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ジェラール・プーレの奏法について | ヴァイオリン掲示板

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ジェラール・プーレの奏法について

投稿日時:2012年02月01日 19:25
投稿者:catgut(ID:QQZYYwI)
先週金曜日に音楽の友ホールでジェラール・プーレのコンサートを聴きました。このコンサートではプーレ氏自身の奏法について語っていましたので紹介します。

以前「ハイフェッツの音量は小さかった」という話をしましたが、プーレ氏の音量も小さめです。普通に弾いている時も弓をかなり傾けて、毛が弦に当たる量を少なくしています。ある意味「古い奏法」でしょう。

プーレ氏は以下のような話をされていました。

・最初はハイフェッツの真似をしていた。しかし誰かの奏法の真似をすることは自分の個性を殺す危険なことだと気づいた。

・最初はフランコ・ベルギー系の奏法で教育を受けた。このときは上腕を上げないように指導された。現在は自由に上腕を上げて「空気を含む」ような音作りを心がけている。

・現在の自分の奏法はシェリングの指導の影響が大きい。自分はシェリングを経由してカール・フレッシュ系の奏法だ。

・シェリングはポルタメントを好まなかったので、自分もそれが良いと考えている。

私はこの奏法は個人的にかなり好みです。
【ご参考】
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Re: ジェラール・プーレの奏法について

投稿日時:2012年02月02日 18:47
投稿者:イカテン(ID:EQWXV0A)
私も出かけました。あと付け加えますと、一流とは?ということもおっしゃっていました。ヴァイオリンを勉強するものも愛聴家にもとてもためになる言葉、演奏をされました。

ソナタは、そんな古い方法でしっとり弾かれていましたが、後半のクロイッチェルなどは力強い芯のある素敵な音色も奏でられていました。

プーレ師の講習会に出かけたりしましたが、まったく奏法の違う受講者で
師も「何も教えることはないです。」とおっしゃっていました。

最近、いろいろな名家の講習に数多く参加される生徒さんも少ないのですが、ただ経歴取りのためではなく、せっかく教わるのだからその先生をよく理解されて参加すべきだと思いました。
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Re: ジェラール・プーレの奏法について

投稿日時:2012年02月05日 21:15
投稿者:catgut(ID:NpJ1MRU)
イカテン様も聴かれましたか。大変興味深い話でしたね。ドビュッシーのソナタにミュージックソーの弾き真似が入っているというのも面白かったです。

プーレの絶対音量は小さめですが、迫力を感じました。彼のレクチャDVDも見たのですが「弓は弦に対して垂直方向ではなく水平方向に圧力をかけなさい」と言っていました。なかなか微妙な表現ですが分かる気がします。

世の中の奏法を無理やり2つに分けると、
・絶対音量がないかわりに柔らかい音を至上とする美音型
・絶対音量を重視してヴァイオリンを鳴らしきろうとする迫力型

の傾向があり、それぞれの奏法で向く楽器や弓、セッティングが異なるのだろうと思います。プーレが師事したのはフランチェスカッティ、メニューイン、ミルシテイン、シェリングということで、私のイメージにも合います。
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Re: ジェラール・プーレの奏法について

投稿日時:2012年02月06日 09:46
投稿者:イカテン(ID:EQWXV0A)
catgut様

私もまったく同感です。こちらでも弓の持ち方や指弓などの論議の戦いなどが見受けられましたが(笑)

自分の信念を貫き通してよかったと思いました。

こだわりは、音楽性と音色でありその次にテクニックであるとも。。。

またハイフェッツは、パガニー二をあまり弾くことはなく序奏とロンド・カプリチオーソなどを好んで弾かれたそうですね。

私は時代にそぐわないタイプかなと思い悩んでいましたが、
伝統奏法の伝授と考えると今の現在にそぐわなくても
ヴァイオリニストの個性を守るためには、こういう日本人の学ぶ者がいても
おかしくないのではないかと誇張するくらいとても嬉しい出会いでした。

また、どこかでcatgut様と出会えるといいですね。