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楽譜の校訂者 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 15 Comments
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楽譜の校訂者

投稿日時:2004年01月02日 11:52
投稿者:修行中(ID:EDhwYEM)
昔からすごい気になってた事(単に調べが足りないだけかもしれませんが・・・)があるのです。
良く譜面を購入するときに誰が校訂をしてるのかも考慮してるのですが
インターナショナル版だとフラチェスカッティ、ガラミアン、オイストラフ等は分かるのですが、特にペータース版で
HANS SITT
Arbos
Davisson
Stross
などなど・・・
誰なんだろうといつも思ってました。
どなたかご存知の方がいればどういう方なのか教えてください。
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【ご参考】
[8593]

Re: 楽譜の校訂者

投稿日時:2004年01月02日 11:57
投稿者:pochi(ID:FIR4gpY)
単に調べが足りないだけです。インターネットでも充分に出て来ます。みんな有名な人です。

インターネットの不文律は、英語の流し読みに不自由しない事です。目から血が出る程読めば、読めるようになります。
[8601]

Re: 楽譜の校訂者

投稿日時:2004年01月02日 14:09
投稿者:Geiger1951(ID:Fxk4BJE)
最近の譜面は
Critical Commentary
がついていたり、そうでなくても前文で明記されていて「原典版」と判るのが次第に増えてきましたね。

ショパンコンクールもポーランドの原典版を推奨しています。
(外貨稼ぎだと思いますけれど、それ自体はいいことです)
ペーター番でも茶色の帯がついたピアノ譜は原典版とか。
++++
誰が校訂、という以前に「作曲されたまま(あるいは初版のとおり)」の状態が復元できる譜面を持つ、のが最近の傾向かも知れません。
以前は「校訂者の意見によってつけられたフレージングや指や強弱だけがそのまま印刷されている」譜面でした。これだと、こう書いてあるのは作曲者の意図のとおりかどうか、まったく不安でした。カール・フレッシュあたりでもその傾向があります。
++++
「原典版」と銘打っている必要は必ずしもありません。校訂譜でも校訂者の態度が「原典と自分の意見をきっちり分ける」態度なら安心です。
IMCのチャイコ協(オイストラフ+モストラス校訂)は詳細な前文と、アウアー編曲と元譜、アウアーカット個所まで全部判ります。
マックス・ロスタル校訂のベートーヴェン協は、どれが初版のフレーズで、どれがロスタル提案のボウイングか明瞭にわかります。
こういう譜なら色々適用範囲が広いです。

前文をちゃんと読んでから購入するのがいちばんいいですね。

pochiさんの言われる「ネットサーフィン用流し読み」するしないに拘らず、譜の前文が解る英語力(音楽的内容ですからそんなに難しくないです)はやはり必要でしょう。

楽譜屋さんが近くにないとき、本郷のアカデミアなどは電話すれば丁寧にアドバイスしてくれます。だってそれが商売ですから…。
通販専門サイトの「カモス」
http://www.kamos.co.jp/
など、オーナーがマニアですから、電子メールで問い合わせればわかる範囲で「これは何時頃の譜で、原典がわかるかどうか」など調べてもらえるでしょう。
[8604]

痴性的品性下劣者が推す現代的修行者心得

投稿日時:2004年01月02日 15:53
投稿者:pochi(ID:OXWSiAA)
あなたが上級者以上だとして、書き込みしています。
現代の修行者なら、禁欲的ではなく、悦楽的に修業して下さい。

ウキウキし乍、楽譜屋に行って、別の解らん楽譜を買ってきてしまうのが悦楽的修業です。楽譜屋に可愛いお姐ちゃんが居たら、そのまま姫始めも宜しい。ショパン一曲腰を振れば、女の子がどうなるか、研究するのも宜しい。部屋に閉じ隠って電脳の前に座っているなんて、仕事だけで充分です。
+++++++++++ ←これ猊下のパクリ。良いアイデア!
少なくともインターネットの半分はHサイトです。私は8割だと思っています。特にHサイトは、流し読み出来ないとウイルスがバンバン入って来て電脳が使えなくなります。
[8630]

Re: 楽譜の校訂者

投稿日時:2004年01月03日 09:35
投稿者:ぷーた(ID:N1VXZUA)
フレッシュの崇拝者から一言。原典と校訂版のアーティキュレーション等の見分けが出来るように勧めたのはフレッシュです(ヴァイオリン演奏の技法・下巻参照)。
実際フレッシュ校訂の楽譜(ブラームスのソナタなど)はちゃんとスラーや強弱が書き分けられています。ロスタルの校訂もGeiger1951さんがおっしゃるようになっていますが、それは明らかに彼の師であるフレッシュの影響です。

フレッシュの校訂は音楽的に道理にかなっているが少し弾きにくいところもある。オイストラフの校訂のほうが弾きやすいです。IMCから大量に出ているフランチェスカッティの校訂譜は嫌いです。
それから、校訂者の名前で選ばないことです。ヴィエニャフスキのスケルツォ・タランテラのマルトー校訂の楽譜がPetersから出てますが、マルトーがあれほどの名手なのにもかかわらず、非合理的な校訂がされてる事に驚きます。
僕は校訂は自分でしてます。原典がどうなってるかわかっていれば、自分でやっても構わないのではないでしょうか。自分で一番いいと思うもので弾けばいいと思います。
[8633]

Re: 楽譜の校訂者

投稿日時:2004年01月03日 09:59
投稿者:Geiger1951(ID:Fxk4BJE)
ぷーたさん、おはようございます。
++++
別にフレッシュを貶めようとは思いません。むしろ私も彼の信者です。
彼が原典を重んじたことはそのとおりでしょう。ロスタルは師匠の癖までそっくり真似していた程フレッシュを崇拝していたので、ロスタルの立場はフレッシュに由来しますね。
たしかに始めてこのスレを読んだ人には誤解を招く表現でした。

