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catgut氏 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 26 Comments
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catgut氏

投稿日時:2013年08月08日 14:19
投稿者:缶人(ID:gQVVkUA)
2009年10月の投稿を拝読いたしました。ナタン ミルスタインの音量についての言及もありましたね。
私はミルスタインにレッスンを受けていた日本人ですが、師の音量が小さいと(感じる)いうことはありませんでしたよ(勿論数値を計測した訳ではありませんが、それは無意味でしょう)。
同じ会場でズーカーマンを聴いたこともありますが、その体験と比較してもです。
ハイフェッツを生で聴いたことはありませんが、師からお話を伺ったことはあります。が、あくまでも伝聞ですので触れません。
料理を理解するには、レシピを一万件検索するより、一度食べてみた方が良いとは思いませんか?
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【ご参考】
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Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月08日 15:27
投稿者:缶人(ID:gQVVkUA)
もう一つ
弓が軽いから音量が出ないということはありませんよ。
私自身、トルテ(58g)、サルトリー(60.5g)、ギョーム(62.5g)、グリュッター(52g.ギトリスに勧められて購入)等所有しておりますが、一番軽いグリュッターで弾いても音量が(他覚的にも)減少するということはありません。
弓の違いは、勿論操作性の違いと、音の芯の質というか、キャラクターの違いだと思います。
糸で吊るして弓の自重のみで発音させてみたら確かに重い方が音が出そうな気はしますが、あまり現実の演奏とは関係無いですね。
[47069]

Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月08日 21:35
投稿者:catgut(ID:NyQgSCE)
ミルシテインの実演を近くで聞かれたとは素晴らしいですね。私はミルシテインはかなり好きなヴァイオリニストです。

ただ、ミルシテインが一般に音量が小さいと言われていたのは事実で、その理由が楽器にあるのか、高齢になっても演奏活動を続けたことによって若い演奏家と比較されてしまったのか、奏法そのものにあるのかなどは検討の余地があると
思います。

以下はミルシテインの音量の小ささに触れたサイトです。

ヴァイオリン・ウェブ(ここ)のミルシテイン紹介ページ

ttp://www.fstrings.com/player/detail.asp?id=32
使用楽器はストラドで、制作時期は黄金期ではあるが一級の名器に比べるとやや音量が少な目の楽器であった。しかしこの楽器の潜在能力を十分に引き出していたと言えるだろう。このストラドは後に江藤俊哉氏の手に渡ることになる。

ミルシテイン死去の際のNew York Times記事
ttp://www.nytimes.com/1992/12/22/arts/nathan-milstein-dies-at-88-an-exalted-violin-virtuoso.html?pagewanted=all&src=pm

It was characteristic that he elected to use a Stradivarius. The Stradivarius is a more subtle instrument with a smaller sound than the Guarnerius del Jesu instruments favored by more exhibitionistic players.
(ミルシテインの音量が小さいと言われているのをかばっている?)

ttp://www.andromeda.at/mus/mil/refl_e.html#
Live or studio-recording Continued... 以下

His sound was not loud but very rich in colors and seamless as ever.

ttp://www.youtube.com/all_comments?threaded=1&v=-bEW_HxKFas
As someone fortunate enough--and old enough!--to have heard Milstein live,
he actually had a rather small sound.

ttp://www.youtube.com/all_comments?v=LnTtgk0HkOs
He had a rather small tone.

私はもちろんミルシテインの実演を聞いたことはありませんが、CDや映像を見る限りでは、私が実演を聞いたことのある人ではジェラール・プーレに近いように思いました。

以前も紹介した気がしますが、ミルシテインの弓圧が低いという話はEMIのミルシテインCD集のライナーノートにJulian Haylockが書いています。

弓についてのご指摘は私も異論はありません。ただ、一般に20世紀前半に使われた裸ガット弦は平均して軽い弓が適当で、現在のナイロン弦とそれに合った奏法は平均してより重い弓が適しているのだろうと思います。
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Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月09日 15:25
投稿者:pochi(ID:EyRIKDA)
1次情報と2次情報は違います。

ミルシテインの音量が小さいなんて信じがたい。私は19歳のジョシダイセイですが、コンサートでは良く通る音でしたよ。

弓圧が軽めである、というのは、該当しないと思います。E線では特に重めの弓圧を得意とする人だった印象があります。E線でも振幅が見えるのではないか、というような弾き方をする人でした。
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Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月09日 23:46
投稿者:catgut(ID:NyQgSCE)
もちろん弓が速ければ弦の振動は大きくなり、軽い弓圧でも大きな音が出せるはずです。ミルシテインほどの人ですから、音量を最優先にしようと思えば大抵のヴァイオリニストより大きな音が出せたでしょう。ただおそらく公開演奏では音量より優先した何かがあったのではないでしょうか。

ミルシテインの実演を聞かれたのであれば伺いたいのですが、

・ミルシテインはどの楽器を使っていたのでしょうか
 Maria Teresa? Dancla? それ以外?

