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良質な楽器ほど弦が長持ちするという説 | ヴァイオリン掲示板

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雑談・その他 8 Comments
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良質な楽器ほど弦が長持ちするという説

投稿日時:2004年10月08日 23:20
投稿者:ジョップリン(ID:JGB1U0A)
ヴァイオリンの研究が好きな友人が「良質な楽器ほど、弦が長持ちする傾向がある。だから、弦が長持ちする楽器は、良質な楽器だと言えるのではないか。」と語ってました。
質の悪い楽器では、1ヶ月程度しか持たないドミナントでも、良質な楽器だと2~3ヶ月は余裕で使える、という傾向があるとのことです。その友人は大手楽器店Yの弦楽器コーナーで働いているのですが、お店に展示している楽器の弦は、コストが安く長持ちするということと、定番であるということでドミナントを張ってあるそうです。でも、あまりしょっちゅう張り替えるわけにいかないので、切れない限りは、半年くらいは張りっぱなしなのだそうです。
そうした展示楽器を、日々の業務の中で見ていて、安価で質の悪い楽器だと、弦が古くなってくると明らかに音が悪くなる感じがするけど、高価で質の良い楽器だと弦が古くなってもあまり音が悪くならないという傾向があることがわかったそうです。
友人のこの説を拡大解釈すると、ストラディヴァリウスやガルネリウスといった名器だと、ドミナントでも半年くらい持つ、ということになるでしょう。友人によると、ドミナントではないけど、ストラディヴァリウスにオリーヴを張って、1年近く持たせる人もいる、という話を聞いたことがあるそうです。
私は、「質の良い楽器ほど、弦の劣化に敏感で、弦が古くなると、それに比例して音が悪くなる。質の悪い楽器は、弦が新しかろうが古かろうが音が悪いので、弦の劣化の影響を受けにくい。」のではないか、と思っていたので、友人の説を聞いたときは意外でした。
私の友人の説に関して、みなさんはどう思われますか?
【ご参考】
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Re: 良質な楽器ほど弦が長持ちするという説

投稿日時:2004年10月09日 11:48
投稿者:指マッフ(ID:F3h0BBc)
僕の先生(男性)は、プロオケ奏者です。ヤナリウス・ガリアーノという楽器に、オリーヴを張ってますが、E線以外は、年に2回しか交換してないそうです。先生は毎日5時間以上は演奏していると思われます。
僕は新作イタリアンに、先生と同じオリーヴを張ってますが、4ヶ月ぐらいしか持ちません。切れてだめになるわけではないのですが、発音がぼやけてきて、やな感じになるのです。僕は毎日2時間くらいしか練習してませんので、先生の演奏時間の半分以下ですが、弦は先生ほど長持ちしません。
汗の量とか弾き方にも影響されると思いますが、先生が持ってるような高価な楽器だと弦が長持ちするのかも知れません。
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Re: 良質な楽器ほど弦が長持ちするという説

投稿日時:2004年10月10日 02:40
投稿者:pochi(ID:SEJpkgA)
分析すると、

1)楽器の発音の良さ
発音の良い楽器は絃が古くなって発音が悪く成っても弾けます。
2)楽器の高域倍音の多さ
楽器の高域倍音が多いと絃が古く成ると変化を感じ易く成ります。
3)弾き手の耳の高域倍音に対する感度
高域倍音が良く聞こえる人は、絃の鮮度を気にします。
4)弓の噛み具合
良く噛む弓なら絃が多少古くても使えます。
5)音程の取り方
場所でなく、音で音程を取る人は、線密度を然程気にしなくても良いのですが、重音では困ります。
6)蛇足ですが、汗のかきかた。

一概に良い楽器だからと云って絃の寿命が長いとは云え無いと思います。

当たり前の事を書き込んで仕舞いました。失礼。
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Re: 良質な楽器ほど弦が長持ちするという説

投稿日時:2004年10月11日 11:10
投稿者:ジョップリン(ID:NZJYUA)
指マッフさん、pochiさん、お返事ありがとうございます。pochiさんの詳しい解説を興味深く読ませていただきました。
>1)楽器の発音の良さ
>発音の良い楽器は絃が古くなって発音が悪く成っても弾けます。
とのことですが、質の良い楽器であれば、発音の良い楽器が多いですよね。そういう点では友人の説は正しいように思われます。
ただ、
>2)楽器の高域倍音の多さ
>楽器の高域倍音が多いと絃が古く成ると変化を感じ易く成ります。
ということからすると、質の良い楽器でも高域倍音が多いと弦の劣化に敏感になる、ということですね。高域倍音というのは、質の良い楽器ほど多いものだとすると、1)の結果と相反しますね。
高価で質の良い楽器に買い換えたら、弦の交換頻度を少なくできる(=弦代を節約できる)のでは?と期待してたのですが、そうも行かなそうですね。
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Re: 良質な楽器ほど弦が長持ちするという説

