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イコールテンションのすすめ | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 28 Comments
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イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月16日 16:18
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
この1年ほど、ヴァイオリンの4本の弦のテンション(張りの強さ)をイコール(均一)に近づけるという試みを行っています。

まず最初に、4弦のテンションバランスを比較してみたいと思います。

①一般的な弦(ナイロン弦、シンセティック弦)のテンションバランス
E:A:D:G=8:6:5:5
②TOROの裸ガット(プレーンガット)弦で、ゲージ(太さ)を指定して注文してイコールテンションに近づけた場合(ただし、自分は、E線は、ピラストロ社のオイドクサのアルミ巻きE線を張ってます)
E:A:D:G=7:6:6:6
※話をわかり易く単純化するため、どちらも数値は、およそのイメージで書いています。
※オイドクサのアルミ巻きE線は、スチール弦にしては、張った直後の弦の伸びが多めなので、実際には、もう少しテンションが低いのではないかと思われます。例えば、「E」:A:D:G=「6.5」:6:6:6という具合に。
※A・D・Gには、TOROのヴェニス・カトリン(ロープ編みの裸ガット)の3×V(3層のニスコーティングをした弦)を張っています。現在のゲージは、A:D:G=0.84:1.20:1.78です。

A、D、Gにもっと太い弦を張れば、E:A:D:G=7:7:7:7という具合に、完全にイコールテンションにすることも可能ですが、テンションが高過ぎて、ものすごく弾きにくいと思います。

あるいは、もっとテンションの弱いE線を張って、E:A:D:G=6:6:6:6とすることでイコールテンションにする方法もありますが、この場合は、E線も裸ガットにする必要があります。自分は、裸ガットのE線の音の良さを認めつつも、アルミ巻きのスチールのE線の音や弾き心地が好きなので、E線には裸ガットは張っていません。

さて、E:A:D:G=7:6:6:6という具合に、ほぼイコールテンションにした場合にどのようなメリットがあるか列挙したいと思います。
・E線からG線まで弦を押さえるときの負荷がおおむね均一化する
・E線からG線までほぼ同じような弓圧(弦への重みのかけ方)で弾ける→ボウイングが楽になる、重音が弾き易い
・各弦が互いに良く共鳴し合い易くなり、響きが豊かになる→結果的に音量も音色も豊かになる
・調弦が狂いにくくなる(ピッチの安定性が増す)←4本の弦のテンションが均一化することによって、特定の弦に対して負荷がかかりにくくなるからか?

自分の楽器の駒や魂柱等のセッティングは、オリーヴを張っていたときと全く同じ状態です。つまり、自分は、イコールテンションを試みるにあたって、一切、楽器をいじっていません。

オリーヴを張っていた頃よりも、今の「ほぼイコールテンションの」裸ガットの方が、音量的にもパワフルですし、表現や音色の幅という点でも、良い結果が得られているように思います。

最近発売されるシンセティック弦は、カタログデータによると、従来のナイロン弦よりも、イコールテンションに近いバランスになってきているようです。

なお、楽器や演奏者が、イコールテンションに馴染む(慣れる)のに、ある程度時間がかかりますので、本番の無い時期に、じっくりと腰を落ち着けてイコールテンション化に取り組むのが良いと思います。

皆様の参考になれば。
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【ご参考】
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月19日 22:11
投稿者:セロ轢きのGosh(ID:IYhIMTc)
L.モーツァルトが推奨していた、
と何処かで読んだような気がしますが、はて?
この辺は文献の鉄人caugut師が何か知っているかも。

ただ、L.M.の言う「イコール」はどのレベルなのか。
オーダーが同じであるべき(例えばVn.弦とVc.弦ほども違うのは拙い)という程度なのか、数パーセントの違いに収まってなければならないのか。

また、何を根拠にそう言っているのか。

謎ですね。
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月20日 01:47
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
自分が考えるイコールテンションとは、4本の弦のテンションが完全に均一である、というよりは、むしろ、4本の弦のテンションが均一に感じられる「イコール・フィーリング・テンション」といったものです。
なので、実際に自分の楽器の弦のテンションを何らかの機械で計測したら、厳密な意味ではイコールテンションではないのかも知れませんが、およそイコールテンションの範囲には収まっているのではないかと思われます。

