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20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて | ヴァイオリン掲示板

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20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2009年09月26日 23:23
投稿者:catgut(ID:QhNBB4k)
20世紀前半の奏法といっても非常に漠然とした話ですが、レオポルド・アウアーやカール・フレッシュの弟子、指導書の影響力が大きかった20世紀前半の奏法と、ジュリアード出身者のソリストが増えた20世紀後半以降のヴァイオリン奏法では傾向の違いがあるように思われます。このスレッドでは、両者にどのような違いがあるか、あるとすればその原因がどこにあるかといった点について議論させて頂きたいと思います。
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【ご参考】
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月22日 19:25
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
ちなみにヴァイオリンでも戦前は絹弦がガット弦と同様に使われていました。ニ胡とヴァイオリンの違いはありますが、奏法の類似性は高いと思います。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月22日 21:59
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
>カルボナーレさま、4,5g(4から5g)であって、4.5gではありませんよ。

あきれて開いた口が塞がりません。
いつから、","が、”から”を意味するようになったのでしょう。
普通は、”分離”を表し、欧米諸国の多くの地域の作法では”小数点”を意味します。
日本でも、「コンマ何秒の世界」という言葉は普通に使われ、コンマ01秒は、0.01秒のことです。

誤解がないよう、日本語の使い方まで”想像の世界”で遊ぶ事無く、正しい日本語を使ってください。
また、私は近眼&乱視&老眼ですので、小さな文字で常識はずれのことをされると、一般常識の力の方が勝り、何の疑問もなく正しいはずの意味で読み取ります。

では、質問を言い換えます。 catgutさんも以後は表現を変えてください。
>また4g~5gを算出した、引き算の式をお示し下さい
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 01:27
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
モダン弓の仕様を確立したトゥルテが56gを標準としたこと、R.ノイドルファー(故杉藤浩司氏の師匠)や鷲見三郎の証言で十分でしょう。
すでに紹介しましたが、
tourte "56 g" でgoogleで検索すると以下がヒットします。

Violin Technique and Performance Practice in the Late Eighteenth
and Early Nineteenth Centuries
Robin Stowell著

Tourte determined the ideal length of the bow stick to be between 73.66 cm and 74.93 cm, providing a playing length of hair of
approximately 64.77 cm. The optimum weight was approximately 56 g.
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 08:08
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
先のニ胡のサイトでは「私は軽く馬毛の少なめに特注した弓を好んで使っています。その方が、絹弦に対する弓毛の当りが柔らかく、豪快な運弓が出来るのです。」ということにもかからわず「絹弦は、スチール弦に比べると音量が若干小さくなります。小さな会場ではマイクは必要ないですが、
大きなホールではマイクが必要です。」と書いています。

一部の人はハイフェッツの「豪快な運弓」をフィルムで見て「音量が小さいはずがない」と思ってしまうのでしょう。実際には弓や毛の量、毛の張り方の違い、松脂の少なさ、ガット弦の使用などによって「豪快な運弓」にもかかわらず「音量が若干小さく」なっていたのでしょう。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 09:12
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
ハイフェッツは、E線はスチール単線、G線は金属巻き線を使っています。catgutさんの考えでいけば、裸ガットを使ったD線とA線は音量不足で、金属を用いたE線とG線の音ばかり聴こえるということになります。

ハイフェッツの録音や映像をみる限り、E線は駒寄りでしっかり弾いていますし、G線もG線特有のザリッとした強音も含め鳴らし切っています。裸ガットであるA線とD線にあわせて、加減をしたり、両側2弦と中2弦で奏法を変えているようには、見えませんし聴こえません。catgutさんがハイフェッツの音の代表例として挙げられる、例の映画の中での該当箇所も、A線とE線を素早く行き来する箇所ですが、特に不自然さはありません。

特にE線裸ガットでは高音で貧弱になることは、経験からもわかりますし、また1910年頃の著名ヴァイオリニストの録音を聴くと明確にわかります。従って、”4弦を裸ガット弦でそろえている場合”と、”金属弦に一部裸ガット弦を混ぜている場合”を混同して話をすべきではない、ということです。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 10:53
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 01:27
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
モダン弓の仕様を確立したトゥルテが56gを標準としたこと、R.ノイドルファー(故杉藤浩司氏の師匠)や鷲見三郎の証言で十分でしょう。
すでに紹介しましたが、
tourte "56 g" でgoogleで検索すると以下がヒットします。

Violin Technique and Performance Practice in the Late Eighteenth
and Early Nineteenth Centuries
Robin Stowell著

Tourte determined the ideal length of the bow stick to be between 73.66 cm and 74.93 cm, providing a playing length of hair of
approximately 64.77 cm. The optimum weight was approximately 56 g.
での引用文献の数字、
>Tourte determined the ideal length of the bow stick to be between 73.66 cm and 74.93 cm,
ですが、手元にある、
HENRY SAINT-GEORGE著「The bow its History Manufacture and Use」1922年では、
74cm~75cmとなっています。

