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ヴァイオリンの塗装について その2 | ヴァイオリン掲示板

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楽器・付属品 151 Comments
[36739]

ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年02月27日 19:00
投稿者:catgut(ID:FjeUhFc)
前スレッドが長くなりましたので新しいスレッドを作成しました。

私はヴァイオリンの塗装は保存と美観のために存在し、基本的
に音を良くすることはないと考えています。20世紀後半以降の
欧米のアカデミックな文献の大半はこの立場を取り、欧米のプ
ロの製作者は音を良くするという立場と音を良くしないという
立場に分かれているのが現状です。

以下のコメントで私がニスが音を良くすることはないと考える理由
を説明します。
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[36831]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 02:47
投稿者:とおりすがり②(ID:QmKTJmU)
>この理由は楽器の音色は「音の立ち上がり方」や「減衰特性」というごく
安物のスピーカーでも再現できる要素を持っているからです。


人の声やバイオリンの音は、比較的周波数帯域が狭いので、そこそこの性能のスピーカーでも問題なく再生できるのです。
「音の立ち上がり方」や「減衰特性」は、この場合は関係ないです。

>高い周波数帯と低い周波数帯をカットしても楽器の「音色」はあまり
違って聞こえないということは、音色を決める周波数スペクトルの構造は
複雑で、高周波帯を相対的に少し持ち上げたり、低周波帯を少し持ち上
げるくらいでは音色に与える影響はごく少ないということでしょう。


これまた周波数帯域が狭いゆえ、高周波帯と低周波帯を加工したところで、たいして出ていない音域をいじるのですから、大勢に影響が出ないのは当たり前です。

音色は同じだが音質は違うというのは、新品のドミナントもくたびれたドミナントも出ている音色は同じだが、音質は違うというようなものでしょうかね。実際にバイオリンを弾かれるみなさんが、こういう説明に納得するとは思えませんが。
[36838]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 15:08
投稿者:catgut(ID:g2kJcWA)
とおりすがり② さま、

「音質が悪くても音色は変わらない」という考え方は別に私が勝手に言っ
ているわけではありません。

前掲の「よくわかる音響の基本と仕組み」にも以下の記述があります。
(p79)

楽器音の立ち上がりを中心とする過渡特性やゆらぎ、ノイズといった
偶発的要素が、楽器の「らしさ」に大きな貢献をしているのです。
「らしさ」さえ備えていれば、相当劣化した音質でも楽器を聞き分ける
ことができます。サキソホーンの音は、コンサート・ホールで聞いても、
小型のトランジスタ・ラジオで聞いても、サキソホーンの音に聞こえます。
このような現象は、音色の不変性と呼ばれています。音色の不変性は、
音色の「らしさ」に他なりません。
[36842]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 17:06
投稿者:catgut(ID:g2kJcWA)
念のため簡単にまとめると、

・音響学者のほとんどとプロの製作者の一部
ニスを塗ることで音色はほとんど変わらないが、塗る厚みに応じて音質は
悪くなると考えている。

・プロの製作者の一部
ニスを塗ることで音質はほとんど変わらないが、音色を変えることができる
と考えている。

ということになります。

私は後者は楽器の調整や弾き込みなどによる差をニスによる音色変化と誤認したものであろうと思います。

現在製作者を除けば、「ニスで音色が変わる」と考えている人の根拠は、
「信頼できる製作者がそう言っていた」「信頼できる本にそう書いてあった」
ということでしょう。しかしヴィブラートのかけ方の件でも浮き彫りになった
ようにプロでも間違うことがあります。

まずは先入観を白紙に戻して、木の上にわずか0.03ミリから0.1ミリ程度の、もともと保存と美観のために行われたに過ぎない塗装を行うと音色が
変化するか考えてみて頂きたいと思います。
[36850]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 20:16
投稿者:catgut(ID:g2kJcWA)
ヴァイオリンの「音の立ち上がり方」についてコメントします。

ヴァイオリンの場合、ピアノと違って「音の立ち上がり方」はボーイングの影響が大きいことから「楽器の良さ」より「腕の良さ」で「音の立ち上がり方」がコントロールできるかのように思われているケースがあるのではないかと思います。

