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ヴァイオリンの塗装について | ヴァイオリン掲示板

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楽器・付属品 259 Comments
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ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月08日 07:30
投稿者:catgut(ID:FDRkUlM)
ヤマハの現状未請求の特許で大変面白いものがありました。

ヴァイオリンの「塗装」に紫外線を当てると音が良くなるというものです。
つまり経年変化で音が良くなるのは「塗装」が経年変化したことが
一因だというわけです。特許の中にいろいろな実験結果が書かれています。それによるとオイルニス、アルコールニスだけでなく、ラッカー塗装やウレタン塗装でもやはり紫外線を当てると音が良くなるそうです。

ttp://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/BE_DETAIL_MAIN.cgi?sType=0&sMenu=1&sBpos=1&sPos=2&sFile=TimeDir_7/mainstr1199744457343.mst&sTime=0

またはここから「楽器用部材または楽器とその製造方」で検索
ttp://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/be_search.cgi

発明の名称 : 楽器用部材または楽器とその製造方法
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[36286]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月19日 22:12
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
通りすがりさま、

>「オールドの銘器のほとんどが」、「音響学者のほとんどが」など根拠の
>無い表現は使わないでいただきたい。

と書かれているので、何か反論がおありかと思ったまでです。
ヴァイオリンの塗装に関する情報は以下にまとめてありますので
詳細はこちらをお読みください。
ttp://catgut.hp.infoseek.co.jp/
[36287]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月19日 22:31
投稿者:(ID:QmKTJmU)
お気の毒で見ていられません。みなさん、突っ込みはもうよしましょう。スルーが一番。
[36288]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月19日 22:48
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
音響学者の見解について、有名なハッチンスの論文から少し長めですが引用します。

日経サイエンス 楽器の科学 バイオリンの音響学 p17
近藤正夫・久保田秀美訳

目止め剤とニスを塗ることも、板を調整するときに、あらかじめ考慮して
おかなければならい要素である。後でそのために質量が増加し、木の
一番外側の繊維が固くなり、エネルギー減衰率が大きくなるからである。
裸のままの木材のヤング率が小さければ小さいほど、塗装膜が加わって、スティフネスとダンピングの増加がより顕著に表われる。その影響は、
スプルースとカエデで少し異なる。表板に使うスプルースに対する影響の
ほうがより大きいので、目止め剤とニスを塗装したときの調子の狂い方は、裏板より表板のほうがひどい。ハインズ(Daniel W.Hains)の報告によれば、目止め剤とニスによるヤング率ダンピングの増加の度合いは、木目に直角方向では、カエデよりスプルースの方が大きい。ヤング率が増加すると、板の振動数も増加する。木目に直角方向で、カエデはスプルースの
2.5倍ほど堅い。

私たちのテストでは、目止め剤とニスは楽器の音にとって、有害になり得ることを示している。しかし、組み立て前の板の時に予防策を講じることはできる。(ニスを塗る前提で木の削り方を考慮すればいいという話が続く、略)

バイオリン作りの経験者は、よく「バイオリンはニスを塗る前の方が後よりもよく鳴る」と言っている。そして彼らの中には、ニスの悪い影響を補う方法
を、すでに学んだ人も多い。長年実験をしているコンダックス(Louis Condax)は、「耳ざわりな、ざらざらした堅い音のするバイオリンからニスを取り去ると、バイオリンが生き返った」と書いている。
[36289]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月19日 23:14
投稿者:pochi(ID:OVMFIBc)
catgut氏、
皆さんは、catgut氏の御意見の内容に反対、賛成、批判をしているわけではなく、推論がおかしいと云っているのです。私もcatgut氏の推論には無理があると思います。御自分で良くお考え下さい。

蟹の甲羅はどうなったか御存じの方、いらっしゃいませんか?
[36290]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月19日 23:51
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
pochiさま、どの点が問題かご指摘願えないでしょうか?

音響学ではヴァイオリンのニスは音質にとってマイナス要因である
という認識が確立しており、その理解を前提としてヤマハのスタンス、
特許が出てきていると認識しています。

つまり、
音響学会ではニスは薄いほうがよいという認識がすでに確立している

ヤマハはニスは一般に薄いほうが鳴りが良いと表明

いかなるヴァイオリンの塗装であっても、UVCを照射して塗装をミクロ
のレベルで破壊することにより、よりニスが存在しない状態に近付く
ため音の阻害要因=ニスの影響が減って「音が悪くなくなる」
という特許を提出

という流れだと私は考えています。

このスレッドでは順番が逆に話が出ている、つまり
「ヤマハの特許→ヤマハのスタンス→音響学会の認識」
なので混乱しているということでしょうか。
[36292]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月20日 10:49
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
現在の音響学の定説を楽器の事典「ヴァイオリン」から引用します。
塗装の厚みによって減衰する音量には差がありますが、四デシベルの
減少とは音のエネルギーの半分以上がニスによって失われるとういことです。


