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LFJ STRINGS EXPO2025  | ヴァイオリン掲示板

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楽器・付属品 23 Comments
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LFJ STRINGS EXPO2025 

投稿日時:2025年05月04日 21:43
投稿者:rio(ID:NjN4VWY)
昨日 今日 明日 昔の弦楽器フェアーみたいなイベント
やっているんですね
行かれた方の感想 お伺いしたいです
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3 / 3 ページ [ 23コメント ]
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Re: LFJ STRINGS EXPO2025 

投稿日時:2025年05月11日 09:40
投稿者:松毬(ID:RxdwhRA)
asdfさま 質問させてくださいませ

関心ごとは、モダン弓の反りですか?
それとも、バロック月弓の削りと曲げですか?
[55891]

Re: LFJ STRINGS EXPO2025 

投稿日時:2025年05月12日 01:21
投稿者:asdf(ID:dzWQWDA)
松毬 さま
これまでの話の展開、少し思いつきまかせで雑だったかもしれませんが、言い訳をします。Tourte-Viotti の弓は現在は全くの本流ですが、歴史の中では様々なスタイルの弓の中の一つですので、それら全体の枠組みで眺めても、そう大きく見誤ることはないでしょう。まず、それは長い弓の歴史の中で突然変異のように生まれたのではないですし、映画 The Bow Makers (フルバージョン)の中で描かれている様に、それまでの弓作りの技法をすべて放棄してゼロから作り上げたのでなく、Viotti の依頼、助言で Tourte が試行錯誤の改良!の末に完成させた、と言っても大きな誤りではないでしょう。とすると、工具やその使い方等々も、その結果曲げや削りの技法もそれ以前とおんなじではと考えますね(ちがうかな?)。そんなわけで、バロック弓などにも少し目をやっても良いのではと思います。あのバロック弓のその部分は削りかな、とか、なんでそんな形をしているのかなとか。バロック弓の音の繊細さを感じさせるモダン弓は削り弓なのかなとか。モダン弓についても、曲げ削りでいろいろと考え方や、その結果、形や性能が違ってくるのでしょう。わからない話を無理やり続けても面白くないのでやめますが、このあたり絶対大切。でも殆ど何もわからない世界って身近にあるんですね。結構驚きです。
[55892]

Re: LFJ STRINGS EXPO2025 

投稿日時:2025年05月12日 20:16
投稿者:松毬(ID:IJlhlUU)
研究的な着目としては悪くはありませんが、お気づきの通り、反りと材の話しが中心にある思いです。
もしも、弓を工法だけで言えば、" 基本は全て削り弓で、更に曲げ加工を加えた弓と加えない弓 " とになるだけです。何を目的にどの様に反りを付けるか?、そのためにどの工法を用いたか?の順に考える方が理解し易いように思います
(今、目的が判然としないところも多く、逆に考えて推定しなければならず、多分に分かり難くなってますけどもね)

モダン弓の外反りは、バロック月弓の内反りとは全く異なる思想と考え方なのは、モダン弓がトルテの大発明と百も承知の通りそれだけで直感しますね

内反りは、基本的に反りを付けない弓のようで、弓毛にテンションを掛けて棹を月のように曲げ反って弾くもので、棹は短く、また、弦へのテンションも弱いのが特徴と思います

外反りは、予め逆反りが付けられた弓で弓毛にテンションを掛けて、反りを戻して弾くので棹は長いまま、また、それでも弦へのテンションを強く維持できるのが特徴と思います。
より強い音も出せて、竿が長くても操作性を維持したでしょう

この時に、トルテはペルナンブコを必要としたと理解しています

実は、[55871]
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Re: LFJ STRINGS EXPO2025 

