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木工パテによる穴埋め | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 24 Comments
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木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年01月21日 18:23
投稿者:羅留吾(ID:QZWWUiU)
弓のフロッグをぶつけた際にできた凹みキズを、市販の水性の白い木工パテを使って穴埋めして、さらに、そのパテの上からアルコールニスを塗って修理する工程を見せていただきました。
2から3ミリの凹みキズが、わずか2日間で、ほぼ完全に元通りに穴埋めされて、色もオリジナルとそっくりな状態に復元していて、どこに凹みキズがあったのか、そのモダンバイオリンの持ち主も、ほとんどわからないほどでした。
どんな方法で修理するのか以前から興味があったので全部の工程を見せていただいたのですが、職人さんの見事な手際に感心しました。
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年01月21日 23:08
投稿者:はぁ?(ID:aWd0A3A)
フロッグをぶつけた先は、テーブルですか?壁ですか?他の家具ですか?
まさか「ヴァイオリン」じゃないですよね?
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年01月21日 23:49
投稿者:羅留吾(ID:QZWWUiU)
弓のフロッグの金具がぶつかってできたバイオリンのCカーブ中央の凹みは、面積が2ミリ弱四方で、深さは1ミリまで行かず0.5ミリ少々あるかどうかに見えました。もっと凹みが大きくて深い場合は、木を埋めこんで修復するそうですが、今回のように凹みが小さくて浅い場合は、水性の木工用パテを使って修理するそうです。
アルコールニスを塗るときは、最初、薄い黄色のニスから始めて、徐々に、赤みの濃いニスを塗って色合わせをしてました。ニスが乾燥した後、ニスの表面を磨いて艶出しした後、経年変化したオリジナルニスの艶に合わせるために、艶落としというか艶消しのような作業をしてました。
強い光をあてると、どこに凹みがあったのか、なんとなくわかりましたが、凹みがあったことを知らない人が見たら、そんなことには気づかないだろうというような素晴らしい仕上がりでした。
作業日数を1週間与えてもらえれば、徹底的にニスの色合わせをやって、持ち主が目を凝らして見てもわからないくらいまで完全に復元できるというような話をされていました。
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年02月15日 22:17
投稿者:羅留吾(ID:QZWWUiU)
バイオリンの凹みキズを「水性の」木工用パテを使って修理するという話を書きましたが、より詳しく書くと、「水性の」木工用パテにも2種類あって、水性のニスしか塗れないタイプと、油性のニスでも水性のニスでも両方とも塗れるタイプがあるようです。
水性のニスしか塗れないタイプだと、仕上げにバイオリン用のニスを塗ったときにニスの付きが悪いので、油性のニスでも水性のニスでも両方とも塗れるタイプを選択するのが肝要なようです。
凹みキズを木工用パテで埋めてからニスを塗った場合と、凹みキズに直接ニスを塗った場合、の2種類の方法を、木片を使って実演してもらいましたが、凹みキズを木工用パテで埋めてからニスを塗った方が、どの方向から見ても、修理跡がより目立たないということがわかりました。
キズが小さくて、しかも、キズがごく浅いときは、木片を埋めて修理するのが困難で、木片を埋めたことが、かえって目立ってしまう場合があるようで、そういう場合は、、油性のニスでも水性のニスでも両方とも塗れるタイプの木工用パテで凹みを埋めてからニスを塗ると、修理跡が目立たず綺麗に修理できるようです。
木クズと糊(あるいはニカワ)を混ぜて自家製の木パテを作って、それを凹みキズに埋める方法もあるようですが、ニスを塗ったときに、木パテにニスが染み込んで、かえって木パテを埋めた部分だけ色が濃くなって目立ってしまうケースがあるようで、油性のニスでも水性のニスでも両方とも塗れるタイプの木工用パテの方が、ニスが染み込まない分、修理跡が目立たなくて良い結果が出せるそうです。
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年02月19日 22:54
投稿者:羅留吾(ID:QZWWUiU)
バイオリンの凹みキズを「水性の」木工用パテを使って修理する際の大事なポイントを教えていただいたので、書きたいと思います。ただし、これは、プロの修理職人さんだからこそできる「巧みの技」であって、素人が真似したとしても、けして上手くは行かず、かえってキズ跡が目立つことになりますですので、あくまでも修理はプロの修理職人さんにお任せした方が良いと思います。
バイオリンの表板に、何か硬い物が当たって1ミリ四方の小さな凹みキズが付いたとします。キズの状態は、ニスが欠けて(剥離して)、木も若干凹んでいる状態で、キズの深さが0.7ミリという浅いキズだとします。
これぐらい浅いキズだと、キズに直接ニスを塗ってニスで凹みを埋めて修理することも可能ですが、この方法だと、修理跡が多少目立ってしまいます。
修理跡が目立たないようにするには、木工用パテで木の凹みを埋めて、その後に、ニスを塗って仕上げるわけですが、このとき、木工用パテをどの程度「盛る」かがポイントとなります。
木工用パテは、あくまでも木の凹みの分だけ盛ってやって、オリジナルニスの表面を基準とすると、オリジナルニス厚み分だけ下がった(低い)状態に仕上げてやる必要があります。
オリジナルニスの表面まで木工用パテを盛るのは簡単で、多めに盛ってからヘラでそぎ落とせば、木工用パテはオリジナルニスと同じ面(高さ)になりますが、その後、ニスを塗ると、木工用パテを盛った部分だけがニスの厚み分だけ盛り上がってしまうことになります。
