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皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作 - ヴァイオリン掲示板

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このスレッド内のレス一覧

[47038]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/07/27 0:23:00]

「木材の工芸的利用」から一部抜粋します。
前半の解説部分と後半の鈴木政吉署名部分に分かれるのですが、解説部分の筆者もヴァイオリン製作に詳しすぎて鈴木政吉が書いたのではないかと思われる節もあります。鈴木の弓は薬品で曲げていたんですね。

・解説部分

渦巻を付する器械(之は螺旋によりて上下する台上に棹を載せ台が固定しある鉋に対して「エクセントリック」の回転をなす様に仕組みたるものなり)

(表板の)年輪の幅は一斉にして、1.5mm乃至2mmなるを最も可とす。之より狭きときは音粘り広きときは響かず。

f字透は之を付する為表甲と裏甲とに於て半音の差を生ずるにより沈音竿(バスバー)を腹板に附して表裏甲を同一の音調になすなりという。

弓 堅木にして弾力あるを可とす。鈴木工場にては紫檀を用う。
紫檀を反曲せしむるには或る薬品三種を附して型に入れ乾燥室に入れて乾かし次で尚曲の不完全なるものは火力にて矯め各部の弾力の一様を計るなり。弓の要点は弦に触れて各部一様の力あるを要す。若し力異なるときは音色を秀美ならしむる能わず。

・鈴木政吉署名部分

(f字孔)
過大にして其間隔相近きものは極めて粗にして鋭き音を発し其過小にして距離遠きものは極めて鈍くして「ビオラ」に似たる音を発するに至る

[47033]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 ポッケ [2013/07/26 12:52:00]

ぼくも、1回、鈴木政吉の楽器を、ひょんなきっかけで借り受けたことがありますが、パリの万国博のラベルが貼ってありました。音は弱く、パワー不足で、使えるかと言われれば返答に困りますが、それなりに歴史は感じました。

で、ぼくのお宝のひとつは、木曽鈴木バイオリンの2分の1の1970年製で、子供用にしては極上です。絶対売りません。こりゃすばらしいです。

[47028]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/25 19:46:14]

国会図書館の近代デジタルライブラリーを眺めていたら
素晴らしい資料がありました。

ttp://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/842427

木材の工芸的利用という本ですが、この中に鈴木政吉自身の署名で1910年3月にヴァイオリンの製作についてかなり詳細に書かれた資料があり、ネット上で無料で読むことができます。ヴァイオリン関係はコマ番号では241から248までです。

鈴木政吉の署名によるものは、

ヴァイオリン製造に関する方法成績(名古屋鈴木工場) 鈴木政吉

で、これは名古屋で開催された「第十回関西府県連合共進会出品解説書」ということです。この資料が従来他の書籍で紹介されていなかったのが不思議なくらいです。

この資料の中には興味深い記述がたくさんあります。スクロール製作機械の概要や細かい寸法なども記されています。当時すでに日本でスチールE線が知られていたことも分かります。


なお、ラベルの表記がNIPPONからJAPANに変わったのは、アメリカのマッキンリー関税が原因で、一般には1921年を境にしているということです。

ttp://canada58.exblog.jp/13548224

[47024]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/07/24 9:35:21]

ソースは明示されていませんが昭和5年にプレス加工機導入と書かれているのが興味深いです。

[47023]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/07/24 9:18:33]

戦前の鈴木のラベルについての考察が以下にありました。マンドリンが対象ですがヴァイオリンも準じているのではないかと思います。

ttp://www5.plala.or.jp/mandolin-cafe/20-masakichi.html

[47012]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/07/16 23:38:12]

鈴木鎮一がドイツで入手したグァルネリについては、徳川義親が以下のように書いていました。

「(グァルネリの)バイオリンは鳴らなかったが、隅がはがれていたので内部の構造が見えた。調べてみると板の厚さが鈴木製バイオリンの二倍もあってひどく重い。それをまねて、寸分違わないバイオリンをつくったが、やはり鳴らない。板の厚さが薄ければすぐに鳴る。鳴るがうすっぺらな音しかでず、遠音がきかない。政吉さんはこの鳴らぬガルネリウスが、どうして鳴るのだろうかと研究をはじめ、
苦心惨憺、十年もたって、ついに見事に鳴るようにした。どうして鳴るのかは絶対秘密で、ぼくも知らない。だがその方法で琴、三味線をつくると、新品でも、何年も使ったと同じ深い音色がでる。」


