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平均律と純正律 | ヴァイオリン掲示板

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[2208]

平均律と純正律

投稿日時:2002年11月17日 17:19
投稿者:まいまい(ID:QDUBN3k)
初めまして!
バイオリン暦2年の初心者の疑問です。

今、大学でアンサンブルサークルに所属しています。
先生が、良く音程について「平均律」と「純正律」についてお話されるのですが、ピアノは「平均率」で均等な音を出すのに対して、バイオリンでは「純正律」で演奏した方が、聞く人の耳に心地よい音を出すことができると良く言われます。
では、どうしたら「純正律」で弾けるのかを何度か質問しているのですが、まだ自分なりに消化し切れていません。
どなたか「純正律」で弾ける方法を教えて頂けないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
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【ご参考】
[3791]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月12日 11:08
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
以前「音律」というタイトルで書き込んだ玉木です。
私はいま、桐朋短大で、純正律の講座を持っています。
ピアノの調律=平均律がいかに間に合わせであるか、
純正律がいかに素晴らしいかを、ハーモニートレーナーという
器械を使ったりいろんなCDをかけたり、
私自身がヴァイオリンを弾いて実演すると、学生達が、
間違いなくショックを受けます。
特にピアノ科の学生がね。
私は「純正律音楽研究会」を主宰しています。
一度、私のHP、純正律音楽研究会所
http://www.midipal.co.jp/~archi/pms.html
を、覗いてみて下さい。皆様の参加、御意見をお待ちしています。

前田 泉さんの(2)なんですが、ヴァイオリンを密室で一人で弾いて
どうするんだ、というのは基本的には賛成です。メロディだけで
音律云々というのはナンセンスで、ピアノと一緒にハーモニー感覚を
養わないと音楽は育ちません。しかし、ピアノの調律は響きの面からすれば
間に合わせであることも言うべきです。
私は音楽之友社から、「デュオで楽しむヴァイオリン小曲集」を
何冊か出していますが、特に初級編は見事にハモるように編曲しており、
やってみた人はすべていい音程になります。
ピアノと合わせる音程と、弦楽器同士ではおのずと音程が
違うわけです。これは理屈じゃないんですね。
[3792]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月12日 11:53
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
玉木です。追加。
ヴァイオリン一挺で純正律を演奏できるように
4弦を同時演奏出来る弓を考案し、実際に
演奏もしています。
純正律音楽研究所 http://www.midipal.co.jp/~archi/pms.html
の冒頭の、MP3ファイル(拙著「純正律は世界を救う」の音資料)に
2曲録音されています。

モーツァルト時代の弦楽器の音程について前の書き込み「音律」の
「3247」に書き込んでいます。
[3805]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月13日 08:52
投稿者:前田 泉(ID:KGlREiQ)
専門家の玉木先生がご登場ですので、私などは出る幕でありませんが、
おっしゃるとおり「ピアノの音程は間に合わせ」です。ときおり我慢ならないことがある。音程の素晴らしい先生について、二重奏やってもらうのは確かに理想ですね。
ただ、この板をおこした方は大学サークルでしょう。
弦だけで合わせる、といって仲間で弦4やっても「音程の良い仲間」と組むケースはレアかも知れません。
だったらピアノと沢山合わせる次善策も捨てがたい。
あと、大学オケの人なんかで「音程のない」人には、ハーモニーよりむしろ単旋律のスケールをきっちりやらせるほうがいいでしょう。指がひろがらないので正しいスケールが弾けず、弾けないためにスケール感覚がつかない悪循環の方が大変多いです。
玉木先生の二重奏、こんど楽器店でさがしてみましょう。
[3810]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月13日 14:01
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
私が書き込むとみなさん、けむたいんでしょうか?

