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弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか? | ヴァイオリン掲示板

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[41562]

弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月14日 08:33
投稿者:カルボナーレ(ID:J0RRIjk)
Surface Soundについては、catgut氏が前言撤回し、
”Surface Sound" = double-slipping motion 状態
を示すのでなく、様々なケースで使われることが明確になりましたので、議論を打ち切ります。

次に、catgut氏が最も知りたいことである
「弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?」
のスレッドをたてましたので、Surface Soundという言葉は基本的に使わず、実証、データ、映像、文献等で明確にしていきましょう。
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4 / 6 ページ [ 57コメント ]
【ご参考】
[41684]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月21日 07:54
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
catgutさん

>昨日の夜にcatgutの名前でコピーを貼り付けていたのは私ではありませんよ。

そうであれば、[41665]
[41665]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月21日 00:39
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
catgutさん
[41658]のご発言ですが、[40995][41610]ですでに書かれた同じ内容を、あちこちのスレにコピーするのはおやめください

これについては、[41623]で明確に否定させていただきました。論理的な反論がない限りは、[41658]のご発言は単なる場所取りのゴミです。苦し紛れに、情けないことはなさらぬように。

また昔のスレがなぜかたくさん上の方に来ているのも変ですね。どなたかわかりませんが、都合の悪いスレを下の方に隠したいという考えている方がいるのかもしれません。
を、catgutさん宛で書き込みましたこと、申し訳ないことをしました。(私のMACではIP横の丸の色はほとんど判別できないので、今後注意して見るようにします。)
流れがわからなくなるので普段は行っていませんが、ご希望があれば削除するようにいたしますので、その場合はお知らせください。
[41692]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月21日 15:52
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:IYhIMTc)
> セロ轢きのGosh さま、それはなぜでしょうか。

先ず、高次倍音の増加に寄与しない、という点:
典型的なヴァイオリンの音は鋸状波であり、個々の鋸歯の先端の鋭さは高次倍音の多さによります。
Multiple slipで歯の数が増えることは解りますが、歯の鋭さが増すメカニズムは思いつきません。

どちらかと言うと減るのではないか、という点:
ヘルムホルツ運動のモデルでは弦と弓毛の接触はslip or stick という二者択一(デジタル、不連続現象)ですが、これは、弓速が「(サウンディングポイントでの)弦の振幅×振動数」にぴったり一致したときの話。 人間というのは非常に優れたフィードバック制御系ですから、意識すればこれに近い状態ができると思いますが、弓速を上げたり弓圧を下げることでこの関係が崩れて、「slip←→stick」という不連続変化から「速いスリップ←→遅いスリップ」みたいな連続変化になって行きます。
(以下、些か禅問答になりますが) 鋸歯の頂点が鋭いということは微分不可能ということ、つまり、何か不連続な現象が関係していることを示唆します。 逆に言えば、連続な変化からの出力は微分可能な筈、即ち鋸歯の頂点が丸くなる、つまり高次倍音が減る、ということです。


念のため:
高次倍音が減るからダメと言うつもりはありません。
 仮説A-Multi-slipは音色の幅を広げる手段になりうる
 仮説B-ハイフェッツがそれに長けていた
に対して小生はニュートラル(今のところ有効な検証も反論もなされていない、という理解)です。
上記の推論もこの仮説の検証とは無関係です。
[41695]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月22日 00:33
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
私の論拠は繰り返しませんが、最初の8年間ロシア奏法で指導を受け
「ハイフェッツを讃えて」というサブタイトルを持つアルバムまで出した
パールマンが、ハイフェッツの「凛とした」音色の秘密が「速くて軽い弓
づかい」によるとカメラの前で語っているのを無視するわけにはいかな
いでしょう。

エストレリータ~ハイフェッツを讃えて~
ttp://www.neowing.jp/JWAVE/detailview.html?KEY=TOCE-13298

セロ轢きのGoshさまは「凛とした音」になる原因はどこにあると
推定しますか?それともパールマンの主張自体が間違いだと
思われますか?

