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ヴァイオリンの塗装について その3 | ヴァイオリン掲示板

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楽器・付属品 216 Comments
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ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月13日 20:49
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
私は前スレッド、前々スレッドで、
「ヴァイオリンの音色は材質と形状、および調整によって決まり、
ヴァイオリンの塗装で音色が良くなることは基本的にない」と
客観的な証拠を多数提示して書いています。

どなたも塗装でヴァイオリンの音が良くなるという証拠を提示されて
いません。そして見当違いのコメントがしばしば付けられています。
これはいったいなぜなのでしょうか。ちょっと分析してみたいと思います。
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月24日 01:06
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
ちなみに前半部分でヒル兄弟はこんな不思議な話を書いています。

-------
ストラディヴァリの子孫がストラディヴァリが聖書にニスの成分を書き込んでいるのを発見したという。その子孫はニスの成分を紙に書き写して聖書はなぜか焼いてしまった。彼は非常に生活に困った時に非常に高額でその成分の資料を売ってくれと頼まれても決して売ることはなかったし、ヒル兄弟にも決して見せなかった。
-------

ヒル兄弟がこの話を書いてから100年以上経過していますが、ストラディ
ヴァリのニスの成分表なるものは依然として出てきません。どこに行ってしまったのでしょうか。
[37689]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月24日 10:58
投稿者:QB(ID:NZRGg5g)
[37685]
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Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月23日 21:32
投稿者:catgut(ID:MxCCaDI)
通りすがりさま、原文で全文お読みいただけますよ。

ヒル兄弟は”construction+varnish”で音を評価しているのですから、
”完成品-varnish”が白木のヴァイオリンを指すのは明らかです。

そうでないというならそうでない理由をご説明ください。

>ヒル兄弟は”construction+varnish”で音を評価しているのですから、
>”完成品-varnish”が白木のヴァイオリンを指すのは明らかです。

間違っていると思います。
ここで言うConstructionは製作そのもの、厳密に言うとそれを決定付ける技術・手法の事をさしているのではないですか?
平たく言うと「ウデ」と「ニス」というのが文脈だと思います。
[37695]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月26日 01:06
投稿者:通りすがり(ID:IBIIcHY)
暫くROMしていましたが、レスがないので。

>通りすがりさま、こちらですよ。
ttp://www.cello.org/heaven/hill/seven.htm

を読んだところ、以下の点に気づきました。

① 楽器の不具合を補正する力はニスにないと明言されています。
② 白木の楽器に関しては殆ど述べられていない。特に音色については全く触れられていない。
③ この文章では、ニスの効果/研究についてはTone(音色)よりも見栄えに関することに重きを置いている。
④ 最後に問題の’construction’ですが、この文脈からは「楽器の作り方・製造法」と訳した方が良いと思われます。

以上、この文章では確かにニスが神秘的なものであるかのように書かれている部分もありますが、catgut氏が強調するほど荒唐無稽な文章ではないように思われます。

いかがでしょうか?
[37696]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月26日 01:23
投稿者:catgut(ID:E4QhcRM)
ヒル兄弟はこう書いています。

We think it is not either sufficiently known or recognised that in a great measure Stradivari instruments owe to it their distinguished quality of tone; in reality the future of any perfectly constructed instrument is
determined by the coat it is clothed in.

野田彰訳:
ストラディヴァリの楽器の素晴らしい音の質が、そのニスに大きく依存して
いるということが、充分理解され、認識されていないようである。事実、
楽器がどんなに完璧な造り(perfectly constructed instrument)に出来て
いても、その楽器の将来は、それを包んでいる被膜によって決定されるも
のなのである。

"perfectly constructed instrument"とはどんな状態の楽器を指すのでしょうか?言うまでもないと思いますが。
[37699]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月27日 00:58
投稿者:catgut(ID:MFVlQDM)
ヤマハの特許の記述によると、「油性ワニス」の膜厚は20-40μm(0.02mm-0.04mm)程度ということです(小野氏の実験で使ったニスの厚みは0.065mm)。表板の厚みが平均3mmだとすると、その150分の1から75分の1程度の厚みしかありません。

通常よく使われるビニール袋の厚みが0.025mm程度です。つまり厚みに関して言えば、白木の楽器のまわりをビニール袋で包んだくらいが「ニスの厚み」に相当します。

ニスと美しい杢は平面を立体的に見せる効果がありますから、ニスの視覚
的存在感はかなり大きくなります。このことがニスが音に与える影響が大きく思えてしまう一因なのではないでしょうか。
[37703]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月27日 23:13
投稿者:HIRO(ID:QFaTBHg)


>"perfectly constructed instrument"とはどんな状態の楽器を指すのでしょうか?言うまでもないと思いますが。

言ってください。わかりません。
[37706]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月28日 01:26
投稿者:catgut(ID:MFVlQDM)
HIROさま、すでに和訳を示しているのですが。
----
完璧な造り(perfectly constructed instrument)に出来ていても、その楽器の将来は、それを包んでいる被膜によって決定されるものなのである。
----
完璧な造りの楽器から、それを包んでいる被膜を除いたら何が残りますか?