投稿日時:2025年05月08日 22:17
投稿者:松毬(ID:RxdwhRA)
横から済みません💦

Francois Jude GAULARD の削り弓、紹介されたことありますよ。(ただ、この時弾いた感触をあまり覚えておりません🙇)

https://www.atelierdarcheterie.com/blog_eng/Articoli/FrancoisJudeGaulardmanoft.html

https://yoshio-gengakki.com/list/vnb/4795/

http://www.tokyo-strings.co.jp/list/detail/?category=Bow&maker=Francois%20Jude%20Gaulard

この頃のフレンチ作家、トルテなども含め殆ど削りではないでしょうか?
と示しましたが、他に紹介された削り弓にトルテがあります。[55887]
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Re: LFJ STRINGS EXPO2025 

投稿日時:2025年05月10日 07:13
投稿者:rio(ID:NpRokRI)
asdfさまへ

1.私が提供できる情報について
(1)平成4年6月1日 発行東京音楽社 楽器の事典 弓 より
 111頁 第7章 伝統的な弓の製作法
 昔は、弓を木取る際に、上反りのカーブの通りに加工したものもあったと伝えられているが、現在の弓はすべて真直ぐに加工してその後に熱を加えて所定のカーブに曲げる。 

(2)故四代杉藤(浩司氏)から私がお聞きした話。
 彼に初めてお会いしたのは2001年の弦楽器フェアです。彼は「銘弓と呼ばれるオールドボーは、曲げ弓ではなくアーチは削って作っていた。そこに秘密があると考え研究している」とおっしゃっていて、翌年2002年の弦楽器フェアで初めてその考えを取り入れたVn弓を弦楽器フェア―で発表しました。その後、お亡くなりになるまで弦楽器フェア―で原則毎年1本(途中の1~2年はVnVaVcVbやVn×2VaVcのカルテット)を発表しました。時期ははっきりとは覚えていませんが、「演奏家の佐藤俊介氏に弓を提供し、研究していた削り弓の考え方は間違いないとの確信を持ったので、この弓を製品化することにした。」とのお話があり、以降杉藤楽弓社のラインナップに加わりました。

(3)所有する杉藤社の削り弓について
 私は「(浩司氏作)佐藤俊介氏のために製作した複数本の弓の中で選定されなかった弓」「(浩司氏作)弦楽器フェア出展のために毎年1本だけ製作していたVn弓で私が使うであろうことをイメージして製作してくれた弓」「(向井氏作)今年購入した 向井さんのスタンプが入った弓」の3本を所有しています。
 すべて、軽い弓です。弾くと曲げ弓よりも弓の棹が振動する感覚があります。私の耳には、曲げ弓より楽器の音が豊かで広がりが感じられます。私は所有する弓は、押し付けるような奏法では良い音色はでず、力を加えず「スッと」弾く奏法が必要だと判断しています。

(4)見たことがある古い弓について
 杉藤浩司氏から削り弓の話を聞いてから、あらためて見た弓の中で「X.Torte」「F.Torte」は削り弓でした。それ以外のオールドボーと呼ばれる1800年台の弓は削り弓と判断できたものはありませんでした。これらの弓は、個人の所有の弓であり弾くことはしませんでしたので音色は確認できていません。
 「浩司さんの言う通り、削り弓あるんだなぁ」という感想を持ちました。

2.お伝えしたいこと
 情報を得る手段として、インターネットを駆使した情報収集は一つの手段だと思います。しかし、事実と異なる記述や、個々人の感性の差による誤解も存在します。費用と時間はかかりますが、実際に見て触れて感じること。関係者に会い直接話を聞くことが重要だと思います。

 古い銘弓と呼ばれる弓の中には、削り弓があるので、その製法は昔からあったことがわかります。浩司さんがそこに着眼し、製品として開発した削り弓のセンシティブシリーズは、弦楽器演奏家にとって一つの選択肢です。
 ただ、削るだけなら誰でもできます。材料選びの段階から削り弓に使える材を選定し、適正な木取りをし、一定かつ安定した弓の性能を備えられるような製造過程(削り出し方法)を定数化して、メーカーとして、同スペックまたは近似スペックの製品を作り続けることができる技術を確立した杉藤浩司氏そして向井氏を尊敬しています。なお、向井氏は、杉藤浩司氏より後継者として技術の伝承は受けておらず、杉藤浩司氏逝去後、独学で一からはじめ製作方法を身につけた方です。