また、私が現時点ではもっとも重要な文献だと思っている、「L'Archet」 Millant, Raffin共著での、有名な方のTourteの弓の長さ(実測)は、
1780~1800年は72cm~72.4cm、1800年~1835年は、72.5~73.2cmとなっており、上記と合致しません。
従って、catgutさんが根拠してとりあげた単なるヴァイオリンの技術書に書かれた、73.66 cm and 74.93 cm はその明確な根拠がない限り信じるに値せず、よって重さの記載も信じられる保証はどこにもありませんので、
>The optimum weight was approximately 56 g.
についても、根拠としては、却下させていただきます。

私があげた2種類の文献には、重さの記載はありません。フロッグの高さとか、アイの大きさとかサイズに関する記載はたくさんありますが、重さについて記載がないのは、標準としてあげることができない
、と解釈すべきでしょう。
長い試行錯誤の中で、トルテは長さをある程度固定し、弓の削り方を決めていき、各パーツもある程度固定的なサイズにしていったので、あとは材料の密度(単位体積当たりの重量)により弓の重さが決まってくるのではないかと思います。またトルテも、ストラディヴァリと同様に様々なチャレンジを行い、改良を加えていっていますので、時代によって当然作っているものは違います。あまりにも変化が大きい事から、これをひとくくりにすることはできません。

また[42256]
[42256]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月21日 08:45
投稿者:コゲ(ID:QpCDEQg)
「弓が重くなったのは音量を増す為」って考え方もどうなんでしょう。

弓材のペルナンブコは時代が下がるにつれて品質が落ちて行き、
今では最高級品でさえトルテの時代のそれには遥かに及ばない、
とはよく言われる事ですが、
トルテの棹身の太さをそのまま再現したのでは強度・コシが確保出来ない為、
やむを得ず太く作った結果重量も増して行き、それが普及していった…
と考える方が自然に思えますが。
現代の職人による「銘弓を完全コピーした」と謳うものも、
オリジナルよりも太い様ですし。

弓職人の「軽い弓を作っても売れない」との言葉も、
それを覆い隠す為の言い訳のようにも聞こえます。

中には音量を増す為、と重い弓を注文した人もいたのでしょうが、
それが全てであったとは、私は思いません。

のコゲさんの御発言に対し、私もそう思っているので、家に何本かある100年以上前の弓の毛の幅や棹の太さや重さを計り、現在の弓とくらべてみようとおもっています。なんせ、昔の弓は、重さや剛性も十分あるのに、細いのが多いです。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 12:27
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
ラッピングが巻きなおされたTourteの弓の重さを測定するにはラッピングを外してスティックだけの状態にしないといけないので難しいでしょうが、鷲見三郎(1902年生まれ)が1980年頃に、Rudolf Neudorfer(1936年生まれ)が1987年に「4g重くなった」と証言しているのですから20世紀中に平均して約4g重い弓が良いとされるようになったことはまぎれもない事実でしょう。

ハイフェッツの録音についてはファイファーが述べている「ハイフェッツのE線専用マイク」が謎のままです。

また、弓毛の数に関しては19世紀中頃から20中頃までは資料によって大きな開き(最低80本-最高200本超)がありますが、前述のAugust 
Riechers(1836-1893)の記述が信頼性が非常に高いと思います。

ttp://www.archive.org/details/violinartofitsco00riecuoft
Tourte used from 80 to 100 hairs for each bow, but now from 150
to 160 are taken.

・August Riechers自身が製作者で多くの銘器、銘弓に触れていること
・トゥルテと最新の弓毛の数の違いを明確に対比して書いていること
・August Riechersはトゥルテが死んで(1835年)わずか1年後に生まれていること
・1890年代のドイツはクラシック演奏の中心地の一つであること

もし毛替直前の弓があったら、弦に当たる側の毛を少しずつ切っていって、150本/100本程度の毛でどのような反応になるか試してみると面白いと思います。ひっかかりが良くなる上に反応や音色も良くなるかもしれません。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 15:52
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
弓の毛の本数の件ですが、トルテのどの弓ですか?
トルテの弓の変遷を、catgutさんはご存知ですか?

トルテはリングのないバロックからの流れをふむスタイルの弓と、当時、今なら新案特許目白押しであろうリング付きの現在のモダン弓の元祖となる弓を試行錯誤の中で作っており、1800年以降でも両方のスタイルの弓を作っています。それらはまったくコンセプトの違うものですし、明確に毛の幅が異なります。中間段階のもの含めいろいろ存在するものに対し、標準などと言える訳がありません。
大きく変化した時期にあたり、ばらつきが大きいものに対し、標準や平均で話をすべきではありません。

