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ミルシテインの”ごにょごにょ” | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 46 Comments
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ミルシテインの”ごにょごにょ”

投稿日時:2003年10月17日 05:29
投稿者:英検3級(ID:NnZHKRE)
皆様ご存知、”The Art of Violin”の中で彼が語っているセリフについて、素朴な疑問です。我が家にあるのは、日本字幕の無い英語版なので、私の中では輪の掛かった疑問に膨らんでいます...

インタビュアー:「どうしてジュ-イッシュの音楽家は…云々?」
ミルシテイン:「…それはシチュエーションの問題で…云々。」

という部分で、いったいミルシテイン氏は何を言わんとしているのかが、よく掴めません。ここの部分をちゃんと理解なさっている方がいらっしゃいましたら、すみませんが無理解な私の為に少し解説をしてくださいませんか。
このビデオにはキャプションが付いてないので、不自由でしょうがないです。 ギトリス氏やメニューイン氏がフランス語で喋り捲っている部分には英字字幕が付いてるんですけど、勿論。

どうぞ宜しくお願い致します…
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【ご参考】
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客観的分析と芸術

投稿日時:2003年10月24日 00:23
投稿者:pochi(ID:QjmTWWA)
ちょっと、気になる文です。
Mさん、[6143]
[6143]

Re: ミルシテインの”ごにょごにょ”

投稿日時:2003年10月23日 23:44
投稿者:M(ID:FUJAZ2Y)
あ、ぼく、なんか、場違い&筋違いな事書いちゃいましたか?雰囲気を読み間違え過ぎちゃったかな。 なにしろ、僕は、皆さんには、遠く及ばない、修行中の身だもので、「無知+若気の至り」の発言だったかもしれません。すみません。

Geigerさん皆さん、「やれやれ...」って思わせちゃったのなら、悪かったです。 でも、僕が、ユダヤ系奏者のみなさんの、抜きん出た優秀性に、すっごーく興味をもっているのは、正直なところなんです。

ぼく自信の、彼ら(ユダヤ系奏者)に関する、分析・自説、なんて、とてもじゃないけど、未だ持ちえていません。

でも、 
ジャズをマジで知ろうと思ったら、ニューオーリンズのプレーヤーのベーシックな(肉体的・論理的)テクやら、一流プレーヤーを輩出するに至った(明暗併せ持つ)歴史やら、彼らの使って来た言語やら、住環境・食環境・音楽環境やらを、細かく調査・分析するでしょう?

フランス音楽&フランス音楽の演奏に長けた演奏家に惚れ込んだら、彼らの、微妙な、発声・発音を可能にしている、頭蓋骨の形状の分析にまでいっちゃうでしょう?

僕の発想は、クローン・人工授精の先端研究的に、危険思想・アホ臭いものなのでしょうか? ユダヤ系Vn奏者の客観的研究なんて、とてもじゃないけど、そんなレヴェルじゃないと思っているんですけど。 

せめて、
大リーグに通用する技術を、日本人の肉体で実現しようと、研究を重ねた、イチロー選手+彼の周囲のスポーツ科学者程度のレヴェルに、ユダヤ系奏者の研究がなされるといいのにな、と、ぼくは勝手に願っています。

こんな僕に、読んでおくべき文献がもしあったら、ぜひ、推薦して下さい。
よろしくおねがいします。


> 僕ら、いいかげんに、客観的分析に目覚めないと、いつまでたっても、「Vn.で、マジに、食ってこうと思ったら、若い時に、日本を脱出しないと、ダメだ。」みたいな、情けない定説を、覆せないと、本気、思う。

客観的分析に目覚めても、西洋の歌手が「演歌でマジに、食っていこうと思ったら、若い時に、日本か韓国に行かないと、ダメだ。」みたいな定説もありうると思います。クラシック音楽の社会的認知度も観客の質も違うのです。
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Re: ミルシテインの”ごにょごにょ”