オリジナルニスの厚みが0.1ミリだとすると、0.1ミリだけ、木工用パテを押し下げてやる必要があるのですが、1ミリ四方のキズの全面を均一に0.1ミリだけ押し下げるのは、非常に難しいのです。木工用パテが硬化・乾燥してから0.1ミリだけ削るという方法もありますが、キズの周りのオリジナルニスを傷つけてしまうので、好ましくありません。また、木工用パテが硬化・乾燥してから表面を削ると、パテの表面がボソボソになってしまうので、そういう意味でも好ましくありません。
そこで、木工用パテが硬化・乾燥する前の柔らかい状態のときに、「ある物」を使って、軽く圧力をかけて、オリジナルニスの厚み分の0.1ミリだけ押し下げるのです。木工用パテを木の凹みキズに埋めた(盛った)後、木工用パテの表面が硬化・乾燥し始めた頃を見計らって、「ある物」を使って、オリジナルニスの厚み分の0.1ミリだけ、全面を均一に押し下げます。
この「ある物」は、ホームセンターや文房具屋で売っている物で、けして特殊なものではなく安価なものです。
凹みキズの修理工程を拝見させていただいた中で、オリジナルニスの厚みの分だけ、ごくわずかに押し下げるための「絶妙なチカラ加減」と、同時に、柔らかい木工用パテが波打ったりせずに全面が平らなまま均一に押し下げるための「絶妙なチカラ加減」に、いわゆる「巧みの技」があるように思いました。
木工パテで凹みを埋めた後のニス塗りの工程も、非常に手が込んでいて、まさに「巧みの技」だと思いましたが、木工用パテをオリジナルニスの厚み分だけ「ごくわずかに」押し下げたときの「絶妙さ」は、本当に驚くべきものがありました。
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年03月16日 20:43
投稿者:羅留吾(ID:QZWWUiU)
バイオリンの凹みキズを「水性の」木工用パテで修理することについて書き込みしましたが、その後、別な修理工房にも見学に行きましたので、書きたいと思います。
前回の書き込みに、
>木工用パテが硬化・乾燥する前の柔らかい状態のときに、「ある物」を使って、軽く圧力をかけて、オリジナルニスの厚み分の0.1ミリだけ押し下げるのです。木工用パテを木の凹みキズに埋めた(盛った)後、木工用パテの表面が硬化・乾燥し始めた頃を見計らって、「ある物」を使って、オリジナルニスの厚み分の0.1ミリだけ、全面を均一に押し下げます。
と書きましたが、今回見学した工房では、「ある物」は使わずに、なんと、修理職人さんの人差し指の先端をパテに押し当てて、軽く圧力をかけてパテを均一に押し下げていました。
今回修理していたのは、バイオリン表板の下部についた長さ約2ミリ、幅約1ミリ、深さ約0.5ミリの凹みキズで、修理前の状態では白木が見えた状態でキズ跡がかなり目立っていましたが、木工用パテでキズを埋めて指先で圧をかけた後は、まだニスを塗る前の状態でもキズ跡があまり目立たなくなっていました。表板の白木の色と木工用パテの色がそっくりだったので、パテで埋めたことを知らなければパテで埋めたようには見えないくらい自然な仕上がりでした。この修理工房が使っていた木工用パテは、前回見学した工房とは違うメーカーの木工用パテで、とても滑らかなクリーム状のパテで、パテが乾いた後のパテの表面の均一さというか滑らかさもよりスムースな感じがしました。そのせいか、ニスの乗りも良いように見えました。
今回修理していたバイオリンは黄褐色の比較的新しいバイオリンでしたが、パテ埋めした上にアルコールニスを数回塗った後は、ほとんどキズ跡がわからないぐらいになっていました。半年から1年くらい経過した後に、再度ニスを塗って色合わせすると、もっとキズ跡が目立たなくなるとのことです。
こちらの工房の職人さんは、ものすごく手際が良くて仕上がりも万全だったので、万が一、自分のバイオリンにキズがついたときは、こちらの修理工房にお願いしようと思いました。修理に出す前に、色々な工房を訪問して、職人さんの腕の良し悪しを見分けることが大事だと思いました。
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年03月17日 14:30
投稿者:羅留吾(ID:QZWWUiU)
2回目に訪れた修理工房の職人さんの手際がとても良かったので、自分が子どもの頃に使っていた分数バイオリンの凹みキズを修理してもらうことにしました。子どもの頃に使っていたバイオリンなので、弓をぶつけたり、何か硬いものをぶつけたりして出来た浅くて細かいキズが表板にも裏板にも横板にも多数ついています。
こうしたキズが果たしてどれくらいまで修復するのか興味を持って作業を見ていましたが、腕の良い修理職人さんが木工用パテで凹みキズを手際良く埋めると、表面のニスだけが欠けたかのような状態まで見事に修復されました。木工用パテで凹みを埋める前は、明らかにキズのところが凹んでいて目立っていましたが、そのことを忘れるくらい綺麗に凹みが修復されました。
凹みキズの形は様々で深さも色々でしたが、木工用パテはどんな凹みキズにもぴったりと馴染んで、木工用パテが乾燥すると、凹んでしまった木の部分が、まるでキズが癒えたかのうように見事に回復していました。
その後ニスを塗ると、さすがに新たに塗ったニスの色合いがオリジナルニスと完全に同じというわけではないものの、最初の凹みキズだらけだった状態と比べると、ずっと美しい状態まで修復されました。新たに塗ったニスの方が、オリジナルニスよりも少し色が濃い目なので、若干目立っていますが、半年もすれば、新たに塗ったニスの色が褪せてきて、目立たなくなるそうです。
半年くらい経過した後に、もう一度色合わせをすれば、もっと自然な仕上がりに出来るようなので、やってもらおうと思います。
キズの修理をする前は、凹みキズのところから白木が見えていて痛ましい感じでしたが、こうして修理が完了すると、さすがに新品同様とまでは行かないまでも、かなり綺麗な状態に修復されているので、満足度は高いです。凹みキズがあった部分を指で軽くなでても、当然のことながら、全くわからない滑らかな仕上がりです。パテ埋めとニス塗りを5日間で仕上げてくれましたが、キズが多数であったことを考えると、迅速な仕上がりと言えるかと思います。
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年03月18日 01:12
投稿者:pochi(ID:JpZ3giU)
国宝などの修復には、修復歴が解るようにするため、わざと跡が解るように修復するのだそうです。

