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音程は、センスの問題 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 11 Comments
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音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月21日 11:17
投稿者:じのフランチェスカッティ(ID:ISNwc1E)
Geiger1951 氏の書かれた
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Re: アーリースターターで上達しない人の特徴

投稿日時:2005年08月19日 22:08
投稿者:Geiger1951(ID:SWKEEiA)
上手な人には釈迦に説法で申し訳ない。
下らんと思ったら無視してください。
割に最近、気になる発言を直接耳にしたので…
某アマオケメンバー氏とお近づきになりました。彼曰く:
「音程は、センスの問題」
(団でこの発言流行しているとか)
その方実際音程が甘く、やや諦め気味でした。

全音(大全音)の正しい取り方を教わるだけで、かなり音程が改善されます。これは「センスの問題」なんかではありません。教わればできます。あえて言えば教わらなくても、知識があれば取れます。
今振動している弦の長さを9等分した一つを押さえれば全音になるのですが、9等分以外の場所だと汚い、と気づくようにすれば取れるのです。
無論押さえる圧力でこの点は移動しますが、細かいことはどうでもいいのです。響きがその一箇所だけ違うと気づけば、もうこっちのものです。
(解りきった話でしたね)
 Re: アーリースターターで上達しない人の特徴
より引用

> 某アマオケメンバー氏とお近づきになりました。彼曰く:
> 「音程は、センスの問題」
> (団でこの発言流行しているとか)
> その方実際音程が甘く、やや諦め気味でした。
>
> 全音(大全音)の正しい取り方を教わるだけで、
> かなり音程が改善されます。
> これは「センスの問題」なんかではありません。
> 教わればできます。あえて言えば教わらなくても、
> 知識があれば取れます。

これを読んで、腕自慢のアマチュア4人が集まり、ヴィヴァルディ作曲
「調和の霊感」 OP.3-10 4つのバイオリンの協奏曲 ロ短調
の練習をしたときに、冒頭のE線のFisの音程で議論になったことを思い出しました。

1stソロは最初のFisを低めで弾き、2ndソロはその小節3拍目から始まる同じFisの音を高めで弾き、3rdソロが2人の音程にケチをつけたのが事の始まりです。

1stのかたは普段の3度音階の練習でA線の3の指(D)とE線の1の指(Fis)は純正律でるクセでFisは低めの音程を取り、2ndソロの方は(ピタゴラス音律だと全音は全て大全音になるので)いつもの調子で高めに取っていました。

これは「センスの問題」でしょうか?
それとも、教わればできることでしょうか?
その知識というのは、バイオリンはピタゴラス音程で全音は大全音という知識でしょうか?
それとも、純正律のドミソのミは低めという知識でしょうか?
(ロ短調なので、この曲を移動ドで歌うと「ミーーミ・ミミミミ・ラミミミ・ラミミミ・ミードレミミ....」)

皆さんだったら、この曲の冒頭のFisは高めにとりますか、低めにとりますか?
また、その理由は?
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Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月21日 13:10
投稿者:Geiger1951(ID:SWKEEiA)
ヴァイオリンには4本の開放弦が存在します。
ト音記号譜表の第5線のFis(嬰ヘ)ですから、ロ短調の主音(トニカ)であるA線の1の指であるHから見て「属音」(ドミナント)です。つまり正確に「完全5度上」であるべきでしょう。
ところが、主音であるHはEの開放弦の完全4度下でないとまずい。
++
上記に同意するなら、簡単に正解がでます。Eの開放弦のピタゴラス全音上の音を取って下さい。
調のある音楽ではトニカとドミナントはゆるがせにできないと思います。
+++
腕自慢の1stソロ氏を一言弁護します。
いつでも何処でもピタゴラスでFisを取れ、というのではありません。
3度の音階練習は当然として、実際の演奏においても:
弦楽四重奏曲を、非常に残響の豊かな大理石造りチャペルでやるとします。ニ長調の主和音を弾くと仮定します。同じ#二個ですが、Fisはロ短調のドミナントでなく、ここではニ長調の第三音の役割です。長調の和音では第三音を低めに取れ、というのが純正調理論の定説です。
Fisを年がら年中同じ高さで取る、とは言いません。
和声的な役割によって違えて取るべきでしょう。
+++++
横道にそれますが、コンサートホールはチャペルよりデッドなので
プロのクヮルテットはニ長調の和音でもFisは高くとるようです。
合唱でもそうしているそうです。
[22538]

Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月21日 14:09
投稿者:じのフランチェスカッティ(ID:ISNwc1E)
Geiger1951 さん、
さっさくの回答ありがとうございます。
しかし、納得できないところがあります。

> ト音記号譜表の第5線のFis(嬰ヘ)ですから、ロ短調の主音(トニカ)
> であるA線の1の指であるHから見て「属音」(ドミナント)です。
> つまり正確に「完全5度上」であるべきでしょう。
> ところが、主音であるHはEの開放弦の完全4度下でないとまずい。
> ++
> 上記に同意するなら、簡単に正解がでます。
> Eの開放弦のピタゴラス全音上の音を取って下さい。

この曲は#が2つ(D-dur,H-mol)ですから、着目する開放弦はE線ではなくてD線だと思います。
なので、「主音であるHはEの開放弦の完全4度下でないとまずい」とおっしゃられても同意はできません。

その前に書かれた「A線の1の指であるHの完全5度上であるべき」には同意しますが、純正律で#が2つ(D-dur,H-mal)の場合のA線の1(H)の音は、A線の開放弦の小全音(10/9)上なので低めの音です。
音楽辞典にも書かれていますが、純正律の全音は
 ドレ (9/8) 大全音
 レミ (10/9) 小全音
 ファソ (9/8) 大全音
 ソラ(10/9) 小全音
 ラシ (9/8) 大全音
ですから、この調を純正で取るならA線の1(H)もE線の1(Fis)も低めになりませんか。

ところでこのスレですが、理論だけじゃなくて音程のセンスについて皆さんから色々な意見が欲しいです。
「短調で暗い感じにしたいので音程は低めがいい」とか、「H-mol(ハーモール)なのでハモル純正律で演奏したい」とか....
[22541]

Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月21日 16:40
投稿者:Geiger1951(ID:SWKEEiA)
そうそう、センスで答えるんですね。
==>じのフランチェスカッティ様
理屈ばっかりでいつも私は駄目なやつです。スイマセン。
「シャープ系の調、特に短調ではシャープつきの音は高くとって置け」
という子供の頃からのしつけによる感性で私は考えているのかも知れません。このセオリーでほとんど乗り切れましたし。

頭ごなしに決め付けるつもりはありません。
ところで4台のヴァイオリンは冒頭たしか、ヴィオラのH音がお付き合いするんですよね。ということはヴィオラの音程論とも関係します。
アマチュアヴィオラの人、このシャープ系列の音を苦手とする方が少なくないという印象があります(指が苦しいようですね)。
[22550]

Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月22日 03:50
投稿者:kokukirin(ID:NhZTMkE)
日本人は、センスから言えば、旋律的進行を好みますので、Op3-10のFisを高めに取ると気持ちいいと感じる人は多いかもしれません。

ただし、バロックであることと、冒頭は和声的な響きではないかと思うので、その昔、これの1stをやったときは、私個人は、冒頭は低め目に取っていたと思いますが、今思うとここは5度が純正で響かなくてもかまわないように思うので、高く取ってもそれなりに緊張感があっていいかも。つまり、短調の安定感を出すなら低めに、冒頭の緊張感を出すなら高めに、ということでしょうか。

都内の一流の某オケのバイオリンの方は、たとえ分散和音でも上昇音型は第3音を高めに取る、とおっしゃって、友人と二人で議論したことがありますが、バイオリンはゆっくりの音型と速い音型では響き方が違うので、速いときはビタゴラスで取る方が無難だと思います。Geigerさんのおっしゃるデッドなホールでは第3音を高めに取るというのももしかすると、同じ原理かもしれません。というのは、バイオリンの倍音列は実際には次数が高くなるにつれて整数比から徐々に高い方へずれていくのです。つまり、基本音が相対的に強くなるデッドな場合や短い音では、普通聞いている音より低く聞こえている可能性があります。