陳昌鉉「海峡を渡るバイオリン」で木曽鈴木バイオリンがやや厳しく描かれていたので少し調べて見ました。「海峡を渡るバイオリン」には、陳さんが木曽鈴木バイオリンに就職したいと訴えたのに、当社は真面目にバイオリンを作りたい人には向いていないと言われて断られたという話があります。

1966年の雑誌記事には、このように書かれていました。

「その一つの知恵は、農家の余剰労働力を使っていることである。当社の従業員は百三十名で、六十%が女性だ。このあたりは谷間で耕地がない。生活が成り立たないので専業農家はない。そこで農家の長男や主婦、親元から離れない娘などを多く雇用しているわけである。(中略)

木曽谷に、いかに耕地が少なくとも農繁期はある。そのときてきめんに影響をこうむるのは鈴木バイオリン社(引用注:木曽鈴木)である。このときは生産量を下げざるを得なくなるのだ。それに、いかに生産意欲があるとはいえ、農家の主婦や長男に、ギターの技術開発をしろといっても無理だろう。」

確かに本格的なヴァイオリン製作を志す青年には向いていない会社だったようです。

[47010]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/07/13 23:54:17]

ちなみに政吉第一号ヴァイオリンについて鈴木鎮一はこう述べています。

-----
今この楽器を手にして眺むれば実に可笑しなところが多い。例えば扁平に近い指盤(ママ)は、ヴァイオリンの表板に密着してしまって居り、六枚の楓材より成るべき胴を廻る横の板(胴とも称す)は長き一枚の板を曲げてヴァイオリンの形となし、用材は全部、栓の木であり、又駒のすぐ右下にあるべき魂柱は、よく探せば遥か上の方指盤の真下に太き八角の棒となりて上下の甲に膠付けとしてある。(略)

第三番目製作のヴァイオリンが今猶お名古屋に保存されているけれども第一番目と比較すれば非常なる進歩をして居り音も最初のヴァイオリンの倍位の音量がある。
(文芸春秋 音楽講座 室内楽 日本ヴァイオリン史 1932年発行)
-----

鈴木喜久雄は使用した木を「杉」と書いていますが、「栓」のほうが正しいように思えます。

木材図鑑 栓
ttp://www.fuchu.or.jp/~kagu/mokuzai/sen.htm


工場製の鈴木ヴァイオリンの評価はいろいろな意味で難しいと思いますが、
明治末期から大正中期までは経営も安定し、良い職人が多かったからか、
個人的にはかなり良いものがあると思います。

[47009]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/07/13 0:31:44]

いろんな さん 情報ありがとうございます。
作者はmaestronetの常連のブラジル在住の方ですね。皇太子殿下のヴィオラと愛子さまのヴァイオリンは石井高さんも作られたと聞いています。


鈴木政吉の息子の鈴木喜久雄が「日本製ヴァイオリン第一号由来」という記事を書いています。この記事には事実と違うと思われる内容も含まれるのですが、以下引用します。

「ヴァイオリンの材質に何の木が使われているのか判らなかった。樹木について
は相当の知識を持っている父は、塗料の塗られていない胴の裏を拡大鏡で調べ、杉材らしいと想像したが、さて、胴の表板と裏板を結びつけている細い一本の棒柱である魂柱がどんな役目をするのか、また、表板の中央に、二本平行して切り抜かれてあるf字孔が単なる飾りであるのかどうか全く見当がつかなかった。

こうした数々の疑問を抱きながら、父は早速、ヴァイオリン作りをはじめた。用材は杉を選んだ。はっきり杉だという自信はなかったが、杉の板目を使い三味線作りの道具を使って一ヶ月近くもかかって仕上げた。」

(政吉はこのとき魂柱を接着してしまっており、また指板と表板が接触するよう
 に作ってしまった)