もちろん確かに「腕」や「弓の性能」も重要なのですが、やはり他の楽器と
同じく、ヴァイオリンにも特定の楽器固有の「音の立ち上がり方」があります。私自身の感覚では、これは楽器の周波数スペクトルと同じくらい、楽器の音色を左右する要素だと思います。

良い楽器とそれほどでもない楽器を同じ弓で弦を軽く叩いた時、良い楽器
は表情豊かに(変化が大きく)感じるのに対して、それほどでもない楽器では平板に感じる経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。

非常に単純化すると、ピアノは最初の一撃が最大音で段々音が減衰して
いくのに対して、ヴァイオリンは音量が増していって最大音に達するとういう違いがあります。ヴァイオリンは持続音の倍音の出方が時間とともに複雑に変化します。このあたりの変化の仕方の違いが良い楽器とそれほどでもない楽器の違いになると考えられます。
[36851]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 20:59
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
catgut様、とおりすがり②様

とおりすがり②様の[36831]
[36831]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 02:47
投稿者:とおりすがり②(ID:QmKTJmU)
>この理由は楽器の音色は「音の立ち上がり方」や「減衰特性」というごく
安物のスピーカーでも再現できる要素を持っているからです。


人の声やバイオリンの音は、比較的周波数帯域が狭いので、そこそこの性能のスピーカーでも問題なく再生できるのです。
「音の立ち上がり方」や「減衰特性」は、この場合は関係ないです。

>高い周波数帯と低い周波数帯をカットしても楽器の「音色」はあまり
違って聞こえないということは、音色を決める周波数スペクトルの構造は
複雑で、高周波帯を相対的に少し持ち上げたり、低周波帯を少し持ち上
げるくらいでは音色に与える影響はごく少ないということでしょう。


これまた周波数帯域が狭いゆえ、高周波帯と低周波帯を加工したところで、たいして出ていない音域をいじるのですから、大勢に影響が出ないのは当たり前です。

音色は同じだが音質は違うというのは、新品のドミナントもくたびれたドミナントも出ている音色は同じだが、音質は違うというようなものでしょうかね。実際にバイオリンを弾かれるみなさんが、こういう説明に納得するとは思えませんが。
の発言の前半部分は、catgut様の発言を否定しているのではなく、至極当たり前だと繰り返しているように読めるのですが、 如何ですか?

後半はcatgut様が定義された「音色」と「音質」の違いが、充分伝わっていないからなされたものだと思います。

これはcatgut様の定義が独特(失礼)であるために、生じた齟齬だと思うのですが、このスレッドでは、この定義に沿って議論を進めないと、今後も同様のズレが頻発するでしょう。

catgut様の定義に疑問や異論がある方は是非書き込んでください。

catgut様
以下で述べられている「音質」「音色」という言葉は、catgut様が定義されたものに相違ないか、今一度ご確認ください。特に後半の部分。一部の製作者は、言葉の使い方が違っていないでしょうか。

>・音響学者のほとんどとプロの製作者の一部
ニスを塗ることで音色はほとんど変わらないが、塗る厚みに応じて音質は
悪くなると考えている。

>・プロの製作者の一部
ニスを塗ることで音質はほとんど変わらないが、音色を変えることができる
と考えている。
[36853]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 21:32
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
追加

catgut様の過去の書込の中にも、「音質」とすべきところを「音色」と書かれているものが散見されますので、あわせて訂正していただければ幸です。

例えば[36746]
[36746]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年02月27日 23:24
投稿者:catgut(ID:FjeUhFc)
[36740] の「右手」は「左手」の間違いです。
また前スレッドの[36617]で
whether with this object in view the inside should not be lightly varnished;
は「目止めすべきでない」と書いてしまいましたが、読み直すと
「目止めすべきかどうか」でした。失礼しました。