以前も触れましたが、ヒル兄弟はこんなおかしな主張をしているのです。

ttp://www.cello.org/heaven/hill/six.htm
Hence we are disposed to classify the relative importance of material, dimensions and construction, and varnish, as follows: 1st, varnish; 2nd, construction and dimensions; 3rd, material.

野田彰訳:
従って、我々は、材料や、寸法や、造りや、ニスが、
1.ニス
2.造りと寸法
3.材料の木
の順で大切であると考えている。
[37707]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月28日 01:43
投稿者:クロアシ(ID:NzUSdzI)
>"perfectly constructed instrument"とはどんな状態の楽器を指すのでしょうか?言うまでもないと思いますが。

文字通り「perfectly constructed instrument造りの完璧な状態の楽器」です。ニスの皮膜を剥げばそれは白木のヴァイオリンだろうと言いたいのでしょうが、ここで主張されているのは、文脈からいっても、QB氏が指摘されるように、造りとニスの二項対立です。「白木のヴァイオリン」とは単にニスを塗っていないヴァイオリンのことで、通常モデルや工作精度までは含意されない概念だと思います。しかも、百歩譲って、造り=白木という理解が正しいとしても、白木のヴァイオリンが最上であるという結論に至るには相当の飛躍があります。この理屈、理解できますか?
catgut氏が白木最上論の根拠として引用されている文章の多くは、実を言えば、ヴァイオリンの音色に決定的なのはニスではなく造りである、という論旨のもののように見受けます。これはもっともであり、多くの人に受け入れられている事実のはずです。一方で、白木最上論は、極端に言えば、精度の高い楽器であっても、ニスを塗っている限り、精度の低い白木に劣ると捉えられかねないものです。それは絶対ありえません。catgut氏はこの点について、もう少し考えて頂きたいと思います。
ストラド並みの音は、ストラド級の材、忠実なストラドモデルで、ストラド級の精度で製作され、かつ経年変化があって成しえることだと思います。造りに関係なく、白木かどうか、白木の状態に近いかどうかだけが問題なのではありません。catgut氏の白木最上論が受け入れられない理由のひとつはここにあります。


私個人としては、材を痛めそうな人工処理は、よくないと思います。ピアノやギターは、実は寿命の短い楽器なのだそうです。私のピアノの師はコンサート用のフルグランドピアノの寿命をおよそ10年前後と見積もっており、10年経過した楽器を下取りもせずに使い続けているホールは決して選びません。ヴァイオリンは使い捨ての楽器ではありません。真の名工は一握りであり、彼らが一生かけて作る楽器の数は僅少です。
本当は、同じ製作者、同じ材、同じモデルによる二挺のヴァイオリンで、ニスを塗布したものと塗布しないものを比べないと、結論は出ないのでしょう。その点、楽器店シャコンヌの試みは面白いものでしたが、あいにく私自身は比較試奏していないのでコメントできません。
[37708]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月28日 02:00
投稿者:通りすがり(ID:IBIIcHY)
>見当違いのコメントがしばしば付けられています。これはいったいなぜなのでしょうか。ちょっと分析してみたいと思います。

と仰ってますが、その後も恣意的な引用ばかりで分析が進んでいません。しっかり分析してください。
[37709]

Re: ヴァイオリンの塗装について その3

投稿日時:2008年06月28日 04:46
投稿者:ギエルモ(ID:GBBiNDM)
横から失礼いたします。
『忠実なストラドモデル』とは、ピリオド楽器としての「ストラディヴァリウス」のヴァイオリンに忠実なモデルということを言われているのでしょうか。少々気になったもので。。。<失礼の段がございましたら、お詫び申し上げます>
つまり、ストラディヴァリウス自身が製作したオリジナル(または、オリジナルに近いスタイルに修復した楽器/形をモダン・タイプに変えていないもの)ということなのですが。。。
モダンよりも角度が浅く短いネック、モダンとは異なる弦長・魂柱・バスバー、弓もいわゆるバロック弓(ストラディヴァリウスの工房作のものも現存していたかと...)で、顎当てなし、総ガット弦で張力・ピッチも現在一般に行われているものよりも低くし、音律はミーン・トーン、奏法もバロック・ヴァイオリンのスタイルで。。。
実際に、幾つかのストラディヴァリウス作のヴァイオリンやチェロが当時(ストラディヴァリウスが活躍していた)のスタイルに戻され、著名な演奏家達(ピリオド楽器だけでなく、モダン楽器の奏者も)によって演奏されるようになってきたと聞いておりましたので。。。
ちなみに、ギターですが、17世紀~19世紀のピリオド楽器を修復し、演奏している方も少なからずおいでです。Antonio Stradivari氏作(1700年)の5コース複弦ギターも現存していますが、博物館のコレクションになっていて、実際に演奏されることはないようです。ただし、レプリカは多数作製され、演奏されているとのことです。
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