投稿日時:2003年10月24日 03:31
投稿者:(ID:MnCSWAI)
ユダヤ人演奏家の優位性がはたしていまでも保たれてますか?
いまの日本の若手演奏家を見て、「Vn.で、マジに、食ってこうと思ったら、若い時に、日本を脱出しないと、ダメだ。」なんてほんとに思いますか?
音楽をやる能力や天性を、「民族の血」で説明するのは文学的な面白みはあるかもしれないけど、議論としてはつまらないですね。
20世紀の巨匠には、たしかにユダヤ人が多かった。じゃあたとえば現在の五嶋みどりは? 庄司沙也加は? 血で説明はつかないでしょ? そんなものは才能や努力とは無関係ってことです。
ミルシュタインもそのことをよーーーくわかっていたからsocial backgroundと説明したんでしょ。
そもそも、音楽のことで世界的に活躍できるかどうかと、へんに競ったり悔しがったりするのは間違ってませんか? 音楽は競技ではありません。芸術です。大リーグで活躍するイチローを引き合いに出すなんてどうかしてますよ。
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凄い熱気ですね

投稿日時:2003年10月24日 21:16
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
みなさん、熱気を帯びてきましたね。
私は夜しか見られないのです。
1日の間にずいぶん発展性が出てきました。
したり顔で「問いを発するものはそれに答えるものである」
なんてうそぶいたことが恥ずかしいです。許してください。
ユダヤ嫌いって世界中にありますよね。
パレスチナとイスラエルどっち好きって質問すると、どうもイスラエルは不利でしょう。アメリカでも黒人とユダヤ人、大変険悪になっているらしいです。
ユダヤ人が獲得したノーベル賞の個数、凄まじいものです。
20世紀のヴァイオリンの「グローバルスタンダード」はユダヤ的様式です。
******
ローマ軍によって神殿を破壊されて「ディアスポラ」という目にあい、十字軍が起こるたび、行きがけの駄賃とばかり虐殺の嵐に見舞われ、それでも集団としてのアイデンティティを強固に守り、誇り高く生きるユダヤ人は、周囲から決して「いいやつら」とは思われません。「にくたらしい」という感覚はあるんじゃないですか。
帝政ロシア政府偽造の「シオンの議定書」とかいう代物、日本でも出版され、若い人で本物と信じる人すら存在します。
あらゆる迫害を乗り越え、ついにパレスティナの地に1900年ぶりに故国を再興してしまうおそるべき人たちです。
●さん
>>ユダヤ人演奏家の優位性がはたしていまでも保たれてますか?
>>いまの日本の若手演奏家を見て…
というご意見、正論です。
しかし、日本人がディアスポラ(故国喪失)の憂き目を見て、2000年間アイデンティティを失わず、したたかに生存できるでしょうか。
周囲から蛇蠍のごとく嫌われようが社会的上昇を目指して奮闘できますか。
ユダヤの演奏家の凄さの背後に、そういうしたたかさ
>>だから実力が同じなら、ユダヤ人をプッシュするんですよ
も、当然織り込んで考えてよいでしょう。
弟子に高い楽器売りつける日本の浅薄な風土考えると、ユダヤを追い抜くの容易じゃありませんよ。
庄司さんはじめ、最近ときめいているのはZakhar Bron門下ですね。
日本純粋培養はまだまだじゃありませんか。
[6162]

Re: ミルシテインの”ごにょごにょ”

投稿日時:2003年10月24日 22:53
投稿者:ぽち(ID:lBgQdVA)
なんだか難しいお話しになっていますが…。「ユダヤ人」とひっくくっていますが、「ユダヤ系」とした方が適切なのではありませんか?
ユダヤ系アメリカ人、ユダヤ系ロシア人、ユダヤ系ドイツ人などの。確かに宗教で結ばれていると思いますが、それ以上に生まれた国のアイデンティテイも強いと思います。問題のミルシテインの発言を見直しましたが、ユダヤ人がどうこうより、なぜ亡命したのかという質問についての方が不快に感じているように私には見受けられました。「ユダヤ人の音楽家には~」の質問に対して真っ先に「凡庸な演奏家も多いよ」と答えているミルシテインに、ユダヤ民族の一人としてではなく「一人の素晴しい演奏家」としてのプライドを感じます。
[6164]