ヴァイオリンの音程は純正律かピタゴラスかということが
よく議論されますが、日本人のヴァイオリンの手ほどきの
90%は「キラキラ星」だと思うのですが、このとき、
A 線のHとE線のFisは完全五度で、人さし指の同じ場所を
教えます。すでにこのことが純正律ではないんですよ。
純正律ではハ長調のレとラは完全五度ではないことは
みなさん御存知だと思いますが、HとFisがその関係で
EとFisが大全音になります。この6度はピタゴラスです。
開放弦のAと6度上にハモったFis,純正6度はかなり低いです。
子どもにそんな6度を教える先生はいないでしょう。で、高い
Fisの完全4度下のCisをとり、その5度上のGisを教えるのだから
最初からピタゴラスを教えているのです。

6度を不純にし、他を純正に取るという音律はヨーロッパ音律と
呼ばれ、かの有名なヴィオッティがそれで演奏していたということです。
このへんのことは春秋社刋「古楽の調律」の中のバルビエーリ著「ヴァイオリンの
音律」に詳しいです。

また、北島のサブちゃんは「はるばる来たぜハコダテ」のハの音の
ピアノはおかしいと言っているようです。あの人はピタゴラスですから、
ピアノが低く聞こえるのでしょう。
[3811]

流石玉木先生!

投稿日時:2003年06月13日 14:08
投稿者:pochi(ID:MmA4hJU)
けむたくないよ。
ついでにべルックマイスターも作って貰えませんか?
よろしくお願いします。
[3814]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月13日 15:55
投稿者:前田 泉(ID:KGlREiQ)
敬遠している書き方という印象を私が与えたなら本意ではありません。
北島サブちゃんを例にだされましたが、Violinという楽器は西欧の楽器の中でもエスニカンというか、東洋的性格が強いのではないかという気がしています。巨匠の大半はユダヤです。ちょっとジプシーの要素が入ると訴求力のあるViolinになるようですし。
シュムエル・アシュケナージというViolinistがまさに中近東的と言えるほどスーパーな調ピタゴラス音程です。フェルメールSQのリーダーです。
ところがフェルメールSQはハーモニー感覚でも大変純正な印象を与える。
かれらのBeethovenのセリオーソなど大変綺麗です。
ピタゴラスだから和音が汚いということはない証拠でしょうね。反対に和声の感覚が豊富だとピタゴラスで弾かざるを得ないのでしょう。
[3815]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月13日 16:10
投稿者:かもめ(ID:YYFgg5A)
バイオリン初心者のかもめと申します。
私は最近HPを立ち上げ、その中で「音律」のことを近々述べようと思っていますので、みなさんの議論を興味深く拝読させていただいています。

私は基本的にピタゴラス音律が好きです。
私の先生は「やや強調されたピタゴラス」で弾く傾向にあるようですが、非常に旋律的で長調がより長調らしく華やかに聞えます。
また、自分で、チューナーを使って平均律との差を読みながら、ピタゴラス音律で短調の曲を弾くと、今度は短調がより短調らしく深みがでるように聞えます。
HPから私のギター演奏を聴いていただければ分かりますが、残念ながら私は音程もリズムも雑な演奏しかできません。でもそんな私が聞いても、ピタゴラス音律の旋律と平均律の旋律ではニュアンスが大分異なり、ピタゴラス音律の方が美しく聞えます。

もちろん、和声は純正にハモル方が美しいし、そうすべきだと思いますが、そこで疑問が生じます。
純正律で演奏するというのは、純正律のスケール(音階)で演奏するということなのでしょうか?
しかしそれはかなり無理があるように思います。では、その時その時のハーモニーを純正にハモルように弾くということなのでしょうか?
もしそうだとしたら、「純正律」という表現はおかしいような気がするのですが、いかがでしょうか?

