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20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて | ヴァイオリン掲示板

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20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年09月26日 23:23
投稿者:catgut(ID:QhNBB4k)
20世紀前半の奏法といっても非常に漠然とした話ですが、レオポルド・アウアーやカール・フレッシュの弟子、指導書の影響力が大きかった20世紀前半の奏法と、ジュリアード出身者のソリストが増えた20世紀後半以降のヴァイオリン奏法では傾向の違いがあるように思われます。このスレッドでは、両者にどのような違いがあるか、あるとすればその原因がどこにあるかといった点について議論させて頂きたいと思います。
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【ご参考】
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月28日 22:21
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
20世紀初頭にはヴァイオリン奏者が53g程度の軽い弓も買って実際に使っていたという事実を示しているだけです。

ドイツ語原書が1828年に出版されている弦楽器製作者のJacob August
Otto(1760年-1829年)著
A treatise on the structure and preservation of the violin and all other bow-instruments
に以下の記述がありました(googleの書籍検索で読めます)。

The violin bow is about twenty-seven inches long, and contains from
100 to 110 hairs.

著者はトゥルテの同時代人で、前掲のAugust Riechersの記述(80本-100本)とほぼ一致します。

また、ストリング誌2010年2月号にヴァディム・チジク氏のインタビュー記事があり、ロシアン・メソードについて語っている部分がありました。

「ロシアのヴァイオリン・メソードの本当の発展というのは、二十世紀初頭からだと思います。」とコメントしています。面白いのは「サンクトペテルブルク派」(ハイフェッツ・ミルシテイン・エルマンなど)と「モスクワ派」(オイストラフなど)で弓の持ち方が違うとしている点で、具体的な持ち方の写真が掲載されています。

チジク氏は「サンクトペテルブルク派」の持ち方について「このポジションではしっかりと引っかかった人指し指のせいで手の重さがかかりやすくなるので、弓先での演奏が容易です。しかし、弓元でコントロールするのは難しくなります。ハイフェッツやエルマンやミルシュタインなどの演奏の映像を見ると、ほとんど弓先を使った演奏をしていて、弓元はあまり使っていないことに気付かれることと思います。」とコメントしています。彼らはそもそも弓元で圧力をかけるような弾き方はしていないということですね。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月28日 23:03
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
>ハイフェッツやエルマンやミルシュタインなどの演奏の映像を見ると、ほとんど弓先を使った演奏をしていて、弓元はあまり使っていないことに気付かれることと思います。

私にはそう見えませんが! 最初からじっくりどうぞ。
ttp://www.youtube.com/watch?v=rS5b5_V3pcY

以前、ハイフェッツは「全弓を使え」と指導していた、とcatgutさんは言っていたように記憶しているのですが、最近歳のせいかそうだったかどうか、はっきり思い出せません。

>このポジションではしっかりと引っかかった人指し指のせいで手の重さがかかりやすくなるので、弓先での演奏が容易です。

ということは、すなはち、弓先でさえしっかりと圧力がかかるということですね。私もある程度歳をとってからフランコベルギーからロシア式に持ち方を変えましたが、力まなくても圧力がかかるようになりました。
その弾き方で弓元が使えないのは二流であり、弓元まで使い分けられるのが一流であり、ハイフェッツやミルシュタインは超一流です。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月28日 23:40
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
>20世紀初頭にはヴァイオリン奏者が53g程度の軽い弓も買って実際に使っていたという事実を示しているだけです。

例外かもしれないひとつの事例をことさら大きく(?)思わせているのでしょうか?

針小棒大?

反論があるのであれば、、カルボナーレ様のご指摘どおり、無作為に多数集めたデータをお示しください。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月29日 00:08
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
連続投稿御容赦ください。
ハイフェッツが軽く弾いていた、と言ってしまったばかりに、自説を補強するため、昔(って何時?笑)は弓が軽かったので、圧力もかかっていなかった。というような論調を展開されたいのでしょうけど。
困難なようですね。大きな発見をするにはそれなりの困難は伴うものです。ま、頑張って下さい。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月29日 00:24
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
結局弓毛の標準的な数はおよそ以下のように変化したと考えられます。

19世紀前半 100本前後
19世紀末  100本-150本前後
20世紀前半 100本-200本前後
20世紀後半 150本-250本前後

我々は20世紀前半のヴァイオリニストと同じ条件のヴァイオリンと弓で弾いていると思いがちですが、実際はプレーンガット弦とナイロン弦(または金属巻ガット弦)の違い以外にも、平均して4g-5g重く、毛も2,3割多い弓を使っていることになります。

通りすがりさま、
LamyやBazinやC.Thomassinが揃ってうっかり53g程度の弓を作ってしまったとは面白い説ですね。カール・フレッシュも54g以下は好ましくないしつつ「弓の重さは、52グラムから62グラムの間である。」と書いているので、52g,53g程度の弓は当時は普通に使われていたのでしょう。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月29日 00:47
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
カルボナーレさま、

私が「ペテルブルク派」が常に軽く速い弓を使っていたなどとは主張していないことくらいは思い出して頂きたいと思います。

より重要なのは「ロシアのヴァイオリン・メソードの本当の発展というのは、二十世紀初頭からだと思います。」とチジク氏が述べている点です。チジク氏はヴィエニアフスキやオデッサ音楽院の影響に触れていますが、やはりエルマンの世代以前にはカール・フレッシュにも影響を与えたロシア奏法というべきものはなかった可能性が高いと思われます。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月29日 01:23
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
catgutさんのお持ちの弓に張られてる弓の毛は何本ありますか。一度数えられてはいかがでしょう。ぜひ教えてください。それをもとに、200本を超える張り方がどのようなものか想像してみてください。

