガット弦をこよなく愛する腸弦です。TORO社のヴェニス・カトリン(ロープ状のガット弦)のD・G線を試してみましたのでレポートしたいと思います。このスレッドでは、裸のガット弦の一種であるヴェニス・カトリンに的を絞ってレポートしたいと思います。

 私が試したヴェニス・カトリンのゲージは、D線が1.22mm、G線が1.84mmで、どちらも銀巻きの無い裸のガット弦で、3回ニスコーティングが施された3×Vです。

 通常のハイツイストの裸ガットのD・G線も、ピッチが安定するまでの時間が短くて重宝してますが、ヴェニス・カトリンのD・G線はそれを上回る早さでピッチが安定してくれます。

 夜に弦を張替えして、翌日朝にヴァイオリンケースを開けてみると、たいてい、半音~全音ぐらいピッチが下がるのが通例ですが、今回は1/4音~半音ぐらいしかピッチが下がりませんでした。

 弦を張っている最中は、ヴェニス・カトリンの方が、ペグを回す(ピッチを上げていく)たびにどんどん伸びていく(ピッチが下がっていく)、という感じで伸びが大きいのですが、このように初期の伸びが大きい分、ピッチが安定するのが早いのだと思います。

 オリーヴのような通常のガット弦はもちろんのこと、最近のハイテク・ナイロン弦よりも、TOROのヴェニス・カトリンは早くピッチが安定すると言っても良いのではないかと思います。


 弦を張り替えた直後は、弦が伸びてピッチが下がってくるので頻繁に調弦し直します。このとき、駒が指板側におじぎする(傾いてくる)現象が起きますが、ヴェニス・カトリンでは、その現象が非常に小さいです。弦の表面がハイツイストの弦よりも凸凹しているので、駒の溝に弦がひっかかって、駒を指板側におじぎさせてしまうのではないかと懸念してましたが、全く問題ありません。

 ヴェニス・カトリンは弦の初期の伸びが大きいものの、その後の弦の伸びが小さいことと、弦の表面の凸凹が非常に滑らかで弦そのものが柔軟なことから、駒を指板側におじぎさせようとする力が小さいのだと思われます。

 駒が少しでも指板側におじぎすると、音に悪影響がありますし、駒そのものの曲がりや歪みなどを引き起こすので、ヴェニス・カトリンのこうした特性は高く評価できると思います。



 ヴェニス・カトリンは、弦そのものが非常に柔らかいせいか、左手の指で押さえたとき、あるいは、右手で弓圧をかけたとき、弦のテンションが少し低く感じられます。結果的に、左手で弦を押さえるのも右手のボウイングも楽になります。

 ハイツイストのD・G線は、ゲージが太くなるにつれて、弦がかなり硬くなってしまう(弦の感触がゴツゴツしてしまう)ため、レスポンスが鈍くなったり、ときおり音が詰まり気味になることがありましたが、ヴェニス・カトリンは太くても非常に柔軟なので、レスポンスが俊敏で、手応えがより自然な感じです。


 弦をはじいたとき、あるいは弦を弓で弾いたときの残響(サステイン)は、ヴェニス・カトリンの方が、ハイツイストよりも長いです。D・G線の残響に関しては、

銀巻きの弦(オリーヴやドミナントなど)(残響100)>ヴェニス・カトリン(残響80~90)>ハイツイスト(残響50~60)

 という式が成り立つと思います。(数値は、あくまでも私の主観的な実感を数値化したものですので、参考程度にしていただけたらと思います)

 これは、弓で3重、4重の和音を弾くとき、あるいは、ピチカートをはじくときは、弦の残響が適度に長い方が弾き易いですし、残響が適度に長いと和音に厚みが出るので、弦そのものの残響は結構大事な要素です。

 ヴェニス・カトリンは、オリーヴやドミナントに比べると若干残響が短いですが、むしろ、少し短いことはメリットというか、ヴェニス・カトリンの残響の方が、むしろ、残響が長過ぎなくてちょうど良いと言えるのではないかと思います。

 弦そのものの残響が長すぎると、スタカートやスピカートでの音の分離が悪くなりますので、ヴェニス・カトリンの適度な残響は、操作性の点で有利なのではないかと思います。


 ヴェニス・カトリンの音色についてですが、良く言われるようなザックリした音という感じは全くなくて、むしろ、ハイツイストの弦にありがちな「甲高さ」を抑制したような、むしろおとなしい感じがします。これは、私が試したのが、3×Vのヴェニス・カトリンであることが影響しているのかも知れません。(他の方は、みな、ナチュラルのヴェニス・カトリンを試されたのではないでしょうか?)