「父が作ったこのヴァイオリン第一号は今日まで六十七年の間、いまだに音の
出ないまま私の家の家宝として保存されている」ということです。

まだ2台目は橡(とち)の木を使って作ったが「甘利先生のヴァイオリンの音と比べるとひどく音色が悪」かったそうです。3台目以降は木材などいろいろと分かってきてかなり良くなったということです。

大野木論文を見直したところ、鈴木喜久雄が東京で自分の住居でバイオリン製作を行い、その後疎開地として木曽福島を選んだことが木曽福島の工場が独立していくきっかけとなったようです。最初から喜久雄が主体となって木曽福島に工場が作られたわけですね。


たくさん、情報ありがとうございます。
鈴木バイオリンのWebの年表を見ていたら、間違いを見つけました。
ttp://www.suzukiviolin.co.jp/about/library.html

>1936(昭和11年) 戦火が激しくなり岐阜県恵那郡に本社を移転する

とありますが、大野木論文(ソースは鈴木梅雄)によると1945年です。
1936年にはまだ本土に戦火はありませんね。

[47007]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 いろんな [2013/07/12 21:16:28]

人が作ってるよ
ttp://www.manfio.com/index_files/Page304.htm

[47006]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 たく [2013/07/12 17:33:33]

面白い楽器ですね。びっくりしました。

以下のサイトでは白黒で解りずらいのですが、catgutさんご紹介の写真はかなり鮮明ですね。裏板や横板見ることができれば、色んな発見ができそうです。1887年製となっていますので、政吉28歳の時の作品なのでしょう。

www.suzukiviolin.co.jp/about/story1.html

[47003]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/11 17:23:02]

鈴木政吉第一号の鮮明な写真がこんなところにありました。

鈴木バイオリンのアメリカ向けサイト
ttp://www.nagoyasuzukiamerica.com/instruments.html

[47002]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/10 23:49:13]

以下に皇太子殿下の政吉自作を紹介する中日新聞の転載がありました(写真あり)。

ttp://www.suzukimethod.or.jp/topics/topicsList/category8/post_71.php

以下一部引用

調査によると、このバイオリンは、本体の共鳴箱の長さが三百五十八ミリ。十八世紀イタリア製のバイオリンの名器ストラディバリウスを手本に、アカモミやカエデなど現在では入手不可能な高級輸入材を用い、入念な作り。よく手入れされ、響きも上質という。本体内部に一九二六年製の政吉自作を示すラベルと直筆サインがあり、パフリングと呼ぶ象嵌の特徴から政吉製と断定された。


また、大正期『名古屋新聞』 音楽記事索引 試行版が愛知県立芸術大学「鈴木政吉」プロジェクトチームによって公開されていました。

ttp://www.aigei-library.blogspot.jp/p/kijisakuin.html

大正期『名古屋新聞』音楽記事索引は、愛知県立芸術大学「鈴木政吉」プロジェクトチームのもと、大正年間に『名古屋新聞』に掲載された音楽記事を集め、その索引をリスト化したものです。

[47001]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/07/10 9:00:57]

昭和6年の新聞で1ヶ月ほどで木質を変える技術が済韻であることは語られています。
ttp://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00078675&TYPE=HTML_FILE&POS=1

国産ヴァイオリンの第一人者たる名古屋の鈴木政吉翁が大正十五年令息鎮一氏のドイツより入手して来たガルネリウスを研究して遂にその秘密を発見し、これに基いてヴァイオリンを製作してドイツ楽壇に発表してセンセーションを起した爾来同氏はこの方法を他の楽器、セロ、マンドリン、ギター、三味線、琴、尺八、横笛に応用することに苦心して最近漸く成功した、即ちこれ等の楽器の新しい中は音が堅く且音量が乏しく本来の妙音を発するには数十年の永い間弾き込まねばならなかったのを、鈴木翁が約一ヶ月の工程により容易にかくの如き妙音を出すことが出来るようになったので鈴木翁はこの方法を「済韻」と名づけ一般の求めに応ずることになった

[47000]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/07/09 22:35:25]