Re: ミルシテインの”ごにょごにょ”

投稿日時:2003年10月25日 04:12
投稿者:(ID:MnCSWAI)
Geiger1951 さま
>庄司さんはじめ、最近ときめいているのはZakhar Bron門下ですね。
>日本純粋培養はまだまだじゃありませんか。

ぼくは人種や民族の血で語るのは無意味だと申し上げているだけで、教育システムについて日本が優位であるなんて一言も書いてません。
ついでにいえば、純粋培養なんかを目指すことも無意味だと思います。それも音楽をコンペティションに堕するゆがんだ目標設定だと感じますが。

>ユダヤを追い抜くの容易じゃありませんよ。

追い抜く必要がどこかにあるんですか? すみませんが、ぼくには理解できません。
[6169]

Re: ミルシテインの”ごにょごにょ”

投稿日時:2003年10月25日 09:37
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
●さま
> 音楽のことで世界的に活躍できるかどうかと、
> へんに競ったり悔しがったりするのは間違って
> ませんか? 音楽は競技ではありません
******
まったくそのとおり、正しいです。
でもね、
庄司さんやみどりさんが活躍しているのは嬉しいとお思いでしょう?
だから話題として出されたんじゃありませんか。

斎藤秀雄さんたちが日本の音楽を世界水準にしようと努力した。
お陰で日本にはクラシック文化が溢れています。感謝です。
敗戦国が文化面で戦勝国に伍して行こうと考えたのは間違いでしたか?
「世界から認められなくてもいいんだ、辺境の弱小国でいいんだ」
と思いたくなかった誇り高い斎藤さんを私は尊敬しますよ。

でも、いつまでもそんな尻尾を引き摺っているのはナンセンスですね。
木島眞優さんや庄司さんが海外にいるのは「競争のため」だとは思わないのです。世界でプロとして活躍するにはそれが必要だ。自分の音楽を表現するには日本の先生では物足りない、と思うからでしょう。
ユダヤに追着くって、オリンピック競争じゃありませんよ。芸術で世界の人を感動させなくては、木島さんたちの自己実現はできないでしょう。それは尊いチャレンジで、そういう人たちがいるから音楽文化が成り立ちます。
[6171]

Re: ミルシテインの”ごにょごにょ”

投稿日時:2003年10月25日 11:06
投稿者:(ID:MnCSWAI)
Geiger1951 さま

論点をずらして突っかかられても困ります。わたしが言いたいのは、「音楽をやるのにraceは関係ない」というだけのことで、ひきあいに出すのがチョン・キョンファやヨーヨー・マでもかまわないし、あるいはダン・タイソンやズービン・メータでもかまわないです。

ちなみに、庄司沙也加や五嶋みどりを、個々のアーティストとしてその活躍はよろこばしく思います。が、日本人だからうれしいといったことは特段ありません。意識としては、ヒラリー・ハーンを聴くのとまったく対等です。
小澤征爾に関しては、世代も立場も演奏ジャンルもちがうので、いくらか愛国心的な関心はあるかもしれませんが。
[6174]

Re: ミルシテインの”ごにょごにょ”

投稿日時:2003年10月25日 12:41
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
そうですか。よくわかりました。
国籍も肌の色も音楽には関係ないですね。
[6178]