・ミルシテインはどのタイプの弦を使っていたのでしょうか
 戦後かなり後になっても裸ガット弦を愛用したと聞いています。

・他の演奏者とは通常の公開演奏が行われるほど大きなホールで比較したのでしょうか

わかる範囲でお願いします。
[47074]

Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月10日 17:17
投稿者:catgut(ID:NyQgSCE)
これも以前紹介した気がしますが、ヨーアヒム・ハルトナック著「二十世紀の名ヴァイオリニスト」日本語版のp253には以下の記述があります。

-----
ひとつは、エルマンやハイフェッツよりも明らかに少ない彼の音量であり、これは少なくともアウアーのスタイルからのずれがもたらしたものであるが、また彼の弓の転換の特別なしなやかさという第二の特性もそこからくるのかもしれないのである。私はまだ、弓の転換をミルスタインほど切れ目なく行なうヴァイオリニストを聞いたことがない。アップボウとダウンボウが、彼にあってはただひとつの音が長くつづいているかのごとくに溶けあっているのである。そのさい彼の音が、同窓のアウアー門下生たちと同じ音量をもっていないことは、彼の音楽の質に関しては何の意味もない。じっさい、彼の音楽家としての質はけっして劣っていない。ミルスタインのアーティキュレーションの美しさと暖かさは、彼の同窓生にいささかもおくれをとってはいないからである。強烈さと遠くへ達する力という点で、彼は少なくともミッシャ・エルマンを凌いでいる。
-----

私はあくまで録音でしか聞いていませんが、妥当な評価だと思いました。
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Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月10日 19:54
投稿者:catgut(ID:NyQgSCE)
ミルシテインが使用した弦はおよそ以下のような情報が広まっていました。

ttp://thesession.org/discussions/21000

Nathan Milstein : Same as Heifetz in the 1950’s with a Eudoxa G, but he moved to using an Eudoxa G&D, plain gut A and Goldbrokat E in the 1960’s. I have been told by someone who saw him in the 1970’s that by then he was using an Eudoxa A as well.

ttp://www.violinist.com/discussion/response.cfm?id=11969

Since you like Milstein so much, he used a wound gut G&D, plain gut A, and a steel E. Later on (according to this luthier that knew him) Milstein switched to all Eudoxas for G,D,A, and E.

つまり以下ということです。

1950年代 Eudoxa G、プレーンガットD,A,スチール E
1960年代 Eudoxa G,D プレーンガットA、スチール E
1970年代 すべてEudoxa
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Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月10日 20:57
投稿者:缶人(ID:hQhVY0A)
ところで、
二次情報はそれがいかに一般的に評されていたことであるとしても、若しくは一般的だからこそ信用ならない部分もあるのではないでしょうか。
ハルトナックの著作も幾度か通読いたしましたが、批評家の作品はあくまでも彼等の創作物ですよね。
そもそも、はじめに結論ありきで、それに見合う資料を探せば何かしら見付かるでしょう。しかし、そのような恣意的な姿勢からは真実には決して到達しませんよ。

ミルスタイン師の使用楽器はストラドであるということしか覚えていません。ポッジは本番では使われていませんでしたね。
弦はプレーンガットではありませんでした。オイドクサだったかどうかは覚えておりません。何しろ昔のことです。
弓圧については、軽い弓圧の音が欲しい時には軽く、重い弓圧が欲しい時には重く、と千変万化でした。彼の教えでもあります。
それから、現代の一流の名手においても音量優先で何かを犠牲にするヴァイオリニストには出会ったことはありません。
例としてどなたかお名前を挙げていただけましたら考えてみます。

鑑賞したホールにつきましたは、こういったことを比較するに充分な会場であったと申し上げておきましょう。
複数回の体験です。
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Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月10日 21:02
投稿者:缶人(ID:hQhVY0A)
意地悪な謎掛けみたいになってしまうのは本意ではないので、ヒントを一つだけ
ハルトナックがハイフェッツやエルマンよりミルスタインの音量が‥と書いた意味をよくよく考えてみてください。
自ずと真実の形が見えてくると思いますよ。

申し訳ありません。老婆心でした。
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Re: catgut氏

投稿日時:2013年08月10日 21:09
投稿者:pochi(ID:EyRIKDA)
>現代の一流の名手においても音量優先で何かを犠牲にするヴァイオリニスト

悪しき例として挙げるのは申し訳ない感じもするのですが、皿ちゃん。上手いですよ。
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