100年単位で考えると、木工パテ埋めがよいとは限らないと思います。

>職人さんの腕の良し悪しを見分けることが大事だと思いました。
奏者には解らないでしょう。奏者は大切に楽器を扱って上手に弾くのが、その努めであって、楽器職人の腕の評価が、その努めではないでしょう。
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年03月18日 12:50
投稿者:吉野(ID:NXNwgzE)
pochi様のご意見には深い造詣が感じられますね。

羅留吾様が子供の頃に使っていらした分数ヴァイオリンの傷を直すために修理に出された理由が書かれていないので、そのあたりのご事情はわかりませんが、楽器店に売るとか友人や知人に譲るにあたって、美観を修復しておきたい、ということで修理に出されたのだとしたら、腕の良い職人さんに修理してもらってキズ跡がわからなくなる、というのは、理想的な修理と言えるのではないでしょうか。

傷が少なく美観が美しい方が高く売れますし、他人に譲るにしても傷が少ない方が喜ばれますので、多少お金をかけてでもニスの傷を修復してもらうのは意味があるというかメリットがあると言えるでしょう。

木工用パテを使って傷を修理する方法があるとは初耳でしたが、綺麗に仕上がるのであればよろしいのではないでしょうか。羅留吾様のお話をお伺いする限りでは、埋木するほどでもない小さい傷には有効な修復方法なのではないかと思われます。
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Re: 木工パテによる穴埋め

投稿日時:2014年03月18日 19:43
投稿者:ヴァイオリンとフルートのRio(ID:ExiIWRA)
物がぶつかって生じたくぼみで、かつ、木材が一部でも失われていない場合には、その部分の木材が圧縮されているだけですから、水分、もしくは水分と熱を与えるとかなり戻ります。必要なら、その後、ニスを塗ればと思います。

水とか熱と聞くと眉をそむける向きが多いと思いますが、家具や建築物の補修に使われることがある手法です。

ヴァイオリンも指物師が作った家具のようなものと見ることもできますので、このような方法も理屈上は考えれらます。異物を埋め込まないで済む点が多少はマシなようにも思いますが。
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