投稿日時:2004年10月12日 20:18
投稿者:ター坊(ID:OIc2WTc)
私の楽器は、ドミナントが2~3週間しか持ちませんでしたが、練習時に除湿して部屋の湿度を50%に保つようにしたところ、2ヶ月近くたってもあまり性能の劣化が見られず、まだまだ使える状態です。

他に調整等はしていませんから、湿度は弦の寿命にかなり影響していると思われます。  

楽器による差もあるようですね。ある製作家の方は、明るめの音の楽器
の場合は弦が長持ちし、柔らかめの音の楽器は比較的弦の寿命が短い、とおっしゃっています。
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Re: 良質な楽器ほど弦が長持ちするという説

投稿日時:2004年10月12日 20:38
投稿者:通りすがり・・(ID:NTCWRHE)
横から済みません、
ジェンナロ・ガリア-ノだと弦が長持ちすると言うことは無いと思います。
ナットの溝の掘り方とかペグ穴に面を取るとか、そういうところの違い
では無いでしょうか?あとは弾き方、弦に弓を置かずにぶつけるように
弾いたりすると持ちは悪いと思います。
良い楽器だから弦が長持ちするとか言うことは無いと思いますが、
きちんと良い職人のメンテが行き届いた楽器は弦が長持ちするというのは
あり得る話だと思います。
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素人の仮説です

投稿日時:2004年10月12日 21:16
投稿者:セーブル(ID:JYMCNFY)
弦の劣化とは、様々な要因で弦の重量や形状(密度など)が不均一に変化してしまうことと、摩弦楽器の弦としての表面が変化してしまうことではないでしょうか?

よい楽器だと遠鳴りの音が出せるので、過度に弦に負担がかからず上記の2点について劣化しにくいが、よくない楽器だと、鳴らすのに苦労するかまたは、なりにくいため弓圧が必要だったり、弾き方に何らかの偏りやストレスがあってそれが原因で劣化が進むという仮説はどうでしょうか?

もちろん駒やナット・ペグなど、弦の接する部分の問題も無視できませんが、このスレ題はもっと奥が深く、メンテが高いレベルで行き届いてた上での説ではないでしょうか?
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Re: 良質な楽器ほど弦が長持ちするという説

投稿日時:2004年10月13日 03:29
投稿者:(ID:FlKGJQY)
たんに、楽器の基本性能のおかげで、弦が劣化すれども許容できるレベルの音が持続しているだけなんじゃないんでしょうか?
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Re: 良質な楽器ほど弦が長持ちするという説

投稿日時:2004年10月13日 21:06
投稿者:ジョップリン(ID:M2BCImU)
まず最初に、質問に答えてくださった方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
さて、友人の説を検証すべく、友人に質問したところ、次のような傾向があることがわかりました。
友人が勤めている大手楽器店Yに展示されている楽器は、展示前にナットや駒や糸巻きの調子が悪いものがないかチェックして、調子の悪いものは、そのお店に通いで来ている職人さんに調整してもらっているそうです。なので、どの楽器も最低限のメンテナンスは行き届いているとのことです。
展示楽器の大半は、国内外の新作楽器で、ドミナントを張っているようですが、10万円の楽器だと1ヶ月半ぐらいで音がしょぼくなってくるのに対して、50万円の楽器だと2ヶ月くらいは大丈夫、150万円とか200万円の楽器だと3ヶ月くらいは大丈夫、という具合に、高い楽器ほどドミナントの持ちが良いようです。
展示楽器は、温度25℃前後、湿度45%前後の環境で常時保管されていて、試奏される頻度は、どの楽器もそれほど多くはないようです。時々、点検を兼ねて、店員が調弦・試奏することがあるようですが、半年間の間に1・2回しか、お客さんに試奏されない楽器もあるようです。展示楽器ということもあり、激しく弾かれる楽器は皆無とのことなので、どの楽器も、ほぼイコールコンディションで保管されていると言えるでしょう。
ほとんど試奏されていない楽器同士を比較した場合でも、高価で質の良い楽器の方が、ドミナントの持ちが良い傾向があるとのことです。中には半年以上弦(ドミナント)を交換してなくても、試奏に耐えうる楽器もあるようです。さすがに、E線は、3ヶ月程度で交換しているようですが。
こうした状況からすると、●さんが書かれているような理由があてはまるような気がします。
高価で質の良い楽器には、明るい良く響く音の楽器が多いので、そういう意味では、ター坊さんの書かれているような理由があてはまるような気がします。
友人からは弦(ドミナント)が長持ちする(最低でも3ヶ月以上は持つ)楽器の名前を具体的に教えてもらいましたが、製作者(製作国)や価格帯にバラツキがあって面白かったです。
ちなみに、Y社が製造しているヴァイオリンについては、価格どおり、60万円の楽器が約3ヶ月、30万円の楽器が約2ヶ月少々と、高い楽器の方がドミナントが長く持つようです。この持つ期間というのは、友人が売り物として展示するのに耐えうると思う期間です。実際の店頭では、コストの問題もあって、さらに1ヶ月以上はそのまま弦を張っているそうです。