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弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか? | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 25 Comments
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弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月02日 14:59
投稿者:マグロ丼(ID:MjRmUwk)
バイオリン弓の毛に関して、皆さんは、何本くらいまで切れることを許容できますか?
自分は、標準的な毛の量で毛替えしてもらっており、4本までは切れてもなんとか許容できますが、5本以上切れると明らかに弾き心地の悪化が感じられるので、毛替えに行きます。
「10本くらいまでは切れても大丈夫。」という人も居ますが、自分から見ると、きっと手先が鈍感な人なのだろう、とか思ってしまいます。
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月08日 21:33
投稿者:マグロ丼(ID:IHIJcVM)
モデルY様が紹介されている動画の甲斐幹久氏がヤマハのお店に来て、毛替えしていたところを見たことがあります。
わずか10分で毛替えできるとは、すごい早業だと思いますが、とても早いのに仕上がりがすごく良いですね。しかも、この動画では、毛替えの完了後、1本も毛を切っていませんね。1本も毛を切らずに、毛の長さが適切で、美しい仕上がりなのはサスガだと思います。
自分の行きつけのお店の職人だと、朝預けて夕方受け取りということで、半日待たされますが、仕上がりの精度は、動画の甲斐幹久氏と同じくらいです。
甲斐幹久氏のように早くて精度の高い毛替えができる職人が、もっともっと増えてくれたらいいのに、と思います。若手の職人の奮起に期待したいと思います。
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月09日 10:04
投稿者:たく(ID:EWUZVAI)
ちょっと気になるので私が知りうる範囲でお話しします。
件の映像は良く知っております。また、映像の職人さんのこともよく知っております。その職人さんの手法の批判でも、皆さんのご意見の批判でもありませんので、そのつもりでお読みくださいね。

気になる1点目は、「毛替えが10分」でできているとおっしゃっていることです。映像の時間は確かに「概ね10分」ですね。半月リングに装着した楔を削るところから、ケースに仕舞うまでですね。弓毛を張り替える作業には、その他の作業が沢山あることをご存知だと思うのですが。映像だけの作業ですと「10分」は特に早いと思えません。これらの作業は全ての準備がすんでからなので、どんな職人さんでもその程度かと思われます。価格の安い弓の場合、楔を固定するため接着剤を用いている場合が多く、その取り除き作業など大変な時間を要します。弓を傷つけないためです。それから、半月リングの幅(弓により微妙に異なります)などを考慮して、弓毛の本数は初めから束ねたものを使うのでなく、1本1本丁寧に馬毛を選別し整理します。弓により強い馬毛とうまくバランスがとれるもの、細目がいいもの、奏者の好み等バラバラですよ。それを選別する時間は?また、楔は、3つ必要であることはご存知ですね。その楔が使用できない場合、新たに製作するわけですが、その時間は?かなり時間を要しますよ。
等など、弓の張り替えには準備が必要で、映像の時間はそれらが全て完了してからの映像だと思うのです。ですので「弓の張り替えが10分」とういうことで、「早業」というような評価はどうも馴染めません。

2点目は、「弓毛を切っていない」とおっしゃっていますが、ドライヤーで丹念に4分ほどでしょうか、弓毛に温風を当てて乾かしているでしょう。これにより濡れて長くなった弓毛を短く整えることができ、綺麗なリボン状にまとめ上げ易くなります。ご自分の髪の毛を洗ったあとでドラーヤーでととのえるでしょう!ただし、やりすぎると頭髪を痛めますので、中には自然に乾かす人もいるでしょう!馬毛も同じです。これを嫌う職人さんも結構おられて、自然に乾燥させるのが良いとおっしゃる方もおられます。なぜなら、水で濡らし、音風で早急に乾かすと多少弓毛が痛み弱くなるということだそうです。ということで、弓を預けてくださいとおっしゃる職人さんは多いです。ヘタとうことではなく、丁寧な対応であると思います。映像の職人さんの批判ではありません、職人さんにより色んな考えがあるということです。
水で濡らさずに張替えされる職人さんもおられます。それは弓毛を痛めるからだとおっしゃっています。そうすると、弓毛は多少乱れるので、数本切る場合もあります。全てではありません。そのような場合もあるということです。
私は、水を使用しません。

