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調弦についてご教示いただけますでしょうか。 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 7 Comments
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調弦についてご教示いただけますでしょうか。

投稿日時:2014年05月02日 22:25
投稿者:素人母(ID:IjdhNg)
こちらではいろいろ勉強させていただいております。
子供が、先日、とあるマスタークラスに参加し、普段のようにAをピアノで合わせ、和音で調弦しているときに、講師の方から、調弦はまずピアノのGにあわせ、それからハーモニクスで合わせていくようにという指導がありました。

A線から和音で合わせていたのを、あえてG線からハーモニクスで調弦しなおすようにとおっしゃったのは、何か理由があったのでしょうか。

本人がその場で講師の方に質問できればよかったのですが、受講の間、本人にはその(精神的)余裕はなかったようです。

後になって、「なぜだろう? ピアノと合わせたとき狂いが少なくなるから? じゃあ、オーケストラのときと、ピアノ伴奏のときと調弦の仕方を変えるの?」と頭を捻っております。素人の私もその話を聞いて、興味が湧いてまいりました。

お詳しい方のお知恵を拝借できれば・・と思っております。
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Re: 調弦についてご教示いただけますでしょうか。

投稿日時:2014年05月03日 03:33
投稿者:pochi(ID:JpZ3giU)
>何か理由があったのでしょうか。
--ピアノが入る場合、ピアノと違和感がない様に調弦するのが普通です。理由は、ピアノの音程をよく聴け、という意味だと思います。

フラジオでの調弦は、弦が傷んでいると全く合わないので、あまり推奨されない合わせ方ですが、行ってみるのは良いと思います。音程マニアとも言えるギトリスはフラジオでの調弦をしますね。

>じゃあ、オーケストラのときと、ピアノ伴奏のときと調弦の仕方を変えるの?
--ピアノコンチェルトとそうでない時には、調弦方法が違う場合があります。ピアノが入る場合は、Aをピアノとピッタリ、Gをピアノと違和感がない程度に合わせ、その間でDを合わせます。

ピアノが無い場合は、そのまま五度調弦する場合と、少し狭めに合わせる場合があります。
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Re: 調弦についてご教示いただけますでしょうか。

投稿日時:2014年05月03日 04:16
投稿者:素人母(ID:IjdhNg)
Pochi様

早速のご回答をいただきありがとうございます。納得いたしました。
弦楽器とは、本当に難しい楽器ですね。シチュエーションによって調弦方法を変えるとは考え付きませんでした。楽器素人の私はもとより、子供の方も、耳を使わず「慣れ」で調弦、演奏をしていたのだな、と思い当たりました。

ご指摘、ご教示いただいて、きっと本人にも考えるところがあると思います。周りの音を聴いて調和させるという姿勢をこれから身に付けてくれたらよいなと考えております。

どうもありがとうございました。
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Re: 調弦についてご教示いただけますでしょうか。

投稿日時:2014年05月03日 08:37
投稿者:ヴァイオリンとフルートのRio(ID:ExiIWRA)
N響の演奏会の様子などをテレビで拝見していると、普通はオーボエが出す音でA線を合わせ、次の曲がピアノコンチェルトの場合にはコンサートマスターがピアノのAをたたいてそれに合わせ直していますね。

ヴァイオリンのAは442Hzとすることが多いと聞いていますが、ピアノと合わないとまずいので、わざわざピアノと合わせ直しているようです。普通のピアノはAが440Hz、ただし、ホール備え付けのピアノでは442Hzのものもあるそうです。

国際的な取り決めではAは440Hzとされていますが、弦楽器の場合にはなぜか、442Hzとかもっと高くする習慣があり、古楽の場合はさらに違うようです。
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Re: 調弦についてご教示いただけますでしょうか。

