ジョヴァンニ・バティスタ・ヴィオッティ / Giovanni Battista Viotti | ヴァイオリン演奏家ライブラリ

ヴィオッティはヴァイオリンの歴史上複合的に大きな足跡を遺した。

ひとつは演奏家として。彼はいわゆるスター演奏家の走りで、それまで宮廷に仕えることがヴァイオリニストの活動の中心であったのに対し、各地で公演を行い、特にパリで成功を収めてその名声を不動のものとした。

また教育者として。彼はピエール・バイヨ、ピエール・ロードをはじめとして、その後のヴァイオリン教育の中心となる重要な人物を育て、また影響を与えた。さらに、今日でも学生に親しまれる協奏曲を20以上も作曲した。

ヴィオッティは楽器としてのヴァイオリンの発展にも力を注ぎ、時計職人でもあった弓製作者のフランソワ・トゥルテと協力し、それまでとは逆反りのモダン・ボウの開発に尽力した。また、アントニオ・ストラディヴァリの楽器を愛用してその評判を高めることで、ストラディヴァリ・モデルの楽器の製作を飛躍的に促進させ、世界のヴァイオリン製作のレベルを一気に引き上げた。

ヴァイオリン音楽の飛躍的発展、そして凋落していたヴァイオリン製作の再興に寄与した偉大なヴァイオリニストがヴィオッティその人である。