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コーティングされたオールド弓 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 18 Comments
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コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月10日 22:35
投稿者:ペルナンブコ(ID:FwUDeTY)
フランソワ・トルテやドミニク・ペカットといった最高クラスのオールド弓を何本か鑑賞する機会がありました。そのお店の方針なのか趣味なのか、どの弓もサオの表面がテカテカ、ピカピカにコーティングされてました。
木質はオールド弓らしい古さなのに、表面は出来立ての新作弓以上にピカピカにテカッているので、違和感を感じました。
店主曰く「サオ全面をしっかりコーティングしてやると、サオそのものが松脂や手の汗で汚れて痛んだり、サオが弦にぶつかったりして傷つくといったことを防止してくれる。それによって貴重なオールド弓の価値がより長く保たれることになるのでコーティングは有益。」とのこと。
さり気ないコーティングならまだしも、誰が見ても明らかなほど厚塗りなテカテカなコーティングなので、音への影響が懸念されますが、さすがは最高クラスのオールド弓なので、ダントツに素晴らしい音と弾き心地を楽しませてもらいました。
150年以上が経過した4桁万円の弓ともなると、音もさることながら、弓の健康状態をいかに長く保つか、という観点も重要ですので、サオに厚塗りのピカピカなコーティングをするというのも、やむをえないのかも知れません。
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【ご参考】
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月11日 02:13
投稿者:ピカピカの弓は音はイマイチ(ID:Nzdhdyg)
厚塗りのカバーニスによって倍音成分が多少減少する傾向があるので、湿っぽいというか、若干曇った音色になりますね。塗った直後は特によくない。
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月11日 07:50
投稿者:(ID:FwUDeTY)
コーティングによる音への影響がどの程度なのか知りたいところですが、フランソワ・トルテやドミニク・ペカットといった最高クラスのオールド弓となるとコーティング前とコーティング後を弾き比べる機会はなかなかありません。
一切コーティングされていないオールド弓の方が音が良いのだろうとは思いますが、一切コーティングされていないオールド弓だと150年ほど使用されてある程度痛みがあるサオが演奏中にさらにキズついて徐々に痛んでいくリスクがありますので、悩ましいところです。
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月11日 14:57
投稿者:弓も楽器と同じです(ID:Nzdhdyg)
音に対するニスの影響は、バレリーナがコート着て白鳥の湖を踊るようなもの。

保護と保存を考えての必要悪かと。

白木のバイオリンがよく鳴る話は、以前誰かが書いていたような・・・
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月11日 21:50
投稿者:HNはどうしようか改め「卯」(ID:QghYc3M)
別スレで「ポッジどうたら」と名乗りました。それはおいといて…
諸兄よ、私は常連ではないがHNは固定の方が潔いものと考えます。
ちなみに1850前後の弓を1本持っています。結構傷や凹みがあります。音に影響までは出ていないと思っています。まぁコーティングする気持ちはわかりますが、弓は奏者の声帯です。弓によって大きく音が変わる事実がある以上、コーティングは賛成し兼ねますね。
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月11日 23:25
投稿者:AMG(ID:FwUDeTY)
フランソワ・トルテやドミニク・ペカットといった最高クラスのオールド弓は、頻繁にオケ伴でコンチェルトを弾くような第一線で活躍しているソリストが使用することが多く、たとえどんなにそのソリストが弓を大事に扱う人であっても、サオが弦にぶつかったり、弓を持つ右手がサオを摩擦してしまうため、どうしても弓(サオ)が痛みやすくなります。

1ミリぐらいの深さのキズがついても、ヴァイオリン本体であれば、木を埋め込んだりニスを塗ったりして、見た目をほぼ元通りに直すとともに、音に関してもほとんど影響の無い状態に戻せますが、弓の場合は、1ミリの深さのキズがつけば、それは弓にとって致命的であり、たとえ0.1ミリのキズであっても、そういうキズが何度も蓄積すれば、弓にとっては致命傷となり得ます。

製作されてから150年ほどが経過しているにも関わらず、まるで新品の弓のようにサオに腰(反発力)と粘りがあり、キズさえつけなければ、今後も100年以上、現役で使えるのではないかと思わされるような、化け物のような凄い名弓が(滅多に見かける機会はありませんが)存在します。

そういう(木質的には新品のような元気さを保った)化け物のような超長寿命な名弓は、ソリストが酷使することによって「へたる」ことはなくても、サオが弦にぶつかる衝撃やサオが弦にぶつかってつくキズに対しては、意外とモロイ面があります。