 私個人が現在考える弓製法の歴史は、「削り弓と曲げ弓は同時期に存在したと考えるのが適当」との仮説を立てています。
 家具などの木工技術では、昔から削り出しは当然あり、曲げ木もありました。1800年台の前半に曲げ弓も存在します。昔から熱を加え木を曲げる木工技術も存在したことを考慮して導き出した仮説です。

以上です
にもトルテとあり、外反りの反りを削り出した最初は、トルテと言って良いでしょう

問題は、トルテは何で反りを削り出すことにしたのか?、また、何処から着想を得るのか? この点が、そもそものasdfさまの疑問の出発点とその核心でしょう

何ででしょうね? 
私は、トルテもまた、誰も造ったことのない外反りを、どう造るか大変思案したと思っています。そこで色々な工法を試したでしょう。前代未聞のトルテ弓を開発するに当たり棹材の選定見直しから始めてペルナンブコを用いたのと同様に、工法の選定見直しから始めることは、必ず開発の最初に考えることです。
また、バロック月弓は、外反りを削り出そうとする着想を与えただろうと思います。トルテ弓の少し前の内反りの反りを曲げ付けない特徴のまま生かした外反り弓も試したのではないか?と思います。それには、外側に反りを削り出すしかありませんので

結果として反りの削り出しと反りの曲げ付けを、トルテが採用し普及した理解です

また、反りの削り出しと反りの曲げ付けとでは、振動特性は異なります。真っ直ぐな棹では素の木材特性のスプリングだけですが、曲げると棹の内部に力が蓄えられ(故に曲がっており)、この分曲げ付けはスプリングが強まります。
削りの反りと曲げの反りとでは、このスプリング特性などの違いから形や重さだけでなく奏法も異なります

結果的に、今のモダン楽器と演奏スタイルから見れば曲げの方が合っているようで、また、バロックライクだったのでしょうか削りは淘汰されたように見えます

因みに、K.SUGITO SX art、C.SUGITO SX art らは、今の楽器と演奏スタイルから考える削り弓なので、バロック期に接するトルテやゴーラの時代の削りとは少し違って当然だろうと理解します

以上、一考まで。
真実へ迫るには、トルテの日記などの一次資料は非常に少ないので、点在する物証と傍証を自分で集めて推論し、検証し、これを繰り返すしかありませんね
[55893]

Re: LFJ STRINGS EXPO2025 

投稿日時:2025年05月13日 00:49
投稿者:松毬(ID:IJlhlUU)
捕捉 : 分かり難いと思いますので

1.内反りの弓は、基本的に真っ直ぐな棒のまま反りは付きません。
弓毛にテンションを掛けて棹を月のように内側に曲げ反って弾くだけです。このため予め内側への反りを付ける意味もなく、付けても作用だけです。(テンション下がる、短くなる、背が出て操作も見た目も悪い)
また、弓先だけ曲げたタルターニ弓などは毛と棹の高さを保つためで、反りの意図ではないようです

2.バロック月弓がトルテに与える着想とは、バロック月弓の内反り弓は基本的に真っ直ぐな棒で、これは反りなどのために曲げで棹の内部に力を蓄えておらず、そこでバロック同様に棹の内部に力は蓄えない状態のまま外反り弓にバロックから置き換えること。
この弓を試すには、曲げずに外反りに削り出して造るしかありません

なお、削り弓は、曲げより柔らかく弦へのタッチも腰も繊細でしょう。また、性能や強度の材質的にスネークウッド等よりもペルナンブコが合ったでしょう
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