 私の場合は、3×Vのヴァーニッシュ加工の影響で、弦の表面がより滑らかに感じられたり、音がマイルドに感じられたりしているのかも知れません。


 ヴェニス・カトリンは、音響的に優れているだけでなく、太さのデメリットをとても小さくしてくれるので、D・G線の裸ガット化に興味のある人が、チャレンジし易くなるのではないかと思います。


 耐久性については、しばらく弾いてみないとわかりませんが、D・G線に関しては、テニスのガットやヴァイオリンのガット弦でのロープ・コアは耐久性に優れる構造であると言われていますし、ヴェニス・カトリンは弦そのものが非常に柔軟でしなやかであり、弦の特定の箇所に負荷が集中する可能性は低いと思われますので、ハイツイストの弦と同様に長持ちしてくれるのではないかと予想しています。

 それでは、また。
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【ご参考】
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Re: ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2009年05月07日 00:14
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
久々にメロス・ロージンのホームページを見たら、
MELOS Baroque Violin Rosin & Treble Viol
という新製品が発売されたようです。
ttp://www.melosrosin.gr/products_en.htm

このバロックヴァイオリン用の松脂の色艶は、MELOS Violin Rosin darkに似ているように見えます。

両者は、微妙にレシピが違うのかも知れませんが、自分が、メロス・ロージンのライトよりもダークの方が、金属の巻き線の無いプレーンガット弦である「ヴェニス・カトリン(ロープ編みのガット弦)」に合うと思ったのは、まさにもっともなことだとわかり、納得した次第です。

メロス・ロージンのダークは、弦への喰いつきが良くてレスポンスが良いのですが、長時間演奏してもけして弦にベトつかないので、とても扱い易い松脂です。自分の場合は、ヴェニス・カトリンとの相性が非常に良く、音量、音質、操作性、弾き心地など全ての面で非常に気に入っています。
[40113]

Re: ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2009年05月07日 01:03
投稿者:いらんて。(ID:MBE0Ayk)
場の空気も読めずレスを垂れ流していらっしゃる様な方が
「非常に気に入って」いるからと言って、それが何?って感じですね。
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Re: ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2009年05月10日 17:24
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
ヴェニス・カトリンについてですが、前回張った組み合わせは、さすがに太過ぎたので、今回は少しだけ細いゲージの組み合わせを試すことにしました。
まだ張って2週間しか経っていない(まだまだ新品同様の)ヴェニス・カトリンを張り替えるのは、あまりにももったいないので、まさに「断腸」の思いでしたが、より良い音響と快適な弾き心地を求めて、思い切って「断行」することにしました。

今回は、A:0.84ミリ、D:1.20ミリ、G:1.78ミリという組み合わせです。3本とも3×V(3回ヴァーニッシュ処理されたもの)です。E線は前回と同様、オイドクサのアルミ巻きE線です。
0.02ミリだけ細くなったA線については、(弦を張る前の段階で)手で触った感じはそれほど違いませんが、前回よりもD線は0.04ミリ、G線は0.08ミリ細くなりましたが、この程度の違いでも、(弦を張る前の段階で)手で触ったときの太さやしなやかさが、明らかに違います。
A・D・G線のテンションのバランスは、ほぼイコールのように感じますが、少しだけA線が強くて、E>A>D=Gという感じです。

A線は0.02ミリ、D線は0.04ミリ、G線は0.08ミリ細くなったので、レスポンスが良くなり、弾き易さが増しました。弦が細くなった割には、意外と音量は小さくならず、むしろ、弦が細くなったことによって弓の毛がしっかりと弦を捉えられるようになりましたし、弦が細くなったことによって音が引き締まった(音の輪郭がハッキリした)ように思います。特に、D・G線に関しては、弦が細くなってテンションが下がったことによって、弦がより自由に振動できるようになり、音の伸びやかさや響きが増したように思います。
今回ちょっと細い組み合わせを試してみて、前回の組み合わせは、明らかに太過ぎだったのだということがハッキリわかりました。弦が太過ぎてテンションが高過ぎると、無理やり楽器を鳴らすような感じになってしまいますが、前回の組み合わせは、そういう感じになっていたのだと思います。今回の組み合わせは、E・A・D・Gの音量バランスがイーブンに近づき、弾き易さも向上しました。
今、弦を張り替えてちょうど1日が経過した
ところですが、A・D・Gの3本とも弦の伸びが納まり、かなりピッチが安定してきました。A線の伸びの納まり具合は、前回とそれほど違わないように思いますが、より細くなったD・G線は、明らかに伸びの納まり具合が早いように思います。結果的にA・D・Gの3本とも、ほぼ同じ具合にピッチが安定してきており、前回の組み合わせよりも半日ぐらい安定するのが早いように思います。
自分は1日1時間くらいしか練習しませんが、1日3~4時間練習する人であれば、張って1日経過したら、本番で安心して使えるくらい十分に弦の伸びが納まるのではないかと思います。