なお、済韻の正体が電気バイブレーターであることを明かしているのも

大野木吉兵衛「楽器産業における世襲経営の一原型」です。

鈴木家の複数の方に取材したもので、鈴木バイオリンの経営に関する論文ではこれまでに最良のものだと思います。

該当部分を引用します。

「電気バイブレーターで木質をいじめ、人為的にそれを枯らす”済韻”の極意を、
梅雄は秩に伝えなかった。否彼は、選び抜かれた良木の、長年にわたる自然の枯れこそが、バイオリン不可思議の神秘だと感得して、息子には”済韻”の委細を語らなかった。そして秩には、いまや名器志向に賭けた祖父執念の軌跡のみが、淡々と伝わっているのである。」

鈴木の木曽の工場(後の木曽鈴木)について腑に落ちないのは、戦争末期の時点工場はすでに実質的に鈴木喜久雄の経営下にあり、梅雄が経営する本体とはすでに分離されているように受け取れる点です。兄弟間での受け持ち範囲の合意でもあったのでしょうか(木曽の工場は少なくとも喜久雄、鎮一、士朗が経営にかかわっている)。

[46999]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/09 20:52:51]

念のため、46988の英文を私なりに訳してみます。

Built in 1941, the instrument resembles 18th-century Italian models.
'It is well made, but unfortunately does not sound good,' Murata commented.
'With better materials he could surely have made excellent violins.'

1941年製のその楽器(政吉自作)は18世紀のイタリア製に似せて作られている。
「それはよく出来ていますが不幸にも音が良くありません」と無量塔氏はコメントした。「もっと良い材料があれば確実に素晴らしい楽器を作れたでしょう」と述べた。

[46998]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/09 20:33:29]

SP2氏、意味がわかりません。
無量塔氏自身の発言であるとソースを示しましたがそれ以上に何を期待されたのでしょうか?いったいどこでつっかかったというのでしょうか?

[46996]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/09 19:48:25]

Rioさん、たくさん、情報ありがとうございます。

鈴木バイオリン製造とのちの鈴木バイオリン社(木曽鈴木)が財閥解体で分離されたというのはまったく間違いだと思います。

財閥解体のリストにも鈴木バイオリンはなく、昭和20年には従業員わずか120人の中小企業でした。

大野木吉兵衛(楽器産業における世襲経営の一原型)によると

-----
戦争末期に木曽福島町の分工場を主宰した叔父の喜久雄は、戦後はそれを「鈴木バイオリン楽器会社」(工場長=士朗)として運営したが、時流に踊る昭和二六年のストライキを浴びて破産し、喜久雄も遂に手を引く破目となった。同社はその後、過激派を除く組合員により再建されて、同名他者の「(有)鈴木バイオリン社」となり
-----
ということです。債務を引き継いでもらう代わりに「鈴木」の名前を使うことを許したようです。(楽器の事典 ヴァイオリンによる)

その後の木曽鈴木については陳昌鉉の「海峡を渡るバイオリン」でやや厳しく描かれています。

「(木曽)鈴木バイオリンのバイオリンは薄く製材した板を金型にはめ、電熱と圧力で湾曲をつけて部品を作る、プレス・バイオリンと呼ばれるものだった。私が山中で拾ってきた木材を製材所で薄い板に製材してもらい、それをバイオリン工場に持っていくと社長は喜んでくれた」

すべてのグレードでそうだったわけではないのでしょうが。

[46995]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 たく [2013/07/09 17:08:34]

木曽町のホームページに、昭和20年前後の鈴木ヴァイオリンの経緯について書かれていますが。

www.town-kiso.com/kisogaku/1336/001340.html

[46994]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 検索好き [2013/07/09 13:53:31]

検索好き(=ヴァイオリンとフルートのRio)です。

誤字があったので投稿し直しました。

46985の記事では財閥解体はなかったように書いてありますが、Wikipediaの「鈴木バイオリン製造」の項によれば、財閥解体があったと書いてありますね。もちろん、Wikipediaの記載が信用のおけるものかどうかは分かりませんが。

[46991]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/09 7:04:31]

おやおや、SP2氏がコメントを消されてしまいましたね。無量塔氏の所有する政吉作についての情報ソースを尋ねられたので答えたのが46988です。

本記事は一時PDFで無料公開されていたのですが現在はないようです。

[46989]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/08 22:36:55]