③3点目は映像でよく解らないのですが、弓の長さを決めハサミで切断し、その後弓毛を糸で結んでいますね。その時の映像をよく見てください、束ねた中央から左右にで弓毛が緩んでいるように見えませんか?表現がうまくできませんが、要するに可能な限り均一に仕上げようとしますが、完全には物理的に不可能だということです。でも最終的には均一に見えるように仕上げます。

また、弓毛の乾燥が終了し、ケースに収める直前で、映像では映っていませんが、フロッグのネジを何回か回して、弓毛は竿に接しない程度にセッティングされているのが解りますか?これで、美しいリボン状になります。

一部の映像だけ見てそれが全てであるような表現はやめましょうね。皆さんの書き込みを読む限り、そうように私は受け止めました。もし、間違っていたらごめんないね。でも、書き込みされるなら、可能な限り正確に、またその書き込みの意図する範囲等しっかりすれば、誤解が少なくなると思います。それは私にも言えることですが。皆で気を付けましょう。            
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月09日 21:27
投稿者:モデルY(ID:ICNnYnM)
たくさん、弓の毛替えについて詳しく説明していただきまして、ありがとうございます。ご自分で毛替えされているということで、さすがお詳しいなと思いました。
毛替えに要する時間については、たくさんのおっしゃるとおりだと思います。動画の甲斐幹久氏も、工程の最初の最初から時間をカウントすれば、さすがに10分で毛替えするのは無理でしょうから、20分程度はかかるだろうと思います。とは言え、毛をドライヤーで乾かす時間を含めて20分程度であれば、十分に早いと言えるでしょう。しかも、毛替えの仕上がりが美しく精度が高いのですから、なおさら素晴らしいと思います。
しかしながら、1点だけ、たくさんの意見に反論させていただきますと、
>また、弓毛の乾燥が終了し、ケースに収める直前で、映像では映っていませんが、フロッグのネジを何回か回して、弓毛は竿に接しない程度にセッティングされているのが解りますか?これで、美しいリボン状になります。
に関してですが、動画の11:31あたりでは、
・毛替え直後の弓(ヴァイオリンケースに収納した状態)を見ると、フロッグが巻き皮に接触している。⇒ネジが完全に緩められた状態である。
ということがわかります。
僕は、ネジを完全に緩めた状態にしても適度に毛が張った状態で、毛がリボン状になっているのが理想的だと思っています。
この動画の甲斐幹久氏の仕上がりは、そういう意味で理想的だと思います。
毛替え直後のこの動画の状態では、毛が短過ぎると感じる人も居ると思いますが、毛に松脂を塗って、しばらく演奏したら、「ごくわずかに」毛が伸びて、ちょうど良い毛の長さになるだろうと思います。
この程度の毛の長さ(短さ)であれば、弓に過剰な負荷がかかることはありません。

最期に、
>一部の映像だけ見てそれが全てであるような表現はやめましょうね。皆さんの書き込みを読む限り、そうように私は受け止めました。もし、間違っていたらごめんないね。でも、書き込みされるなら、可能な限り正確に、またその書き込みの意図する範囲等しっかりすれば、誤解が少なくなると思います。それは私にも言えることですが。皆で気を付けましょう。
については、僕もそのように思います。誤解を招く表現をしないように気を付けたいと思います。
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月11日 12:38
投稿者:たく(ID:EWUZVAI)
モデルYさん