少し細いゲージを張ってみて良い結果が得られたので、次回もまた、少しだけ細いゲージの組み合わせを試してみようと思います。今よりもどの程度細いゲージを張れば良い結果が得られるか、現在張っている組み合わせでいろいろな曲を弾きながら考えようと思います。
それでは、ごきげんよう。
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Re: ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2009年05月10日 17:38
投稿者:ごきげんようってw(ID:MBE0Ayk)
あんた何様?
[40445]

Re: ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2009年06月13日 23:44
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
ヴェニス・カトリンのゲージ選びのレポートです。

今回は、A:0.81ミリ、D:1.16ミリ、G:1.72ミリという組み合わせを張ってみました。3本ともTORO社のヴェニス・カトリンで、3×V(3回ヴァーニッシュ処理されたもの)です。E線は前回と同様、オイドクサのアルミ巻きE線です。

A・D・G線のテンションのバランスは、前回よりもだいぶイコールに近づきましたが、まだ少しだけA線が強くて、E>A>D=Gという感じです。

前回よりも少しゲージが細くなったので、左手で弦を押さえるのが楽になりましたし、特にD・G線についてはレスポンスが明らかに向上しました。また、弦が細くなった割には、音量は小さくならず、むしろ、弦が細くなったことによって弓の毛がしっかりと弦を捉えられるようになりましたし、弦同士が良く共鳴し合っているので、音の伸びや響きが増したように感じます。

今のところ、弦を細くしたことによるデメリットは全く感じません。先日、オリーヴの標準ゲージを張っている友人のヴァイオリンと自分のヴァイオリンの弾き比べをしましたが、(音色は好みがあるのであえて比較しませんが)音量やダイナミックレンジの広さといった面では、自分の楽器の方がずっと優れていると感じました。

レスポンスについては、ヴェニス・カトリンのA線はオリーヴと互角ですが、D・G線については、ヴェニス・カトリンはさすがに太いこともあって、オリーヴよりも若干レスポンスが鈍いように感じました。ただ、これは、弾き方次第のところがあって、ヴェニス・カトリンのD・G線を弾くときは、弾き始めのアタックを強めにして、弓を動かすスピードを速くし過ぎなければ、特に問題ありません。

オリーヴの標準ゲージと比べてみて、自分が今張っているヴェニス・カトリンの方が全体的にテンションが少々高いように感じたので、次回はもう少し細いゲージを試そうと思います。もう少し細いゲージにすれば、D・G線についても、オリーヴと同等の俊敏なレスポンスが得られるようになると思います。

少しずつ細いゲージを試しているところですが、今回はグッとゴール(理想的なゲージの組み合わせ)に近づいてきたという実感があります。

なお、松脂については、太いゲージを張っていたときは、メロス・ロージンのダークが合ってましたが、細いゲージでは、ダークだと、ちょっと引っかかりが強過ぎて音が詰まり気味になるので、ライトに変えました。

メロス・ロージンのライトは、ちょっと強めに弓圧をかけて弾いても音が詰まらず、音の立ち上がりが良くてレスポンスが俊敏なので、とても良い感じです。メロス・ロージンのライトは、長時間弾いても、松脂の粉が弦にべとつきませんし、粉が飛び散って表板を汚したりしないので、とても気に入っています。

それでは、ごきげんよう。
[40446]

Re: ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2009年06月14日 00:42
投稿者:しつこいね。(ID:JhkUMIg)
あんたの意見なんか知らんっちゅうに。
[40516]

Re: ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2009年06月21日 00:07
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
ハイツイストのプレーンガット弦を試されたヴァイオリン教師の方の感想をご紹介します。
ttp://www.violinwakaru.com/about/diary/200905/20090529.html

ハイツイストとヴェニス・カトリンの両方について、多くのゲージを試してきた自分としても、全く同感です。

なお、この方のヴァイオリンは、標準的なサイズよりも若干小ぶりなようです。

プレーンガット弦を張ったことの無い方には、ぜひ試していただきたいと思います。
[40599]

Re: ヴェニス・カトリン(キャットライン)が凄い!