結局、理論になってしまいましたが、センスだけだと、たとえば日本人の旋律的センスになりがちではないかと思いますが。
[22551]

Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月22日 04:17
投稿者:pochi(ID:EHMASYE)
師曰く、音程は音楽の方向性を表す。のだそうな。師の音程に文句を付けたら、そう云った事は考えてはイケナイのだそうな。

クヮルテット等で弾く場合は、チェロのベースに対して純正で取るのですが、旋律だけは旋律的に取るのが正しい様に感じますね。1stとて純正で取る習慣も必要なので、暫く2ndを弾かせば治ります。私は癖が治らず、Vlaを弾かされました。効果は覿面です。

元々音程が解っていない人が、訓練に依って身に付くというのは、良く解りません。大全音は、A線の解放絃とHの間、このHをEの解放絃の4度下で取るんです。ピアノよりかなり高いですよ。5度5度上のオクターブ下でも理屈は同じです。これを常に意識していると、問題点も有るんです。ヴァイオリンの奏法に於て、オクターブは殆ど解放絃との共鳴に合せますよね。A線でDを弾いて、これに合わせて1音下の大全音のCを取ると、かなり低く成って仕舞うのです。音程は矛盾が付き物なので、理屈では解決できないのです。パールマンに、「お前の音程は狂ってる」って云っても仕方がないでしょ。若気の至りで云いかけた私は馬鹿でした。
[22561]

Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月22日 18:08
投稿者:けいちゃん(ID:ICeCVEI)
[22535]
[22535]

Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月21日 13:10
投稿者:Geiger1951(ID:SWKEEiA)
ヴァイオリンには4本の開放弦が存在します。
ト音記号譜表の第5線のFis(嬰ヘ)ですから、ロ短調の主音(トニカ)であるA線の1の指であるHから見て「属音」(ドミナント)です。つまり正確に「完全5度上」であるべきでしょう。
ところが、主音であるHはEの開放弦の完全4度下でないとまずい。
++
上記に同意するなら、簡単に正解がでます。Eの開放弦のピタゴラス全音上の音を取って下さい。
調のある音楽ではトニカとドミナントはゆるがせにできないと思います。
+++
腕自慢の1stソロ氏を一言弁護します。
いつでも何処でもピタゴラスでFisを取れ、というのではありません。
3度の音階練習は当然として、実際の演奏においても:
弦楽四重奏曲を、非常に残響の豊かな大理石造りチャペルでやるとします。ニ長調の主和音を弾くと仮定します。同じ#二個ですが、Fisはロ短調のドミナントでなく、ここではニ長調の第三音の役割です。長調の和音では第三音を低めに取れ、というのが純正調理論の定説です。
Fisを年がら年中同じ高さで取る、とは言いません。
和声的な役割によって違えて取るべきでしょう。
+++++
横道にそれますが、コンサートホールはチャペルよりデッドなので
プロのクヮルテットはニ長調の和音でもFisは高くとるようです。
合唱でもそうしているそうです。
Geiger1951さん
〉アマチュアヴィオラの人、このシャープ系列の音を苦手とする方が少なくないという印象があります(指が苦しいようですね)。

ヴィヴァルディの4つのVn~は弾いたことありません。音程の詳しいこともわかりません。長調系はスケールで何番目の音を高めにもしくは低めに、短調系なら何番目の音を高めもしくは低めに…と意識するくらいです。

大学生の頃、ブラ4(ホ短調)の練習で第2楽章がいきなりホ長調になるんですが、やはりシャープついた音が低くて気持ち悪いとコンマスに指摘されました。普通より高めに取らないといけないと言われてから気づいたのでした。今は周りの音に合わせて自分の音取れるつもりでいます。