どうしてなのか正確な理由はわかりませんが、イコールテンションに近くなるような組み合わせで弦を張ると

・調弦が狂いにくくなる、演奏中のピッチの狂いが少なくなる
・右手も左手もイージーに(簡単に、楽に)なる
・弦同士が良く共鳴し合うようになり、音も良く調和(ブレンド)するようになる

といったメリットが得られます。理由は何であれ、実際にこのような大きなメリットが得られるのは確かなので、自分は、今後は、イコールテンションを1つのテーマにして、弦のゲージ(太さ)選びをして行こうと思います。

皆様の参考になれば。
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月20日 21:16
投稿者:Xin(ID:EZKRRpQ)
最近の腸弦さんの文は読みやすい色になってきて喜ばしくおもいます。
文字は読みやすいのですが、内容がよくわかりません。
.
確認ですが
テンションというのは張力でペグがテールピースを引っ張っている力だとおもいますがどうでしょう。

楽器の演奏者にとっては指で弦を押す力も重要です
この指の押弦力とペグの張力が混在していないですか。
押すと引くでは大違いです。

弦の張力と押弦力はかならずしも比例関係にあるわけではありません。
押弦力には弦と指板の角度や弦の材質の縦弾性係数(伸び/荷重)が関係するからです。

弦の張力は4本合計すると20kgf以上ありますが、
押弦力は弦の中央部を抑えるときで、一本あたり数百gfぐらいでしょう。
楽器をひざの上に置き、弦の上に指を置けば、押さえつけなくても手の重みだけでも指が指板に当たるはずです。

押弦力は、ちょっと工夫すれば簡単に測定できます
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月20日 22:23
投稿者:pochi(ID:OVMFIBc)
最近の腸弦さんの文はガット弦の色にこだわった黄色でなくなって寂しくおもいます。(黄色だったら読みにくいのでわざわざ読みません)。内容はいつも興味深く拝見しております。(最近は読んでいません)。

表題にもすぐ解る様に「ヴェニス・ガトリン」とかいう一文を入れておいて貰えれば、興味を持ってリンクを開く事が出来ます。(開かずに済みます)。

::::::::::::::::::::::::::::::::::

弾いた時の振動の幅が弦によって(音の高さによって)違うので、G線の強さが相対的に現代の調弦よりも強くなれば、上手く響く位置が指板側にズレます。Eが相対的に弱くなればEの良く響く位置はより駒に近付きます。タダでさえEの方が駒側を弾くのが良いのに、これ以上弾く位置に差が出ると、重音が弾き難くなります。テンションはその為にG<D<A<Eの順になっている筈です。

資料はこちら。
ttp://www.sasakivn.com/werkstatt/report/saitenschpan.htm

::::::::::::::::::::::::::::::::::

皆さんへ、
裸ガットを使うのなら、弦の太さが大きく変わりますので、上駒(枕)と駒の弦が当たる部分を切り直す必要があります。(調弦氏は必要ない奇特な人なのだそうです)一般人はそんな筈はないし、溝は大きくできても小さくはできないので、駒と枕を切り直す余裕と時間のある人だけ、「ヴェニスガトリン」を試しましょう。よく使われているドミナント(銀線)は、資料によると0.617mmです。

腸弦氏へ、
上駒と駒の頭を切り直す必要が無いというのは、屁理屈ですので、個人的にそのようなご意見は受け付けません。一般性の無い事なので勝手に信じてそのままお使い下さい。
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月24日 23:55
投稿者:通りすがり(ID:GINEaCU)
私も調弦氏に騙されて買ったクチですが・・
上駒・駒共に溝が全然合わずまともにチューニング出来ませんでした。
鉛筆を塗ってどうこうってレベルじゃなかったですよ。

ホラ吹きと言われたく無ければ一度楽器の写真(要所のみでも可)をアップロードして頂きたいものです。
[40241]

Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月25日 08:25
投稿者:腸弦(ID:cSQ0QA)
何度も書いてますが、自分は、TOROの裸ガット弦を張るにあたって、上駒と駒の溝は、一切調整していません。かつてオリーヴを張っていたときと、同じままです。