ソリストがチャイコフスキーやシベリウスのヴァイオリン協奏曲を弾くのを、すぐ目の前で見て聞いたら誰でもわかることですが、たとえ毛をかなり強めに張ったとしても、激情的なパッセージを弾く際やソリスト自身の気分が高揚(興奮)してきたりすると、ソリスト自身には弓を傷つける気は全く無くても、結果的に、サオが弦にカツンカツンと、時にはガツンガツンと激しく当たります。

現代のヴァイオリン弦の巻き線はアルミや銀といった金属ですし、弦のテンションは結構高いわけですから、そういう金属が巻かれたヴァイオリン弦がサオに何度も何度も当たれば、サオが傷つくのは当然です。

アマチュア奏者の何倍も速い弓速でダイナミックに激しく弾くソリストに使われる弓は、アマチュアの何倍も激しく弦に衝突するわけです。

弓の寿命が10年ぐらいのもので、弓を消耗品と割り切って使うのであれば、あくまでも音を重視することにして、サオをコーティングで保護するのは不要だと言えるでしょうが、1,000万円を超えるような超名弓となれば、多少音が犠牲になるとしても、ほんの少しのキズからもサオを守るという考えのもと、サオに厚塗りのコーティングを施すのは、やむをえないと考えるべきなのではないかと思います。

なお、私が試奏させてもらった、テカテカ、ピカピカに厚塗りのコーティングが施されたトルテやペカットは、厚塗りコーティングが施されているにもかかわらず、私がこれまでに弾いたどんな弓よりも、格段に素晴らしい音色と大音量と右手と一体になるような絶妙な弾き心地を提供してくれました。

テカテカ、ピカピカに厚塗りのコーティングが施されても、これほど素晴らしい音が出せるのであれば、そういうコーティングが無い状態だったら、悶絶するほどの超絶的な素晴らしい音が出るのかも知れません。

しかしながら、世界遺産級のオールド名弓を10年とか20年でダメにするわけには行きません。

薄塗りのコーティングではソリストが弦をサオに頻繁にぶつけることによって弓に与えるキズに耐え切れないので、やはり、安全を見て、十分な厚みのあるコーティングを施さなければならないでしょう。

また、コーティングが剥げてきたら塗り増しするといったケアも欠かせないでしょう。

弓のサオへの厚塗りコーティングは、音を重視する観点からは好ましくないですが、世界遺産級の名弓の性能と価値を今後も長期間維持するためには、どうしても必要なことだと言えるのではないかと思います。
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月12日 00:03
投稿者:感謝(ID:FwUDeTY)
>ちなみに1850前後の弓を1本持っています。結構傷や凹みがあります。音に影響までは出ていないと思っています。

こういう扱いを受けている弓はかわいそうです。既に傷や凹みがあるのであれば、それ以上、傷や凹みが増えないような対策を施すべきです。今のまま弾き続けていけば、近い将来、必ず、何らかのトラブルが生じるでしょう。場合によっては、弓にとって致命的なトラブルが生じるかも知れません。

素晴らしい楽器や素晴らしい弓を演奏する人には、楽器や弓に対するリスペクトと愛情と感謝の気持ちを強く持ってもらいたいものです。そういった感謝の気持ちが欠如した人が、楽器や弓をダメにするのです。

大事に大事に大事に使えば、ヴァイオリンや弓は、200年とか300年とか500年とか超長期にわたって使えるものですので、少しでもその寿命を延ばすような心がけが必要です。

楽器や弓は自分の金で買ったのだから自分の代で弾き潰してもいいんだ、というような考え方をする人は、そもそも、楽器を演奏する上で非常に大事な「前提条件(楽器や弓への愛情・愛着)」が欠如していると言えます。

自分のヴァイオリンや弓に対して愛情を持って接してもらいたいと切に願います。
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月12日 02:14
投稿者:ニスの役目(ID:Nzdhdyg)
あっら~不思議??

弓の小傷はニスを塗るとごまかせるのですよ。

傷の存在が目立たなくなるし、場合によっては見えなくなっちゃうのだから。

となると、厚塗りのコーティングをしたオールド弓は、要注意ってことだよね。


弓に塗ってあるニスは、当て傷から木を防御できるほど硬くないし、厚く塗ったところで、相手がE線なら一発でだめ。他の金属巻の弦でも直撃されたら負けてしまいます。

なので、ニスに過剰な性能は期待しないでくださいね。

そもそも弓は消耗品。

折れることもしばしばあるから、かすり傷ぐらいは仕方ない。

トルテやペカットのオーナーは、頻繁に使ったりはしないので、ご安心くださいな。
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月12日 12:25
投稿者:愛情(ID:FwUDeTY)
>弓に塗ってあるニスは、当て傷から木を防御できるほど硬くないし、厚く塗ったところで、相手がE線なら一発でだめ。他の金属巻の弦でも直撃されたら負けてしまいます。