ご返事ありがとうございます。
-------------------

映像の隠れたところを想像して発言しましたの、違っていたらすみません。

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弓の張り替加減は、同じ考えです。

一番緩めた状態で、リボン状になるのが良いと思います。ただし、弓によっては少し緩んでいる状態のほうがバランスがとれるものあるかと思います。また、弓毛は湿度が変化すると当然長くなったり短くなったりしますので、どんな状況でもきれいなリボン状にならないのは良くご存知かと思います。その時はネジを回してリボン状になるように調整してから仕舞います。
できるだけその誤差を減らすために私の環境では、室内を50~55%程度に保ってから、張替作業を行います。私の今の環境での湿度計での計測は、概ね25から80%程度になっているからです。そうすると、50%~55%程度の湿度で保った状態で、馬毛を馴染ませておけば、乾燥時や雨天時などの天候に対する影響は少なくすみます。
まあ、私の場合は3か月程度で張り替えます。ですので、湿度変化に対して影響が少なく、いつもきれいなリボン状に保つことができています。まあ、たまには急激な天候の変化で、緩んだり、張り過ぎたりすることがあり、張り過ぎた場合は、フロックを外しておきます。

ほぼ、モデルYさんと同じ考えではないのでしょうか!
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月12日 01:39
投稿者:モデルY(ID:dZaCFQ)
たくさん、ご説明ありがとうございます。
たくさんの考え方に賛同します。
僕のオールド弓の毛替えをしてくれている腕の良い職人さんは、工房の湿度を夏は55~60%程度、冬は45~50%程度に保っています。このため、自宅に持ち帰った後でも、毛の長さが大きく変動しないで済みますし、季節的な湿度の変動にも対応できます。

なお、先日ご紹介した動画
www.youtube.com/watch?v=TXk7bcVeD64
の毛替えの仕上がりについて、改めて厳しい目でチェックしてみたところ、2~3本気になる毛(切りたくなる毛)が見つかりました。11:28~11:32あたりをスロー再生で見ると、ほんの少しだけ「よれているような毛」や「リボン状になりきれていない毛」が2~3本あるように見えます。
僕は、弓を受け取ったらその場で松脂を塗って音を出して毛の仕上がりをチェックしますが、その段階で、1~2本切ってもらう場合が多いです。
もちろん、1本も切らずに済むこともたまにありますが、どうしても1~2本は気になる毛が見つかってしまいます。

このたびは、たくさんと意見交換させていただいて、毛替えは奥が深いなと改めて感じました。
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月12日 06:49
投稿者:たく(ID:EWUZVAI)
モデルYさん

弓の張り替えについては、モデルYさんのお考えに非常に近い感覚を持っていることを認識しました。さらに、勉強していこうと思っております。まだまだ解らないことがあり、例えば楔に使用する材料ですが、私の場合、ヴァイオリンを製作した残りのメイプル(裏板とネックの余り)で製作しているのですが、鑿で形状を整えるときもう少し気持ちよく切断できないのかなと思っています。どうも、木目が深い材料は楔には合わないように思います。実用上は問題がないのですが、等色々考えるわけです。
まあ、弓にしろ楽器にしろ演奏技術に関しても奥が深くて、諦めずに探究し続ける以外はないように思います。
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月12日 09:49
投稿者:pochi(ID:E3ZDIxY)
いくら毛を選別しても、張ってみたら具合の悪い毛が残ります。

だから、弓の毛替えは、少し多めに張って、丁度良い様に、余分を切るんですよ。当たり前です。

職人の腕によって、余分の本数が違います。

弓は真っ直ぐとは限らないので、毛で調整する事もありますし、ヴァイオリンは右、チェロは左曲がりに対して強く木取りをしてあるので、その分も勘案して張ります。

大音量で太いを出す時には、弓を垂直近くにしますから、両端が切れるとは限りません。フェルールの近くの中央部分が切れる事もあります。

ドライヤーで乾かしますが、温風ではなく、冷風で乾かす人もいます。温風で行う時には、毛と竿の間に厚紙を挟んで、竿に熱が掛からない様にします。

マッチや楊枝を折って、毛を半分に分けて竿の逆側に挿んで、最終的な乾燥をさせます。

本来は糸で縛ってから、両端に松脂を付けて火で炙って固めるのですが、瞬間接着剤を使う人も多いと思います。効果に違いはありません。

季節によって、毛の張り方は変えます。

これらはすべて、毛替えの講習会に行くと習います。

私は、弾き味試し要員として参加させて貰い、毛替えの講習として、一応自分でも張れます。習熟していないのであんまり上手ではありません。

/////

毛が多過ぎる弓として有名なのは、Coda Bowで、強過ぎる毛や、ボサボサ(ガサガサ)の毛が残っていて、3重になっている部分があります。8~10本位切った方が良い、と思います。オルファのカッターナイフで簡単です。