アマオケでは弦楽器よりも管楽器の音程の甘さが目立つので、いつも指揮者から直されます。自分で自覚できれば練習の効率も相当いいように思えますが、それなりに難しいこともあるんでしょう。
[22563]

補足

投稿日時:2005年08月22日 19:57
投稿者:Geiger1951(ID:SWKEEiA)
全音は訓練、と言ったのは次のような意味です:
開放弦から始まる音階の2音目を毎回、違えて弾く音大卒は、訓練が不足(18年前実在しました)。注意深く弦の響きを聞くようにすると正確に大全音を取れます。大全音と小全音ある、といっても大全音とれなく育てたらレスナーの責任でしょう。
////////
さて、音程は矛盾だらけ、というのは有名な事実です。
一応セオリーというのがあってヴァイオリンは
嬰調系列は開放弦が主要音
変調系列は開放弦が主要音の導音
これの通り実行すると、事実嬰調系では導音であるgis dis などはうんと高く取らないと聞いて不快です。
変調系では導音である開放弦から上がった As Es B F などは努めて低く弾かないと不快です。
これを両端に広げていくとピタゴラスコンマといって、必ず破綻します。
そこで、調にもよりますが、大抵クヮルテットでヴィオラやチェロのC線は高く調弦します(G線もほんの少し)。
5度が狭いほうが、上下の音がハモるんですね。
クラリネットなどは概ね平均律ですから完全5度ばかりに固執するとオケは絶対ハモリません。機能和声は錯覚の産物だと思いますから、バレナイヨウニ辻褄あわせるのはPochiさんご指摘の通りです。
+++++
件のヴィヴァルディの作品3-10はロ短調です。
これはロ長調(シャープ5個)の同主調です。和声的には非常にシャープ寄りなんですね。事実ロ短調の属和音は Fis-Ais-Cis ですし。
ニ長調とは全く違うものではないでしょうか。
これは私の感覚ですから、同意なさるかどうかはご自由です。
一楽章冒頭のヴィオラのH音ですが、これはロ短調の主音で、ちなみに下属音(完全5度下)はEです。Eと完全5度にしなくて良い、というのは好みません。3楽章などでEの開放弦がしきりに鳴らされます(2ndなど)、Fis-Eが小全音だと眠く感じます。
バロックヴァイオリンは弾いたことがありません。古楽器派の人はもしかしてミートーンよりの音程をとる(調弦の5度も702セントでなく696セント位にする)のでしょうか。事実、トン・コープマンなどはそうすると聞きました。そういう理論もあるので、ピタゴラスでがんがん攻めるコンサートヴァイオリンはいらいらした響きに感じる感受性もあって構わないと思います。
[22572]

Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月23日 04:00
投稿者:pochi(ID:EHMASYE)
音程というのは完全に解っている人が意識するべきことでは無いと思います。オケの場合は、音程はいい加減なので、全く気にする事は無いと思います。(楽器の数が多いので、永遠に厳密ではない)クヮルテットの場合は、厳密に合わせる事が多いのですが、ロングトーンの場合は、純正調で響きを大切にし、速い音系の場合は、ピタゴラスで弾くのが正しいのでは無いかと思います。大体、ロングトーンで響きが悪かったら気持ち悪いでしょ。無意識に周りに合わせて調整しますよ。これに理屈を振翳すと、おかしな事になるのです。

痔のフランセスカッティ師の御指摘の部分は、難しいトコロです。迷いますね。気分次第ですね。

ヴァイオリンの場合、「狂って居るより高い方が良い」という「迷言」がありますから、Fisも高めが良いのではないでしょうか?
[22576]

Re: 音程は、センスの問題

投稿日時:2005年08月23日 17:14
投稿者:Geiger1951(ID:FUUXInk)
Pochiさんに謹んでお尋ねします。
「此処50年間で他の絃との倍音で音を取る傾向が強く成った」
これは確かPochiさんの師であった19世紀生まれの巨匠の証言ですが、非常に興味深いです。
絃が「裸ガット」→「金属巻ガット」と変遷したことと関係がありますか。
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