政吉自作は数が少ないと思われることもあり、プロが公開演奏で継続的に弾いていたという話は私は知りません。

政吉自作の最上位モデルは昭和初期に1000円から1200円で売られていたので、現在の価値では300万円前後だったことになります。

工場製については、1905年に貴志康一のおじが購入した鈴木のNo.6を、貴志康一が「ラーク」という愛称をつけて1921年(12歳頃)から1926年(17歳頃)まで愛用し公開演奏にも使ったそうです。その後貴志康一は宮本金八、ストラディヴァリ(キング・ジョージ)などに代えました。

[46988]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/08 22:09:14]

満州の件はご本人から直接聞きましたが、政吉自作のヴァイオリンの件は
Strad誌2008年5月号のP63からの引用です。MARGARET HEHLさんが無量塔蔵六氏にインタビューした内容です。

以下引用

Built in 1941, the instrument resembles 18th-century Italian models.
'It is well made, but unfortunately does not sound good,' Murata commented.
'With better materials he could surely have made excellent violins.'

[46986]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 ヴァイオリンとフルートのRio [2013/07/08 21:10:11]

 コッピアルディと言う作家が皇太子殿下のためにヴィオラを製作したと記憶していますが、殿下のメインの楽器かどうかは分かりません。高松宮殿下から贈られた楽器は遺品のようなものですから、大切に保存されていてあまり使われないのではと拝察致します。

 高松宮殿下が皇太子殿下のためにと依頼したのであれば、政吉氏の製作時の力の入れ方も違ったことでしょうから、逸品であることが期待できます。逆に一般に出回ることはあり得ませんから、値段は付きませんよね。

 ところで、鈴木政吉氏は鎮一氏と共に日本におけるヴァイオリンの普及に大きな功績があったことは確かであると思います。ただ素朴な疑問ですが、現役の演奏家で政吉氏の楽器を講習の面前で弾いている人は居るのでしょうか。また、政吉氏の楽器は、一般的に人気のある新旧のイタリアンなどよりも優先的に使いたいと思える楽器なのでしょうか。

[46985]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/07/08 0:45:25]

無量塔蔵六氏所有の政吉作はたまたまなのか無量塔氏によると音は良くないそうです。

大正時代までは鈴木はトヨタやヤマハのような日本を代表する企業でしたが、戦後木曽鈴木が分社しむしろライバルとなった経緯がいまひとつ分かりません。

すでに財閥として分割されるほどの規模でもなかったし戦時中に亡くなった政吉の相続問題でもあったのでしょうか。

[46983]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 pochi [2013/07/07 22:17:38]

○美術品としての日本刀(有名刀匠のもの)は、刃を付けてダンボールを切ると刃こぼれするものも多いと思います。

皇室関連の献上品なら、

○皇室御用達のお菓子が美味しいかどうかなんて、あまり興味はありません。

○演奏するための楽器ではなく、美術品としての価値しかないのではないでしょうか?

○製作者に関しては、その腕が当時一定のレベルにあった、というのは当たり前でしょうが、製作者の腕よりも、政治力の方が問題になるのではないでしょうか?

○皇室ゴムで作ると、音は満足に鳴らないでしょうから、他人への迷惑が減りますね。

コータイシデンカのヴィオラ演奏は、蛇慰安の歌と性質は同じ方向性で、より悪質だと思います。本人も裸の王様(裸のコータイシデンカ)ではなく、薄々は気が付いているでしょう。

[46965]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/29 18:15:56]

ちなみに鈴木を含む国産ヴァイオリンの資料は無量塔蔵六氏が多数集められており、出版したいのだが出版してくれるところがないとおっしゃっていました。

鈴木のヴァイオリンについては一時満州で製造したことがあるのではないかともおっしゃっていました。

[46963]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/28 23:31:36]

鈴木政吉関係の文献を読んでいると、政吉は実業家というより発明家で、新しい製造機械や新しい楽器の発明に力を入れていたことが感じられます。

国産の安価な木材を利用したこと(高級品は北海道のアカエゾマツと和歌山のカエデ、普及品にはツガやトチを使ったとも)適切な人工乾燥で必要な量を確保したこと、機械加工で省力化した(鈴木いわく全体工程の6割程度)ことなどで低価格で安定した品質のヴァイオリンを大量生産しました。

