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ハイフェッツって・・・ | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 498 Comments
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ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年06月24日 08:50
投稿者:ともりん(ID:WJMwYg)
20世紀を代表するヴァイオリニストであることは、百も承知
二百も合点なのですが、では一体どういったところが素晴らしい
のでしょうか?
永いこと彼の録音を聴いてますが、私にはわからないのです。
オイストラフのスゴサは録音や映像から伝わってきます。

先日『ハイフェッツの真の凄さはヴァイオリニストにしかわからない』
という言葉を見つけました。彼のリサイタルを聴きに行った
ナタン・ミルシテインの言葉です。

長年の疑問が解決した思いでしたが、この言葉の真意を含めて
ご教授お願いします。。。
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【ご参考】
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Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月10日 14:47
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
>「真の芸術家の音はいつも、凡庸な人のよりも少し小さい。それは、下手な演奏家は、自分のつくり出す音の質と純粋性に、当然関心を向けるべきなのにそうしないで、大きな音を出すのに大変熱心であり、それに反して、真の芸術家は、音質に大きな注意を払うのである。」
アルベルト・バッハマン An Encyclopedia of the Violin 166頁

この発言の背景にあるものはなんなのでしょうか。
解説願います。
思うにドヘタな素人がガナリ立てていることに対する批判のような気がします。決してcatgut様がおっしゃっているような「超一流のプロの音量が案外小さい」という文脈で出てきた発言ではないのではないでしょうか。
部分的に切り出してもそれは表面的な言葉でしかありません。
結局検索して都合のよい部分だけ切り貼りしても意味がないということです。
[41045]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月10日 20:30
投稿者:catgut(ID:NZAVFFQ)
私は当初から以下の一貫した考えでした。しかし納得頂けないということで信頼性の高い証言や根拠を提示してきたに過ぎません。

(1)ハイフェッツの実演の絶対音量は小さかった。
(2)多くの録音では近接録音で大きな音量に聞こえるようにしていた。
(3)ハイフェッツの音量が小さかったのは音色を最優先させたからと考えられる(音量と音色のトレードオフだった)
(4)20世紀前半のソリストは音量をさほど求められなかった。
(5)20世紀後半だけでもオーケストラはかなり大音量化している。

この中で具体的で信憑性のある反論を頂いたのは、ハルトナックによるハイフェッツの音は小さくなかったというものくらいです。

上記が正しければ、現代ではハイフェッツのような奏法ではオーケストラとソリストの音量バランスが悪くなるのは当然です。ソリストは大音量に過重な価値を置くため音量が小さい奏法は頭から否定されかねないでしょう。現代に20世紀前半のような美音のソリストが少ないとすれば、街路灯をたくさん作っておいて「最近は美しい星空が見えなくて残念だ」と歎いているようなものです。


バッハマンは1925年頃に「真の芸術家は常に二流の芸術家より音が小さい」(The true artist always has a smaller tone than a mediocre one)と書いていますが、1925年と言えばハイフェッツのアメリカデビュー後かなり経っており、まさに現在でも賞賛されるトップクラスのソリストが活発に活動していた時期です。バッハマンはイザイやフバイの弟子で作曲家・編曲家としても当時尊敬された人で非常に信用できます。マーテンスの「弦楽技法」にも当時の有識者としてバッハマンへのインタビューが載っています。
[41046]

本当に読んだの

投稿日時:2009年09月10日 20:42
投稿者:どうしましょうね(ID:OEiEF5A)
>>>>ハイフェッツはともかく、ハルトナックが保証したようにミルシテインは「音が小さい」ソリストで
---
ハルトナックは絶版ですが、読んだのですか?
[41047]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月10日 21:44
投稿者:catgut(ID:NZAVFFQ)
通りすがりさま、カール・フレッシュの世代では、音量を弓圧で出すこと自体が好まれなかったようです。圧力で大音量を出すような奏法が「二流」と考えられたのかもしれません。

ヴァイオリン演奏の技法 上巻P126より(一部略)

さて、同じ強さの音は、次の二種類の方法で出すことができると思われている。即ち弓を少く使い駒の近くで圧力を加える。弓を大きく使い駒から離れたところで弱い圧力を加える。弓を大きく使えという教えは、フランス・ベルギー式及びロシア式運弓法の核心を成すものであるが、この教えは、要するに最も健康な最も認められた原則の一つであることに間違いはない。だから、弓を少く使って、弓に強い圧力を加えて強音を出すことは、普通はやらない方がよい。例外としてはどうにも出来ない内的の欲求による場合と、器具が役に立たず信頼性に欠ける場合である。