>鷲見三郎(1902年生まれ)が1980年頃に、Rudolf Neudorfer(1936年生まれ)が1987年に「4g重くなった」と証言している
という件については、「4g重くなった」と直接書いている上記2名の文章を引用してください。なければ、それはcatgutさんのこじつけで、個人的な意見(想像)にすぎません。
比較されるものが、同じ概念の値でないものを、勝手に引き算しても、正しい答えにはなりません。
個人的な感想ですが、300年前からみると、10gくらいは増えていそうであり、200年前からみると5gくらいは増えていそうですが、100年前からみて現在どれだけ増えているかわかりません。メニューインの遺品をみると、使ったと思われる名弓には65gくらいの弓が多く、それくらいのものを実際使っていたと思われますが、それが若い頃からなら80年ほど前にはもう重い弓がソリストでは一般化されていたということになります。これも明確なデータがないので、あくまでも私の想像の話となります。
[42277]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 18:07
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
例えばシュポアは1832年に出版したヴァイオリン教科書で弓毛の数は100本から110本と明記しています。1832年といえば、すでにパガニーニがヨーロッパ公演で熱狂的な人気を集めている時期です。

Louis Spohr's celebrated violin school
Author: Spohr, Louis, 1784-1859

ttp://www.archive.org/details/louisspohrsceleb00spohuoft
テキストは一部文字化けしています。PDFで全文が読めます。

PDFの21ページにシュポアが想定する弓の絵が描かれています。もちろんモダンボウです。PDFの29ページから30ページにかけて、トゥルテ弓を賞賛した後で、「良い弓は毛が100本から110本です」という記述があります。

The best and most esteemed are those made by TOURTE of Paris
最も良いと評価されているのはパリのトゥルテの弓です。

A good bow contains from 100 to 110 hairs, none crossing over the others, but all equally stretched, and occupying a breadth of nearly half
an inch.
良い弓は毛が100本から110本です。毛は交差していてはならず、等しく広げられていなければなりません。そして幅はほぼ1/2インチ(12.5ミリ)です。

弓の重さの増加についてはすでに多くのソースを示しました。このスレッドを読み直してください。
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Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月24日 00:04
投稿者:カルボナーレ(ID:lXYJR3A)
[42277]
[42277]

Re: 20世紀前半の奏法と現在の奏法の違いについて

投稿日時:2010年01月23日 18:07
投稿者:catgut(ID:QUCIGJM)
例えばシュポアは1832年に出版したヴァイオリン教科書で弓毛の数は100本から110本と明記しています。1832年といえば、すでにパガニーニがヨーロッパ公演で熱狂的な人気を集めている時期です。

Louis Spohr's celebrated violin school
Author: Spohr, Louis, 1784-1859

ttp://www.archive.org/details/louisspohrsceleb00spohuoft
テキストは一部文字化けしています。PDFで全文が読めます。

PDFの21ページにシュポアが想定する弓の絵が描かれています。もちろんモダンボウです。PDFの29ページから30ページにかけて、トゥルテ弓を賞賛した後で、「良い弓は毛が100本から110本です」という記述があります。

The best and most esteemed are those made by TOURTE of Paris
最も良いと評価されているのはパリのトゥルテの弓です。

A good bow contains from 100 to 110 hairs, none crossing over the others, but all equally stretched, and occupying a breadth of nearly half
an inch.
良い弓は毛が100本から110本です。毛は交差していてはならず、等しく広げられていなければなりません。そして幅はほぼ1/2インチ(12.5ミリ)です。

弓の重さの増加についてはすでに多くのソースを示しました。このスレッドを読み直してください。
で引用された、
>occupying a breadth of nearly half an inch.
ですが、1インチが25.4mmですので、その半分は12.7mmとなります。
我が家には、100年以上前の弓数本を含め、かなりの数の弓がありますが、一番幅の広くなるフロッグのリングの辺りの毛の幅を計測しても、12mmを越すようなものはありません。平均的には11mm程度だと思っています。
私の感覚では、弓の毛の幅12.7mmから推定すると、異常に幅広のフロッグを持った弓に見えます。

- catgutさんがお持ちの弓の、弓の毛の幅は何mmですか。
- トルテの平均的な弓の毛の幅は、実際にはどうなのでしょう。それが、本当に現在の弓に比べても非常に幅が広い設計となっているのであれば、それは私にとって新しい発見であり、なぜ今は狭くなってしまったかという疑問が生じます。

シュポアの記述が、単に個人的に持っていて気に入っている弓に関する記載であれば、単なる個人の好みの話となり、トルテの弓全般的な話として採用すべきではありません。上記(幅に対する記載)は、私の素直な疑問であり、それが実際のトルテの一般的な幅と一致しなければ、一部の特殊なケースに関する話となり、一般論にはなり得ませんので、毛の本数についてもシュポアの好みという可能性も十分あります。

>弓の重さの増加についてはすでに多くのソースを示しました。このスレッドを読み直してください。

これについては、弓の重さが、この300年で増加したことは、まったく否定するものではありません。しかし、それ以外については、データに基づく事実の提示がなく、散発的な発言の抜粋しか提示いただいていないので、まったくわかりません。正確な時間軸の話もなく、ヴァイオリン教師の一意見が事実を表すものでもなく、中途半端な情報が、羅列されているだけと解釈しています。反論となるデータの一部はすでに記載していますので、このスレッドを読み直してください。
断片的なソースをいくつ集めても、信頼に値する証拠と論理性がなければ、単なる参考情報となるだけです。
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