戦後は関係会社も含めておよそ200人程度の社員で大量生産する必要があり、(現在の鈴木バイオリン製造は社員30数人程度、他に関係会社の恵那楽器でも製作)高度成長期の普及モデルでは、ペグ、テールピース、エンドピン、あご宛、スクロールの一部もプラスチックが使われ、具体的にははっきりしませんがボディの加工にもプレス加工を使用したと言われます。塗装もいわゆる化学塗装が使われました。

個人的にはこの頃にこそ入門モデルとしてプラスチックボディの分数楽器の安価なモデルを確立し、自動調弦または調弦支援機能を開発できれば、その後の安価な中国製ヴァイオリンと少しは対抗できたのではないかと思います。

[46962]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/28 12:35:03]

なるほど、外見上は普通のヴァイオリンで素材が硬いゴムのようなものだったかもしれませんね。

戦後のNo.280のスクロールがプラスチックだと気付いた時には少し驚きました。

[46961]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 Xin [2013/06/28 9:06:44]

鈴木政吉は、丁寧に高級品を作ることよりも、大量生産手法を確立したと思っています。

ゴムと聞くと弾力のある柔らかい材質を思い浮かべますが、加硫によってはエボナイトのように硬い物質にもなります。
エボナイトはエボニーに似た性質で、硬くて楽器の一部にも使われたことがあります。
エボナイトトならば、シートをプレス成形でバイオリンの形にして、大量生産が可能になるのではないでしょうか。
スクロールもプレス成形で大量の生産できます。

以上は私の推測です。

[46960]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/28 0:10:24]

それはゴマフアザラシ。

鈴木政吉が発明したと思われるスクロール自動削り機械と表板・裏板の自動削り機械は、2008年5月号のStrad誌P63にかなり鮮明な写真が載っていました。

初期のものかもしれませんが、表板・裏板の自動削り機械は外見は木工旋盤のようで、動力で回転するドリルビットのようなもので板の形に沿ってスライドして削っていく装置のように見えます。

[46959]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 モキュモキュ [2013/06/27 22:33:35]

護謨布
  _____
 /     \
`/ ̄  ̄    \/|
|●o●)     ノ
(Ξ_人_Ξ  ___ ヽ
`ー―――\)  \|
モキュモキュ!

[46958]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/27 12:07:55]

鈴木政吉の父親は侍株を買って武士になりましたが貧しかったので三味線を作り、政吉も三味線の製作者として一人前になったそうです。

三味線(ないし本来の胡弓)を参考にしたかもしれませんね。ゴム製なので劣化が激しく現物が残らなかったのでしょうか、私は見たことがありません。

[46957]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 ヴァイオリンとフルートのRio [2013/06/27 12:01:29]

本題から少々それますが、新案ヴァイオリン(護謨布製)について考えてみました。

三味線の皮は猫の皮だそうですが、合皮のものもあるそうです。合皮は布地に樹脂を塗布したものなので、布地とゴムを合わせたものか、あるいはゴム、布地、ゴムを三層にしたものを表板や裏板の代わりに用いたものではと思います。

ゴムの弾性はプラスチックの弾性とは異なるし、単なるゴムの場合、むしろ制振性があるので、疑問は残りますが、架橋させて硬度を増すこともできますので、あるいはと言う気がします。

あくまで想像です。

[46956]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/25 23:28:09]

戦前の楽器の広告を掲載されている方のブログを紹介します。戦前の鈴木のヴァイオリンのグレードによる仕様の差がわかります。

ttp://blog.goo.ne.jp/1971913/e/b070012e796346ce7370cc8c20fbd0b9

新案ヴァイオリン(護謨布製)
A 金 貮円
B 金 貮円五拾銭

とありますが、ゴム布製ヴァイオリンとはいったいどのようなものだったのでしょうか。

ttp://blog.goo.ne.jp/1971913/c/f791b5ea65f396eb53d4b20b598b56c3/1

明治三十五年(一九〇二年)と推測されるカタログでは、当時の低グレード品は弓やケースは別売り、高グレード品には弓やケースが付属していたことがわかります。

1923年4月のカタログのところには、当時の鈴木の広告画像が掲載されています。これを見ると当時の鈴木ヴァイオリンには「ストラディヴァリウス型」「アマティ型」「シュタイナー型」があったことが分かり、グレードによって色とオールド仕上げの違いがあったことがわかります。W5号がアマティ型だったとは知りませんでした。