とひどいいいようです。

クライスラーについては「輪郭のはっきりした頑固な自分の個性が、一般に守られている法則に反する奏法を無意識に好んでいる」ため圧力を使うとしています。


どうしましょうね さま、
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Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月03日 21:55
投稿者:あのー(40948)(ID:OEiEF5A)
>>>48年のLP発売では、新譜LPの40%がテープ録音だったそうです。

丁寧なレスありがとうございます。
テープレコーダが戦前ドイツで開発されたのは私も知っていましたが、アメリカで出回ったのとLP録音開始(1948)がだいたい同時進行ですね。
ちなみに1936年はベルリンオリンピック以後ですから、ユダヤ人のハイフェッツはドイツに絶対出向きませんね。水晶の夜事件がありましたからね。

ハルトナックの著書はヴァイオリン演奏の基本文献なので絶対はずせないと思いますよ。公立図書館には置いてあると思います。
サラサーテからパイネマンまで音源がある限り論じています。ハルトナック自身が生で聴いた演奏家に関してもかなり公平な批評があります。否定するにしても肯定するにしても、ヴァイオリンを論ずるならお読みになったらよいと思います。ハイフェッツについては2段組の細かい文字で19ページ(邦訳で)にわたって大変詳しい論評があります。ハルトナック自身はハイフェッツにさほど肯定的でないことがわかりますが、それでもきわめて公平な態度をとっているのは立派だとおもいます。
ミルスタイン(ママ)のくだりで音量に言及しているのは邦訳252ページです。以下引用します
----
彼のもっとも重要な先生は、レーオポルト・アウアーであった。彼(アウアー)の教育は、ミルスタインが最後に教えを受けたウジェーヌ・イザイの影響と同様、こんにち目立たなくなっている。
…中略…
ミルスタインは以前からペテルブルク式の弓の持ち方に対して、エルマンやハイフェッツのように正統を守り忠誠を誓っていなかった。
…中略…
たぶんこれによって、ミルスタインの音の二つの特性が、少なくとも部分的には説明できよう。ひとつは、エルマンやハイフェッツよりま明らかに少ない彼の音量である。
…中略…
彼の弓転換の特別なしなやかさという第二の特性もそこから来るのかもしれないのである。私はまだ、弓の転換をミルスタインほど切れ目なく行うヴァイオリニストを聞いたことがない。アップボウとダウンボウが、彼にあってはだだひとつの音が七学つづいているかのごとく……後略…
で頂いた情報に、邦訳252ページ「エルマンやハイフェッツより明らかに少ない彼(ミルシテイン)の音量である」とありましたが。
[41048]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月10日 23:47
投稿者:通りすがり(ID:NkZAIkY)
catgut様

私の指摘しているのは
実演が聴けない以上、絶対的な音量を測定することができないので、ハイフェッツの音量について小さいと断定することができない、ということです。
・録音は操作されているので証拠にはなりません。
・文字記録は、音量の感じ方が聴く人やシチュエーション等により、容易に修飾されるので、あてになりません。
・小さいといってもどの程度なのか、全く分かりません。

いかがですか?
[41050]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月11日 01:51
投稿者:ええとね、(ID:KQV2FHE)
>私は当初から以下の…

貴方がその考えを持つに至った「当初」の経緯にもよりけりですな。
思い出しますに、当スレにおける貴方の最初の書き込みは、出展となった「2ch.」の文字が入ったURLを添え、「面白い話」と前置きしたハイフェッツの録音の編集の話でしたな。「当初」ってこれを見て以降って事…?
まあそれはあんまりだとしても、まさかご自分でハイフェッツのレコードを聞いただけで、
「実演では音が小さかった」
「この録音は編集が施されている」
と見破った、などとはおっしゃらないでしょうな?
とすれば、貴方は「検索は手段に過ぎない」みたいな事をおっしゃってますが、
他スレ含めた数々の書き込みを鑑みるに 貴方のその考え自体、
論文や検索に感化された結果だと疑わざるを得ないのですよ。
[41051]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月11日 08:25
投稿者:それから、(ID:N5dXRHE)
catgut氏は「確信」という言葉を使われますが、