フレッシュの著書「ヴァイオリン奏法」は、合理性に感銘を受けます。実は私は嘗てフレッシュ版を沢山持っていましたが、主要なものを全部ヘンレーやウィーン原典版に買い換えてしまいました。
以前やった曲をもう一度やるときには、まったく白紙の状態からさらいなおしますから何の書き込みもない新しい譜を使いたいこともあります。
++++
人に上げてしまった譜が多いなかで、シュナーベル+フレッシュの校訂の譜面は一部だけ残っていました。
モーツァルトのソナタニ長調Kv.306です。手元にあるこの譜について感ずるところを述べます。
=====
1楽章、練習記号{1}の前後の装飾音の記載がよくありません。この譜面は私は推奨できません。とりわけ11小節のアーティキュレーションは音楽的に疑問が残ります。モーツァルトの元譜も明記されていません。

試みに新しいヘンレー版のBand1の同曲、11小節・14小節・15小節を参照してみてください。
=====
これは要するに時代(音楽的研究の段階)の制約によるものです。フレッシュ一人に責任は負わせられません。
なお、譜面に対するぷーたさんの心掛けはさすがです。みならいたいです。
[8636]

Re: 楽譜の校訂者

投稿日時:2004年01月03日 15:43
投稿者:玉木宏樹(ID:GIMlEwk)
カール・フレッシュに関しては、
重要な校訂ミスがあります。
それはPETERS版のSinding,Suite,op10の3楽章、
カデンツァの途中の16分音符のクリシェの部分なのですが、
(ETERS版では、R)Gis,H,D,Fでなければいけないのに、無残にも
Gis,H,E,Fになっています。作曲上ではこんなのありふれたクリシェの
ゼクエンスですから譜面ミスを直して弾かなきゃいけないのに、
パールマンはミスのまま録音しています。
因みに、ピアノ伴奏譜のヴァイオリンパートは合っています。
最近買ったナクゾスのノルウェイヴァイオリン曲集の中に
録音されている同曲はミスがありません。
ホッとしました。
時々小さなコンクールや入試の課題曲になったこともある曲だけど、
世界中で間違ってるんか知らん。それなら、フレッシュは
罪作りなもんです。
[8642]

Re: 楽譜の校訂者

投稿日時:2004年01月03日 22:25
投稿者:ぷーた(ID:N1VXZUA)
>>玉木さん

IMCの楽譜は非常に誤植が多いです。これはIMCに限りませんが、エミール・ソーレ作、パガニーニのコンチェルトのカデンツァの楽譜は、間違いだらけのまま平気で世に流れ続けています。フランチェスカッティ校訂サンサーンスのコンチェルト3番のピアノ伴奏譜のヴァイオリンパート、モーツァルトのコンチェルト3番のカデンツァなども然りです。
校訂したフランチェスカッティ自身の録音が残っていますが、ちゃんと正しい音で弾いています。校正ミスではなく単なる出版社のミスプリの場合もあるんじゃないでしょうか。

フレッシュを擁護してるわけでも、喧嘩を売ってる訳でもありません。ただ校訂者自筆の手書きの楽譜を見ることが出来ない以上(それも見た上でおっしゃってたらすみません)、原典にこだわっていたフレッシュを安易に咎められないと思うんですがいかがでしょう。
[8643]

Re: 楽譜の校訂者

投稿日時:2004年01月03日 23:09
投稿者:玉木宏樹(ID:NVGYaAg)
私は実はフレッシュに大いに影響を受けています。「ヴァイオリン奏法」は
いま読んでもいい本です。しかし、間違いは間違いです。出版する直前の
最終稿をよく見ればわかったはずです。
NAXOSのCDの演奏者はノルウェイ人ですから、
Sindingの自筆譜面を見ているんでしょう。
Sindingはどちらかというと埋もれた作曲家だし、あのミスの部分だって
うっかりしていると通過してしまうような箇所です。ミスはミスなんですが、
私が赦せないのは、フレッシュというより、アなり-ゼ能力の無い事を露呈した
パールマンですね。あと、LPで、ハイフェッツともう一人のものを持っているのですが、
いま、手近にはありません。探し出して聞いたら報告しましょう。

と、いいつつ、楽譜の校正は、ホントに大変です。私は音友から、Vln Duoを4冊、弦カルを1册
出していますが、出版されてから発見したミスはあります。でも、重版する時には必ず
直します。また、今年もDuoを2册出すんですが、十分に気をつけます。
[8843]

原典版万能に非ず

投稿日時:2004年01月10日 20:24
投稿者:Geiger1951(ID:Fxk4BJE)
シュタルケルの共演者として名高い練木繁夫さんが
「A(アー)を下さい」
という著書を出されましたが、原典版でも誤りがある例を力説されています。
ヘンレー版の、ベートーヴェン:ピアノソナタ作品110で
フォルティシモが2段譜の真中にあるが、手稿では左手だけにffがつけられている例とか、その他、結局は人間のやることですから、完全な譜は無いわけです。
結局、ファクシミリ(写真版)で手稿譜を参照しないとだめ、ということのようです。
しかし、全員が手稿譜を参照は出来ませんから、音楽的に正しい判断が出来るようになるしか無い訳でしょう。
+++++
内田光子さんが「音楽は教えられるものではない、只聴くものだ」
とおっしゃいましたが、自分の出している音を十分に聴くことができないと、原典版を使ったから安全などとは到底言えないでしょう。
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