とりあえず1本だけですが、標準的な毛の量と思われる弓の毛を、自分で数えてみましたが、約160本でした。老眼なので、数えるのには結構苦労しました。
>20世紀後半 150本-250本前後
の出典はいったい何でしょう。
一流の職人が弓の毛を理想的に張り替えて、それが250本などとなることが果たしてあるのでしょうか。

また、下記、50年毎に対して書いた数は何を根拠にそう言っているのでしょう。
catgutさんがあげた文献の値を仮に信じたとして、19世紀初頭前後をいったん100本前後として、
>19世紀前半 100本前後
>19世紀末  100本-150本前後
>20世紀前半 100本-200本前後
>20世紀後半 150本-250本前後
は、どこからきたどのような根拠に基づく数字でしょう。catgutさんの想像ですか、何かからの引用ですか、データに基づく値ですか。

なお本数は、同じくらいの厚みで毛を張ったとしても、フロッグのリング(フェルール)のサイズ(これは弓の毛の幅にきいてくる)や馬の毛の太さの違いによって、かなり変わってくるでしょう。同じ本数であっても、細い(モンゴル産などの)毛をリングの幅が広い弓に張った時と、太い(カナダ産などの)毛をリングの幅が狭い弓に張った場合、前者は薄く、後者は分厚くなります。例えば、毛の幅で+-10%、毛の太さで+-10%振れると、同じくらいの厚み(中心部で何重とし両側で何重とするかを)をあわせたとしても、おおよその値としては+-20%近く差がでます。
一概に本数から、弓の毛の厚みや密度は想定できません。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月29日 01:30
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月28日 22:21
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
20世紀初頭にはヴァイオリン奏者が53g程度の軽い弓も買って実際に使っていたという事実を示しているだけです。

ドイツ語原書が1828年に出版されている弦楽器製作者のJacob August
Otto(1760年-1829年)著
A treatise on the structure and preservation of the violin and all other bow-instruments
に以下の記述がありました(googleの書籍検索で読めます)。

The violin bow is about twenty-seven inches long, and contains from
100 to 110 hairs.

著者はトゥルテの同時代人で、前掲のAugust Riechersの記述(80本-100本)とほぼ一致します。

また、ストリング誌2010年2月号にヴァディム・チジク氏のインタビュー記事があり、ロシアン・メソードについて語っている部分がありました。

「ロシアのヴァイオリン・メソードの本当の発展というのは、二十世紀初頭からだと思います。」とコメントしています。面白いのは「サンクトペテルブルク派」(ハイフェッツ・ミルシテイン・エルマンなど)と「モスクワ派」(オイストラフなど)で弓の持ち方が違うとしている点で、具体的な持ち方の写真が掲載されています。

チジク氏は「サンクトペテルブルク派」の持ち方について「このポジションではしっかりと引っかかった人指し指のせいで手の重さがかかりやすくなるので、弓先での演奏が容易です。しかし、弓元でコントロールするのは難しくなります。ハイフェッツやエルマンやミルシュタインなどの演奏の映像を見ると、ほとんど弓先を使った演奏をしていて、弓元はあまり使っていないことに気付かれることと思います。」とコメントしています。彼らはそもそも弓元で圧力をかけるような弾き方はしていないということですね。
での下記のcatgutさんの引用とご発言、は思ってもいない不要なことを指が滑ってなぜか書いてしまった、ということですね。
素直な私が、catgutさんがそう思われて引用されたかと思いました。反論したくて書いたのか、肯定したくて書いたのか、何のための引用か理解に苦しみます。
===
>面白いのは「サンクトペテルブルク派」(ハイフェッツ・ミルシテイン・エルマンなど)と「モスクワ派」(オイストラフなど)で弓の持ち方が違うとしている点で、具体的な持ち方の写真が掲載されています。

チジク氏は「サンクトペテルブルク派」の持ち方について「このポジションではしっかりと引っかかった人指し指のせいで手の重さがかかりやすくなるので、弓先での演奏が容易です。しかし、弓元でコントロールするのは難しくなります。ハイフェッツやエルマンやミルシュタインなどの演奏の映像を見ると、ほとんど弓先を使った演奏をしていて、弓元はあまり使っていないことに気付かれることと思います。」とコメントしています。彼らはそもそも弓元で圧力をかけるような弾き方はしていないということですね。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月29日 03:42
投稿者:通りすがり(ID:FINJlSk)
>LamyやBazinやC.Thomassinが揃ってうっかり53g程度の弓を作ってしまったとは面白い説ですね。

あなたの思い込み以上に面白い説はなかなかないでしょう。

このようにひとを小馬鹿にしたような反論をなされるのであれば、しっかりしたデータをお示しください。

P.S.肝心のハイフェッツの弓の重さは分かりましたか?
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月29日 07:42
投稿者:catgut(ID:EnASmVI)
カルボナーレさま、

すでに書きましたが、私の弓の一つは200本超の毛があります。
以下のように現在の毛の数の上限を250本程度としているソースがあります。ヴィオラのような重さの弓さえ使われているので、250本程度使われることもおそらくあるのでしょう。

ttp://en.allexperts.com/q/Violin-2164/horse-hair-violin-viola.htm
A violin bow requires about 200--250 hairs per bow.

弓毛の数の変遷についてはすでに多くのソースを示しています。
またチジク氏の発言については「ほとんど弓先を使った演奏をしていて」
という部分は誇張気味だと私も思いますが、他は私の考えと特に矛盾し
ていません。

通りすがりさま、
カール・フレッシュが「弓の重さは、52グラムから62グラムの間である。」
と書いているにもかかわらず53g程度の弓の存在を「例外かもしれないひとつの事例をことさら大きく(?)思わせているのでしょうか?」と考えた理由をご提示ください。
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