最も新しいニスに関する研究の結果

一九八九年に出版された、新しいグローブの楽器事典から抜粋して
作られた、「ヴァイオリン属」という専門書の音響学の部門の解説に
よれば ー ヴァイオリンのニスは、その共鳴胴の振動を妨げ、少なくとも
音量を四デシベルは減少させる。- という研究結果が記載されている。
つまり、塗装されていない白木の楽器のほうが優れた音がするという
結論となるのである。この説は、現在の優れた音響学者たちが、各種
の精密な電気音響測定機を使って解明したのである。
この新説によれば、今までにながながと述べてきた解説の一部は誤り
であったという結論となる。
強いてニスの最適な塗装法の結論を出せば次の通りとなるであろう。
ー最も少量の材料を使って、ヴァイオリンの表面を適当に保護し、
しかも最も美しい仕上りとする。-
何とも難しいものである。
[36293]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月20日 12:42
投稿者:pochi(ID:OVMFIBc)
1.ヴァイオリンのニスの現状
i 手工品に使われるもの
ii 量産品に使われるもの
2.ニスが音に及ぼす影響
i 楽器屋の営業トークや個人的な伝聞
ii 学術論文
3.御自分の主張
に分けて論じていただくと解り易いと思います。

このサイトにも投稿している高橋明氏のサイトを紹介しておきますね。
音響を無視して美観の為だけにこんなニスを使って居るのでしょうか?
ttp://www.interq.or.jp/gold/akiravln/linoxin.htm

++++++++++++++++++++++++++++++++++

肥後芋茎は有名ですね。
痒くて実用的ではないなんて云う説もあります。
逆に痒みが良いなんていう説もあります。
人によっては必要ないと思います。
作り方・使い方も色々ありますね。
新しい潤滑剤もあります。
薬用の物もありますね。

ニスを肥後芋茎に当て嵌めて論述する練習をしてみては如何でしょうか?
[36294]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月20日 15:30
投稿者:通行人(ID:QmKTJmU)
>音量を四デシベルは減少させる。- という研究結果が記載されている。
つまり、塗装されていない白木の楽器のほうが優れた音がするという
結論となるのである。


音量が減少することと、優れた音とはどういう因果関係にあるのですかね?

「優れた音」とは、あなたの主張では「大きい音」になるようだが、そんな説に同意する人はいないと思うが?

現在の「優れた音響学者」たちが、各種の精密な電気音響測定機を使って解明したそうだが、音響機器のデータを解析するときに使った「優れた音」の定義とは何か?ついでに「優れた音響学者たち」の定義もご教示よろしく(笑
[36303]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月20日 20:31
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
pochiさまにお題を頂いたのでさっそく簡単に書かせて頂きます。
肥後芋茎の件は経験不足のゆえご容赦ください。

1.ヴァイオリンのニスの現状

i 手工品に使われるもの
オイルニス・アルコールニス

かつて「オイルニスは柔らかいので音が良く、アルコールニスは堅く音が悪い」という俗説が横行していた。無量塔蔵六氏はクレモナの銘器でもアルコールニスが使われた可能性を指摘している。アルコールニスは速乾性なのでオイルニスより塗装に高度な技術が必要。

ii 量産品に使われるもの
歴史的にはアルコールニス吹き付け、現在ではポリウレタン塗装・
ラッカー塗装・ポリエステル塗装などが中心。もっとも中国製では安価な
量産楽器でも安い労働力を使ってオイルニス・アルコールニスを使用した
ものがある。

2.ニスが音に及ぼす影響

i 楽器屋の営業トークや個人的な伝聞
・クレモナの銘器のニスに使われたある物質が永遠に失われたため
二度とクレモナの銘器に匹敵する素晴らしい音色は作れない。
クレモナの銘器はいくら高くでも買うべき、というもの。
・アルコールニスよりオイルニスが音が良いから、オイルニスの楽器は
高くて当然、というもの。
・白木の楽器にニスを塗ると音が柔らかく美しくなるというもの。

ii 学術論文
・ニスは表板・裏板の振動を抑制するため、一般的な厚みのニスは音のエネルギーを半分程度も減らしてしまう。音質のためにニスを使うことは正当化できない。ニスの使用で行える振動の調整は、音量を失わず板自体の材質の選択・削り方で可能。

3.御自分の主張
音響学の学術論文(ハッチンスらの説)と同じ。

もちろんヴァイオリンという楽器は伝統工芸品という側面もありますから、
背が低く音量的に限定された家具調ピアノが存在意義があるように、
美しさが優先する楽器があっても何ら否定的に考える必要はありません。
ここで議論しているのはあくまでニスと楽器の音の関係についてです。
[36304]

Re: ヴァイオリンの塗装について

投稿日時:2008年01月20日 20:43
投稿者:catgut(ID:M2QVMiY)
通行人さま、

ご自身は素晴らしい音のヴァイオリンがあったとして、それを2挺で同時に
弾かないと1挺分のヴァイオリンの音量にならないものをお買いになりますか?
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