投稿日時:2014年05月03日 11:11
投稿者:カルボナーレ(ID:IEZoVCg)
興味深いテーマですね。
その調弦方法については知りませんでした。
下記、理屈で考えてみました。(どの楽器の話か記載がなかったので、一旦ヴァイオリンと仮置きします。)
ピアノが基本的には平均律であり、ヴァイオリンは5度調弦にてゼロビート(うなりがない状態)で合わせて行くと、平均律の5度より少しずつ音程の間隔は広くなるため、ピアノから音取りをした弦以外では、開放弦で微妙に音程が合わない状態となります。
一般にはA線の音をピアノから取り、2音同時に弾きながらの5度調弦の際に、純正にハモらせるのではなく、若干間隔を狭めにとる。ということでピアノの音程との折り合いをつけることが多いと思います。
ハーモクスで合わせる、というのを実際にやって見ましたが、G線でDを出し、D線でDを出そうと思うと、左指2本が占有されるため、弾きながらの調弦はできません。従って、実用的には、最初に書いた狭めの調弦を行った後に、その音程が平均律になっているかを確認するために、ハーモクスで2弦の同音を確認する、ということと理解しました。(ギターは普通ハーモニクスで調弦しますが、あちらは残響が残るため音を聞きながら音程を変える事ができるのに対し、ヴァイオリンはできません。)
なお、弦は伸びてくると、ハーモニクスの音程とその場所を押さえた実音の位置関係が狂ってきますので、新しい弦で、という条件がつきます。またピアノは平均律といいながらも、実際は聴こえの音程を補正するために高音部は次第に高く、低音部は次第に低くする、ストレッチと呼ばれる補正をかけて調律しています。どこかで必ず矛盾は発生するため、結局は、本件は妥協点を求める際のやり方の一つかと思います。G線の2倍のハーモニクスは、A線開放と2半音しか違わないので、そこを基準に調弦をスタートすると、ストレッチの影響を最小限に抑えられます。
ステージでのチューニングの際、時々ピアニストが2音、ないし3音を同時に弾くのを見かけますが、これもヴァイオリンの5度間隔が広くならないようにするための方策でしょう。
なお、コントラバスであれば、音が低く、音程が判断できないので、ハーモニクスは定常的に活用します。
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Re: 調弦についてご教示いただけますでしょうか。

投稿日時:2014年05月04日 15:43
投稿者:素人母(ID:IjdhNg)
カルボナーレ様
ヴァイオリンとフルートのRio様

ありがとうございます。私ではお手上げなので、いただいたご回答を直接、子供に読ませました。(ちなみに楽器はバイオリンです。)。ちんぷんかんぷんな母を尻目に、真剣に、うなずきながら読んでおりました。

マスタークラスでは一部のピタゴラス的な音程(子供からの受け売りですので言い回しなど間違っていたらすみません)の取り方を特に注意されたそうで、それも「ピアノと合わないから、ということだったのか!」と納得がいったようです。

ご回答いただいた皆様のおかげで、講師の先生の断片的なご指摘から、「周りの音との調和を考えて弾く」、というご指導の全体像が見えてきて本当に助かりました。子供にも良い勉強になったようです。

皆様、どうもありがとうございました。
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Re: 調弦についてご教示いただけますでしょうか。

投稿日時:2014年05月13日 21:19
投稿者:通りすがりの素人(ID:dghBQAA)
似たような光景を最近見ました
それは最初の調弦ではなくレッスンの途中でしたが…。
良くある話なのですね。

PS. ピアノのストレッチチューニングはピアノ線の剛性が高いので物理でいう理想弦(太さ硬さのない弦)と倍音の特性が違う(整数倍から少しずれる)からだとどこかの調律師さんにサイトに書いてあるのを読んだことがあります。
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Re: 調弦についてご教示いただけますでしょうか。

投稿日時:2014年05月24日 02:38
投稿者:Z(ID:FHMmNGA)
倍音が整数比からずれるのは、ピアノに限らず、すべての楽器において、あります。

^^^

ピタゴラスは完全五度を正確に取りますので、G線は平均律との差が大きくなり、目立ちます。G線をピアノに合わせると、今度はE線が合いません。

実際には、E線が高めでもそれほど不自然はありませんが、G線がピアノより低いと、案外目立つと思います。