まさかとは思いますが、万一エルマンがファイファーを非難したという
ハイフェッツの「E線専用マイク」がガットE線とスチールE線の音色の違い
を埋めるためにやや音色を変えるものであったとしたら、それも一因
ということになります。


弦のstick-slipについてはWoodhouse教授らが研究を続けており、
私もざっと見ただけですが摩擦熱によってslipの程度が変わるといった
研究結果も出ています。以下を検索してみてください。

ttp://www2.eng.cam.ac.uk/~jw12/JW_publication_list.html
[41696]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月22日 01:02
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
>「凛とした」音色
ってどんな音色なのですか?
まずは、オリジナルの英語ではなんという表現なのでしょう。

”凛”というのは”引き締まった”様子をさすので、素直にうけとめれば、芯のはっきりした=基音がはっきり出た、というように解釈すべきかと思いますが。
[41699]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月22日 02:29
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:GBkzATQ)
[41695]
[41695]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月22日 00:33
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
私の論拠は繰り返しませんが、最初の8年間ロシア奏法で指導を受け
「ハイフェッツを讃えて」というサブタイトルを持つアルバムまで出した
パールマンが、ハイフェッツの「凛とした」音色の秘密が「速くて軽い弓
づかい」によるとカメラの前で語っているのを無視するわけにはいかな
いでしょう。

エストレリータ~ハイフェッツを讃えて~
ttp://www.neowing.jp/JWAVE/detailview.html?KEY=TOCE-13298

セロ轢きのGoshさまは「凛とした音」になる原因はどこにあると
推定しますか?それともパールマンの主張自体が間違いだと
思われますか?

まさかとは思いますが、万一エルマンがファイファーを非難したという
ハイフェッツの「E線専用マイク」がガットE線とスチールE線の音色の違い
を埋めるためにやや音色を変えるものであったとしたら、それも一因
ということになります。


弦のstick-slipについてはWoodhouse教授らが研究を続けており、
私もざっと見ただけですが摩擦熱によってslipの程度が変わるといった
研究結果も出ています。以下を検索してみてください。

ttp://www2.eng.cam.ac.uk/~jw12/JW_publication_list.html
catgut さん、

> 無視するわけにはいかないでしょう。

何故?
パールマンが何を言ったか知りませんが、小生の演奏を聴いてアドヴァイスしてくれた訳じゃなし、なんでそんな断片的な一言一言に振り回されにゃならんのか、理解できません。
(音色の持ち駒を増やすヒントにはなりますが、あくまでもヒントに過ぎません)

申し訳ないけどそもそも小生は「これがハイフェッツっ!!」って気合入れて聴いたこと無いので何が「凛とした音」なのか解りません。 基音が掠れて2倍・3倍振動が卓越した音が「凛とした音」と聞こえる、ということで皆さんの意見が一致するならそれで構いませんが、今のところ賛同者はいなさそうですね。 倍音構成だけを捕まえて音色を論じるのは、モノとしてのヴァイオリンが相手ならまだしも、音楽として演奏家が出す音を対象とする場合にはあまりにも断片的な見方ではないでしょうか?

実のところ小生にはどうでもいいことです。 一連の議論や文献を通じてヘルムホルツ運動について勉強できたのはには楽しかったですが、先の予想[41682]
[41682]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月21日 04:30
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:GBkzATQ)
> milti-slip状態と倍音との関係

小生の予想を書いておきます:
「milti-slipは高次倍音の増加には寄与しない。どちらかと言うと、milti-slip状態では高次倍音は減少する。」
物理現象として推論した結果です。 音楽的な価値は別問題です。

catgut さんも薄々気付いてはいますね。([41598] 参照)
を書いた時点で小生の物理趣味の中ではこの議論は終わっています。
[41700]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月22日 07:34
投稿者:catgut(ID:J5FmRBI)
確かにドミナントの場合、軽く速い弓では「芯のない音」になりやすい
のですが、プレーンガット弦の場合、もともと倍音が強いためか軽く速
い弓でも「芯のない音」になりにくいのです。カルミニョーラもバロック弓
でかなり軽く非常に速い弓を使っていますが、「芯のない音」ではなく、
しかも倍音が強調されています。

一説によると有名ソリストでナイロン弦(ドミナント)を使い始めたのは
ズーカーマンだそうです。それ以前(1940年-1970年頃)は有名な例
外のオイストラフのA線(スチール)を除くと、ソリストが使う弦はプレー
ンガットやオイドクサ(一部オリーブ)が大半だったようです。

1stick-1slipから2stick-2slipへの遷移状態を実測した研究でも、
最近の研究なのにわざわざガット弦を使用していますね。おそらく
遷移状態が起きやすいのではないでしょうか。
[41706]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月23日 00:54
投稿者:カルボナーレ(ID:EnE4GYc)
catgutさんは、倍音が強い=芯のある音 と定義づけているのですか。
私は、基音がしっかり鳴っている音=芯のある音 だと思っています。

倍音が強い=芯のある音 としている理由をお知らせください。
[41710]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月23日 07:48
投稿者:catgut(ID:J5FmRBI)
カルボナーレさま、

いろいろな要素があって「芯のある音」に聞こえる条件は複雑だと
思いますが、[41598]
[41598]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月16日 07:42
投稿者:catgut(ID:EUiWmHM)
セロ轢きのGoshさま、