TOROの裸ガット弦のうち、表面にヴァーニッシュ加工が施された弦は、非常に滑りが良いので、溝を調整する必要はありません。

元々、溝の幅が狭かったり、溝が浅かったりしたら、あるいは、極端に太いゲージを張る場合には、何らかの調整が必要なのかも知れませんが、自分は、オリーヴを張っていたときと同じ溝のまま、何の問題も無くTOROのハイツイストやヴェニス・カトリンの裸ガット弦(3×V)を張ることができましたし、とても良いコンディションで演奏を楽しんでいます。
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月25日 09:42
投稿者:QB(ID:cYBJOIA)
つまり、もともと調整がきちんと為されていなかった(溝が太くなっちゃっていた)ヴァイオリンに裸ガットを張ったということですね。
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月25日 19:04
投稿者:コクシネル(ID:JyFYcCY)
最近、プロでも裸ガットを張る人が増えているような気もしますが、どのメーカーの弦を張っていて、どう調整しているか等の詳細までは、わかりません。 現代楽器なのに、バロックボウを持っている人も結構います。

また、より良いボウイングを身につけさせるために、特定の生徒に裸ガット使用を強制している音楽院の先生もいます。 これはチェロの例ですが、自分はバイオリンなので、事情はよくわかりません。

ただ、ドミナントにしろ、エヴァにしろ、セット弦というのは、同一楽器に同時に使用することを前提としていると思います。 この場合、通常は高音弦ほど強いテンションになっている訳です。 各弦の弾きやすさについても当然考慮されているはずです。 (一方セット弦必ずしもベストでないところに難しさはありますが・・・)

私の場合、今はエヴァのセットを張ることが多いですが、自分の楽器では、0.26mmのE線では全然駄目で、全く鳴りません。  ところがこれを0.27mmに替えると見違えるように鳴り出し、他のGDA線の鳴り方もパリッとします。 つまり今の自分の楽器では、より不均衡なテンションが要求されているようです。

もちろん楽器の性格や調整によって異なると思いますが、4つの弦のテンションをそろえるべきという話は、それこそビヨラジョークの、ペグの向きが4本ともそろっているべきに近いものがあると思います。
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月26日 00:38
投稿者:ららトーク(ID:JRgGMTU)
腸弦さん。私もToro弦を使っていますが、正しい使い方を皆様にお伝えしないと良くないと思います。
正しい使い方については、腸弦さんもご存知のはずですが以下に掲載されています。

ttp://coastaltrading.biz/string/post_196.html
(特にPDFの文章)

ここに書いてあることを読んでもわかるように裸ガット弦は、いろいろ取り扱いに注意すべきことがありますので、それを無視して持論を述べられるのは説得力がないばかりか不信感を生みます。

上駒と駒は、溝は少なくとも広げる必要はあります。これはプロの職人さんにやってもらって調整するのが良い思います。加工費用もそれほど高くはありません(数千円レベル)。ただ元に戻すには、駒交換になるので多少の費用がかかります。

裸ガット弦について、不信に思われる方も多いと思いますが、まずは裸ガット弦の音をプロの演奏で実際の生のホールで聴いてほしいということです。古楽器の団体が良く使っていますが、その響きはモダン弦とはかなり違います。ざらざら感があるのですが、とてもウォームで柔らかい音がします。その音を気に入るかどうか、まずはそこから始まるのだと思います。
まずは、それを聴いて、その音に近づけるために奏法を変更していくというのが正しい道筋だと思いますので、先に弦ありきの話をされると大抵の人は混乱してしまうのだと思います。

個人的には、裸ガット弦を使って演奏している古楽系のソリストに音楽的なレベルの高い人が多いと思っていますので、そうした優れた演奏者のリサイタルに行って、技を盗んでくるのも楽しみの一つですね。
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Re: イコールテンションのすすめ

投稿日時:2009年05月26日 07:28
投稿者:catgut(ID:QGgShxI)
最新のストリング誌(2009/6)にイザベル・ファウストが使用しているストラディヴァリで裸ガット弦と現代の弦を取り替えて使っているという話が出ています。

ーご自身のストラディヴァリウスは現代の弦も、ガット弦にも対応できるということですね。

「両方を使うことができ、それは素晴らしいことではあるのですが、複雑な面もあります。やはり、弦の種類を替えることは楽器にとって負担が大きいのですね。スチールからガット弦に替えると低めになるので、それをまた戻すのに二、三日かかることもあります。それに、楽器の全体的なバランスがくるってしまうこともあります。」

また、裸ガット弦では「音が割れないように、きれいに出すために、ヴィブラートを減らす必要があります」とも言っています。
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