「論文読みました」

「ネットでも検索しました」

「自分でもやってみました」

「確信しました」

と、第三者の生きた意見の介在も無しに、よくまあお手軽に「確信」に至れるもんだと毎回感心しています。
それをまた、得々と人に語って聞かせる神経にもね。
自己完結のみで人を説得できるものなら人間誰しも苦労はしませんな。
普段「権威」を批判しておられる catgut氏こそが論文執筆者の「権威」に酔っているという何よりの証拠ではないでしょうか。
[41053]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月11日 20:07
投稿者:いやむしろ(ID:NUZwmDc)
「ネットで検索しました」 (A)

リピート(A) X 何回か (展開部:A' 時々 B)

「確信しました」 (コーダ)
[41054]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月11日 20:54
投稿者:どうしましょうね(ID:OEiEF5A)
>>>>どうしましょうね さま、
>>>>>[40956]
[40956]

Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月03日 21:55
投稿者:あのー(40948)(ID:OEiEF5A)
>>>48年のLP発売では、新譜LPの40%がテープ録音だったそうです。

丁寧なレスありがとうございます。
テープレコーダが戦前ドイツで開発されたのは私も知っていましたが、アメリカで出回ったのとLP録音開始(1948)がだいたい同時進行ですね。
ちなみに1936年はベルリンオリンピック以後ですから、ユダヤ人のハイフェッツはドイツに絶対出向きませんね。水晶の夜事件がありましたからね。

ハルトナックの著書はヴァイオリン演奏の基本文献なので絶対はずせないと思いますよ。公立図書館には置いてあると思います。
サラサーテからパイネマンまで音源がある限り論じています。ハルトナック自身が生で聴いた演奏家に関してもかなり公平な批評があります。否定するにしても肯定するにしても、ヴァイオリンを論ずるならお読みになったらよいと思います。ハイフェッツについては2段組の細かい文字で19ページ(邦訳で)にわたって大変詳しい論評があります。ハルトナック自身はハイフェッツにさほど肯定的でないことがわかりますが、それでもきわめて公平な態度をとっているのは立派だとおもいます。
ミルスタイン(ママ)のくだりで音量に言及しているのは邦訳252ページです。以下引用します
----
彼のもっとも重要な先生は、レーオポルト・アウアーであった。彼(アウアー)の教育は、ミルスタインが最後に教えを受けたウジェーヌ・イザイの影響と同様、こんにち目立たなくなっている。
…中略…
ミルスタインは以前からペテルブルク式の弓の持ち方に対して、エルマンやハイフェッツのように正統を守り忠誠を誓っていなかった。
…中略…
たぶんこれによって、ミルスタインの音の二つの特性が、少なくとも部分的には説明できよう。ひとつは、エルマンやハイフェッツよりま明らかに少ない彼の音量である。
…中略…
彼の弓転換の特別なしなやかさという第二の特性もそこから来るのかもしれないのである。私はまだ、弓の転換をミルスタインほど切れ目なく行うヴァイオリニストを聞いたことがない。アップボウとダウンボウが、彼にあってはだだひとつの音が七学つづいているかのごとく……後略…
で頂いた情報に、邦訳252ページ「エルマンやハイフェッツより明らかに少ない彼(ミルシテイン)の音量である」とありましたが。
----
人から提供された情報を鵜呑みにするのですか。でしたら、ハイフェッツはロシア式ボーイングの大きな音だというハルトナック説も信じちゃうの?
裏くらいは取ったら。と老婆心ながら思います。
我々は所詮昔の演奏を聴けませんから、せいぜいリマスタリングのCDを聴き、うんと参考にすると良いでしょう。ただし雷電為衛門と貴乃花はどっちが強いか、みたいな酔狂な話題は新橋の酔っ払いにまかせたいですね。
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Re: ハイフェッツって・・・

投稿日時:2009年09月12日 11:01
投稿者:catgut(ID:NZAVFFQ)
事実はみなさまの知識と経験で判断して頂けばよいでしょう。

An Encyclopedia of the Violinの原文を示します。

There are only two classes of violinists : artists, and those players who
might be called "scrapers." The true artist always has a smaller tone
than a mediocre one, for he pays greater attention to the quality of
his tone, while that he neglects entirely the proper attention to the
quality and purity of the sounds he produces.

ハイフェッツについては以下のように記載されています。バッハマンは間違いなくハイフェッツを"true artist"と考えています。

As a performer on the violin he has an impeccable technique and
a broad, fervid style which makes him a virtuoso of the first rank.
ヴァイオリン演奏者として完璧なテクニックと、彼を最高位のヴィルトゥオーゾとする包容力のある熱情的なスタイルがあります。

また本書では生年を1899年としています。(通常は1901年とされているが、神童イメージを高めるため2年さばよんでいるのではないかとういう説がある)。
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