私も同様に思ったので、2次倍音だけを徐々に強めるとどのように
聞こえるか実際に試してみました。
「Surface soundについて」スレッドの[41039] にその方法を書いてい
ますのでこちらにも書いておきます。試してみてください。


簡易的に各自で「楽器の物理学」p275の図10.4(a)のイメージを理解し
て頂けるように操作が簡単そうなソフトを探してみました。

サイン波ですが(ヴァイオリンの音はノコギリ波に近い)波形合成を
試せるソフトありますのでダブルスリップでどのような音色変化の方
向性となるか試すことができます。

以下のページから「音作成 1」をダウンロードしてください(Windows
用です)。
ttp://www7a.biglobe.ne.jp/~szgy_phys/soft.htm

zipを解凍したら「いろいろの音を作る.exe」を実行し、「発音」ボタン
を押してください。この状態で400Hzのサイン波の音が出力されています。

次に「二倍振動」の▲(上への矢印)をクリックし、少しずつ二倍振動
(2次倍音)を増やしてください。
波形を見ると明らかですが、弓速を軽く速くしてダブルスリップが起き
た状態の音色の変化の方向に近い形状になります。余計に弦と弓毛
が軽く擦れるため、高い波の中間に小さな「コブ」ができるのと同じです。
これにより鋭い音に聞こえます。
で書いた方法である程度2次倍音を増やした
状態では、「より芯のない音」に聞こえるのではなく「より鋭い音」
に聞こえます。
[41729]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月24日 19:13
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:GBkzATQ)
撤退宣言したのですが、面白い新ネタが入ったので戻ってきました。
別項で catgut さんご紹介の2本です(筆者は同じ)。

Acceptance limits for the duration of pre-Helmholtz transients in bowed string attacks
ttp://lib.ioa.ac.cn/ScienceDB/JASA/JASA1997/PDFS/VOL_101/ISS_5/2903_1.PDF

The Bowed String
ttp://kth.diva-portal.org/smash/get/diva2:9153/FULLTEXT01

サッ眺めたところでは、

ヴァイオリンのアタックは3パターンに大別される:
(1)Multiple slip
(2)Perfect attack: 殆ど最初からヘルムホルツ運動が起こる
(3)Prolonged irregular period: 弓圧かけすぎの「ゴリッ」という音が聞こえる状態

当然(2)が標準ですが、音楽的な文脈に応じて(1)や(3)も使われる。
そして、(1)や(3)に対する許容値は、それぞれ90ミリ秒と50ミリ秒だった。(それ以上だと、弾き損じと感じる、ということのようです)。 これはG線開放弦について20人の上級弦楽器学習者やプロによるパネル(合議制?)で判定したとのこと。 音程が低くなるとこの許容値は大きくなる傾向にあるらしい(?)

ま、こんな物理用語(?)に言い換えなくたって皆普通にやっていることだとは思いますが、過渡状態(変則振動状態)に対する許容時間のオーダー感が示されたのは面白いですね。
[41730]

Re: 弓の速さを増すと、また圧力を減らすと倍音は増えるか?

投稿日時:2009年10月24日 19:33
投稿者:catgut(ID:J5FmRBI)
カルボナーレさま、
The art of violinのパールマンの英語を聞き取ってみました。
細部は自信がありませんのでThe art of violinをお持ちの方で
以下に誤り(聞き取り、翻訳とも)がありましたらご指摘お願いします。

-----
Part of Heifetz’ tone production has to do bow speed.
He moved bow very very quickly, He did not use a sort of much
bow pressure.This was a Russian way doing, you know, moving bow
very very quickly, then getting this incredible, incredible edge to
the sound.

ハイフェッツの音色(tone production)の一部は弓速によって得られます。
彼は弓を、強い圧力をかけずに、とてもとても速く動かしました。
これはご存知の通りロシア流です。とてもとても速く弓を動かすことで、
この信じられない「エッジが利いた音」(凛とした音、倍音の強い音、
シャープな音)を得ているのです。
-----

セロ轢きのGosh さま、
大前提として、私は「普通のヴァイオリン奏者も"multiple slip"音を
使っているが、ハイフェッツは特に効果的に使っていると考えています。

ちなみにアレグロがメトロノームで四分音符=152だとすると、アレグロ
での4分音符の長さは0.4秒になります。この条件で8分音符を上げ弓・
下げ弓交互に弾くのはごく普通にあることですから、0.2秒以下の音価
のうち約半分の0.09秒(90ms)が”slip音”の音が続く場合がごく普通の
演奏でも部分的にはあるということになりますね。
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