[46955]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/25 0:54:42]

講演の情報がありませんね。[46950]のPDFの記事以外の内容はなかったのでしょうか。

ついでながら1930年に鈴木梅雄は当時の鈴木のヴァイオリンの製造方法を以下のように書いています。特に気になった点だけ書きます。

・木材は最低3ヶ月人工乾燥を行う(無水状態の華氏90度から120度で)
・側板はお湯で煮て柔らかくなったところで型で挟み、湾曲させる。
 (宮本金八も同じ方法)
・ニスはオイルニスで、ヴァイオリンに塗る回数は5度ないし8度。
 (オイルニスについて個人的にはやや疑問)
・号数は最初から完全に決めて作るのではなく、製造中に選別を行い最終的
 な号数を振り当てる。

[46954]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/23 23:40:54]

一方的に情報を求めるのも良くないので、鈴木政吉が最初にどのようにヴァイオリンを作ったかについて述べてみます。これは鈴木政吉の親族でさえ証言に差があり、事実があまりはっきりしません。当の本人は以下のように書いています。

「狂人とまで謂はれて楽器の製造に苦心したる予の経験」
によると

恒川鐐之助からヴァイオリンを習ったが、日本では製造できないと速断(ママ)してしまった。

「処が、其の後フト内国製のヴァイオリンが眼についたので、西洋楽器も
日本に於て製造の出来ないものでないという事を知った。さうなって見ると、一日も早く拵へて見たくてしやうがない。で、内国製のヴァイオリンを手本として模造に取りかかった。いろいろと工夫に工夫を重ねて、翌年の春、どうやら、こうやら、型ばかりのものを拵へた。」

ということで、本人によると国産の先行するヴァイオリンを手本に、それなり
の日時をかけて作ったということです。

もちろん着手してからの最初の試作品はよく言われるように1週間程度で作った
というのも事実かもしれません。

また鈴木鎮一が1922年頃ドイツで入手した「グァルネリ」は、メッケルの鑑定書によるとベネチアのピエトロ・グァルネリの作品で2000円(現在の価値で600万円程度)で購入したものです。ドイツで激しいインフレの時期で、その数日前までは為替レートでその倍額でした。のちに鈴木政吉がこれを見て、裏板が厚いのにすばらしい音がすることを不思議がり、自作の参考にしたようです。皇太子殿下のヴァイオリンもその成果が使われたのではないでしょうか(鈴木鎮一は1925年に一時帰国している。皇太子殿下の政吉自作ヴァイオリンは1926年作)。

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Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/22 21:38:19]

私は所用があって残念ながら行けませんでしたが皇太子殿下も来られていたそうです。

松下敏幸氏の講演内容について聴講された方がいましたら概要をよろしくお願いします。

[46951]

Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/06/21 21:36:36]

ちなみに政吉自作と確認されているものは2つだけと記事にありますが、最低限最初に作って鈴木家が所蔵するものと無量塔蔵六氏所蔵のものがあり、今はありませんが数年前にネット上で真作と思われるのを見たことがあります。

また済韻は電動バイブレータで木材を振動させたものだそうです。

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Re: 皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

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 catgut [2013/06/21 17:25:14]

レクチャーコンサートの案内と関連記事です。

ttp://www.gakushuin.ac.jp/univ/ua/new.html

ttp://www.gakushuin.ac.jp/univ/ua/museum%20letter/ml22_02.pdf
ttp://www.gakushuin.ac.jp/univ/ua/museum%20letter/ml22_04.pdf

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皇太子殿下のヴァイオリンは政吉自作

[楽器・付属品]
 catgut [2013/06/21 15:02:56]

ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062102000235.html

 皇太子さまが故高松宮宣仁(のぶひと)親王(一九〇五〜八七年)から贈られ、愛用されているバイオリンが「日本のバイオリン王」と呼ばれた鈴木政吉(一八五九〜一九四四年)の逸品であることが分かった。

ということで明日目白の学習院で無料のレクチャーコンサートがあるそうです。

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