変な質問で申し訳ありませんが、どなたかご教授くださるようお願いいたします。

なお、初心者の私が音律のことを語ろうとすることは諸先輩方には片腹痛いことかもしれませんが、大人からバイオリンをはじめた人の多くがピアノの音は正しい音程であると信じており、それゆえに行き詰まることがあるので、まず、知識として、ピアノとバイオリンでは音程の取り方(音律)が違うのだと知ることも大切だと思うのです。
実際、ある程度レッスンが進むと重音が出てきますが、6度の重音でどうしても先生やお手本のCDのような綺麗なハーモニーが作れない、だからピアノで2つの音の音程を確認するのだけれども、何度やってもハモれず、一ヶ月以上そのことについて悩んだという人もいます。
その人が最初から音律の違いを知っていれば、無駄な時間の浪費を節約できたのではないでしょうか?(なお、雑誌、「ストリング」の玉木さんの記事を読んで衝撃を受けた人もいました。)

「知識だけあったって無意味だよ。」という方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、大人からはじめた私達には限界もあるでしょう。でも、趣味として楽しむ我々の中には、音楽の奥の深さを知るのもまた楽しいという人もいますし、また、趣味とはいえ、わざわざ目標を低く設定する必要はなく、できるかどうか分からないけど、やってみようという人もいます。どうかそういう者達がいることもご理解願います。
[3822]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月13日 23:13
投稿者:玉木宏樹(ID:NzVkcpU)
純正律という言葉は、12鍵盤に対する一種の調律と捕らえるべきです。
ドミソ/ドファラ/シレソを純正に取って、音階に並べたのが純正律
なのですが、それだとレファラが全く使えないウルフになります。
ミ-ントーン時代でも特にヘンデルの場合、36鍵盤(段で切り替え)
を使っていました。
平島達司氏の「ゼロビートの....」によれば、すべての転調に耐えうる
ためには、1オクターブに69の鍵盤が要るそうです。
弦楽器の達人ならば何でもない音程操作ですが、
音程を固定しなきゃならない鍵盤楽器では誰にも演奏できないので、
もう一度12鍵盤の調律の中でなるべく純正律とピタゴラスの
折り合いを付けるためにヴェルクマイスターやキルンベルガーの
調律が工夫されました。
私は一応全調性が弾けるキルンベルガーが一番いい調律だと
思っています。

所で、オクターブを12鍵盤にしているのは、中世のピタゴラス
の遺産です。
平均律はピタゴラスから生まれた鬼っ子なのですが、わかるかなあ....。

私は、近い内に私の編曲した2ヴァイオリンの曲集をもとに、
純正律のワークショップを始めようと企画していますが、みなさん
参加していただけますか。
[3824]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月13日 23:28
投稿者:玉木宏樹(ID:NzVkcpU)
管理人様。
私のミスでレイアウトがおかしくなったことを
おわびします。
[3850]

Re: 平均律と純正律

投稿日時:2003年06月14日 19:19
投稿者:かもめ(ID:KBAgQ5U)
玉木さん
ご教授ありがとうございます。
>純正律という言葉は、12鍵盤に対する一種の調律と捕らえるべきです。

ということは、バイオリンの演奏の話しで、「和声は純正律で・・・」と表現するときの“純正律”というのは、便宜的な表現であると理解してもよろしいのですね?

>平均律はピタゴラスから生まれた鬼っ子なのですが、わかるかなあ....。

正直言ってよく分かりません。
オクターブを12に分けることはピタゴラスから始まったということは分かりますが、平均律は12平均律の他に19平均律や31平均律、53平均律などもありますよね?
現在は12平均律が主流ですが、それがピタゴラスをお手本としたものなのか、たまたま演奏性その他の理由でそうなったのか、私には分かりません。
ただ、単純に12平均律のすべての全音を4セント広く、すべての半音を10セント狭くしたら、ピタゴラスと一致するというのは、偶然にせよ必然にせよ面白いなと思いますが。

>純正律のワークショップを始めようと企画していますが、みなさん
>参加していただけますか。

それはバイオリン初心者には不向きな企画でしょうか?
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