投稿日時:2009年07月25日 20:24
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
ヴェニス・カトリンのレポートです。

A:0.78ミリ、D:1.12ミリ、G:1.66ミリに張替えたところ、音量を落とさずに、レスポンスや弾き易さを向上させることができました。ゲージを細くしていくにつれて、明らかにレスポンスが俊敏になりますし、テンションが低くなるので、左手で弦を押さえるのも楽になります。

G線の裸ガット化については、いくら柔軟なヴェニス・カトリンと言えども、1.88ミリだと太過ぎて(長く弾きこむ中でだいぶ慣れたものの)やや弾きにくい感じがありましたが、1.66ミリまで細くなると、弾きにくさは大幅に解消されましたし、レスポンスもかなり良くなってきました。

気温も湿度も高いこの時期も、ヴェニス・カトリンの3×Vは、ナイロン弦並みのピッチの安定性を示してくれています。

TORO社のホームページの製品リストにおいて
ttp://www.torostrings.it/english/prodotti2.html
ミディアムゲージに相当するものとしては、A:0.76~0.79ミリ、D:1.06~1.08ミリと書かれています。

自分は、この1年間に、A:0.78~0.86ミリ、D:1.04~1.24ミリと様々なゲージを試してきましたが、ようやく、TORO社が、上記のようなゲージをミディアムゲージとして設定していることが、納得できるようになってきました。

プレーンガット弦は、一般的に、ゲージを細くすると、演奏中に(弓に擦られたときに)ねじれやすく、音がひっくり返る(音が裏返る)現象が起きやすくなりますが、これは、弦のゲージに合った適切な松脂を選択することによって、防止することができます。

具体的には、弦のゲージを細くする場合には、松脂は、サラサラ系のものを選択すると、音がひっくり返る現象を防止することができます。
 
自分の場合は、太いゲージのときは、メロスロージンのダークが適していましたが、ゲージを細くしたところ、ダークだと引っかかりや粘りが強過ぎて、音が詰まったり、音が裏返ったりしたので、メロス・ロージンのライトに変えたところ、そうした問題が即座に解消しました。

あと、(バロックヴァイオリンではない)現代の普通のヴァイオリンにプレーンガット弦を張って、(バロック弓でない)現代の普通の弓で、現代の標準的なピッチ(A:440~442Hz)で弾く場合には、弓の毛は、標準的な量よりも、やや少なめの方が、弾き易く、また、音も良いように思います。ゲージを細くする場合には、弓の毛の量を少なめにした方が良いと思います。

プレーンガット弦を愛用されているチェロ鈴木秀美さんも、弓の毛の量は、少なめにした方が良いとおっしゃられていますが、弦のゲージを細くするにつれて、私も最近特にそう思うようになってきました。

音量やパワーを落とさずに、どこまで細くできるか、徐々にゲージを細くして行こうと思います。自分にとってのベストゲージは、あともう少し細いゲージの中にあるような気がします。

それでは、ごきげんよう。
[40601]

そういえば

投稿日時:2009年07月27日 14:08
投稿者:QB(ID:cYBJOIA)
昔は管理者さんも、まめに掃除していたのに、、、最近はないですね。
落書き消してほしいなぁ。。。

なんて書くと、pochi氏に「もともとみんな便所の落書き」と言われそうですが。。。
[40602]

汚れてますか?

投稿日時:2009年07月28日 00:33
投稿者:yc(ID:GUJzZJg)
QBさん、ありがとうございます。

そうですねぇ、全然目を通していない訳ではないんですが。
何を以って落書きと定義しましょうね?

ある人の意にそぐわない投稿はその人にとっては落書きでしょうね。
一方では捨てハンでのチャチャ入れも落書きなのかもしれない。
また別の視点では、その一連の応酬がひとつのコンテンツとも思う。

このスレッドが現在の基準に抵触するとしたら、特定商品の逆PRに
なっている可能性が疑われる点でしょうか…さて。
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