オルファのカッターナイフは刃が柔らかく、砥ごうと思えば砥げます。

私は安全性の為に、わざと1mm程度残して切ります。
youtu.be/StBe3m4gI2g
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月12日 19:04
投稿者:匿名で(ID:GTECFhM)
>本来は糸で縛ってから、両端に松脂を付けて火で炙って固めるのですが、瞬間接着剤を使う人も多いと思います。効果に違いはありません。

私は、瞬間接着剤を使用する工房は、あまり信用できません。瞬間接着剤が完全に乾燥する前に楔を打ち込み、弓と楔が接着されてしまう事があります。瞬間接着剤の表面が乾燥していても内部が乾燥していない場合に起こる現象のようです。店舗に出張して弓毛の張り替えを行う方は瞬間接着剤を使用される方が多いようですね。
昔ながらの糸で縛り松脂で固めるやり方が安全だと思います。

私は、依頼主の前で弓毛の張り替えを行ってくれる工房でないと信頼できません。
楔を再利用する所もあるぐらいですし・・・
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Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月12日 19:22
投稿者:pochi(ID:dINkMHA)
[52909]
[52909]

Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月12日 19:04
投稿者:匿名で(ID:GTECFhM)
>本来は糸で縛ってから、両端に松脂を付けて火で炙って固めるのですが、瞬間接着剤を使う人も多いと思います。効果に違いはありません。

私は、瞬間接着剤を使用する工房は、あまり信用できません。瞬間接着剤が完全に乾燥する前に楔を打ち込み、弓と楔が接着されてしまう事があります。瞬間接着剤の表面が乾燥していても内部が乾燥していない場合に起こる現象のようです。店舗に出張して弓毛の張り替えを行う方は瞬間接着剤を使用される方が多いようですね。
昔ながらの糸で縛り松脂で固めるやり方が安全だと思います。

私は、依頼主の前で弓毛の張り替えを行ってくれる工房でないと信頼できません。
楔を再利用する所もあるぐらいですし・・・
匿名で氏、

毛替えの時には、毛に水分が含まれているので、瞬間接着剤はあっという間に固まります。

乾燥していると瞬間接着剤は固化するのに時間が掛かります。

だから、手法として、結構ポピュラーなのですよ。

当然、糸で縛ってから、瞬間接着剤です。
[52913]

Re: 弓の毛が切れるのを何本まで許容できますか?

投稿日時:2017年07月13日 20:24
投稿者:モデルY(ID:EgYJkRI)
pochiさんは、
>いくら毛を選別しても、張ってみたら具合の悪い毛が残ります。
だから、弓の毛替えは、少し多めに張って、丁度良い様に、余分を切るんですよ。当たり前です。
職人の腕によって、余分の本数が違います。
と書かれていますが、きちんと選毛(せんもう)した上で毛替えした場合に、毛替えが終わった直後に切る毛の本数が、
◎0~2本:腕の良い職人
〇3~4本:普通レベルの職人
△5~6本:腕の良くない職人
×7本以上:論外
だと、僕は考えています。
毛を張った後に切る毛の本数は、出来る限り少ない方が望ましいので、毛を張る前の「選毛」の時点で、ダメな毛をキッチリと除外しておいてもらいたいと思います。
ちなみに、僕は、毛替え直後に松脂を塗って音を出して仕上がりをチェックしますが、切る毛(=切除すべきダメな毛)の本数が4本を超えたときは、その場で、毛替えのやり直しをしてもらっています。
毛替えのやり直しをさせると、職人もプレッシャーを感じるのか、必ず、仕上がりのレベル(精度)が1ランク上がります。
待つ僕の方も時間がもったいないので、一発でOKとなるように、職人には、もっと精度の高い毛替えをしてもらいたいものだと常に願っています。
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