前スレッドで説明した通りですが「ニスが積極的に音色を改善しない」と
考えられる根拠は数多くあります。

・ストラディヴァリ自身がニスで音色を改善しようとした形跡が全くない
保存にも美観にも影響がない指板の裏の表板部分のニスの手を抜いて
いる。ストラディヴァリらクレモナの名工は基本的に調合済みのニスを買っ
て来て塗ったと推定されている。当時の記録でもニスで音色を良くすると
いう考え方はまったくなく、1750年代に書かれたレオポルド・モーツァルト
の「ヴァイオリン奏法」でもニスの丈夫さについては書かれているが音との
関係は全く書かれていない。

・現在実際に高い評価を得ているストラディヴァリ(楽器)のニスはストラ
ディヴァリ自身が製作した時とは全く違った状態になっている。
大半のオリジナルニスが剥げてニスが薄くなったり修理技術者の手で
カバーニスがかけられている。もし現在残っている下地が「音色の良さ」の
理由だとすると、ストラディヴァリ自身が製作した時点では余計な「上塗
りニス」が存在して最高の音色にしなかったということになる。

・現在のプロ製作者の多くが製作の参考としているヴァイオリン製作者・
音響学者のハッチンスの論文でもニスは音色を改善しないと判断している。

>前スレッドで説明した通りですが「ニスが積極的に音色を改善しない」と
考えられる根拠は数多くあります。

ここでは「音質」あるいは「音質および音色」といった方が、良いのではないでしょうか。
catgut様の定義では、ニスにより「音色」(楽器固有の音)は変化しないのでしょう?
[36855]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 22:21
投稿者:catgut(ID:g2kJcWA)
通りすがりさま、とおりすがり②さま、

>人の声やバイオリンの音は、比較的周波数帯域が狭いので、そこそこの
>性能のスピーカーでも問題なく再生できるのです。
>「音の立ち上がり方」や「減衰特性」は、この場合は関係ないです。

これは少し違います。確かに周波数スペクトルだけに着目しても、
制限された周波数帯の範囲のフォルマントの特徴でオリジナルに近い
音に聞こえます。しかし人間は楽器の「音色」を周波数スペクトルだけ
で判断しているのではなく「音の立ち上がり方」や「減衰特性」などでも
判断しています。これらの情報は周波数帯が制限されてもあまり影響を
受けないので「音質」が悪くても人間はオリジナルの「音色」と同一と
強く感じるわけです。


>catgut様の定義では、ニスにより「音色」(楽器固有の音)は変化しない
>のでしょう?

言うまでもないですが私が想定しているのはヴァイオリンの塗装における
常識的な材質による常識的な厚みの範囲(0.1mm程度以下)の話です。
ニスを1cm塗ったらおそらく「ニスの音色」になるのでしょう。
[36856]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月03日 23:40
投稿者:通りすがり(ID:IBIIcHY)
>>「音の立ち上がり方」や「減衰特性」は、この場合は関係ないです。

は、文脈から判断して

「音の立ち上がり方」や「減衰特性」は、安物のスピーカーで多少修飾されても、関係ないです。

という意味ではないのでしょうか。
だとすると、まさに

>これらの情報は周波数帯が制限されてもあまり影響を受けないので「音質」が悪くても人間はオリジナルの「音色」と同一と強く感じるわけです。

とのcatgut様の発言と同じことを言っているのでは?
言葉足らずからくる誤解です。

上記のような枝葉末節にこだわらないで、誤解を防ぐためにも
言葉の定義をはっきりさせて、議論していきましょう。

>言うまでもないですが・・

以下はまったく蛇足です。

「音質」と「音色」について定義されたのですから、速やかにこの定義に沿って、過去の発言内容を検証してください。
誤解に基づいた、議論の混乱を収拾するためにも。
[36857]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月04日 01:49
投稿者:catgut(ID:g2kJcWA)
通りすがりさま、

私の記憶ではかつて通りすがりさまは「ニスで音が変わるのだから変わった後の音のほうが良い音と思う人もいるだろう」という意味のことを主張されていたような気がしますが、現在はどのようにお考えでしょうか?
[36858]

Re: ヴァイオリンの塗装について その2

投稿日時:2008年03月04日 02:11
投稿者:通りすがり(ID:IBIIcHY)
まず私の提案に答えてください。
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