オールド名弓のオリジナルのニス(あるいはオイルフィニッシュ)の層は、非常に薄くて柔らかいので、弦が何度も激しくぶつかれば、剥げてしまいます。

弓用のツルツル、ピカピカの透明なコーティングは、弓のオリジナルのニス(あるいはオイルフィニッシュ)よりも層が厚くてある程度の硬さがありますが、カチカチに硬いわけではなく、弓のしなりに対応できる程度の柔軟性を併せ持っています。

弓用の良質なコーティングであれば、E線にぶつかったら一発で剥げてしまうというほど弱いものではありません。もちろん、同じ場所を何度も激しく強くぶつけたら凹んだり剥げたりする可能性がありますが、何層にもわたってコーティングされている場合、いきなり剥げるというよりは、徐々に薄くなって剥げていきます。

こうした何層にも及ぶ厚塗りコーティングは、弓の音質や音量を損なうデメリットは確かにあります。

コーティングの有無による性能の推移を以下のようなイメージで示します。(数値は、あくまでもイメージであり、厳密なものではありません)

一切コーティングしていない弓の性能
現在100、10年後97、20年後92
(弦にぶつかってキズがつくことによって、徐々にサオが痛んでいき性能が低下していく)

厚塗り(数層の)コーティングしてある弓の性能
現在98、10年後96、20年後94
(弦にぶつかってキズがつくのが防がれるので、サオの痛みが少なく性能が低下が少ない)

厚塗り(数層の)コーティングを時々塗り増している弓の性能
現在98、10年後97、20年後96
(弦にぶつかってコーティングにキズがついたらコーティングを塗り増し(再コーティング)しているので、サオにキズがつくのが防がれ、サオの痛みがより少なく性能が低下がより少ない)


>そもそも弓は消耗品
この考え方は、間違っています。5年でダメになるものであれば消耗品と言っても良いかも知れませんが、良質な弓は大事に使えば100年、200年使えるものです。弓は消耗品だと言う人は、弓に対するリスペクトや感謝が足りないと思います。

>トルテやペカットのオーナーは頻繁に使ったりはしない
頻繁をどう定義するかによりますが、「1ヶ月の間に5回チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を大ホールでのコンサートで弾く」ということは、一流ソリストであれば、よくある話です。

ホテルや練習室で練習するときは、練習用の弓(とはいってもそれなりに高品質な弓)を使っている場合もありますが、ホールでのゲネプロと本番では、トルテやペカットといった勝負弓(メイン弓)を使います。

このような使い方をした場合、アマチュアの家での毎日2時間の練習×30日分、以上の負荷が弓にかかりますし、弓が弦に激しくぶつかる頻度もアマチュアよりもずっと多いわけです。

また、このようにコンサートで酷使される弓は、毛が切れるなどして頻繁に毛替えされますが、毛替えの後は、松脂を塗った後、十分に松脂を馴染ませるために、ある程度、弓を弾きこんでやる必要があります。

トルテやペカットを毎日5時間使う、というようなソリストは、滅多にいないと思いますので、そういう意味では、頻繁には使っていないと考える人もいると思いますが、上記のようにソリストが月に5回コンチェルトを弾く、というのは、弓を酷使することになることは間違いありません。

弓にとっては使用頻度や使用時間もさることながら、使用時の色々な意味での「負荷」が、弓の痛みに大きな影響を与えます。サオが弦に激しく強くぶつかることも、そうした負荷のうちの1つです。

弓を時々コーティングしながら100年、200年使うのか、一切コーティングせずに50年程度でダメにするのか、果たしてどちらの方が好ましいのか、ということになりますが、弓に対するリスペクトと感謝があれば、少しでも長く使ってやりたいと思うのが普通ではないかと思います。
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Re: コーティングされたオールド弓

投稿日時:2011年05月12日 20:51
投稿者:(ID:QghYc3M)
大きなお世話です。私は『傷をつけるような扱い』をした覚えはありません。私が入手する以前に色々傷を受けています。それでも現在十分健康な状態にあるのは素晴らしいことです。弓は人類の文化遺産ですから、私一代で終わるべきものでなく、私はせいぜい数十年の管理人であり、後世に引き継ぐ責任がありますよ。それでどうしました?
楽器や弓に対する感謝の念を持つのは貴方ひとりではありませんよ。

>> ちなみに1850前後の弓を1本持っています。結構傷や凹みがあります。音に影響までは出ていないと思っています。

>こういう扱いを受けている弓はかわいそうです。
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