ご参考までに。

投稿日時:2003年10月26日 00:58
投稿者:pp(ID:QWgQZ0I)
 投稿しようか迷ったのですが、私のような者の話も何かのご参考になるかと思いまして、書き込みを致します。ミルシュタインやMidoriさんとは、非常にかけ離れたレベルでの経験談です。
 私は米国南部某州の白人優位(人数的に)の中堅都市に、州政府の企業誘致によって工場進出した日本企業の駐在員の家族として、ここ何年か在住しておりますが、娘がバイオリンを弾きますので、習っている先生の門下や娘が所属しているユースオケ等の関係で、地元の音楽状況について、すこしばかり知るところがございます。
 こちらで話題になっております「Race」の視点から申し上げますと、当地において、圧倒的に優秀なのは(私は勿論、主に私の視野に入ってくる弦楽器を学習する学生について書いております)中国・台湾系の男の子達、それから人数的には少ないながらもインド系の学生です。 注目されるユダヤ系の学生ですが、娘の在籍するユースオケ(けっこういい演奏をします)の第一第二バイオリンのシーティングリストを眺めたところでは、10人近くそれらしい名前があります。(名前だけを見た私の判断と、学生個人のraceを知っている場合の合計)
 地元には、プロオケが一つとアマオケが一つありますが、コンマスはどちらもユダヤ系のお方。地元のチェンバーミュージックソサイアティのプレジデントもユダヤ系。 地元に州立大学があり、その中にミュージックスクールがあります。そこの弦楽部長もユダヤ系のお方であると知っています。とても素敵な演奏をなさるチェリストです。
 子供の為の地方コンクールもあります。ここ3、4年の結果はやはりアジア系(特に中国台湾系)が上位なのですが、ユダヤ系(ユダヤ系だか自信を持てないのですが、それらしいロシア名)の子供達は、毎年必ずいろんなレベルですごく光る演奏を聴かせてくれます。
 私もかねてからユダヤ系のご家族の教育に熱心な様子、フィーリングが日本人である私とかなり通じるものがある(一般のアメリカ人に比べると)ことは感じていました。 でも、何をしてこうまで自然天然に音楽していられるのか(アジア系の家族はどうしても不自然に力が入りすぎている様に感じています)不思議に思い続けています。彼らが今の彼らの様に音楽できるまでには長い長い歴史年月が必要だったことでしょう。 バイオリン及び弦楽器を、いったいどのようにして自分の声や言葉にすることができたのか、弦楽器愛好家として、私も大いに関心があります。 私には色んな視点から、もっと分析がおこなわれても良い様に思われます。 それがひいてはバイオリンを演奏する技術をより進化(深化)させる事につながるでしょうし、バイオリンという楽器やバイオリン音楽を理解する大きな手助けになるとも私は考えています。

長々と失礼致しました。 
[6188]

ユダヤ人ルネサンス

投稿日時:2003年10月26日 17:44
投稿者:Geiger1951(ID:NAIGiAE)
音楽之友社から和訳が出ている「ワーグナーとは何か」:Bryan Magge著
という本は優れたワグナー論ですが、ひとつの答を提供しています。
著者はイギリスの哲学者ですがワグナーの反ユダヤを論ずる中で、
「ユダヤ人ルネサンス」という考え方を提示しています。
近代革命でゲットーの壁が壊され、ユダヤ人は開放された。
それ以前にはユダヤ人に真の天才はスピノザしかいなかった。

ところが19世紀以降人口に比べ驚異的な数の天才をあらゆる分野に輩出した。
この天才たちを調べると、戒律に忠実な保守派はのユダヤ人でなく、ほぼ例外なく厳しいユダヤ教の権威や戒律に反逆した人たちばかりだった。
キリスト教徒が15世紀にルネサンスを経験し、そのあと数世紀にわたって多数の天才を生み近代的発展を遂げたのと似た事情だ、ということのようです。こういうルネサンスは1文化に一回だけ起き、やがては終息する。
事実キリスト教圏は行き詰まりを見せている。

ユダヤ教徒も伝統から開放され、哲学・自然科学・医学・音楽・美術など多岐にわたる天才を多数生み出したが、やがてこのルネサンスは終息に向かうであろう。事実開放された(戒律を気にしない)世代は多民族とだんだんに融合し文化的独自性をなくしていく傾向がある。数世紀たてばユダヤ人だから優秀だ、あるいは創造的だ、ということは無くなるだろう。
というのが著者 Bryan Magee による説明です。

つまり人種の遺伝子が優秀だ、でなくルネサンス的エネルギーの爆発だ、というのがこの説明の趣旨になります。
詳しくは同書をお読みください。
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